壮絶な戦いと生首が飛び交う令和最高のエンターテインメント「忍者と極道」10巻です。9巻まででガムテのグラスチルドレン篇が終了、10巻からは互いの立ち位置が明確になった忍者と極道の戦いのある意味第2部スタートと言えるでしょう。
忍者は8人、現在の死者は3人。破壊の八極道は文字通り8人、現在の死者は3人。完全に拮抗した戦いが繰り広げられています。
そんな中、ガムテ戦の最後で互いの存在が宿敵と認識してしまった忍者(しのは)と極道(きわみ)、極道(きわみ)は己の極道信念の元、忍者殲滅を目的としているのでその気迫が揺るぐはずもなく。一方で忍者(しのは)は数少ない友人が倒すべき宿敵であることに心を揺さぶられることとなります。
そうして舞台は次のシーンへ。1巻以来の極道(きわみ)が極道たちに演説することへ。この演出が明確な第2部のスタートという位置づけにもなるでしょう。
「今こそ熾さん!!!極道革命」
カッコいいんだよなあ、この人。最大の宿敵であり、最大のカリスマである。やはり敵キャラというのは信念を持った魅力に溢れたキャラであるべきというのを思い知らされます。
そんなカッコいい極道(きわみ)なんですが、カッコよく恐ろしいことを口々に語るのが妙に面白いです。
「愚鈍な債務者を一家心中に追い込んだだけで外道と誹謗されし極道よ」「女子供の臓腑抉り捌いただけで畜生と中傷されし極道よ」
一家心中に追い込んだだけ、女子供を捌いただけってのがこの真面目なシーンにアンマッチでそれだけで面白いw
「忍者と極道」の極道側は凄くカリスマ性があってカッコよく描かれてるんですが、その信念は邪悪そのもので社会の害悪に間違いないという設定なのが非常に面白いんですよね。
少なくとも、自分含め数多くの読者が忍者よりも極道側に魅力を感じるはずなのですが、こいつらのやってることは最悪なことだと意識づけることで、忍者が極道をブッ殺す理由付けをブレさせなくしています。
中途半端にいい人を気取ったり、仁義に厚くて堅気には手を出さない、所謂お話の中でよく描かれるヤクザではなく、決して社会からは許されることのない極悪の悪役としてしっかりキャラ付けしてるのが見事だと思います。
これでまともな社会性を持っちゃってたらブッ殺す意味が無くなっちゃうしな。そういう意味では絶対に極道はブッ殺すべき存在として描かれ続けるのが本当に素晴らしいです。
「に…忍者全部ブッ殺したら…昔みてーにまた堅気…恐喝りてえなあ~~…!!」「恐喝れば善し!」
「邪魔な政治家──沈殺めて……いいんスかァ!?」「沈殺めて善し!」
「児童臓物 売捌してええのか!?」「売捌せば善し!!」
ここのシーンホント笑ってしまったwww すごい真面目な顔して言ってることが極悪なんだものwww いや正直、10巻はこれだけで読む価値ある巻ですなw
と言いつつも、10巻で既に次の戦いが始まるスピード感も非常にグッドなんですよ。グラスチルドレン篇という大勝負が終わったばかりなので幕間が多く入るのですが、その幕間も忍者(しのは)と極道(きわみ)の関係性の話をしたり、すぐに次の八極道の話をしたりと急展開します。
この展開の早さも「忍者と極道」の魅力の1つですね。名乗り合いをして決着するまでも数話で終わるし、やはりスピード感があってこその面白い作品だと思うのですよ。
思い返すと、ジョジョも3部や4部は数話で戦い終わってて面白かったです。5部に入ると1巻でひとつの戦いくらい長くなって、連載で追っても意味がわからんみたいなことになってました。6部以降はノーコメント。
なので、やはり長過ぎるのも問題だと思うのです。「忍者と極道」はそのあたりまだまだスピード感があってグッドです。一気に読めてしまう。
しかも展開が早いのに対して情報量を詰め込みガチなので、決して内容が薄いわけでもないのも非常にグッド。面白い作品はきちんとそういった理由付けがあって面白いんですな。
さてさて、11巻からは次の八極道 繰田孔富 戦が展開されていきます。まだ本丸の八極道まで連載でも辿りついていないですが、当然次も楽しみですな。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
6巻の感想はこちら(生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える)
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)
忍者は8人、現在の死者は3人。破壊の八極道は文字通り8人、現在の死者は3人。完全に拮抗した戦いが繰り広げられています。
そんな中、ガムテ戦の最後で互いの存在が宿敵と認識してしまった忍者(しのは)と極道(きわみ)、極道(きわみ)は己の極道信念の元、忍者殲滅を目的としているのでその気迫が揺るぐはずもなく。一方で忍者(しのは)は数少ない友人が倒すべき宿敵であることに心を揺さぶられることとなります。
そうして舞台は次のシーンへ。1巻以来の極道(きわみ)が極道たちに演説することへ。この演出が明確な第2部のスタートという位置づけにもなるでしょう。
「今こそ熾さん!!!極道革命」
カッコいいんだよなあ、この人。最大の宿敵であり、最大のカリスマである。やはり敵キャラというのは信念を持った魅力に溢れたキャラであるべきというのを思い知らされます。
そんなカッコいい極道(きわみ)なんですが、カッコよく恐ろしいことを口々に語るのが妙に面白いです。
「愚鈍な債務者を一家心中に追い込んだだけで外道と誹謗されし極道よ」「女子供の臓腑抉り捌いただけで畜生と中傷されし極道よ」
一家心中に追い込んだだけ、女子供を捌いただけってのがこの真面目なシーンにアンマッチでそれだけで面白いw
「忍者と極道」の極道側は凄くカリスマ性があってカッコよく描かれてるんですが、その信念は邪悪そのもので社会の害悪に間違いないという設定なのが非常に面白いんですよね。
少なくとも、自分含め数多くの読者が忍者よりも極道側に魅力を感じるはずなのですが、こいつらのやってることは最悪なことだと意識づけることで、忍者が極道をブッ殺す理由付けをブレさせなくしています。
中途半端にいい人を気取ったり、仁義に厚くて堅気には手を出さない、所謂お話の中でよく描かれるヤクザではなく、決して社会からは許されることのない極悪の悪役としてしっかりキャラ付けしてるのが見事だと思います。
これでまともな社会性を持っちゃってたらブッ殺す意味が無くなっちゃうしな。そういう意味では絶対に極道はブッ殺すべき存在として描かれ続けるのが本当に素晴らしいです。
「に…忍者全部ブッ殺したら…昔みてーにまた堅気…恐喝りてえなあ~~…!!」「恐喝れば善し!」
「邪魔な政治家──沈殺めて……いいんスかァ!?」「沈殺めて善し!」
「児童臓物 売捌してええのか!?」「売捌せば善し!!」
ここのシーンホント笑ってしまったwww すごい真面目な顔して言ってることが極悪なんだものwww いや正直、10巻はこれだけで読む価値ある巻ですなw
と言いつつも、10巻で既に次の戦いが始まるスピード感も非常にグッドなんですよ。グラスチルドレン篇という大勝負が終わったばかりなので幕間が多く入るのですが、その幕間も忍者(しのは)と極道(きわみ)の関係性の話をしたり、すぐに次の八極道の話をしたりと急展開します。
この展開の早さも「忍者と極道」の魅力の1つですね。名乗り合いをして決着するまでも数話で終わるし、やはりスピード感があってこその面白い作品だと思うのですよ。
思い返すと、ジョジョも3部や4部は数話で戦い終わってて面白かったです。5部に入ると1巻でひとつの戦いくらい長くなって、連載で追っても意味がわからんみたいなことになってました。6部以降はノーコメント。
なので、やはり長過ぎるのも問題だと思うのです。「忍者と極道」はそのあたりまだまだスピード感があってグッドです。一気に読めてしまう。
しかも展開が早いのに対して情報量を詰め込みガチなので、決して内容が薄いわけでもないのも非常にグッド。面白い作品はきちんとそういった理由付けがあって面白いんですな。
さてさて、11巻からは次の八極道 繰田孔富 戦が展開されていきます。まだ本丸の八極道まで連載でも辿りついていないですが、当然次も楽しみですな。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
6巻の感想はこちら(生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える)
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)
忍者と極道(10) (コミックDAYSコミックス)
posted with AmaQuick at 2022.09.14
近藤信輔(著)
講談社 2022-09-14T00:00:00.000Z
¥726
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¥726