暴力

運びの犬 6巻 - カルト宗教に殴り込み

千年に一度の美少女設定が既に活かされていない「運びの犬」6巻です。

前巻のもうひとりの無痛覚男はどこに行ったのかわからず、子供の母親がいると噂された「樫の家」に突入します。

20220519_000
「だってこの樫の家は皆が家族なのですから」

この「樫の家」がガチカルト宗教集落で、これがどうして読んでて面白い展開になっていました。何が面白いってここの住人が全員狂ってるところが見事。ここまで気持ち悪くて、妙に現実感があるのが良いですなあ。

5巻で唐突感があって、ちょっと面白さが落ちたかもなあと思っていたところに、こんな狂った表現をしてくれたことで面白さが戻ってきた気がします。6巻だけで読んでも話は成立してるし、ここから読んでもよいでしょう。

この「樫の家」の良いところは、マムと呼ばれてる教祖っぽい人物がおかしいだけでなくて、それに追随する住人、老婆、若い女、子供の全てが洗脳されていて、等しく狂っているところなんです。周り全員敵、休まることはない展開。

20220519_001
凄い格好してる。

そんな狂った住人たちに振るわれるのは、いつものイヌイの暴力なのが素敵。

20220519_002


というわけで、周囲全員敵状態の「樫の家」に乗り込む6巻でした。これはこれで面白いです。下手したらこれまでで一番面白い展開かもしれない。しかも「樫の家」の内情を間延びせず一気に描ききっているのでテンポも良いです。なので読みやすい。次巻も期待できるかも。


眠気覚め度 ☆☆☆


4巻までの感想はこちら(AV女優の運び屋だけど専門は暴力の男)
5巻の感想はこちら(新章突入もちょっと唐突感がある)


運びの犬 6 (ヤングチャンピオン・コミックス)
清水ヤスヲミ(著)
秋田書店 2022-05-19T00:00:00.000Z

¥660

 

運びの犬 5巻 - 新章突入もちょっと唐突感がある

千年に一度の美少女と呼ばれるAV女優未遂の女の子とコンビを組んで運び屋をする痛覚無しの男のお話「運びの犬」5巻です。この巻から新章突入です。

なんですが、ちょっとあまりにも唐突な導入というかなんというか。虐待を受けてる子供をたまたま街中で見かけて助けたら、そいつが裏社会で色々やってますよーの流れです。ご都合が過ぎる気がしないでもないです。

20211221_000

まあその裏社会がきな臭すぎて、しかも少女が追う母親と、その母親を追う同業者が出てくるという。同業者が出てきて敵対の展開は面白いです。それだけに、導入が雑に見えてしまうのが惜しい。

しかしそれを補うほどの同業者の存在感が実に良し。同業者で、かつ相手も痛みを感じないのです。

20211221_001

そして始まる同業者バトル!ここまで無かった展開です。お互い痛みを感じないからもうなんでもあり。しかも刀で斬ったり斬られたりで痛い痛い。自分ダメなんですよ、刀とか刃物を手で握るシーンとか苦手。見てて痛い。手首飛ばされるとかなら痛み想像出来ないからいいんですけど、イメージできる痛みはダメ。そんな戦いになります。


と、面白いのはこのあたりまでで、どうも話の展開がやっぱり雑というかなんというか。もう少しなんとかならないのかと思ったり。そもそもなんでこの少女を助けることになったのかの導入が雑なので、そのあとの展開もどうしても無理があるというか。

もうAV女優の運び屋とか関係なくなってしまってるしなあ。コンビのココアが逆に足枷になってる感まであります。無理にココアを出さなくても、オムニバス的に色んなAV女優の話にすればいいのではないのでしょうか。惜しいなあ、実に惜しい。設定は面白いのだけど。



眠気覚め度 ☆☆☆


4巻までの感想はこちら(AV女優の運び屋だけど専門は暴力の男)
6巻の感想はこちら(カルト宗教に殴り込み)


運びの犬 5 (ヤングチャンピオン・コミックス)
清水ヤスヲミ(著)
秋田書店 2021-12-20T00:00:00.000Z

¥660


藤本タツキ短編集 17-21 - 初期短編集、荒削りだがネタが濃い

あの藤本タツキの読切作品が4つ詰め込まれた「藤本タツキ短編集 17-21」です。

驚くことにこの最初の時点で画力が確かなものを持っており、そのデザインの丁寧さ、表現の上手さ、わかりやすさには度肝を抜かれます。

そしてありがちな設定から展開される独特な展開。構成もしっかりしており、新人が描いたものとは思えません。やはり他とは画一されたヒット作を生み出す人物というのは、元から原石であることは間違いないことの証明でしょう。


というわけで、それぞれの作品にざっくり感想でも。


■庭には二羽ニワトリがいた。
20211024_001
宇宙人が学生生活を送っているシーンからスタートする作品。では人類はというと絶滅していて、鶏の気ぐるみを着ている2人だけが飼われることで生き残っている設定。まるで家畜に対するアンチテーゼのようなものとも思えます。そしてそこからのどんでん返し。うまくやればこれでも連載出来そうな気がする。



■佐々木くんが銃弾止めた
20211024_002
そんなのないやろという展開を、勢いと説得力で押しきる作品。アフタヌーン系の読切でありそうこれ。もしもグフタの読切とかで載ってたらその号のイチオシとかにしてたかもしれない。



■恋は盲目
20211024_003
これもアフタヌーン系の読切でありそう。勢いで押しきる作品。連載作品から考えると、こんな作品も描けるのかと驚くのでは。



■シカク
20211024_000
個人的にこの短編集で一番好き。殺し屋シカクが可愛い。ただ設定はよくあるテンプレかな。テンプレだからこそ漫画の上手さが光るとも言えるかも。



絵柄が濃くて勢いがあり、一気に読めるけれど疲れるかもというのがこの短編集かもしれません。ファン必見、そうじゃなくても楽しめるものになっています。オススメ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


藤本タツキ短編集 22-26 - さらに画力構成力がアップした読切作品に酔いしれよう



 

ブラック・ラグーン 12巻 - 新章突入、軽くてわかりやすい話がグッド

3年振りに新刊が発売されました、「ブラック・ラグーン」の12巻です。今回から新章突入なので12巻からすんなり読めます。

今回のお話は他所から来た黒スーツ女の子5人衆。彼女たちは人探しをしており、対象となる長身の黒人をロアナプラでひたすら狩っていくというお話です。

長身の黒人といえばラグーン商会のダッチですね。というわけで、今回はダッチを対象にしたストーリーとなります。とはいえ、12巻でこの話もかなり終盤っぽい雰囲気になっており、その時点ではダッチの過去にはほとんど触れてないのでどうなるのかな。ロックも過去に興味は無い発言してるので掘り下げないのかな。

今回の設定や展開事態は凄く軽めでわかりやすくてグッドです。初期の頃のノリが戻ってきた感じ。ロベルタ篇は話が重すぎて宗教みたいになってて読むのもきつかったからなあ。その後のフォン篇もそこまで複雑ではなかった気はするけど、正直覚えてません、前過ぎるねん。

あとは軽めを強調してくれるのが、コメディ路線に欠かせない、みんな大好き「ですだよ姉ちゃん」が出てきてくれることです。
20210819_001
シェンホア好き。レヴィとのくだらない掛け合いとかしてくれるし、ツッコミ役として優秀だし、何気に面倒見良くてなんだかんだ協力してくれるし。

過去の話で敵対したのもよかったですよね。状況に応じて関係値が変わるのが金でやり取りするロアナプラらしくて本当に良い。また過去に関係ある人間たちと敵対する話とか見たいです。

肝心の今回メインとなる5人衆に関しては、正直キャラが弱いような気がします。まあ5人もいたら1巻分でそれぞれの特徴を全面に出すのも難しいのもわかりますし、次巻では冒頭で死んでそうな感じもしてるので、そこまで掘り下げる予定は無いのかも。

とはいえ、キャラだけでなくやってることも過去と比べたらしょぼいというか。双子と比べては可哀相だけれども、双子と似たようなことをしてるくせに、ちまちま人探しして殺してるところが地味というか。双子は頭イッてたからこその大暴れというのもあるから、真っ当に動いたらこれだけ大人しいということかもしれないですが。

まあ、過去に5人衆のうち1人が死んだから慎重になってるという描写もあったので、だからこそ目立たないようにしてるのかな?だとしたら、もっと情報を漏らさないように上手くやるというのもありなのではないかと。そこが5人衆の力の限界という見せ方かもしれません。結局今回は小物の話なのかと。

ただ、小物でも良いと思うんですよ、今回の話はわかりやすくて軽快で進めようと感じ取れるし、毎回凶悪な強敵ばかりだしてもねえ。出てきたらまず間違いなく死んで使い捨てだしねえ。そういうのはもう少し長編で出てくるべきかも。

まあそんな5人衆ですが、ロアナプラで暴れればいつもの連中が出てくるのは当たり前のことでありまして。
20210819_000
バラライカのいつものこの笑顔が見れるぞ!

正直「ですだよ姉ちゃん」と凶悪バラライカが見れるだけで十分満足です。読むのも辛くなくて読みやすいし、話もわかりやすい。どっちかというと「ブラック・ラグーン」はこういう軽快な方が好きです。この路線で無理なく続けてほしいところ。

なお、巻末のおまけで20周年の記念とした対談が掲載されています。長期休載の理由や当時の心境など、読者が知りたいことをとてもおおっぴらに書いているので必読です。ここまで赤裸々に書いていいんだろうかというくらい書いてます。これまでの休載に疑問がある方は一読すべきです。


眠気覚め度 ☆☆☆

 

運びの犬 - AV女優の運び屋だけど専門は暴力の男

暴力と殺人が蔓延る運び屋の世界。それが「運びの犬」です。すっきりとした絵の割りにガチでグロい表現があったりするので苦手な人は避けた方が無難です。腹から漏れた腸をホチキスで止めたりする表現があるし。ハラワタが飛び出したりするのが平気な人はどうぞどうぞ。

主人公のイヌイはAV女優専門の運び屋です。いつでもどこでも呼ばれればAV女優を迎えに参上します。作品の中でも語られていますが、AV女優は不安定な子が多く、男がらみで当日とんでしまうことも少なくないため、引きずってでも連れてくるのが運び屋です。

では、何故そんな運び屋の仕事なのに、暴力と殺人が結びつくのか?それはAV業界が裏世界と繋がっているから。AV女優あるところに裏家業あり、そんな輩からAV女優を守って確実に現場へ運ぶのが運び屋なわけです。

さてさて、そんな運び屋に大きな依頼が舞い込んで来ました。「千年に一人の美少女」と話題になっている少女が、高校卒業と同時にAVデビューするため、卒業の日に合わせて付き添い現場まで確実に連れて来いとのことです。

20210625_001
千年に一人の美少女、ねえ。。。

そんな千年に一人の美少女、当然すんなり送り届けることが出来るわけもなく、様々な輩が千年に一人の美少女に群がってくるわけですよ。そこを、運び屋のイヌイが守り通すと。暴力で守り通すと。

20210625_002
暴力で解決。暴力こそ全て。暴力に勝るものなし。基本的にはこういうお話です。

ただ、このイヌイが強いのには理由があって、痛覚が無いのです。痛覚が無いからこそ怯むことなく闘いに臨めるし、気持ちの上で負けることがないと。しかもやりあう前の相手への気遣いとして「絶対に殺されないでくださいね」と伝えてあげたり。やだイヌイきゅん優しい。

20210625_000
そう、痛覚が無いことのメリットとして、相手の痛みがわからないことなんですよね。相手の痛みがわからないからこそ、人間心理でどうしても抑えてしまう力を気にすること無く振りぬけることが出来る。まるで「今日から俺は!」の相良が伊藤の頭をビール瓶で叩き割った時のように。まるで「今日から俺は!」の相良がケンカ相手をバンバン車が走る道路に突き飛ばした時のように。まるで「今日から俺は!」の今井がグレた時に自転車を持ち上げて相手にぶつけようとした時のように。

そんな痛覚が無いイヌイくんが暴力と殺人の世界で渡り合っていくのが「運びの犬」です。1巻では主に痛覚が無い設定だったり運び屋の設定だったりの話がメインと、千年に一人の美少女の家庭事情やキャラの説明が多めです。

イヌイは良いキャラですねえ。平然としてて、何事にも動じない。運び屋として誇りを持っているようには見えないのに、仕事はキッチリ達成しようとする。あんま何考えてるかわからないけど犬が好きと、あまり嫌われるキャラではないでしょう。

対して、肝心の千年に一人の美少女がなかなか。。。正義漢というか、なんというか。人によっては鬱陶しく思ってしまうキャラかもしれないです。正直あんまり好きになれないかな。。。

あとは冒頭にグロいと表現描きましたが、グロいです。結構グロ。まあシグルイとか読めたら全然大丈夫だと思います。頭からうどん玉がこぼれ落ちるようなシーンはないので。

現在4巻まで出ており、まだまだ追いやすい巻数ですね。4巻時点ではちょっとうーんという感じではありますが、1巻はこれがなかなか面白いです。とりあえず1巻だけちょい読みしてみるのもありでは?


眠気覚め度 ☆☆☆


5巻の感想はこちら(新章突入もちょっと唐突感がある)
6巻の感想はこちら(カルト宗教に殴り込み)




今のイチオシ!
ちょっと前のイチオシ!!
結構前のイチオシ!!
それなりに前のイチオシ!!
スピリットサークル完結!!
タイムリープサスペンス!!
ゲームとギャグが好きなら!
漫画もいいけど山賊もね!
記事検索
応援してますその2
応援してますその5
Twitter
日々読んだ漫画の感想を中心に記事を更新しています。記事更新と同期していますので、漫画の感想情報を見逃したくない方はフォローお願いします!
メッセージ

名前
メール
本文
「眠気が覚める面白さを求めて」は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
  • ライブドアブログ