忍者と極道

忍者と極道 9巻 - ガムテが主人公になりました

ガムテが主人公になった「忍者と極道」9巻です。

9巻でグラス・チルドレン篇が完結します。忍者の犠牲者3名、破壊の八極道の犠牲者3名、双方とも残るは5人ずつで、互いの素性も明らかになり、10巻から第2部が始まる形となります。

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「これがッッ 殺し屋ガムテすべてを賭けた本気の本気だ!! 多仲忍者 てめーには絶対負けない!!」

これまで共に戦ってきたグラス・チルドレンの極道技巧を次々と使い、仲間と共に宿敵忍者(しのは)を倒そうとするガムテ。こんなんもう主人公だろ。。。


しかも忍者(しのは)を倒す為に、自分の命を投げ出してヘルズクーポン2枚服用しているガムテ。

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「オレは…5分で死ぬ」

こんな命の賭け方、もう主人公だろ。。。



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「他人に殺された心はッッ!他人を殺さなきゃ正気ではいられないッ!! 殺さなきゃ生きらんない!!」


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「オレ達は!!そんな生き物なんだ!!! そんな生き物になっちまった!! なっちまったんだ!!!」

いずれも悲しく辛い過去を持つ、グラス・チルドレン。大人に壊されて、壊す立場にならなければ生き残れなかったグラス・チルドレン。彼らの代表として、彼らの受け手として振る舞ってきたガムテの強い思いの吐露。こんなんもう主人公だろ。。。


ガムテが終始格好良くて、正直なところ主人公の忍者(しのは)よりも応援したくなるくらい魅力的なキャラでした。9巻の作者あとがきで少し触れていたのですが、ガムテの初登場はとことん道化で、嫌われる為に存在するキャラだったんですよ。

そんなガムテの思いが解き放たれて、グラス・チルドレンを束ねるカリスマ性を持つ裏付けも明確に受け取れて、忍者(しのは)の宿敵としてここまで格好良い存在になるなど誰が予想出来たでしょうか。

おまけにグラス・チルドレン篇の終盤では、ガムテが忍者(しのは)をずっと名前呼びして明確にライバル視してるのがまた格好良くて。それだけ思いが強いことが読み取れて感動してしまいます。

本当に、本当にこのグラス・チルドレン篇のガムテは素晴らしかった。誰よりも強くて、誰よりも闇が深くて、誰よりも自身の信念を貫いて。そんな魅力的なガムテがいたからこそ、グラス・チルドレン篇はとても面白かったのだろうな。

決着がついたあとも、これまでの中では唯一生首にならず終わりを迎え、その瞬間まで忍者(しのは)と極道(きわみ)の関係をぶち殺す執念は本当にお見事。これでグランドフィナーレになってもおかしくないくらい格好良さが際立ってました。

しかも本当にガムテがほしかったのは、極道(きわみ)からの愛だったことがまた涙を誘います。ガムテらしく、その本心を明かすことなく、信念を貫き通した姿もまたカッコいい。


正直グラス・チルドレン篇はガムテがカッコよすぎたので、忍者たちのカッコよさが霞んでしまっています。これまでは笑いながらも忍者の活躍を見れて、そこまで極道側に肩入れは出来なかったように思います。

それが、このグラス・チルドレン篇では立場が完全に逆転。極道側、特にガムテに個人的には物凄く肩入れしてしまいました。

弱者が挑む強者への挑戦。弱者だからこそ様々な策を弄して忍者を殺そうとする立ち振舞い。その一挙手一投足が全て格好いい。

前回の感想でも書いたのですが、これ以上面白い展開に出来るのでしょうか?グラス・チルドレン篇が面白すぎたので、このあとの展開で盛り下がってしまうことが心配になってしまいます。もちろん相対的な話であって、これまでの面白さを維持するだけでも十分名作に値する作品になると思うのですけれども。


なんかもう、ガムテが死んだことで消失感があります。残りの破壊の八極道が勢揃いしたり、忍者(しのは)と極道(きわみ)が互いの正体を知ってしまったりと第2部に続くための仕込みはいくらでもあるのですが、そこを語っても仕方ない気がするのでここまでにしておきます。

ガムテに合掌。10巻が待ち遠しいです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


6巻の感想はこちら(生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える)
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る) 


忍者と極道(9) (コミックDAYSコミックス)
近藤信輔(著)
講談社 2022-04-13T00:00:00.000Z

¥693




おまけ
連載時に気づいていたのですが、以下のコマはそのままでした。

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左手が無いはずなのに両手を使って消火器を潰すガムテ。

左手は2巻時点で忍者(しのは)にぶっ飛ばされてるので、無いはずなんです。ここだけ復活した?



忍者と極道 8巻 - グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る

グラス・チルドレン篇から急速に面白さが加速し、いよいよ忍者(しのは)とガムテの直接対決が始まった「忍者と極道」8巻です。尚、決着は9巻になります。

連載でも追っているほどこの作品が大好きなのですが、このグラス・チルドレン篇、特にガムテと忍者(しのは)の最終対決はとてつもない面白さを放っています。まさしく「忍者と極道」の前半戦最終対決として相応しい対決でしょう。


この8巻では、7巻のラストで「ヤマイダレ」を喰らってしまった忍者(しのは)がその傷を回復するところから始まります。

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「忍者と極道」7巻より。


その回復には多少の時間が掛かるため、その間は無防備となってしまいます。そこで立ち上がったのが、忍者(しのは)の友人となり、国を守る意思に満ち溢れた内閣総理大臣 愛多間七なのです。


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ヘルズ・クーポンは誰でも恐ろしい力を得ることができ、それをただの一般人が使用する機会が出てきたのがまた、このグラス・チルドレン篇の大きなポイントでしょう。

つまり、単に忍者と極道の戦いではなく、そこに巻き込まれた一般人も戦闘に参加せざるを得ない状況となっているわけです。しかもそれが誰であろう総理大臣であり、さらに動機は友である忍者(しのは)を守る為というのが非常に非常に熱いではありませんか。

忍者ではなくただの一般人が、友人である忍者の為にその命を掛けて極道に立ち向かう。こんなにカッコいい展開はなかなかありません。好きだなあ、こういう展開。


そしてまた一方、総理官邸に仕掛けられた爆弾を解除する為にプリマと対峙している極道(きわみ)。極道(きわみ)もまた、忍者(しのは)との約束を守る為、総理を助けるのを忍者(しのは)に任せたからこそ、自分が爆弾を解除すると誓っています。その約束を果たす為に、ヘルズ・クーポン無しでプリマに1人で立ち向かいます。


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「約束したんだ……! "彼"と  爆弾は…私が解除すると…!!」
「私が…時間をかせぐのだ…! "彼"は死なせぬ…二度と…誰も死なせるものか!!」




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「すべては   友達のため!!!」

カッコいいなあ。

これまでは仲間意識としては忍者同士でしかいなかった忍者(しのは)にとって、初めて一般人の友人と共に戦うことになるのです。しかもその2人はまた超強力で、自らの強い意志を持ち、自分の命を顧みずに忍者(しのは)の為に命を賭けるのです。

作品が始まってから出会ったこの友人2人、これまでの話を通じて築き上げた友情がこのような形で結びつくのが本当に素晴らしい。個の1人ではなく、3人でガムテと戦うという流れであり、まさしく少年漫画の王道と言えるのではないでしょうか。


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また、読んでる諸兄は既にご存知の通り、極道(きわみ)はこの作品の最大の敵でもあるのですよね。今は共闘しているけれども、このあと忍者(しのは)がこの事実を知ったらどうなるのか、それがもう楽しみで仕方ありません。


極道(きわみ)の凄さ、怖さ、カッコよさはこれまで読んできたらいくらでもわかりますし、それはそれは本当に魅力的なキャラ設定がされています。しかしこの8巻は、何よりも総理大臣 愛多間七のカッコよさが際立っていました。

爆弾が極道(きわみ)によって解除され、最後の総攻撃も遅れてやってきた斗女たんに全て防がれ、もうグラス・チルドレンの勝利は無いと悟ったガムテに対して語る姿が本当に熱い。


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「私が聞こう…! いや  … 聞かせてくれ!! 教育制度改革…!! 児童虐待防止策の強化・改善  君達のために出来ることがあるはずだ…!!」




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「…ハッ アホくさ……できることなんて  」




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「私を誰だと思っている!? 内閣総理大臣 愛多間七である!!!」


ガムテの表情からわかる通り、愛多間七のこの言葉に、ガムテの傷つき全てを拒絶してきた心の塊が融け始めています。

元々グラス・チルドレンは皆、親兄妹や世間から虐待を受けて行き場を失った子供達の拠り所になっていました。大人は誰も助けてくれないから自分たちだけでやっていく、クソみたいな大人は全員殺してしまう、「割れた子供たち」は心が壊れてしまった子供の集まりです。

そこに、本当に他意無く、心から子供たちを救いたい、そんなことも出来ないで何が政治家だと言わんばかりの熱い思いを持つ愛多間七からの助けが来たのです。裏切られ続けた大人から初めて救いの手が差し出されたのです。それがまさかグラス・チルドレンの権化でもあるガムテにまで届くことになるとは。

正直、この総理がここまでストーリーに深く関わるキャラだとは思いもよりませんでした。また、忍者(しのは)との出会い時にも使っていた決め台詞の「私を誰だと思っている!?」が、ここまで極めて効果的に、その言葉の重さを強く認識させて表現されるとは思いもよりませんでした。本当に熱くて、「忍者と極道」で涙腺が緩むことになるとは。素晴らしいです。


元々、やけに丁寧にグラス・チルドレン達個々人の話を掘り下げるなとは思っていたのですが、まさかこういった形で回収する為に描写されていたとは。おまけにその内容はガムテのラストバトルにも引き継がれるのでホント最高ですね。

殺島篇の子供の頃の無茶をまたやりたいという思いに対して、グラス・チルドレンは自分たちの心を解放する為に戦っているので、その動機の重みが異なります。しかもそれに加えて共闘や熱いサブキャラも展開されるのだから、面白さが加速するのも当然ですね。間違いなくこれまでの「忍者と極道」で一番面白いのはこのグラス・チルドレン篇でしょう。


そしていよいよ始まる本当に最後の戦い、ガムテ対忍者(しのは)です。

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この名乗り合いの裏マナーが出てくると決着がつく合図です。どちらかが死ぬまで戦いが続きます。

忍者(しのは)にとって色姐の仇であるガムテ。総理官邸を襲撃することで友人である極道(きわみ)も愛多間七も死に直面させたガムテ。

そしてガムテにとって、自分の父である極道(きわみ)と友人であることが許せない多仲忍者。忍者(しのは)と極道(きわみ)の両方を同時に殺そうと総理官邸襲撃をしたものの、野望潰えて全ての仲間を失い全ての仇として位置づけられる多仲忍者。

お互いが最大のライバルであり、最大の因縁の敵であり、最大の強敵であるこの2人が激突します。面白くないわけがないですね。8巻ではケリはつきませんが、続く9巻でも描写されるこの戦いは本当に面白くて、最高です。連載未読の方は9巻を是非ともご期待ください。



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「決めようか…忍者と極道  何方が生存るか死滅るか…!!!」


ここからのガムテが本当に最高なんですよ、本当に。思わずガムテを応援したくなるほどのカッコよさが出てきます。9巻は必見。


それにしても、陽日にガムテがトドメ刺してなかったかなと確認する為に1巻を少し読み直したのですが、最初に登場したガムテは本当に単なる道化キャラですね。このキャラが、トリックスターとして忍者も極道もどちらも大きく揺るがし、ストーリーをここまで面白くさせることになるとは思いもよりませんでした。

最初は単なる嫌なキャラで色姐を殺した時なんかこんなやつにやられてしまうのかくらい思ってたぐらいなのに、話が進むに連れて魅力がガンガン増して本当に良いキャラになりました。強敵として、ライバルとしても本当に描写が上手いし、これこそ主役を喰ってしまうレベルの敵キャラと言えるでしょう。

この作品これ以上面白くできるのかなあ。グラス・チルドレン篇を越える面白さってめちゃめちゃ要求高くなるぞこれ。



眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


6巻の感想はこちら(生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える)
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)


忍者と極道(8) (コミックDAYSコミックス)
近藤信輔(著)
講談社 2022-01-12T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥693


 

忍者と極道 7巻 - 忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる

超絶生首エンターテイメントを全力で発揮している「忍者と極道」7巻です。

6巻の感想でも触れたとおり、今のグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎えています。それは忍者(しのは)と極道(きわみ)の共闘、そして極道(きわみ)が忍者(しのは)を忍者ではないかと気付き始めることからです。

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「忍者(しのは)君…!! 教えてくれ「聞きたくない!!」君は…君は"忍者"なのでは…!?」
「極道(きわみ)さん…!! あんたは必ずオレが守る!! だが…だがよォ~ どうやって…!!?」

「忍者と極道」のストーリーに大いに関係している「フラッシュ☆プリンセス」をなぞるように、忍者(しのは)と極道(きわみ)の関係値が進んでいくのがホントに素晴らしい演出です。お互いが敵とは気付かずに築いてきた友情関係。敵という事実に辿りついた時、果たしてどのような心理になり、どのような行動を取るのか。今から既に非常に楽しみであります。

また、この時点では一方的に極道(きわみ)が気付きつつあるというのがまた上手い。忍者(しのは)はあくまで友人に忍者であることがバレてはいけないというだけなのです。ということは、極道(きわみ)次第で状況は変えることが出来るのですね。つまり今の時点では極道(きわみ)がどのような行動を取るかに注目が集まります。

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そして、このグラス・チルドレン篇、総理官邸の戦いでは、極道(きわみ)は忍者(しのは)は忍者ではないと思い込むことで、友人として忍者(しのは)を助けることにするのが本当に熱い展開。

しかも、忍者(しのは)は極道(きわみ)をかばうことによるダメージを負っていることと、極道(きわみ)はヘルズチケットを自由に使えないことから、どちらもハンデを背負った状態でグラス・チルドレンに立ち向かうわけです。強者が弱者として手を組んで、共通の強敵に立ち向かう構図というのは、王道ながら熱い熱い戦いです。

本当に、単純に破壊の八極道と帝都八忍の争いでなく、内部抗争だったり極道(きわみ)が手を持て余すグラス・チルドレンの暴走だったり、シナリオの組立てが上手いです。「フラッシュ☆プリンセス」と共鳴させながらの展開も相まって、グイグイ引き込まれるもんなあ。


しかもキャラ登場のさせ方も上手い。特に忍者側は1人1人話毎に出していくのではなく、一気にほとんどの忍者を登場させて、逆に敵側の極道を1人ずつフォーカスさせるというのがグッド。

帝都八忍と破壊の八極道のように数字が合っているものだと、よくあるのはそれぞれのライバル関係があって戦うということだと思うのですが、「忍者と極道」ではあくまで忍者(しのは)がメイン。夢澤のアニキは陽日と相打ちだったけど直後駆けつけたのは忍者(しのは)だし、殺島のアンちゃんは忍者(しのは)が倒してるし。

特にこのグラス・チルドレン篇の相手は忍者(しのは)因縁のガムテ。色姐のカタキであり、陽日が死んだ時の因縁の相手であり、唯一互いの存在が明確にわかっている相手。そんな相手の時に、極道(きわみ)と共闘することになるのだから、面白くないわけがないですね。

他の帝都八忍にもフォーカスは当たってますが、あくまでお膳立てだったり他の雑魚を蹴散らす役目に回ってます。このあとどうなっていくのかな。これまでの流れとしては、グラス・チルドレン篇でも忍者側が誰か死んでもおかしくないのだけど。今の段階ではどうあっても忍者は誰も死ななさそうな感じがします。

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確認した限りではガムテが初めて忍者(しのは)の名前を呼んだシーン。これまでの「タケノコキノコ」呼びから、明確に強敵意識を持った瞬間とも言えるでしょう。

そう、ガムテはこれまでのうち、忍者(しのは)として間違いなく最大の敵です。そして極道(きわみ)との共闘。おまけに8巻では最後の帝都八忍が合流しそうな雰囲気。おそらく、このグラス・チルドレン篇が第一部的な位置づけであり、この戦いが終われば話が大きく変わっていくと想像出来ます。

というのも、7巻でも残りの破壊の八極道が動き始めてるのです。
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1巻より、奥の方の4人は極道(きわみ)、夢澤、殺島、ガムテ。手前の4人がまだシルエットのみ。

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一番手前がおそらくこの極道。

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一番右がおそらくこの極道。

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右から2番めの長いドレッドヘアがこの極道。

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一番左の細身がこの極道。そしてこいつが極道(きわみ)が与り知らぬところで色々と画策しているように表現しています。よっておそらく、グラス・チルドレン篇の次の展開は、この極道が中心として話を展開していくのでしょう。


話もグラス・チルドレンの幹部が出てきて対決を進めたり、愛多間七総理達の話もグングン展開したり本当に読み応えがあります。特にヘルズクーポンをグラス・チルドレンから奪うものの、使用済みなので一瞬しか使えないという制限を設けたりしてるところも良い足枷になってます。

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宿敵として待ち構えていたガムテが忍者(しのは)に襲い掛かるところとか最高。

個人的にめちゃめちゃ良い展開だと思ったのは、最後のところで愛多総理がヘルズクーポンを使うシーンですね。初めて本当の素人がヘルズクーポンを使ったことになります。しかもそれは、ガムテから忍者(しのは)を守る為。最高の展開やな。


いやあ、どこを切り取っても面白い「忍者と極道」。グラス・チルドレン篇も佳境に入ってきたし、全体のシナリオとしてもとても大きな岐路に立っているし、ますます目が離せません。

それにしても、正直ここまでグラス・チルドレン篇が面白くなるなんて思いませんでした。巻数が進むごとに話が面白くなっていく作品なんてなかなか無いですよ。まだまだ「忍者と極道」熱は覚めませんな。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


6巻の感想はこちら(生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)


 




おまけ:個人的に凄く好きな表現
一番最初に貼ったのですが、2人で対比して双方の思いを読める表現が凄く好き。
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両方の立場で、今何を考えているのか。それぞれの立場を表現しているのがとても面白いと思うのです。特に7巻の極道(きわみ)の表現は、冷静な思考の上に強調文字で自分の希望を上書きしているのがもの凄く漫画的表現だと思っていて、思考が混乱している姿をすぐにわかるのが非常に上手いです。気持ちがぶれているのがわかって素敵。


この表現、1巻でも似たようなものがあるんですよね。
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ここでも互いが思うのは忍者(しのは)のことで、敵対しているのに思う相手が共通という皮肉を表現しているのです。こういった2者による並列思考って他の作品であったかなあ?あまり見ない気がする。

「忍者と極道」という、明確な敵対者をストーリーの軸に表現していることと、ある意味ダブル主人公と言っても良いくらいに忍者側も極道側も魅力的に描いているからこそ出切る魅せ方だと思います。こういう表現が上手いからこそ、「忍者と極道」をより面白くさせてると思うのです。だからこそ、「忍者と極道」はやめられない。



忍者と極道 6巻 - 生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える

現在連載中の中でもマジパネェ存在感を放出しまくってるのが「忍者と極道」ッス。何がパネェッてとにかく生首が大量に飛ぶ。飛ぶ飛ぶ飛ぶ。そして生首がそのまま喋る。んで、死んでいく。大物以外は最後必ず生首なんじゃないかってくらい飛ぶ。だのにその描写に一切不快感を覚えさせず、むしろ清々しい清涼感すら感じてしまう。つまり生首を飛ばすことを極上のエンターテイメントに仕立て上げている。それが「忍者と極道」が傑作であるゆえんなのです。

その「忍者と極道」の6巻が発売されました。いやはや、毎週Web更新も追っかけているので話を理解しているとはいえ、やはりこうして単行本としてまとめて読むとまた面白いですね。

忍者と極道のWeb連載はここで読めます。

さて、6巻の舞台は「割れた子供達(グラス・チルドレン)」篇のバトル開始からとなっています。総理官邸に潜入したガムテ率いる大量のグラス・チルドレンと、逃げ惑う米国大統領を含めた首脳陣、それを守りつつグラス・チルドレンをブッ殺していく忍者、そしてその場にいた極道側の親玉である輝村極道。極道の一部隊であったグラス・チルドレンと極道(きわみ)がぶつかるということが、このグラス・チルドレン篇がこれまでと大きく違った転換期の話だということが読み取れます。

これまではあくまで忍者と極道との戦いに終始しています。その過程で忍者も極道も双方少しずつ重要人物を失い、戦力を削られている流れとなっていました。

しかしこのグラス・チルドレン篇は、単に忍者(しのは)とガムテの因縁に留まらず、ガムテと極道(きわみ)の親子因縁にも踏み込んでいます。ある意味、忍者と極道という2勢力の争いに第3勢力が狼煙を上げたとも言えるでしょう。ということは、このグラス・チルドレン篇は「忍者と極道」のストーリーとして大きな意味を持っているはずなのです。

6巻の最後は遂に忍者(しのは)と極道(きわみ)が戦闘中に出会ってしまうところまでです。そう、「フラッシュ☆プリンセス」を共通言語として深い友人関係となった相手が、本来は敵対する相手だったと気づいてしまうことになります。

友人が実は敵だったという、ある意味ベタベタな王道展開ではありますが、これがどうしてこんなにも面白く読めるのか。それはやはり、キャラの立て方が素晴らしいということにあるでしょう。

その大きなポイントとしては、忍者も極道も互いに信念を持って行動していることです。忍者は裏世界で世のために極道をブッ殺すことを生業とし、その姿を表すことなく極道を処分するという信念。極道は長年辛酸を舐めされられ続けた忍者を駆逐してやろうという信念。お互いの信念がぶつかるからこそ、お互いの正義がぶつかるからこそ、どちらも全力で事を成そうとすることに我々は惹かれるのです。

また、それらに軸を起きつつも、日常生活では普通の人間と同様に些細なことに悩んだり、好きな趣味があったりという人間臭さが窺えるのが良いスパイスとなっています。そしてその対象が忍者(しのは)も極道(きわみ)もプリキュアをモチーフにした「フラッシュ☆プリンセス」というアンバランスさがまた良い。しかも「フラッシュ☆プリンセス」を忍者(しのは)が推すおかげで関係者や総理大臣にまで普及していってるのがまた愉快。どんだけ作者はプリキュア好きなんだろう。

しかもですよ、その「フラッシュ☆プリンセス」も細かい設定がされていて、忍者(しのは)も極道(きわみ)も推しキャラがヒースたんというプリンセスの敵キャラで、プリンセスとヒースたんの関係性がまさしく忍者(しのは)と極道(きわみ)と同じというのがまた憎い。好きなアニメと同じ事を現実でやっていると2人が気づいた時、その関係がどうなるのかワクワクしてたまらないです。そういうシナリオの立て方も本当に上手い。

話も設定も面白い上に、絵の構図もカッコいいものが多いことも面白さに拍車を掛けています。例えば6巻最初の2ページですが、コミック開いた最初からこうですよ。
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警備員の生首を飛ばして回るグラス・チルドレンに対して、
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グラス・チルドレンの生首を飛ばして回る忍者(しのは)。対比で描かれててもの凄くカッコいい。漫画の見せ方というのが凄く上手い。この2ページだけで、互いの勢力がどういう動きをしてるのかわかるのがホント上手いです。しかも勢いがあるし、前述したように生首が飛んでるのに何故か清涼感があるし。ベリーグッド。

あともの凄く好きなのが、大物勝負になった時に互いに名乗り上げるところです。それがたまらなくカッコいい。これからガチでタイマン張るから覚悟しろよテメーって感じでホントカッコいい。パネェ。
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このスタンスは絶対崩してないのが本当に素敵。負けた方も全力尽くして、信念持って戦ったが敵わなかったという見え方するのが本当に良い。こう、厨二病じゃないですけど、子供の頃カッコいいと思ったものが全部詰まってる感じがするんですよね。漢気溢れるというか。忍者も極道も両方がものすごくカッコいいから素直に好きになれます。そして忍者側は殺した後に必ず「ブッ殺した」って決め台詞を告げるのもカッコいい。言葉は汚いのにそのアンバランス感がたまらないです。

カッコいいと言いつつ、極道側は一般人殺しまくったり法で裁くにはぬるすぎるようなことばかりしてるので、実際にこんなのがいたら笑ってる場合じゃないのだけど、それが何故か読んでて不快にならないのがまたこの作品の凄いところ。キャラが立ってるからなんだろうなあ。一応忍者側が主人公なのだけど、極道の方を応援したくなってしまうのは忍者が強すぎるからか、それとも極道側の方が妙に人間臭いからか。

というわけで、「忍者と極道」は今読むべき極上のエンターテイメントです。まだ6巻までだし、オンラインでも多少は読めるので読み始めるなら今のうち!


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)





書いてて「忍者(にんじゃ)」と「忍者(しのは)」と「極道(ごくどう)」と「極道(きわみ)」の表現をどうしようか四苦八苦しました。少なくとも忍者(しのは)と極道(きわみ)は読み仮名振らないと何のこと言ってるかわからないよね。
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