山本中学

青春は変態 - 山本中学の新作は陰キャ同士の悶々とした恋愛をニヤニヤ見れる

これ、本当におすすめです。

内面の心理描写が抜群の山本中学先生の新刊「青春は変態」がめでたく発売されました。もう、とにかくニヤニヤが止まらなくて一気に眠気が覚めてしまいました。これは恋愛もののひとつとして絶対に人気が獲得出来るレベルです。知名度が上がれば売れるはず。

実は、山本中学先生が描く作品ってドロドロしてたものが多かった気がするんですよ。「繋がる個体」は好きなのに理由があって別れたアラサーがくっつく話だし、「戯けてルネサンス」は高校ものだけど出てくるクラスメイトの過去が壮絶だったし、「サブスク彼女」はそもそもメンヘラがテーマだったし、「左様ならこんばんは」に至ってはヒロイン最初から死んでるし。

だけどこの「青春は変態」はとにかくピュアな陰キャの恋愛が見れるんです。相手のこと好きなんだけど、実は好き避けしちゃってたり、勝手に卑下して相手に不快な思いをさせていると思いこんで落ち込んでいたり。

そんな男女それぞれの心理描写が代わる代わる表現されることで、陰キャ思考が実は全然大したことない杞憂で、そんなごちゃごちゃしなくていいからとっととくっつけよコンチクショーとなるんです。そう、ちょうど作中の樒(しきみ)さんと同じ立場になれます。

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序盤から友人にからかわれることを契機に、隣同士の席だった二人が、これまで実はお互い密かに意識しあっていた二人が急に接近を始めるんです。しかも女の子の檜さん側からの大胆のアプローチで一緒に帰ることに。そんなきっかけで、少しずつ二人の歯車が動き出すんですね。

だけど前述した通り、自分のことなんか好きになるわけがないという勝手な思い込みが二人共あって、一緒に帰って楽しいはずなのに緊張して考えすぎて、そしてその心理描写が次々と繰り返されます。ある意味双方が主人公として様々な思いを交差させるわけです。

もちろんこの二人の思考なので、それぞれの思いには気づいていません。読んでいる第3者の読者だけがわかるという、まさに神視点で二人を見守る事ができるんです。これがやっぱり、元々心理描写が上手いからこそ出来た手法なんじゃないかと思うわけです。これは上手いと思うなあ。


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えっこの時間はもはやデートでは!?

色々あって、何かおごるということで喫茶店に入った二人、実際にケーキを食べるまでこれがデートであると気づきませんでした、初々しくて可愛い。

そしてこのシーン、水を注ぎに来る店員がこの二人を見てニヤニヤしていて、それがまた良いんです。この店員もまさしく、読者である我々と同様に二人の初々しい姿を見守ってるんですねえ。作中キャラと読者もシンクロさせて、何よりもこの主人公二人の恋愛がメインですと主張してるのがまた上手い。


こんな展開をしながら、徐々に近づいたと思いきや、陰キャ思考が故にやっぱりなかなかすぐにはくっつかなくて、ニヤニヤもモヤモヤもさせてくれる展開になっていきます。

そんな展開が続いてくのかなーと思いきや、中盤に息を呑むような大きな動きがあります。

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このシーン。ポイントになるのはこの前のページなのですが、さすがにそれはネタバレなので貼れません。ただ、このシーンがめちゃめちゃ良すぎて、「青春は変態」が絶対に売れるべき作品だと思わせてくれました

これがきっかけでお互いの意識がさらに深まっていって、いよいよタイトルにある「変態」的な妄想やらなにやらが始まっていくのです。


いいなあ、若い頃は確かにこういう思考しちゃった時もあったなあと色々思い出させてくれます。なので、二人が考える陰キャ思考もわかるし、そんなのは杞憂だというアドバイスもしたくなるし、それでも徐々にお互いのことを理解して思いが深まっていくのをじっくりニヤニヤ見届けたいしという気持ちになるんです。

これ好きな人は好きどころか、知名度上がれば絶対に注目されると思うんだよなあ。それくらい一般向けな内容になっている気がするし、山本中学作品に触れるならすごく入り込み易いと思うんです。

何より他の作品よりもドロドロしたところがないし。せいぜい陰キャ思考が過ぎてイライラするかもくらい。出てくるキャラも悪い人物はいないし、作中キャラはみんな杉村くんと檜さんのそれぞれの思いに気づいていて、二人を応援してる人たちしかいないし。

じっくりとニヤニヤしながら二人の行く末を見守りたくなる「青春と変態」でした。抜群にオススメです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


青春は変態 1
青春は変態 1
posted with AmaQuick at 2022.06.10
山本中学(著)
日本文芸社 2022-06-09T00:00:00.000Z

¥734


「左様なら今晩は」特別読切掲載のヤングキング 2022年2/7号

祝!「左様なら今晩は」映画化決定!!


いやーめでたい。ホントめでたい。こういう言い方は本当に失礼ですが、まさか映画化されるなど夢にも思いませんでした。世界が山本中学ワールドに近づいていく、これがどれだけ嬉しいことか。


山本中学「左様なら今晩は」実写映画化!ウブな幽霊とサラリーマンが同居生活 (コミックナタリー)



私の方でも原作の感想を書かせていただいてますので、原作に興味がある方は是非ともそちらをよろしくお願いします。1巻完結で非常に読みやすくてすこーしえっちです。

左様なら今晩はの感想はこちら (痴女の幽霊つき物件はいかがですか?)


左様なら今晩は (ヤングキングコミックス)
山本中学(著)
少年画報社 2020-01-27T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.1
¥842



そしてそしてなんと、この映画化を記念してか、「左様なら今晩は」の読みきりが2022年2/7号のヤングキングに掲載されているではないですか。

しかも「左様なら今晩は」が完結したあとの世界を描くというファンサービスっぷり。逆に原作を読んでない人には何がなんやらという感じかもしれません。

これはファン垂涎、読むしかないと思い、そしておそらく単行本化されないもしくはされても凄く先になるだろうと考え、気づいたら普段読んでいないヤングキングを購入していました。なるほどこれが宣伝戦略かー。


肝心の中身は前述したとおりで、「左様なら今晩は」が完結したあとのアフターストーリーです。色々書くとネタバレになるので何も書けないのがもどかしい。

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「うちはサバみそだっておいしいんだから!魚も食べなさい!」

良いひとコマ。原作を知ってるとニヤニヤしてしまいますね。

内容はどこまでも妄想が膨らむもので、この2人の関係がどうなるのか色々楽しみになってきます。ホントファン向け。「左様なら今晩は」が好きな人には絶対刺さるやつ。たまらん。

巻末には映画化に際しての山本中学先生のインタビューも載っています。映画化の話を受けた時のことや、陽平の詳しい設定が語られているのでこちらもファン必見ですね。



「左様なら今晩は」が映画化や続きを読切りで見れるなら「戯けてルネサンス」も映画化だったり続き描いたりしてくれないかなあ。凄い好きなんですよ「戯けてルネサンス」

戯けてルネサンス(1) (ヤングキングコミックス)
山本中学(著)
少年画報社 2018-04-09T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥495




というわけでこのヤングキングはこれだけでもうお金出した価値があるのですが、折角なので他の作品も読んでみました。そちらのざっくり感想も語っていこうかと。特に印象に残ったのだけです。


■KIPPO
  これきちんと読んだら面白いんだろうなあ。20巻だとさすがに追いかけるのは厳しいかな。。。


■やんちゃギャルの安城さん
  5巻くらいまで追ってやめてたのだけど、まさか安城さんと瀬戸が付き合うことになっているとは。こういうのはさ、付き合ったらそれで話終わりにしなきゃダメだと思うのよね。「宇崎ちゃんは遊びたい!」もそうだけど、途端に興味無くなるんだよな何故か。


■ミカヅチ
  話は全然わからないけどこの話だけでちょっと読みたいと感じてしまった。まだ17話とかなら追えるな。。。


■esper (読切後編)
  これ面白いなあ。前編から読みたかった。


■ワンナイト・モーニング
  最近広告とかでちょっと気になってた。けどこれくらいの内容なら読まなくてもいいかな。。。



やっぱり一つの雑誌にはいくつか追いたいもの出てきますなあ。こういう出会いも大切にしたい。



ヤングキング 2022年 02/07号 [雑誌]
田中宏(著), 加藤雄一(著), すおしろ(著), 渡邊ダイスケ(著), たーし(著), 山本中学(著), 高畠りょうこ(著), 野部優美(著), 甘詰留太(著), 落合更起(著), 片山陽介(著), 外本ケンセイ(著), 神田桂一(著), 菊池 良(著), 河尻みつる(著), 松本千秋(著), 井上とさず(著), 南賀なん(著), めたりかん(著), 未来人A(著), 三登いつき(著), 吐兎モノロブ(著), 奥山ケニチ(著)
少年画報社 2022-01-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥420



サブスク彼女 2巻 - サブスクから所有されるものになりたい女の子の物語完結

メンヘラ女子が集ってサブスク関係を始める「サブスク彼女」2巻です。完結しました。

2巻を読んで、もう一度1巻から読み直して、再度2巻を読んでと、じっくり堪能させていただきました。

簡単に人を好きになるがゆえなのか、どうしても好きな人の1番になれないトモちゃん。自分からは与えてるつもりなのに、相手からの心からの思いを受けることが出来ず、男性に消費されてるだけに思えてしまうことから、CDやレコードのようにモノとして所有されるよりも、会いたい時に会えるだけの関係であるサブスク彼女を発足します。

そこに集う3人の女性、三者三様のメンヘラを中心に、トモちゃんのことが昔から好きだったコースケが巻き込まれていくお話です。まあ、このあたりは1巻を読んでればわかりますね。

1巻ではコースケがトモちゃんに思いを伝えるもトモちゃんの心を開くことは出来ず、だけどこのコースケに対する思いはなんなんだろうというところまででした。


そんなこんなで、2巻はコースケとなーちゃんが合うところから始まります。コースケの目的はサブスク彼女をやめさせること。なのでなーちゃんを説得して外堀を埋める作戦ですね。直前にスミレさんに会ってキスしたことを告げたからトモちゃんは心を閉ざしてしまったのに、本当にわかってるのでしょうかこの男は。

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「それ悪くないですよ 仕事じゃないですか」

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あのあと痛みがおさまるまで一緒にいてくれた バイト行くっていったら すっごい心配してくれて

本当にわかってるのかこの男は。

これがなーちゃんに対する態度なわけですよ。これを素でやってるわけですよこの童貞は。しかもメンヘラ相手にやってしまっているわけですよ。好きな男に一方的にヤラれるだけで優しい言葉も掛けてもらえないメンヘラにやってしまっているわけですよ。これはまずいですよ奥さん。

いやもう、コースケはホント素直で良い男の子なんですねえ。全然下心無しに、純粋になーちゃんのことを心配して発言してるだけ。無意識に気遣ってるだけ。そんなつもりはなかったのにメンヘラの気持ちを揺らしてしまうのだなあ。またそれに気付いてないのがニクい。


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「サブスクやめても コースケくんの彼女のままがいいなあ」

当然メンヘラの行動がこれになるわけですよ。コースケも罪深い。

というかこのなーちゃんが、この作品中一番ヤバいメンヘラなんです。1巻時点では都合の良いように搾取されるだけの可哀相な女の子かと思っていたら、2巻では欲しいものを欲しいと言ってることが判明します。

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「いつもね 誰かの彼氏を欲しくなったら私 ちゃんときくんだよ?」

こっわ。これは怖い。欲しいものを我慢せず、その容姿と乳を持って次々と人の彼氏を寝取っていくメンヘラ。欲しいものが人のものだろうと我慢せず、わがままを押し通すメンヘラ。人を好きになってるのではなく、見た目の良い相手を選んで所有されたがってるだけなんですよね。この考えがホント怖い。

その欲望でしか行動していないわけで、そりゃ男に愛されるわけもなく。そんな中、コースケの純粋な心配を受けようものなら欲しくなるわけですな。欲しくなるから、いつも通りコースケに迫って、女の武器を使って手に入れようとするわけですな。

しかもそれに全く悪気もなく、受け入れないコースケが悪い、サブスク彼女を始めてコースケに合わせたトモちゃんが悪い、という他責の考えに至るのが自己中過ぎる。メンヘラ怖い。何よりこういう人って現実に普通にいるから怖い。

これ、なーちゃんがメインでもっとドロドロスプラッタな作品だったら絶対人を刺したり刺されたり、ストーカーしたり監視したり監禁したり薬漬けにしたりするような作品になるでしょ。いやあ、メンヘラ怖い。


そんななーちゃんに振り回され、コースケに心を揺さぶられ、サブスク彼女の言いだしっぺながらやめようと提案を始めるトモちゃん。そうなんですよね、なーちゃんと比べると、トモちゃんなんて全然メンヘラじゃないんです。

トモちゃんはメンヘラぶってるけれども、実は今まで相手に恵まれていなかっただけなんですよ。好きになった相手に愛されていなかっただけ。彼女がいるのを宣言されても抱かれ続けるという不毛な関係を続けてしまっただけ。なぜなら、それ以外の相手から欲しいと思われなかったから。誰からも必要とされなかったから。

だからこそ、所有してくれないなら私の存在はサブスクだ、必要な時だけ必要とされ消費される存在だ、それならもうサブスクだと割り切って、相手の気持ちに期待しないようにしようと始めたのが「サブスク彼女」です。

そんなトモちゃんは感情揺さぶられまくり。トモちゃん自身も爆発してしまいます。

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少女のように泣きじゃくるトモちゃん、いいよね。

いつも冷静に装って。男に必要とされなくても黙って傷ついて。これ以上傷つきたくないから相手にも心を閉ざして。傷つかないようにサブスクを提案して。でも、本当は誰かに所有されたくて、愛されたくて。そんな心をコースケの純粋な思いが何度も何度もこじ開けようとして。

今までの自分がやろうとしてたことはなんだったんだろう。サブスク彼女とかなんて馬鹿なことをやっていたんだろう。自分が言い出して、人を傷つけて、人の思いを踏みにじってしまって、私はどうしたらいいんだろう。

そんな感情が爆発して、人前も憚らず大泣きしてしまいます。というか2巻ではトモちゃん泣いてばかりだな。1巻では豊かな感情表現がそこまで無かった分、そのギャップにグッと来ます。

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「だってコースケに裏切られたら 今までにないくらいキツイもん」

本心を打ち明けたこの台詞本当に好き。素直に思いを告げられるよりも思いが伝わるでしょうこれ。

これまで相手に恵まれないからこそ裏切られ続けたトモちゃんは、コースケの思いを信じきることが出来ずに心を閉ざそうとしてました。だけど、コースケの思いは確実にトモちゃんの心を開いていたのですなあ。

1巻の嫉妬とも思えるスミレさんとキスしたことへのあてつけも、やはりこういう思いが少しずつ生まれてきたからこそでしょう。トモちゃん自身も気付いていないその気持ち、しかし感情と行動は既にコースケに向いていたと。甘酸っぱいなあ。

それにしても、コースケ良い男。高校時代の思い人を数年後も思い続けて、しかも相手のことを思って行動して。おまけに他の女性と相対する時も素直に気持ちをぶつけちゃったりして。なーちゃんに迫られてもトモちゃんへの想いから耐え忍んで。良い男というよりもピュアなのかな。世間に毒されてない感じがする。

山本中学作品の男、特に主人公クラスの男はこういう良い男多いんですよね。ピュアというか芯が通ってるというか。だから素直に安心して読めます。ヨリくんみたいなクズいさんも出てくるけれども。


あと何気に闇が深そうな良い女のスミレさん。
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実は32歳の大人の女性で、年上だからこそ一番達観してて、だからこそ遊びでサブスク彼女に参加した彼女。個人的にこういうキャラすっごく好き。この顔を感情でぐちゃぐちゃにしたい。

理知的に見える彼女ですが、実は一番ひどい過去を持ってるんじゃないかなと思ったり。それを思わせるのが巻末にあるスミレさんの話で、本当は甘えあいたいのに、それが届かないから快楽だけを求めるようになったのだと読み取れます。いわゆる割り切り関係ですね。

ただ、そうしているのも、届かない思いから自分を守る為の行動ではないのかな。傷つきたくないから、それまでの関係でいいやとしてしまっているのではないかと。そういう意味では本質はトモちゃんと同じなのかもしれません。こっぴどい恋愛をしてきたのでしょう、良い女そうなのに闇が深い。


というわけで「サブスク彼女」これにて完結です。2巻で読めるメンヘラ女子物語ですし、何より感情を爆発させたトモちゃんが可愛いので是非読んでいただきたいところ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(心理描写が抜群の山本中学が描くメンヘラ)

山本中学作品はこっちも是非とも読んでほしい。
繋がる個体 - アラサーの恋愛事情
左様なら今晩は - 痴女の幽霊つき物件はいかがですか?


サブスク彼女 2
サブスク彼女 2
posted with AmaQuick at 2021.10.20
山本中学(著)
5つ星のうち5.0
¥644


サブスク彼女 1
サブスク彼女 1
posted with AmaQuick at 2021.10.20
山本中学(著)
5つ星のうち4.2
¥657



おまけ

最後に出てきたなーちゃんの新しい彼氏って1巻の最初に出てきたトモちゃんのひどい男なのかな?それっぽく見えるのだけど。

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2巻ラスト

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1巻最初

一緒だとしたら、なーちゃんらしいというかなんというか。。。

左様なら今晩は - 痴女の幽霊つき物件はいかがですか?

「繋がる個体」や「戯けてルネサンス」「サブスク彼女」で私の心を虜にして止まない山本中学作品ですが、作者のこれまでのものとは一風変わった作品が「左様なら今晩は」です。

1話は作者様がtwitterに上げられてましたのでそちらを是非!

テーマはずばり「幽霊との恋愛」なのです。部屋に居つく女地縛霊と住人が徐々に恋愛へ落ちていくのですね。しかも初登場が彼女と別れた直後だわ、実は2年前からずっと存在していただわと主人公の陽平にとってはなかなか散々な出会いになるのがまたグッド。

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これが件の女地縛霊。こんな可愛い女の幽霊に2年間も見られてたんですねえ。

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見られてたんですねえ。。。

そうなんです、この幽霊、生前は奥手で処女だったせいというかとにかく恋愛に未練があったというか、とにかく頭が性的なことでいっぱいなのです。

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朝立ちは毎日観察するし。

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風呂は覗くし。

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朝立ちに挨拶してスキンシップするし。

こう、欲望に全開。エッチなことに興味津々。このように痴女幽霊と毎日を過ごすことになるのです。そんな子と憑かれているとはいえ毎日一緒に暮らせるとは羨ましい限りですなあ。

この展開がねえ、なかなかよくて。主人公の陽平は彼女に振られたばかりで滅入ってるのに幽霊はぐいぐいとくるし。しかも自覚無く、本当に興味の赴くままに行動しているだけ。そんな連日の行動を通して段々と二人の仲が近づいていくのが読んでてたまらんのですよ。

また、徐々に近づいていく過程がお互いに触れるようになっていくことでわかっていくのがよきですなあ。最初はお互い全く触れなかったのに、少し経つと痴女霊がちんちんに触れるようになるし、もう少し経つと陽平が痴女霊のおっぱいに触れるようになるし。こう、距離が縮まった感があっていいじゃないですか。そしてそこに恋愛感情優先ではなくてただただエッチなことへの興味で近づくのが良い。中学生か。

この近づき具合と、お互いの心境からの距離の取り方が作品の前半と後半で変わってくるのがまた良いんですよ。段々意識初めてから態度が変わっていく過程とか心理描写とかがホント上手い。変に急に変わるのではなく、きちんと根拠があって丁寧に描かれているのが凄く読みやすくて好き。

加えて、幽霊だから線香の匂いにリラックスできるとか、物に触れるとか触れないとか設定もしっかり考えられているのがグッド。意味不明ではなく根拠を仮にでも立ててるのは読むのに理解が深まって非常に好感です。

それと、どうしても触れておかないといけないのがこの子。
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この須田果南ちゃんが超絶クソビッチでただただ陽平のちんちんを試したいだけなのに全力で動いてかき回していく様が見ていて素晴らしい。

須田クソビッチ果南ちゃんはめちゃめちゃ良いキャラ。もしも現実の職場にいたらめちゃめちゃ迷惑なキャラ。こういうキャラを描かせたらホント天下一ですな。陽平ももちろん据え膳食わぬは~だし、幽霊じゃない女の子に迫られてそりゃあねえ、という男のムーブかましそうになっていくし大きく物語を動かしていく本当に良いキャラ。また変にクセが無くて嫌な気持ちにさせないのがグッド。

痴女霊が奥手処女であることの対比としてこのクソビッチが出てきたのでしょうけど、見事にうまくはまった感があります。この子がきっかけで痴女霊との距離が変化していくのが実に上手いなあ。


そんな「左様なら今晩は」ですが、1巻完結となってますのでサクッと読みきれます。少なくとも、1話を読んで面白いと思えたなら読んでみて損は無いと思います。ちょっとエッチな幽霊とのお話に興味があれば是非是非!!


眠気覚め度 ☆☆☆☆

山本中学の作品はこちらもオススメ!
サブスク彼女 - 心理描写が抜群の山本中学が描くメンヘラ
繋がる個体 - アラサーの恋愛事情





サブスク彼女 1
サブスク彼女 1
posted with AmaQuick at 2021.06.13
山本中学(著)
5つ星のうち4.5
¥660

サブスク彼女 - 心理描写が抜群の山本中学が描くメンヘラ

山本中学が描くメンヘラはこんなにも普通に見えるのにしっかりとメンヘラだ。

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「繋がる個体」で描写された恋愛模様からすっかりファンになってしまった山本中学が描くメンヘラもの「サブスク彼女」は1巻時点では読後感モヤモヤで「あああぁぁぁぁ~~~ッ!!」となってしまう傑作です。


もうこの主人公のともちゃんはぶっ壊れてる。これまでの恵まれていない恋愛経験から自分のことだけを見てくれる男に出会えてなくて「搾取される女」「都合よく使われる女」にしかなれていない。そんな不毛な恋愛を繰り返した結果、恋愛するくらいなら最初から割り切った恋愛にしてしまえという発想がサブスク彼女なわけです。
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「月額制で女の子とお付き合い!お互いが愛情を軸にしないことを理解して開始する恋愛!!」


不毛だよなあ。そこまで思うくらいなら人に依存した恋愛なんてしなければいいのに。わかっているのに人に求められるのはやめられないというのはやはりメンヘラ気質ゆえか。ていうか契約売春やん。

こういった流れでなんとこれに賛同する女性3人が集まり、本当にサブスク彼女システムが始まってしまいます。もちろん全員メンヘラだし、2人目のなーちゃんなんて超都合の良い女で可哀想になってしまうくらい。


そして物語は当然そんな都合のよい展開だけで盛り上がるわけではなく、サブスク彼女を始めると決めたタイミングで真っ当に好きと言ってくれる相手が現れてしまうのですねえ。上手いなあ。
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このコースケくんがねえ、ピュア(身体的にも)でいいんですよ。恋愛観がおかしくなってるともちゃんに真っ向から思いを伝えていって、サブスクなんてしないで俺を見てくれという態度でド直球で。だけど恋愛に疎いし好きだからこそともちゃんの言い分に振り回されて、流されて。流されちゃうから本当はともちゃんとだけサブスクしたいのに他のサブスクのスミレさんとも会ってしまって。


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流されてスミレさんともキスしちゃったりして

ともちゃんが好きじゃなかったんかコースケ!だけど確かに年上のスミレさんの方が1枚も2枚も上手なのがねえ、流されないわけないよねえ。うらやましいねえ。

しかも実はそのタイミングでともちゃんは他のサブスク契約者の人と会っちゃってるっていうね。
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おまけに相手はクズいさん。(恋愛感情なくてヤリたいだけですこの人)


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しかもクズいさんの方が割り切れるので安心してしまうというおかしな恋愛観。壊れてるなあ。


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おまけにこんなメッセージを送って試す始末。こんなの送ってる時点でコースケに期待してるってわかるじゃんねえ。


片方が好きで、相手もまんざらでもない感じなのに、ヘラってるせいか素直に受け止められなくて、クソ真面目に自分たちで決めたサブスク彼女というルールに振り回されて。どうしてこう、自らすれ違いに行くのか。どうして素直になれないのか。素直になれないからこそ、こんなにも悩まなければならないのに。
ともちゃんは真っ当な恋愛をしてきてないのでコースケの思いに戸惑っています。好きとはなんなのか?もしかしてこの人を好きになっていいのか?この人に思いを告げられて嬉しいということは好きなのか?

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ここまでは凄く良い展開で、コースケがともちゃんの歪んだ恋愛観を修正できるのかというドキドキ、大いに盛り上がって、、、

このあとの展開がね、モヤモヤするんですわあ!あー、そうなの、そうなっちゃうの的な。いやいや、サブスク考えたのあなたなんだからそりゃコースケ側もそうなる可能性はあったのも承知してるよね?的な。どれだけともちゃんがヘラッてるのか改めてわかるのです。その読後感がまさに「ああああぁぁぁぁぁぁ~~~ッ!!」と。イライラモヤモヤでたまらん。


このあとどういう展開になるのかわからんですが、コースケくんには是非ともめげずにアタックを続けてともちゃんの凝り固まった恋愛観を氷解させていただきたいものです。悪い子じゃないんだからこの子には幸せになってほしいの。
ただ、引き延ばし的に同じようなことを繰り返す展開はあまり読みたくないかな。いやいや前と同じことやってんじゃん学習しろってなってしまうと勿体無いかも。この作者ならそんな展開にはしないか。


あとはこの作品の見せ方、取り分けキャラ心情を語らせるのが上手いなと思います。
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全体感を見せるのではなくて、キャラが思ってることをモノローグ調に書くことで読者とシンクロしようとしてるというのでしょうか。
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気持ちを作品内で相手に語るのではなく、あくまで自身の心境を語るので、さもその時に読者が体験しているように見せるというか。
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キスしてる時も実は自分の置かれた状況に疑問を持ちつつ、それを受け入れている自分が嫌になるという表現が見えたり。
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場面の心境と分けることで過去を振り返っているようにも見せたり。

こういった心理描写が上手いと思うんですよねえ。感受性が高いとこういう書き方にグイグイ引き込まれてしまう。こういうところが読みたくて、こういう世界に入り込みたくて、私は山本中学にはまっていってしまうのかもしれない。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

2巻の感想はこちら(サブスクから所有されるものになりたい女の子の物語完結)


繋がる個体も大好きなので是非是非こちらの感想もご一読を!
繋がる個体 - アラサーの恋愛事情


 
サブスク彼女 1
サブスク彼女 1
posted with AmaQuick at 2021.05.21
山本中学(著)
5つ星のうち4.6
¥660


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