魔王

Lv1魔王とワンルーム勇者 8巻 - 最高の展開の連続が最高

魔王に再び会いに行く「Lv1魔王とワンルーム勇者」8巻です。めちゃめちゃシリアス展開。いきなり最大級のバトル。そして驚きの展開。すべてが最高でした。

何が最高って、魔王軍のものすげー強かった魔物同士がいきなりバトルを始めるのです。

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1巻より引用。このセリフで出てくるドラゴンとイカが早速出てきます。


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1巻より引用、このお見合い相手候補の左側にいるドラゴンとイカです。


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それが8巻ではこうです。

こんなの最高じゃないですか。当初はギャグメインの作品だったからこそ、お見合い相手にかつて勇者マックスが倒した魔王軍筆頭がいることに面白さを見出していたわけで、シリアス展開になってからこれらのキャラと本気バトルするとか最高に決まっています。もっと言ってしまえば超最高です。


そして大怪我を負って、聖剣をなくしたマックスですが、なんだかんだで勇者の強さそのままでめちゃめちゃ強いのがまた最高。こういうところはブレなくていいですよねえ。

更に更に、8巻の後半では、こんなタイミングで出てくるとは思わなかったキャラまで登場するのです。見方によっては突然のめちゃめちゃなテコ入れとも言えなくはないですけれども、個人的にはこういう展開大好きです。最の高です。

この展開は9巻がどんなものになるか更にワクワクさせてくれます。そして9巻も8月にすぐ発売するようです。アニメ放映に合わせてのことでしょう。期待期待。

最初はもしかしてドラゴンとイカの戦いで終わっちゃうのではとも思ったのですけど、しっかり話が展開して良かったです。ホント面白いなあこれ、アニメはどうなるんでしょうねえ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


5巻の感想はこちら(勇者パーティの争いが終わったら今度は魔王軍だ)
6巻の感想はこちら(魔界デートするし魔王四天王は勢揃いするしで魔界編スタート)
7巻の感想はこちら(本気の勇者マックスが見れるのは初めて)


Lv1魔王とワンルーム勇者 8巻 (FUZコミックス)
toufu(著)
芳文社 2023-07-03T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥644




平穏世代の韋駄天達 7巻 - Web掲載分がそろそろ終わりそう

天原先生原作のWeb漫画を正式にコミカライズした「平穏世代の韋駄天達」7巻です。この巻でWeb掲載分がほぼ終わりに近づきます。7巻のあとがきにも、ようやく次巻からWeb掲載されていた続きが読めますとのことです。

Web版はこちら。
平穏世代の韋駄天達

改めてWeb版を読むとまだ5話くらい残っているので、8巻の最後らへんがWebの続きになりそうです。

そしてWeb版読んでやっぱり面白いなと思ったり。

6巻までって割りとバトル要素が大きいんです。それに対して7巻は魔族が逃げて潜って、韋駄天の裏をかいてやろうという知識バトルになります。そういったあたりの展開だったり設定だったりがやっぱりお上手、面白いです。


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「…し…思考があまりにも先を行き過ぎてて……正直気持ち悪いレベルだわ…」

作中キャラにこう言わせるのが良いかどうかはおいておいて、実際色々先を見据えた展開になっています。魔族と韋駄天の設定も凝っているし、魔族は実は人間無しでは種族を残せないところとかも生物として矛盾していていい感じです。

単純に魔族だから悪ではなく、韋駄天も決して善ではなく、むしろ魔王も韋駄天だしと勧善懲悪じゃないところもグッドです。こういう話好き。


何にせよ、7巻まではあくまでWeb版の焼き直し、続きは8巻からなのでいよいよ楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆


5巻までの感想はこちら(天原先生のWeb漫画原作を商業化した作品)
6巻の感想はこちら(クーデター編完結)


平穏世代の韋駄天達 7 (ヤングアニマルコミックス)
クール教信者(著), 天原(著)
白泉社 2023-02-28T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥660


Lv1魔王とワンルーム勇者 7巻 - 本気の勇者マックスが見れるのは初めて

表紙の通り勇者マックスとアスタロトが大激突する「Lv1魔王とワンルーム勇者」7巻です。

面白い。シリアス展開が9割なのはちょっとどうかと思うけれども、それを覆すくらい面白い。

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戦闘描写が約半分を占める7巻なのですが、しっかりとどんな風に動いているのか、どんな駆け引きが起きているのかわかります。

また、これまでワンルームその日暮らしの超無精ものであるマックスが、しっかり勇者としての実力まだまだ備えていることがわかるものとなっています。その全力の戦いが面白い。

これまでも端々に見える内に秘めたる強さだったりは幾度か描写されてきましたけれども、ここまで本気のマックスというのは初です。

そしてそれに敵対するアスタロトが反則なくらい強くて実にいいです。強敵は強敵たる強さをもつべしとはまさにこのことかと。


戦いのあとは話が大きく動きだしますし、アスタロトがどういった意図でマックスに粉をかけていたのかも明らかになってきます。なんだかんだ、昔のJRPG好きとしては、こういう展開が嬉しいのです。

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魔王軍が出てきてから、序盤にお見合い相手として紹介されたキャラが出てくるのも好き。このために7巻を読んですぐに1巻を読み直してしまいました。

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1巻より「このドラゴンとイカはよく覚えてるぞ ものすげー強かったから」

このあたりのコマとか凄い好きなんだよなー。この前のページにお見合い相手のドラゴンやらイカやらが出てきてて、その直後のセリフが「ものすげー強かったから」なんだから。敵ながら敬意を払っている(のか?w)が見えて素敵です。

で、直前にコマを貼った女キャラはそのお見合い相手の一人なわけです。こうしてキャラを回収して再登場させていくのも面白い。


話も大きく展開してきて、8巻も物凄く楽しみになってきました。正直5巻6巻と比べて一気に面白くなってきた感があります。次巻も期待!


眠気覚め度 ☆☆☆☆


5巻の感想はこちら(勇者パーティの争いが終わったら今度は魔王軍だ)
6巻の感想はこちら(魔界デートするし魔王四天王は勢揃いするしで魔界編スタート)
8巻の感想はこちら(最高の展開の連続が最高)


Lv1魔王とワンルーム勇者 7巻 (FUZコミックス)
toufu(著)
芳文社 2022-10-03T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥644


平穏世代の韋駄天達 6巻 - クーデター編完結

天原先生原作のWeb漫画を正式にコミカライズした「平穏世代の韋駄天達」6巻です。この巻でクーデター編が終わります。

たぶん7巻でWeb漫画の分が終わりですかね、このペースだと。早くその先が読みたいのでもうちょっとだけ待ちましょう。


さて、6巻はクーデター編が終わるので、リンがあんなことになったり新しい韋駄天が出てきたり魔族のほとんどがあんなことになったりします。

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この作品の良いところは、主人公達である韋駄天が神の存在であり圧倒的な力を持っているのに対し、敵対勢力である魔族が挑戦者であるところが面白いと思うのです。

ブランディ対リン戦もまさしくその形で表現されていて、とにかく適当に戦ってればリンに対してブランディはあらゆる手を考えて対抗していきます。

その展開がどうしても「忍者と極道」のそれとも重なってしまって、だからやっぱり面白いのかなと再認識したり。

最近こういう、敵が弱者だけど挑戦者ポジションになって挑んでくるのが凄く好き。昔ながらの主人公が弱者で成長するジャンプ形式ももちろん悪く無いんですが、敵が弱者の場合そもそも敵の方が魅力的なことが多くて良いんですよ、カッコいい。


そしてこの「平穏世代の韋駄天達」が面白くなるのってまさしくこのあとだと思うんですよ。逃げ切ったミクが色々と暗躍してあんなことやこんなことになっていくところが最高。次の巻からこそ期待。


眠気覚め度 ☆☆☆


5巻までの感想はこちら(天原先生のWeb漫画原作を商業化した作品)
7巻の感想はこちら(Web掲載分がそろそろ終わりそう)


平穏世代の韋駄天達 6 (ヤングアニマルコミックス)
クール教信者(著), 天原(著)
白泉社 2022-06-29T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥660


Lv1魔王とワンルーム勇者 6巻 - 魔界デートするし魔王四天王は勢揃いするしで魔界編スタート

いつの間にかアニメ化が決定していた押し掛け妻魔王の「Lv1魔王とワンルーム勇者」6巻です。

ついつい1巻から読み直してしまったのですが、単なる出オチだと思ってたスタートから単なる世話焼き魔王の話と思いきや、勇者パーティ同士の戦いというシリアスシーンを経て今度は魔王軍との政略いざこざになるというなんとも思わぬ展開です。

これは正直、アニメ化すると展開にメリハリが付きすぎて大丈夫だろうかと余計なお世話を考えてしまいます。やるとしたら4巻までの話くらいで終わりそうだし、1クールの前半と後半で全然違うノリに見えてしまうんじゃないだろうか。

さて、6巻では舞台が遂に魔界へ移ります。もうワンルームにこだわる理由無くなってきてしまったな。

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「通称「魔界の大穴」 あれこそが魔界の玄関口です」

この魔界、人間のいる国から海を隔てていて、しかもこの大穴の中に存在するといいます。

その設定を見て真っ先に思い出したのが、秘書ゼニアの設定。彼女は一切魔力を持っていないため特殊な移動が出来ません。だのに1巻では、魔王が勇者のワンルームから戻ってこないために三日三晩掛けて勇者マックスの家に辿り着きました。

ということは、この大穴を越えて、海をその身で渡りやってきたんですね。そりゃ到着してもボロボロになるわ。


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1巻より。交通機関とかもうそういう問題じゃないでしょw


そんなこんなで、魔王と共に魔界デートして遂に一線を越えたりして復活祭と称して結婚式まがいのことまで一気に展開した6巻です。

そんな2人に水を指すように各四天王が色々と暗躍し始めてるのがまたシリアスの匂いをぷんぷんさせます。既にアスタロトは5巻で大暴れしてますし、7巻への引きで大暴れしそうな緊迫感です。名前は出ていないけれどもおそらく竜魔兵団筆頭のベヘマスも出てきてて四天王勢揃い。

でもアスタロトは魔族の為とか魔王のためとかじゃなくて、単純に魔王に心酔してるからこその行動なのは人間臭くていいですな、やり方はどうあれ。

そして魔族世界も真っ当に生活基盤が出来ていて、正直人間と魔族でなぜ争っているのかわからないくらいです。普段魔王と勇者が良い感じに乳繰り合ってるから人間と魔族が共存できるように見えているのに対して、やたらと人間と魔族には軋轢があるように表現しているのがまた。こんなゆるい世界でいいなら、共存して悪いやつだけやっつける世界がいいなあ。

シリアスも多々あるものの、いつものようなゆるいネタ描写がそこかしこに挟まるのもこの作品の良いところです。すっごく気楽に読めてしまう。

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何故か食レポ(孤独のグルメパロディ?)


というわけで、いつもどおりすんなりラクに読めてしまう「Lv1魔王とワンルーム勇者」6巻でした。アニメ化もしますし、巻数も短いので読むなら今のうちです。


眠気覚め度 ☆☆☆


5巻の感想はこちら(勇者パーティの争いが終わったら今度は魔王軍だ)
7巻の感想はこちら(本気の勇者マックスが見れるのは初めて)
8巻の感想はこちら(最高の展開の連続が最高)


Lv1魔王とワンルーム勇者 6巻 (FUZコミックス)
toufu(著)
芳文社 2022-04-01T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥594


Lv1魔王とワンルーム勇者 5巻 - 勇者パーティの争いが終わったら今度は魔王軍だ

かつて勇者たちが倒した魔王は10年の時を経て復活した。しかし復活直後ゆえにかつての力を取り戻しておらず、勇者たちに倒された他の魔王軍もほとんどがいまだ復活する時を待っていた。復讐を誓う魔王は待ちきれず現在の勇者の所へ向かう。そこにいた勇者は10年ですっかり落ちぶれてしまい、ワンルームで怠惰な生活を送るだけのただのおっさんとなっていた。

そんな「Lv1魔王とワンルーム勇者」の5巻が発売されました。本当は1巻からしっかり読み直して真面目に感想書こうと思っていたのですが、タイミング合わずで5巻が出てしまったのでもう5巻の感想からでいいでしょう。

1話はここで読めます(Lv1魔王とワンルーム勇者)

「Lv1魔王とワンルーム勇者」はいわゆる魔王を倒したあとの勇者は何をしているのかがテーマになります。過去にも「ドラゴンクエストモンスターズ+」でローレシアの王子が破壊神(シドー)を破壊した者と呼ばれるような展開がありましたね。「天空の扉」でも勇者一行は魔王を倒して国に戻ったらパーティ全員が毒殺されたなんて展開も。

が、この「Lv1魔王とワンルーム勇者」の一味違うところは、とにかく勇者を落ちぶれさせてどうしようもないおっさんにしたてあげたところです。つまり、シリアスではなくギャグ調に落としこんだのです。日がな昼間から公園で酒を飲んだり、ネットのエロ動画でマスターベイトしている描写をされたり、お金稼ぎのために動画配信したりするわけですよ。1巻ではとにかくそんな日常を表したギャグ漫画でした。

それが2巻からちょっと毛色が変わり、過去のパーティとやりあいになったりでシリアスっぽく描かれていました。そんな争いが一段落したのが4巻まで。5巻からはまた日常になって新しい展開というところです。

5巻ではいよいよ魔王軍側の面子が目覚めて、勇者と魔王の関係に驚いて勇者を殺そうと動き出します。
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なので7割8割くらいシリアスな展開。戦闘もバンバン発生したりで実はこれギャグ漫画じゃなくてバトル漫画だったのかと錯覚するくらいです。終盤ではさらに新たな魔王軍が出てきて、何故か魔族同士で争うことが始まっていたり。

今後どうなっていくのかな、こういう復活した魔王軍とのシリアスな展開が続いてしまうんだろうか。個人的には1巻で色々管巻きながらだらだらやってる方が好きなんだけど、それだとネタが持たないだろうしなあ。

ただ、まだ巻き込まれ方主人公というのは変わっていないので、巻き込まれながら文句いいながらなんとかしていくスタンスは崩さないでほしいところ。勇者のやる気が基本無いところがやっぱ面白いしなあこれ。

1巻から4巻までは非常に面白く眠気覚め度4か5をつけていいくらいだったのですが、5巻はちょっとトーンダウンした印象です。まだ新キャラのアスタロトはそんな好きになれないのがなあ。まあ過去からの敵対関係を考えると勇者と魔王が仲良くしてるのは面白くないわな。ヘカテは人気出そうな感じしますね。いい感じに暴れて話を回してくれそう。


眠気覚め度 ☆☆☆


6巻の感想はこちら(魔界デートするし魔王四天王は勢揃いするしで魔界編スタート)
7巻の感想はこちら(本気の勇者マックスが見れるのは初めて)
8巻の感想はこちら(最高の展開の連続が最高)




天空の扉 1
天空の扉 1
posted with AmaQuick at 2021.08.02
KAKERU(著)
5つ星のうち4.0
¥110

平穏世代の韋駄天達 - 天原先生のWeb漫画原作を商業化した作品

2021年7月からアニメが始まったばかりの「平穏世代の韋駄天達」です。原作は「異種族レビュアーズ」で一気に有名になった天原先生、作画がクール教信者先生という、どっちも原作持ったり作画したりしてる異色の組合せです。自分たちで作画まですればいいのに何故そんな歪な関係に。。。

なお、この作品は天原先生がWeb公開してたものを正式に作画して商業作品にしたものです。なので実は原作自体がまだWebで見れます。
平穏世代の韋駄天達

ちなみにWeb版原作はまだ完結しておらず、続きが気になるところで終わっています。どうやらこの商業版がそこまで進めばそれ以降の話を天原先生が書かなくてはならない状況になるのだとか。なので頑張れクール教信者先生!続きが読みたいぞ!

最近5巻が発売したのですが、Web漫画の原作では半分を少し過ぎたあたりというところ。7巻か8巻くらいまでは掛かりますかねー、そうなるとあと1年かそこらは待たないとならないかな。

さて、肝心の中身となりますが、説明がなかなか大変なので詳しくはWeb版を確認ください。簡単に書くと主人公たちは韋駄天と呼ばれる神であり、生物の摂理を全て無視しています。寿命は無いし、身体をぐちゃぐちゃにされても死なないし、体重を限りなく無にして超高速移動が可能です。最も長老であるリンは800年間存在していて最強の存在で、全てを破壊可能です。それを達成したのは、不老不死という存在が故の数百年における修行の成果なのです。

そんな韋駄天達の使命はずばり魔族を絶滅することです。が、その魔族は800年ほど前に既に絶滅しています。それから魔族の存在が出てくることはなく、800年が経過するのですが、その間にも4人の韋駄天が生まれてきます。しかし、彼らは魔族と戦う使命を持つものの、戦闘経験が全く無い状態。よって、修行をしなくても問題なく、魔族に対抗する力を持たない韋駄天となります。よって、平穏世代(ゆとり世代)の韋駄天達と揶揄されることとなります。

そんな平穏世代ですが、実は魔族は影でちゃくちゃくと数を増やして力をつけているのです。そうして遂に韋駄天と魔族が遭遇し、平穏世代の韋駄天達にも戦いの機会が巡ってきてしまったというわけですね。実はこのあたりの説明が1巻でされているのですが、一回読んだだけではわかりにくいというか1巻時点は正直言ってそこまで面白くないです。

面白くなってくるのは2巻から。直接魔族との戦闘が始まってからですね。最初から韋駄天最強のリンと魔族最強のニッケルがぶつかるため、最初から最高潮の戦いとなります。
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この辺り、ここのもう少し前の魔族側のやり取りあたりからが面白くなるところですね。戦いが最高潮と書いたはいいものの実はそこまでに至る駆け引きだったり魔族側の思惑だったりするところが一番見所の作品なので戦闘メインではなかったりします。このあと4巻くらいから始まる修行篇も正直微妙だったり。それより魔族側が韋駄天をどうにかしてやろうと画策してるところが面白いです。

で、Web版を読んでいるので先の展開を知っているのですが、おそらく6巻後半かもしくは7巻くらいからやるであろうところが面白くなってきます。そこまで打ち切られたりしなければいいのですが。アニメ化したくらいだから大丈夫かなー。


眠気覚め度 ☆☆☆


6巻の感想はこちら(クーデター編完結)
7巻の感想はこちら(Web掲載分がそろそろ終わりそう)




 

Helck 7巻 - 信頼の上に築くもの、これは最高のシナリオ展開だ!

「俺は人間を滅ぼす。」

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「Helck」は人間の裏切りの末、魔族側に身を寄せることになり、魔族側の立場として人間へ復讐を誓う人間
の勇者ヘルクの物語ですが、この7巻でまたもや激アツの展開となってまいりました。

元々、この作品の中では人間こそが下衆の塊で、魔族はそれなりの一般的な考え方というか、何が正しくて何が不正かを直に判断する集団として描かれています。人間はとにかく魔族を目の仇にして滅ぼすことしか考えていないのに対し、魔族は人間との共存を提唱していることからそれが窺えるでしょう。

これまでの6巻でヘルクの過去の話も掘り下げられ、その悔恨、復讐の思いが如何にヘルクの中に蓄積されていったかが描写されてきました。それがあった上での、ヘルクとヴァミリオちゃんの帝国進軍となるのです。

上記の通り、ヘルクにとっては人間は殲滅の対象としてしか映っていません。心根は本当に優しい、仲魔思いのヘルクにこの感情を植えつけさせたのも、過去の出来事があってのことです。これまでの魔族と共に戦ったヘルクの行動や振る舞いを見ると、それに対するこの思いというのは並々ならぬ覚悟を感じさせます。それほどまでに、ヘルクの思いは強力で、人間を滅ぼすことでしか人間を救うことが出来ないという考えがあるのです。

ただ、それは人間、おいては過去の仲魔との完全なる決別も意味します。人間側はいくらでも蘇生可能で、さらに操ることで感情の無い兵士を大量に生産し続けています。この蘇生可能というのがポイントで、そこにはかつてのヘルクの仲魔をも兵士として立ち上がらせることが出来るということになります。つまり、ヘルク自身の手で、かつての仲魔の命を絶たねばならないという悲しい結末です。



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ヘルク自身はこの運命ともいえる最悪の結末を受け入れた上での覚悟なのでしょう。それはヘルクにとってどれだけの絶望を再度植えつけることとなるのか。優しい、仲魔思いのヘルクにとって、どれだけ心に穴を作ることになるのか。これ以上に悲しいことなどあるのだろうか。しかしそれでも、ヘルクはそれこそが最良の一手と信じ、かつての仲魔のため、人間のために、自らが苦しむことも承知でそれを行うのです。




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「救おう、人間を。」

それに気づいたヴァミリオのこの言葉。もう駄目、この展開駄目。これだけで涙が出てくる。ヘルクにとって、ここまで自分のことを理解してくれた人はこれまでいただろうか。ヘルクのために、このような結論を提案してくれる人はこれまでいただろうか。魔族という立場に関わらず、いや、魔族という立場だからこそ、状況を冷静に鑑みて、ヘルクの心境も考慮して、誰もが笑顔になれる本当の意味での最良の手段を共に実行しようと言ってくれる人がいただろうか。このような相手を得られたことこそが、ヘルクが魔界へ行った最大の結果なのだろう。



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この力強い言葉。今のヘルクにとって、これ以上の言葉はあるだろうか。人間界で騙され、仲魔を奪われ孤独になり、対立する人間全てを滅ぼそうとしてヘルクに対して、これ以上の信頼の言葉あるだろうか。この言葉はヘルクの心に深々と突き刺さり、生きるための、人間を救うための最大の活力となるだろう。


ああもう駄目、この記事書くために再度読み直してたらまた泣けてきた。他の感想でもたまに書くんですが、こういった絶対なる信頼のような展開に非常に弱いんですよ。絶望の中で孤独だと思っていたヘルクにとって、本当の意味での、上辺だけでない理解者が現れて、しかもそれが魔界四天王の1人で超強力で、さらに全面的に信頼して力を貸してくれて、おまけにヘルク自身を救うために動いてくれるっていうんだから。いやー、ヴァミリオちゃんは可愛いし男気あるし強いし可愛いしでホント最高のキャラやで!

にしても、ホント化けたなあこの作品。当初の出オチ的なギャグ漫画からここまで発展するとは予想出来ないって。戦闘シーンもガンガン上手くなってるし、シナリオも上手いし、裏サンデーってホント全体的にレベル高いと思う。

さてさて、話は上記で止まってるので、勿論次巻も大期待ですなあ!


6巻の感想はこちら (Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!)


眠気覚め度 ☆☆☆☆

天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟

三つ目族の故郷奪還作戦、ダンダルフィアの戦いがはっじまっるよー

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祖国を騙まし討ちにより追われることになった三つ目族の復讐の戦いがいよいよ始まった「天空の扉」8巻です。8巻の半分はこのダンダルフィアの戦いが繰り広げられます。

元からとんでもない技術力を持っている三つ目族はこの世界観で銃を作り上げ、遂には狙撃ライフルを完成させてしまいます。それも2000人の兵士全員に。それに対する嘘つき鬼の軍勢の多くは頑丈な戦闘猪率いる大軍、つまり狙撃を上回る射程も無ければ狙撃を防ぐ手立ても無し。すなわち、戦争は準備段階で既に決していたということとなります。いやあ、こういう軍隊による圧倒的な蹂躙は気持ちいいね。個々人が暴れまわるのではなく、統率がしっかり取れたまるで生き物のような動きは本当に素晴らしい。



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その戦後処理としてもなかなか面白いものが描かれていました。まるでどこかで見たことのあるような話ですね。詳しく言及することはここでは避けることとします。また、これをもっと掘り下げて読めるのが同じ作者作品の「魔法少女プリティ☆ベル」ですのでもっと読みたい人はそっちもチェックです。


8巻の後半は久しく見なかったマギアのディアボロの話となります。女の子と魔王の組み合わせ、さてさてどうなることでしょう。


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こんなことになってしまいました。

そうなんだよなあ、今回改めてディアボロがマギアの強さについて語ったのだけど、ディアボロからありとあらゆる魔法を継承してる時点でマルチハイエンドウィザードなわけだし、それに加えて自動索敵も出来るとかはっきりいって魔力切れと不意打ちを除いたら負けることはありえないんだよなあ。こりゃ反則、インチキ。ルーシュ達はスタン以外全員頭おかしいレベルで強すぎるし、スタンも唯一の素人のクセに良い展開になってきたし、ホント見所あるよ天空の扉は。設定が良く練られてる、しかも論理的に。だから読んでいてすんなり納得出来るのがいいね。

さてさて、今回の表題にした「戦いの覚悟」ですが、怒りと共に自分や仲魔を守るために敵対者を容赦なく殲滅出来るようになったルーシュ、やらなきゃやられる、今放っておいたらあとで大変なことになる、と理性で敵対者を殲滅出来るようになったスタン、実は最初からいる人間枠でまだ人を殺していないのはマギアだけです。ゴブリンは笑顔で殺せるのにね。そのマギアに今回大きな試練が訪れることになります。魔王に強いと明言されるマギア、果たして彼女はその覚悟を越えることが出来るのか?いやあ、良い展開だなあ。


ストーリーもそうなんですが、先ほども書いたように設定が細かく決められてることがより面白さを増しています。今回の例では戦闘猪の設定ですね。作中自体に書いてあるのをまとめると「分厚い皮膚や力強いパワーで攻撃をものともせずに進撃を続け、目の前を蹴散らし、死体や雑草を食べ、破城槌のように建物を破壊してしまうスゲー強いブタ」という感じなのですが、おまけページに書かれている補足が秀逸でした。それは、強力な動物があるゆえにその食欲が旺盛過ぎて周辺の土地をあっという間に食べつくしてしまい、維持するためには遊牧民のように場所を転々と移動しながら食物を求めなければならないがゆえの国家自身の侵略性ということ。単純に卑劣で弱者を蹂躙するのが好きというだけじゃなくて、そういう背景もあってゆえの侵略という見方も出来るのが凄く良い。

というわけで、やっぱり設定が面白い「天空の扉」8巻でした。当然次巻も楽しみですな!


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)
16巻の感想はこちら (天空の扉 16巻 - ゴブリンエンペラーに説教される勇者レイ)
17巻の感想はこちら (天空の扉が開かれる時)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

天空の扉 8
天空の扉 8
posted with AmaQuick at 2021.06.02
KAKERU(著)
5つ星のうち4.4
¥544

Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!

怒りのアズドラが遂に本気を出す!!

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という最高潮の引きで終わる「Helck」6巻です。初期の出オチだったギャグ漫画からここまでシリアスな作品になるとは誰が想像したでしょうか。アズドラ自身も当初は抜けたボケ担当だったのに、こんなにもカッコいい姿を見せてくれることになるとは。これだからHelckは面白いんだよなあ。

設定自体も実際結構練られていて、勇者システムとか人類総勇者化計画とか勇者は死んでも生き返って強くなるとかなかなかファミコン世代にはたまらないものになっています。ただ最近思うのは、自分が読んでるのがそういうのが多いだけかもしれないけど、やたらと人間と魔族が対立していて魔族側が実は良識あって人間側がエゴの固まりの聞く耳持たないという書き方が多いような気がする。その方が人間臭くて好きだけどね。


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こんなこと言われたらもう信じるしかないやろー。これまでも人間に裏切られ、人間に蔑まされて来たヘルクなんだから、魔界に来て出会った人たちと育んだ関係や信頼を言葉でぶつけられるとか絶対やばい。自分が当事者だったら泣く、間違いなく泣く。

というわけで、過去編が終わって次の話に向けて動きだすところの6巻でした。7巻はアズドラの本気から始まるはずなので大いに盛り上がることを期待!!


5巻の感想はこちら (Helck 5巻 - 人間のヘルクが魔族側についた理由が遂に明らかに!)
7巻の感想はこちら (Helck 7巻 - 信頼の上に築くもの、これは最高のシナリオ展開だ!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

今のイチオシ!
ちょっと前のイチオシ!!
結構前のイチオシ!!
それなりに前のイチオシ!!
スピリットサークル完結!!
タイムリープサスペンス!!
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