歴史

何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 6巻 - 歴史改変信長物語の面白さはゲーム感覚に通ずる

歴史上の信長自身がタイムリープを繰り返して未来を変えていく「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」6巻です。

5巻ではそれまでの光秀による統一後世界の流れが一旦終了し、今度はその光秀に対抗すべく伊達を訪問する話となっています。

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全てはやがて来たる光秀が「日の本西軍」と 我が「日の本東軍」による天下分け目の大戦に勝利するため!!!

この設定結構好きなんです。信長が勢力拡大した西日本を捨てて、その勢力に対抗すべく東日本を制覇するっていうんだから。これ信長の野望とか好きな人だったら絶対好きでしょ。まるでゲームやってる感覚ですもの。

信長自身も簡単にタイムリープしてしまうからこそどこかゲーム的な感覚になっているのも面白い。忠勝を連れて行ったけど色々問題起こされたから次は別の人材を連れて行くとか、完全にリセットゲーしてる感覚に陥る。

そうか、この作品に何故惹かれるのかと思ったら、やってることがゲームだからなんだ。光栄の三国志とか好きだから尚更面白く感じてしまう。こいつを連れて行ったらこういうイベントが発生するから、次はこいつにしたらどうなるかと色々試行錯誤出来るわけで。

それでいて、元々は本能寺の変を回避するための一発ネタだったから歴史の背景はおざなりかと思いきや、どうしてこれがまたしっかりとしてるんです。

6巻では伊達の領地に着くわけですが、信長が生きている時代といえば当然政宗はまだ子供です。しかもまだ父の輝宗も生きていて、母親による家督争いはまだ発生していません。

そんなところに入っていき、政宗こと梵天丸は既に片目が無いことで母親に疎まれており、というところもしっかり描いていますし、さらにそれを取り巻く伊達家の胸中も掘り下げています。なのでしっかりしています。

そこを信長が改変していくことになるわけで、これは面白くないわけがないですね。これまたゲームでありそうな架空戦記になりそう。いわゆるリコエイションゲームとも言えるでしょう。


話の方も伊達に入ったことで上手くいくと思いきやまた色々と歴史改変が発生してさてどうなることやらという展開になっていてまだまだ目が離せません。この先も注目です。

それにしてもなるほどなあ、感想書いてようやく気づいたけど、やっぱりゲーム感覚で読めるから面白いんだあ。逆に考えるとあの手の歴史シミュレーションがあまり好きでない人にはもしかしたらあまり刺さらないかも?


眠気覚め度 ☆☆☆☆


3巻までの感想はこちら (タイムリープ信長を出オチで済ませない立ち回り)
4巻の感想はこちら(ギャグ路線からシリアスに転向?急激に面白くなった)
5巻の感想はこちら(歴史人物とタイムリープの組合せがシナリオと噛み合って面白くなってきた)


何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(6) (ヤングマガジンコミックス)
藤本ケンシ(著), 井出圭亮(著)
講談社 2022-05-06T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥726


1812-崩壊- 前編/後編 prototype ナポレオン ~獅子の時代~ - 人気シリーズの前身読切版が単話発売しています

私が愛してやまない「ナポレオン~獅子の時代~/~覇道進撃~」の連載前の読切版である「1812-崩壊- 前編/後編 prototype ナポレオン ~獅子の時代~」です。

2022年2月にKindle版が出ていたのようですが見事に見逃していました。前編/後編それぞれが165円と安値だったので即買いしました。ページ数はどちらも32ページなので、普通のコミックをページ割で考えたら妥当な値段と言えるでしょう(ちょっとだけ割高かな?)

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なんと主人公役はナポレオンではなく獅子の時代/覇道進撃双方で兵士視点のおバカな振る舞いを続けるビクトルでした。この読切のビクトル、妙に考えが鋭くてカッコいいぞ。

このビクトルって歴史上は存在しておらず、兵士視点の話を回すためのオリジナル役なんですよね。どこの戦場でも現れて、大きな活躍をするわけでもないのに、何故かずっと生き残り下っ端兵士として振る舞い続ける役目です。

話の本筋が決まっていて大きなおふざけがしにくい本編において、良い感じのアクセントになってくれる存在として活躍しています。個人的には、エジプトへの回路でネルソンの船団に見つからないようにダヴーにちんちん握られたところが好き。

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「ナポレオン~獅子の時代~」11巻より。


思わずビクトルの話になってしまいましたが、歴史の舞台は皇帝ナポレオンが敗北し始めたロシア遠征に出兵する兵士達の話となります。50万人の兵士が行軍から脱落していく様子や、輜重隊が間に合わず、ロシア軍が年を放火して手放したことによる物資食糧部食で軍隊が崩壊していく様が描かれています。

既に「覇道進撃」でも描写されているところがそこかしこと。川を渡るために、工作員が真冬の川に橋を設営してる様子なども描かれています。

「覇道進撃」ではナポレオン視点がメインでしたが、この「1812-崩壊-」ではビクトル視点がメインですので、兵士がどのようにその様子を見ていたか、また、橋を爆破されて取り残された兵士や随行する小隊がどのようになったのかがメインです。

「覇道進撃」で描かれたエピソードのモチーフになる箇所も多々あるので、本編ファンも思わずにんまりするところもあったり。

元々、表現や設定が上手く、非常に面白く読める本作であり、この読切版もその空気をひしひしと感じ取れるものとなっています。

さすがにいきなりこの読切版から入るのは厳しいかもしれませんが、長谷川哲也先生の「ナポレオン」シリーズに興味がある方は、ここから入るのも一つの手かもしれません。

とはいえ、「獅子の時代」の序盤から取っている手法として、有名なアウステルリッツの戦いから始まるような読者を引き込むところからスタートするものでもありますので、最初から「獅子の時代」を読み始めてもいいと思います。

ホント面白いんだあ、長谷川哲也版「ナポレオン」って。その入口として、この「1812-崩壊-」もひとつ、どうでしょう?


眠気覚め度 ☆☆☆☆


ナポレオン~覇道進撃~ 21巻の感想はこちら(遂にナポレオン失脚、タレイランの華麗なる政治)
ナポレオン~覇道進撃~ 22巻の感想はこちら(まだまだ続くタレイランの華麗なる政治)


1812-崩壊- 前編 prototype ナポレオン ~獅子の時代~ (ヤングキングコミックス)
長谷川哲也(著)
少年画報社 2022-02-25T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.2
¥165


1812-崩壊- 後編 prototype ナポレオン ~獅子の時代~ (ヤングキングコミックス)
長谷川哲也(著)
少年画報社 2022-02-25T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.0
¥165


ナポレオン ―獅子の時代― (11) (ヤングキングコミックス)
長谷川哲也(著)
少年画報社 2014-10-30T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥550


ナポレオン~覇道進撃~ 22巻 - まだまだ続くタレイランの華麗なる政治

皇帝ナポレオンが失脚しパリを追放され、エルバ島へ島流しになったところから続きが始まる「ナポレン~覇道進撃~」22巻です。

いきなりナポレオン不在でも戦争を続けるダヴーの話から始まります。まさに忠臣。ナポレオンの百日天下時も真っ先に駆けつけるほどだったようで、一体何がダヴーをそこまで心酔させたのか。

同様に、マルモンの苦悩も描かれてますね。フランスの為に動くのか、ナポレオンの為に動くのか。

それに対して、ネイやベルティエは早々にフランスの為に動くことにしてるのがまたマルモンとの対比になっていて良いです。マルモンとナポレオンの付き合いは初期も初期、トゥーロンの戦いからであり、作中でも皇帝と配下という関係の前に友人関係であったという描写が度々されていました。

だからこそ、ナポレオンの元に駆けつけられないマルモンの苦悩がわかってしまい泣ける。


また、エルバ島に行っても島を成長させる政治を始めて、虎視眈々と復帰を伺うナポレオンの動きがさすが過ぎてホント関心します。軍人から皇帝までのし上がった政治力とカリスマは都落ちしても健在、本当にものすごい人間だったのだなあナポレオンは。


そしてまたもや凄いと思ったのはタレイランですよ。このタレイラン以上に優れた政治屋など存在しないのではないかと錯覚してしまうくらい凄い。ここに来てまだまだタレイランがフランスの為に動くだなんて。

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「ヨーロッパは再び血を流すでしょう  皆さんの国もフランスも巻き込まれます」

共通の敵であるナポレオンを倒したことで、ロシア、プロシア、オーストリアの均衡は崩れて次第に次の戦争が始まることを示唆したタレイラン。敗戦国であるフランスもまた、ナポレオンの被害者であったという主張をし、フランスに有利な妥協点を提案していく様が凄まじい。

このあたりを上手く有利に動かしてしまうというのが、敏腕政治家というものなのでしょう。外交の天才とはまさしくこのことかと。

それにしても、タレイランという人物がここまでフランスを大きく動かした存在だというのは本当に知らなかったなあ。この作品を読むとナポレオンだけでなく、当時の人間や政治を知ることが出来て本当に面白いです。


正直なところ、自分は世界史を詳しく勉強はしておらず、このあたりの歴史にはこれまで非常に疎かったです。だけどこの「ナポレオン」シリーズは非常に面白くて、何度も読み返してしまうくらいに好きになってしまいました。

単に歴史をなぞるだけでなく、人物の性格を丁寧に描画し、人間関係や戦争史、政治を上手く説明しています。だからこそこんなに面白い作品に仕上がっているのだと思います。

次巻ではナポレオンの百日天下が始まりそうで、そろそろナポレオンの人生も終盤、もう少しで終わってしまいそうですが最後までこの面白さのまま駆け抜けていただきたいです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


21巻の感想はこちら(遂にナポレオン失脚、タレイランの華麗なる政治)


ナポレオン~覇道進撃~(22) (ヤングキングコミックス)
長谷川哲也(著)
少年画報社 2022-02-28T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
¥683


ふしぎの国のバード 9巻 - 好奇心と探究心旺盛のイザベラバードが函館に降り立つ

イザベラバードの「日本奥地奇行」をベースに繰り広げられる偉人物語「ふしぎの国のバード」9巻です。

1巻の頃からずっとファンなのです。偉人物語をこれだけ丁寧に入念に描写しているものが、面白くないはずがありません。面白さ絶対保証。

舞台は1878年、明治政府が始まり文明開化した直後の日本です。この日本を、横浜から出発し、北海道のアイヌ文化に触れていくのがバードの目的となります。そこに至るまでの道のり、旅程の苦労や現地の村人たちとの交流や風習に触れていくのが本当に面白い作品となっています。

何よりも、風習に触れれば常に文化考察を始めるバードさんがカッコいい。まさに学者。自分の足で情報を集め、集めた情報を分析し、考察を深める。これほどまでに旅を楽しめる人間などいないのではないかと感心するほどです。

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「何故大切な儀式には必ず 文明の主食が用いられるのかしら……?」

バードさんの学者としての好奇心、考察は大変な目にあった9巻でも相変わらず発揮されます。このどんな事態にもへこたれない、なんでも楽しみに変えてしまうバードさんが本当に素敵で読んでて健やかな気持ちになれるのです。

道中はそれはもう本当にひどい目にあっています。虫だらけで雨漏りだらけの宿に止まったり、皮膚病が蔓延している奥地の村で一泊したり。そこで薬を提供したら村中の人間が医者が来たと集まり始めたり。

そんな目にあっても、持ち前の元気と好奇心で乗り越えていく。そんなイザベラバードの人柄がもの凄く丁寧に描写されているのが特徴です。へこたれない人間の前向きな物語というのはやはり良いものですなあ。


従者の伊藤鶴吉もまた、一癖も二癖もあっていいのですよ。文明開化に乗り遅れている地方村の住人たちを蔑んだり、冷たい態度を取ったりする一方で、甘いものに目がなくて暇さえあればお菓子を漁っている姿とか。

何より仕事とはいえ、バードさんを献身的にお世話する姿が甲斐甲斐しくて。粗食が合わず肉や魚が食べたいと言い出すバードさんに自分で料理を振舞ったり、夜な夜な覚えた按摩でバードさんの身体を気遣ってあげたりと、ぶっきらぼうな態度の裏側が垣間見えて本当にいいんですよこれが。


そんな二人の珍道中、村々の風習に触れていく姿が本当に面白い。読んだことがない人には絶対オススメ出来る作品です。


9巻では青森に向かう途中で土砂崩れに巻き込まれて孤立村に閉じ込められたり、そこで怪我をした村人達を助けて、村の文化に触れたりとまたまた大変な目にあっています。

そんな状況でも考察を続けるバードさん。土砂崩れで犠牲者が出ても、「山の恵みで生活が出来ているのに、たまに発生する山の怒りを嘆くなどとんでもない」という村人の思いに日本文化のなんたるかを考えます。


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「ずっと考えていたの この国の文明の深淵」

こうして、これまで出会ってきて実際に触れた日本地方の文化について考察を巡らせます。

「識字率が高いのは紙の生産量が多いからでしょう」
「製紙技術が高いのは水も土壌も豊かで原料が潤沢だから」
「そして自然が強いからこそ 厄災も滅びも日常の中にある」
「生活も文化も技術も世界観も 文明のあまねく万象が 気候風土の奥深くに起源をもっているんじゃないかしら」


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「興味深いわ……」


この考察の流れ全てが、これまでの道中で出会ってきたことに端を発しているのです。ここまで読んできた読者なら、全ての場面を見てきたことがわかる表現と共に、この考察が語られます。さながら東日本縦断の集大成です。

そんな強い思いを持ったバードさんだからこそ、強い好奇心で真摯に立ち向かうバードさんだからこそ、この物語はこれほどまでに面白いのだなと実感する次第です。

現代人の我々にとっても、明治初期の日本奥地の人々の生活など知る由もなく、こうして得られる歴史知識が外国人の残した資料であるというのがまた感慨深いところがあります。外国人だからこそ得られる正確な記録とも言えるでしょう。やっぱり歴史を知ることは面白い、歴史大好き。


そして物語は紆余曲折あって遂に函館まで辿り着きます。1878年の函館です。既にほぼ旅の終着点ですね。このあと平取まで進んで、アイヌと交流する旅程です。

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これまでは会津道を通って新潟経由で青森まで来ています。そこまでの旅程も非常に楽しめて読めましたが、この先の展開もまだまだ楽しみがありそうです。本当に続きが早く読みたい。待ちきれない。


抜群に面白いので、是非ともみなさま読んでみてください。



眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ふしぎの国のバード 9巻 (HARTA COMIX)
佐々 大河(著)
KADOKAWA 2022-02-14T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥673

 

何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 5巻 - 歴史人物とタイムリープの組合せがシナリオと噛み合って面白くなってきた

出オチから一転、シリアス路線に移って面白くなった話の続きが読める「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」5巻です。

この5巻からまた、大きく路線が変わります。4巻の利三とお遥の決着が着き、光秀が天下統一の仕上げに掛かるところから始まります。

そしてここで残機が2という信長がお遥の持つ臣下としての忠誠に心を揺り動かされて、という流れとなります。

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あの信長が、家臣を道具としてしか見ていなかった信長が、家臣の為に自らの命を賭して時をくりかえす。この流れは正直読めなかったので、素直に驚きました。


そうして時を戻った信長は、とりあえず光秀を斬り殺して再度やり直すというギャグも忘れない二段構えです。シリアスを打ち出しつつ、しっかり地のギャグを忘れないサービス精神が嬉しいです。


その後さらに時をくりかえし、大きく歴史を改変する為に信長が動き出すのが新たな路線となっています。単なる出オチで終わらせない、タイムリープものだからこそ、主人公の成長を促して大きく物語を流動させる。これぞお話作りの鉄板ものではないでしょうか。

このタイムリープをテーマにした主人公が信長であり、おまけに本能寺の変を防ぐという歴史改変自体がありそうでなかった設定なんですよね。最初はギャグとしか見ていなかったものの、じっくりと構想を練りなおして壮大なシナリオにしていくのは良い方向に想定外でした。

この流れって、思ったよりもずっと面白い方向に変わってきてると思うんですよ。冷静に読み直すと絵も上手いし、ところどころギャグもしっかり忘れてないし、これこの調子で進めば大作に化け得るのではないでしょうか。期待。


ただ、ちょっと理解出来てないところがあって、信長の残機はあと1なわけですが、ばんばんタイムリープしまくってるんですよ。

てっきりタイムリープの数==残機だと思ってたのですが、もしかして死んだ回数==残機なのかな?だとしたらタイムリープする条件ってなんだっけ?これまで死なないでタイムリープしまくってるんだっけ?読み直さないとわからんなあ。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


3巻までの感想はこちら (タイムリープ信長を出オチで済ませない立ち回り)
4巻の感想はこちら(ギャグ路線からシリアスに転向?急激に面白くなった)


何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(5) (ヤングマガジンコミックス)
藤本ケンシ(著), 井出圭亮(著)
講談社 2022-02-04T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥726



すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 9巻 - 思いを紡ぐ大会での激闘は必見

MTGは全くわからないのでそのあたりは斜め読みしてるのに何故か読むのをなかなかやめられない「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」9巻です。

そうなんですよ、自分は全然MTG(マジックザギャザリング)を知らないので作中のそのあたりは「ふーん」くらいの感覚でしか読めてないのです。しかし主人公達の年代を背景にされているやり取りが面白いのでついつい続きを読んでしまいます。

きっと麻雀を知らないけど「天 天和通りの快男児」や「アカギ」を読んでしまうような人はこういう感覚で読んでるんだろうなと思ったり。ちょっと麻雀の割合多い?


さて、この9巻では大会であたった神納と沢渡が全力でぶつかり合うところから始まるわけですが、この大会でMTGをやめることを意識している沢渡が、これまでの思い出をモノローグに挟みながら対戦を続ける演出が本当に素晴らしい。

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これまでの人生を振り返る沢渡。小さい頃から英才教育のため何でも出来る存在だったが、それゆえにクラスメイトから距離を取られて孤独を感じる日々。



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そんな彼女へ無遠慮に踏み込んで来たのが神納。だからこそいつの間にか惹かれてしまったという恋の遷移を丁寧に描写しています。このあたりが丁寧に描かれるのがグッド。


そのあとはある意味ラブコメとして結末である展開になります。言ってしまうとカップル成立してしまいます。にしても、そこまでの流れに少しイライラ。素直になるならとっととくっつけよコンチクショー。

そしてくっついたあとの態度急変にもイライラ。大会前にMTGやめるってのもどうやらやめなさそうだし、だとしたらそういう態度取ってたのもあんまり納得いかないし、なんだかなーと。


うーん、前半が良かっただけに後半がなんかなーというところでしょうか。新しい展開にもなってきたし、新章突入というところでしょう。何より八雲がまだまだ動いてきそうなのでこれからもラブがコメしそうです。



眠気覚め度 ☆☆☆


8巻までの感想はこちら(90年代末が舞台の刺さる人には刺さるやつ)


すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 (9) (角川コミックス・エース)
横田 卓馬(著), 伊瀬 勝良(その他)
KADOKAWA 2022-01-26T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥697

 

勇気あるものより散れ - 相田裕の新作は明治時代の血みどろもの

今更ながら読みました「勇気あるものより散れ」。「GUNSLINGER GIRL」や「1518!」の相田裕先生新作ですね。

作品紹介は引用します。
「GUNSLINGER GIRL」の相田裕、最新作!!明治、東京。幕末に死に損ねた武士・春安は、死に場所を求めて大久保利通の暗殺計画に手を出すが「不死」の力を持つ少女・シノに暗殺を阻まれる。ようやく死ねると思った春安だったが、シノは自らの「不死の母を殺し、自分も死ぬ」という宿願を果たす為に春安を助け眷属とする。しかし、母殺しを目指す中で明治政府、不死の兄弟たちが立ちふさがり…!?不死の少女が血を流し命を燃やす、明治浪漫譚!!
というわけで、「1518!」の高校生青春物語から一転して、一気に血みどろ残酷近代劇になりました。主人公は表紙の女の子のシノでいいのかな?不死身で銀髪で刀ぶんぶん振り回してます。ただ捉え方によっては最初に出てきた鬼生田春安が主人公と言っても間違いではないような。

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刀で斬って斬られてするのでアクション要素多目です。もしかしたら「1518!」で健全な少年少女を描いた反動で残酷表現をしたくなったのかもしれない。殺陣はスピード感あって、ムダに長かったりしないし、もともとの画力も相まって読みやすいです。

設定もまあそこまで極めて珍しいものというわけではないですが、よくある構文なだけあってしっかりしてます。不死とか、親殺しとか、不死を殺すための魔具扱いの殺生石とか。殺生石のところも、使い手の命を吸いながら力を振るうというのが良いですよね。リスクを背負った戦いになる。

話自体も、なんだかんだで1巻でポンポン進んでくれてスピーディーです。ここは素直に評価したいところ。これものによっては殺生石に辿りつくだけで数巻使いそうだもの。


ただ、ものすごく正直な感想を述べると、個人的にはちょっとそこまで惹かれなかったかなというのが本音です。もしかしたら自分は、単に相田裕作品に合っていないだけかもしれません。「GUNSLINGER GIRL」も結局最初の数巻でやめてしまったし、「1518!」はスピリッツで楽しく読んだけどコミック買うほどではなかったしなあ。

この話、人によっては凄く好きな部類だとは思うんですけどね。やっぱ合う合わないというのはあるので。。。決して面白くないってわけではないんだけど、どうしてそんなにワクワクしないんだろう。なんか悔しい。



眠気覚め度 ☆☆☆


勇気あるものより散れ 1 (ヤングアニマルコミックス)
相田裕(著)
白泉社 2021-08-27T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥715


GUNSLINGER GIRL(1) (電撃コミックス)
相田 裕(著)
KADOKAWA 2014-05-01T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥544


1518! イチゴーイチハチ!(1) (ビッグコミックス)
相田裕(著)
小学館 2015-03-30T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.5
¥605


 

何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 4巻 - ギャグ路線からシリアスに転向?急激に面白くなった

3巻までのギャグ全面に押し出すところから一転して、シリアスシーンが多くなり急激に面白くなってきた「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」4巻です。

4巻を読んで正直びっくりしました。シリアス路線を多く描画することでこんなにも面白くなるとは。それも全て、信長の強烈なキャラクターゆえなのでしょうか。

この4巻時点では、信長が何度も本能寺をやり直した結果、光秀が信長に立ち代り天下人となろうという状況になっています。さらに信長の残機は2で、あと1度しか時を遡れないという状況。そんな中、信長は遂に光秀の元に辿りつき、時をやりなおす為に必要な情報を集めるのです。

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そして、信長と同じ立場まで上り詰めた光秀は、その苦悩について、つまり天下人としてあるべき姿について信長と話をしたいと切り出します。この展開が凄く面白い。

「天下布武とは」「日の本を治め次に成すべきは」「生きる者全ての想いを受け入れ……その責務に胸潰れんとする時、如何にして面上げれば宜しいか」

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「アホウが そのように些末なこと 是非に及ばず」

歴史にIFがあったらとは歴史好きが誰もが通る道でありますが、まさか信長と対等に天下について語り合える光秀が、出オチでしかないと思っていたギャグ漫画で見ることが出来ると思いも寄りませんでした。

ここのやり取りが、本作のアホでギャグ寄りな信長とは思えないくらいカッコよくて痺れたのです。それはこれまでのアホ信長を見てきたからこその反動なのか、それとも元々信長という偉人が好きな自分だからなのか、定かではありませんが、実にこのやり取りがカッコよかったです。

何よりこの絵が上手いんだよなあ。ギャグだったゆえにそこまで気にして見ていなかったですが、こういうシリアスシーンでガッチリ描き込んだ絵がカッコいい。これくらい描き込むのは相当時間掛かるだろうけど、全体がこのテンションで読んでみたいものです。いや作画で命削ることになってしまうかそれは。

ストーリーもこれまでのギャグ調からうって変わって、天下人として悩める光秀と、思わせぶりなことを言う光秀を観察することで、ギャグではなく真にこのループを利用して天下人になろうという野望が無くなっていないのがグッド。

おそらく最終的な展開はギャグで落すのでしょうけど、そこまでは本気でシリアス展開すると面白いだろうなあ。しかもその流れでいけば、下手にずっとシリアスではなくなるので全体のギャグとのバランスも良くなるはずなんですよ。

良くありがちなのは、ギャグ漫画だったものが段々とシリアス展開になっていき、最終的にはほぼシリアス一辺倒だったりします。しかし本作は最初のストーリーベースがギャグスタートの為、それも上手く防げる構造になってるのがお見事です。ずっとシリアスだと息が詰まるし、初期のファンも離れてしまうしね。

うまいことギャグとシリアスのバランスを取り続けて盛り上げていけば、十分大物に化ける可能性を持つ作品だと思います。これはこの先も期待です。


「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」4巻からグッと面白くなったので、是非皆様にも読んでいただきたいところです。実は正直なところ、3巻時点で追うのやめようかなと思っていました。それが本当に良い意味で裏切られました。4巻買ってよかった。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


3巻までの感想はこちら (タイムリープ信長を出オチで済ませない立ち回り)
5巻の感想はこちら(歴史人物とタイムリープの組合せがシナリオと噛み合って面白くなってきた)



 

すべての人類を破壊する。それらは再生できない。 8巻 - 90年代末が舞台の刺さる人には刺さるやつ

マジックザギャザリングをテーマにした、1990年代末が舞台の中学生事情な「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」です。8巻では99年頭くらいの時期ですね。

まず始めに、自分はマジックザギャザリングは全く存じ上げません。ですので、作中のMTGの対戦も全く理解してません。しかしこの時代の話が次々と出てくるので、なんとも懐かしくて読んでしまうのですよね。

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今回の例ならこのFF8のコンビニデジキューブ予約限定で手に入ったストラップ。持ってましたよこれ。当時は携帯はまだ持っていなかったので結局使わずに終わったものです。その何年か後、じいさまの携帯のストラップになってたのを覚えています。使っていないのを親が見つけて与えていたような記憶。

と、FF8だったり、当時のゲーム事情だったり、当時の文化事情だったりが出てくるので、この年代の人には思い切り刺さるでしょう。99年はノストラダムスの恐怖の大王とかありましたね。なんであれあんなに流行ってたんだろう。90年代前半から既にその話出てたんだよなあ。

そしてまたねえ、中学生ならではの恋愛ってのが甘酸っペーんだこれが。
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なんなんこれ。主人公モテ過ぎやろ。ハンドルネームみたいなので「†クラウド†」とかクソ恥ずかしい名前使ってるクセにモテ過ぎやろ。ってか中学生で「†クラウド†」とかいくらなんでも恥ずかしすぎるだろwww

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真顔で「†クラウド†」とか言うのホントやめてwww 見てるこっちが恥ずかしくなるwww

いくら厨二病とはいえ、ここまでのはさすがにホンモノだよなあ。ここまで振り切れないとモテモテ主人公は務まらないということか。

まあ、半分馬鹿にしてますが、話自体はしっかり構成されてて読みやすいです。絵も可愛いし甘酸っぱい。大人の立場から見るともう少し素直になればいいのにと思ったりもするし、ゲームとかの趣味が合うだけだと付き合ってもそう簡単に上手くは行かないぞとも思うし、むしろ中学生だったらスケベなことしか考えておらんやろとも思うし。

あとは前述したとおり、大半はマジックザギャザリングの対戦を遊戯王カードバトル風に描いてるわけですが、知らなくてもなんとなく雰囲気で楽しめます。MTGの歴史的なところも読み取れてなかなか面白い。MTGを知ってる人が読めばもっと楽しめるでしょう。

世の中には麻雀がわからなくても「天」を読んで楽しむ人もいるのですから(しかも麻雀部分全飛ばし)、MTGを知らなくてもそれなりに楽しめます。特に世代が突き刺さると。

「すべての人類を破壊する。それらは再生できない。」は20世紀末だし、「ハイスコアガール」は90年代前半が舞台でしたね。やはり自分が知ってる範囲の現代が舞台だとより一層馴染み深いものです。もっとこういうのあっていいと思うのだけど、自分が知らないだけかな。

とりあえず、恋愛模様の続きが気になるし女の子も可愛いので次も期待します。


眠気覚め度 ☆☆☆


9巻の感想はこちら(思いを紡ぐ大会での激闘は必見)


 

ナポレオン~覇道進撃~ 21巻 - 遂にナポレオン失脚、タレイランの華麗なる政治

実はこのナポレオン、非常に面白くて大好きなシリーズなのです。Kindleを手にした2013年末くらいからすぐに読み始め、あれよあれよと長谷川哲也版ナポレオンにはまっていきました。

「ナポレオン~獅子の時代~」で描かれる下積み時代から、イタリア方面軍で大活躍していく流れが最高に面白く、その上笑いまで誘うという。歴史物をここまで娯楽として表現できるのは「蒼天航路」か「へうげもの」か、この「ナポレオン」かと思っているほどでございます。

なによりこのナポレオンが超合理的な上に決断力もあり部下からも恐れられまくっているのがホント最高。読んでて笑ってしまうところも多くあり本当に面白い。元々カリスマが高い人物ですが、それをしっかり描写されているのが素晴らしいのです。

そんなナポレオンのお話も、覇道進撃21巻にて遂にナポレオンが皇帝の座から下ろされるところまで来てしまいました。

ロシアに攻め込むも敗北を喫し、しかしただでは転ばぬ戦争の天才があれよあれよと反撃をしている最中のパリ陥落。その辺りを描いているのがこの21巻です。敗走を繰り返したり、これまでの友人や部下も次々と戦死、自殺、引退していったり、悲しい話が続きました。「獅子の時代」で活躍を知ってるからこそその悲しみもひとしおです。

自分は実はこのあたりの西洋史にあまり詳しくなく、この「ナポレオン」で全て知ったくらいのものです。ロベスピエールとかすら知らなかったです。そんな私ですから、フランスの隆盛は大筋しか把握しておらず、誰がどうした等は知らない次第です。

だからこそ、ここにきてタレイランが全面的に表に出てきて大活躍などすると思わず、その流れにびっくりと同時に、その手腕にただただ脱帽でした。それならもっとナポレオンの時にも表に出てくればいいのにとも思ったり。

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そして遂にナポレオン追放。この作品もいよいよ来るところまで来ましたね。獅子の時代から合わせて36巻、もう少しで完結してしまうのは寂しいところですが、最後まで突っ走っていただきたいです。


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