経営

トリリオンゲーム 3巻 - 一気にステップアップしていく経営戦略がたまらない

1兆ドル企業を目指してあの手この手のマネーゲームが繰り広げられる「トリリオンゲーム」3巻です。ステップアップのスピード感が素晴らしくテンポが良いので、ついつい時間を忘れて読む手を進めてしまうほどにのめり込んでしまいます。

2巻までのAIが商品をおすすめするサイト(ただしAIではなく人力)を流行らせる為に、商品は花に目をつけて、最も花を購入する層が夜のお店だということでガクとハルがホストとして潜入するところからとなります。

20220202_002
「ムリムリムリムリ。僕が、ホストとか……!!!」

と言いつつ、柔軟にホストとしてなんとかやっていくガクはやっぱりすごいw

そしてしっかりとホストに来るキャバ嬢から情報を収集してサイトを次々とアップデートし、着実に売り上げを伸ばしていくところが本当に面白いです。全然無理筋の話はしてなくて、それこそキャバクラあるあるの話に繋げていくところがお見事。

最初は花で月商二千万という無茶振りと思われましたが、そもそもキャバクラで使うお金の桁が一般のそれとは大きく違うという客単価の違いも相まって一気に加速していきます。ここまで最初から見込んだ上での設定だったんだろうなこれ、他の商売じゃ企業相手とかじゃないと二千万なんて無理だしなあ。


何より、このスピード感が凄いのです。まさしく疾走、トリリオンへの階段を駆け巡るイメージがぴったりで、このAIサイトの話も3巻の3分の1ほどで結末まで走りきってしまいます。

そのあとはもう次のビジネスの話。AIサイトを使って一気に1億円の契約を取り付け、次はゲーム会社の話へ。

このゲーム会社の話もゲーム本体にはあまり言及することなく、投資家を利用してお金を集めることに終始しており、集めた投資で如何にゲームを宣伝するかという話へステップアップしていきます。

もう、読んでいて次から次へと話が展開するので、ホントずっとドキドキワクワクが止まらずに駆け抜けられるんですよ。このシナリオ構成が本当にお見事だと思うのです。

作品によってはここまでの展開でもっと何巻も続けるほど濃いものを、たった数話に詰め込んでいます。そりゃ面白いわけですよ、それが面白くないわけがない。

深夜枠からゴールデン枠に放映時間を移したテレビ番組とかって、深夜だったから面白かったのにという現象よくあるじゃないですか。そういう意味では「トリリオンゲーム」は極めて深夜枠のテレビ番組並みの詰め込み具合なんじゃないかと。しかも話が濃くて深いですからね。なのに読んでて全然疲れない、天才のネームなんじゃないでしょうか。本当に素晴らしい。


あとは、その濃密なシナリオを疾走するかの如く読ませてくれるのは、やはりハルのキャラ設定のおかげですね。超わがままで自分の野望を達成するためなら何でもするハルだからこそ、常に読者をワクワクさせて、一気に読み進めさせる起爆剤になっているのだと思います。

20220202_003
「ああ。俺のワガママは、世界一だ!!!」


このハルに誰もが振り回されて、誰もが魅了されて、誰もがその行く末を見たくなる。作中のキャラは勿論、読者もすっかりこのキャラに魅了されています。このハルなくしてはありえない「トリリオンゲーム」の濃密さ、すっかりこの虜になってしまいました。

当初は作画が池上遼一先生であることに驚きましたが、今ではこの劇画調の池上先生以外では「トリリオンゲーム」の魅力を引き出せないとすら思えるようになっています。この作画で、このシナリオで、この疾走感だからこそ「トリリオンゲーム」は面白い。そう断言できますね。


ところで3巻まで来ていまだにガクが表紙になってないのは意図があるんだろうかw 最終巻に持ってくるとかなのかな。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


2巻までの感想はこちら(稲垣理一郎×池上遼一の異色コンビが見事にはまった傑作)


トリリオンゲーム(3) (ビッグコミックス)
池上遼一(著), 稲垣理一郎(その他)
小学館 2022-01-04T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥605


どるから 8巻 - 多様性に溢れる現代社会で古き道場が生き残る為の経営戦略

K-1創始者の石井館長がトラックに轢かれて貧乏道場の女子高生に取り憑いてしまう「どるから」の8巻です。実はこの作品、個人的にとても注目していて、もっと売れてほしいなと思っています。

というのも、「どるから」は石井館長が女子高生として無双するという話ではなく、貧乏道場を建て直す為に様々な経営手腕を振舞うというお話なのです。

しかも監修に石井館長本人が携わっている為、道場経営の内容も実に経験に即したものとなっています。ですので、半分くらいは石井館長の自伝相当と言っても過言ではないでしょう。

作中でも道場並びに格闘技人口を増やすためにあらゆる手段を取ろうと画策します。6巻から始まっているJK-1グランプリも、女性格闘家という特徴で売り込みAbemaTVと契約して配信することで、少しでも興味を持つ人間を一気に取り込もうとしています。

更に、人を動かすのはそのキャラクター性、スター性であると考えて、魅力ある人材は勝とうが負けようが、強かろうが弱かろうが関係ないというスタンスでもあります。

そうなのです、格闘技が主軸でバトルも様々描写されますが、決してそこが本当のメインではないのです。むしろ道場経営の経済部分がメインです。だからこそ、この「どるから」は興味深く読むことが出来ます。

20211111_000
「ワシは場所を作るだけだ!君たちがドラマを作れ!!」

JK-1グランプリを開き、これまで無名だった選手たちの活躍の場を作り彼女たちに希望を持たせ、その魅力に惹かれた人間を多く作ることで格闘技人口を増やす。石井館長がカッコいいこと言っていますが、その裏は実のところ経営の為の言葉でもあります。

とはいえ、参加者も企画者もWin-WinのJK-1グランプリですから、何も悪いことではないでしょう。むしろ金に執着することが恥ずかしいと捉えないのが、正しい経営者の姿として清々しいです。だからこそこの作品に惹かれるんだよなあ。


この8巻ではJK-1グランプリが完結し、これで売った知名度を元に経営拡大していこうと画策していきます。集まったのは全国の経営難に陥っている格闘技道場の面々。その彼らに、道場経営と格闘技道場を続ける意義の考え方を説いていきます。

20211111_001
「このままの経営方針を続けると 現在の格闘ジムや道場はほとんど淘汰されると思うんですわ!」


20211111_002
一つは「コンビニ型の道場運営」を目指すこと。もう一つは「アカデミー型の指導スタイル」を取り入れることです!


このように、今後の道場経営のあるべき姿を論理的に分析し、この時代を生き残る為の経営戦略が展開されていきます。経済ものの作品は数あれど、格闘技に限ったものは無いのではないでしょうか。だからこそ非常に興味深いものとなっています。

加えて、経済の話として固いわけではなく、前述したようにしっかりバトルシーンも描かれているのです。なので読み手としても難しいことを考えることなく、経営もバトル漫画も楽しめる。おまけに出てくるの格闘家は女子高生を始めとする女の子ばかり。しかもノリが軽い。非常に気楽に読めます。


と、このように面白い作品だと思っているのですが、どうも知名度がそれほどには無いような気がします。もっと読んでほしいなー。結構読みやすいと思うんだけどなー。

ちょっと調べたら1巻が安くなるタイミングとかもあるので是非ご一読ください。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


9巻の感想はこちら(バトルロワイヤルがメインの巻です)


どるから (8) (バンブーコミックス)
石井和義(著), ハナムラ(著)

¥792



どるから (1) (バンブーコミックス)
石井和義(著), ハナムラ(著)
5つ星のうち4.5
¥11

1巻が安い!試しに読むなら今!
 
今のイチオシ!
ちょっと前のイチオシ!!
結構前のイチオシ!!
それなりに前のイチオシ!!
スピリットサークル完結!!
タイムリープサスペンス!!
ゲームとギャグが好きなら!
漫画もいいけど山賊もね!
記事検索
応援してますその2
応援してますその5
Twitter
日々読んだ漫画の感想を中心に記事を更新しています。記事更新と同期していますので、漫画の感想情報を見逃したくない方はフォローお願いします!
メッセージ

名前
メール
本文
「眠気が覚める面白さを求めて」は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
  • ライブドアブログ