三国志をモチーフで未来の日本を舞台に戦争が始まる「日本三國」3巻です。面白さが加速して止まりません。
本当に面白いです。三国志で出てきた苦肉の計やら空城の計やらを使っており、普通なら二番煎じ扱いで終わってしまうものを、見事に面白く昇華しています。
元々ものすごく細かく設定されている背景歴史、各キャラの性格や立ち位置等があるため、キャラが大いに物語を動かしてくれてるのです。だからこそ、二番煎じと言われようがなんだろうが面白くなっているわけです。
とりわけ3巻で際立ったのは、権力者の子供で総大将になっているクソガキこと平殿継の心変わりです。
「次、私を嫌な気持ちにさせたら、父上にチクって一族郎党皆殺しにしたるからな。」
親の七光りで無能な権力者になっている平殿継、苦肉の計に嵌まるまでは菅生右中将に極めて横柄な態度を取り、その権力を思うがまま振る舞います。
そしてとうとう長尾武兎惇の策略に嵌まり、命が危うい状態になります。
「数々の非礼を詫びる。此度の一件は、菅生右中将の助言を無視し、金沢に軍を進めた私に全責任がある…」
この心変わり様、素晴らしいと思いません。もちろんこの前後にやり取りがあり、そこから平殿継の様々な思いや性格が見て取れるのですけれども、単なる七光りでもなくしっかりと自分で考える頭も持っていて、状況把握と取るべき対応も冷静に選択できる見事なものとなっているではないですか。
正直、ここまでのクソガキ路線では、まず無能でむざむざと殺されてしまうことが目に見えていました。それがこうも面白い方向に裏切ってくれるとは。こういう面白さに弱いんだよなあ。
もちろん話はこの2人だけでなく、命を掛けた龍門光英の行動や、少ない情報からありとあらゆる戦況を予測する三角青輝の知謀も3巻で存分に楽しめます。ツネちゃんさんはまだカッコいいところ見せてくれないけど、戦いが始まるときっとすごいことになるでしょう。
また、未来の崩壊した日本を舞台にしているだけあって、現代の有名なセリフだったりを使えるのが妙にアクセントになってて良いんです。
「待てあわてるな、これは龍門の罠だ。」
こういうのとかw
各キャラそれぞれが格好良くて、しっかりとキャラが立って動いていて、本当に面白い作品だと思います。戦記ものが好きな人なら絶対にハマるはず。「日本三國」は絶対に今後来る作品なので是非抑えておきましょう。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
1巻の感想はこちら(傑作になりうるポテンシャルを存分に秘めた怪作に酔いしれろ)
2巻の感想はこちら(三国志をモチーフといえどオリジナリティ溢れる設定と強烈なキャラ個性が話を大きく盛り上げる)
本当に面白いです。三国志で出てきた苦肉の計やら空城の計やらを使っており、普通なら二番煎じ扱いで終わってしまうものを、見事に面白く昇華しています。
元々ものすごく細かく設定されている背景歴史、各キャラの性格や立ち位置等があるため、キャラが大いに物語を動かしてくれてるのです。だからこそ、二番煎じと言われようがなんだろうが面白くなっているわけです。
とりわけ3巻で際立ったのは、権力者の子供で総大将になっているクソガキこと平殿継の心変わりです。
「次、私を嫌な気持ちにさせたら、父上にチクって一族郎党皆殺しにしたるからな。」
親の七光りで無能な権力者になっている平殿継、苦肉の計に嵌まるまでは菅生右中将に極めて横柄な態度を取り、その権力を思うがまま振る舞います。
そしてとうとう長尾武兎惇の策略に嵌まり、命が危うい状態になります。
「数々の非礼を詫びる。此度の一件は、菅生右中将の助言を無視し、金沢に軍を進めた私に全責任がある…」
この心変わり様、素晴らしいと思いません。もちろんこの前後にやり取りがあり、そこから平殿継の様々な思いや性格が見て取れるのですけれども、単なる七光りでもなくしっかりと自分で考える頭も持っていて、状況把握と取るべき対応も冷静に選択できる見事なものとなっているではないですか。
正直、ここまでのクソガキ路線では、まず無能でむざむざと殺されてしまうことが目に見えていました。それがこうも面白い方向に裏切ってくれるとは。こういう面白さに弱いんだよなあ。
もちろん話はこの2人だけでなく、命を掛けた龍門光英の行動や、少ない情報からありとあらゆる戦況を予測する三角青輝の知謀も3巻で存分に楽しめます。ツネちゃんさんはまだカッコいいところ見せてくれないけど、戦いが始まるときっとすごいことになるでしょう。
また、未来の崩壊した日本を舞台にしているだけあって、現代の有名なセリフだったりを使えるのが妙にアクセントになってて良いんです。
「待てあわてるな、これは龍門の罠だ。」
こういうのとかw
各キャラそれぞれが格好良くて、しっかりとキャラが立って動いていて、本当に面白い作品だと思います。戦記ものが好きな人なら絶対にハマるはず。「日本三國」は絶対に今後来る作品なので是非抑えておきましょう。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
1巻の感想はこちら(傑作になりうるポテンシャルを存分に秘めた怪作に酔いしれろ)
2巻の感想はこちら(三国志をモチーフといえどオリジナリティ溢れる設定と強烈なキャラ個性が話を大きく盛り上げる)
日本三國(3) (裏少年サンデーコミックス)
posted with AmaQuick at 2022.12.20
松木いっか(著)
小学館 2022-12-12T00:00:00.000Z
¥693
小学館 2022-12-12T00:00:00.000Z
¥693