人間臭い

ゴゴゴゴーゴーゴースト 2巻 - オムニバス的な復讐劇を展開しつつしっかりストーリーが進んでいるのが上手い

合コンで正社員の引き立て役に使われる契約社員の明智ウシロが正子を利用して復讐をする「ゴゴゴゴーゴーゴースト」2巻です。

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「笑われる側の気持ちが分かったかしら これで懲りればいいんだけど」

こういった日常の復讐劇が続きます。なので基本は1話完結みたいな展開の繰り返しになってきて、少し食傷気味かなと思ってくるところ。

と思わせて、ほとんどの話で少しずつ話が大きく動き始めてます。この見せ方は上手いなあ、話のテンポの腰を折ること無く、しかしストーリーは前進していくという、いきなり読んだ人も楽しめるし話を追っている人も楽しめる展開です。

ストーリーの進展も大きく2つあり、ひとつは金玉を潰そうとしてる相手が徐々に絡んでくる話と、もう一つは正子との関係、すなわち人間と幽霊が仲良く付き合っているけどその行く先にはという話です。

メインの復讐劇を進めつつも幽霊と歩むことの異常さと危険さに言及していて、これ単独でも十分面白いものだと思います。そこに毎回しっかり事件を発生させて復讐劇をしていくのだから、これネームがきっと大変ですよ。それだけ話が濃いので、そりゃ面白くなりますよねと。

おまけに、幽霊との話が「青野くんに触りたいから死にたい」に近いものが出てきていて、こっちでも似たような話が展開するんかーいとなってきます。人間と幽霊は相容れなく、人間が呪い殺されるというのは幽霊ホラーものの定説なのだろうか。

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「南無阿弥陀仏ビンタ!」

困った時に頼るのは物理ってのはお決まりの流れで笑ってしまった。何気にネタも凝ってて面白いんですよ。

1巻の時はちょっとやり過ぎな感じがしていて、これは悪い影響も受ける人が出てくる作品かもなあと思ったのですが、2巻を読む限りではそんなことは全然思いませんでした。むしろ程よいくらい、次はどんなクズが相手になるのだろうかと楽しみになるほどです。


面白いなあ「ゴゴゴゴーゴーゴースト」。これ絵柄とかノリがなんかに似てると思ったら「トクサツガガガ」に似てるんだ。「トクサツガガガ」好きな人にはもしかしたら合うかもしれません。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(世の中の自分勝手な人達を祟ってスカッとしよう)


ゴゴゴゴーゴーゴースト 2 (BRIDGE COMICS)
蛭塚 都(著)
KADOKAWA 2022-05-07T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
¥653


トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)
丹羽庭(著)
小学館 2014-11-28T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.3
¥693




派遣OLローテーション!! - ひたすら繰り広げられるシュールな会話を存分に味わおう

3人のうちの2人が出勤し、ひたすら仕事中の暇つぶし掛け合いを見続ける「派遣OLローテーション!!」です。

とにかくシュール。本当にシュール。ひたすら会話の応酬が繰り返されるだけで成り立つのがすごい。これ、好きな人はとことん好きだと思うし、合わない人は数ページで合わないと判断してしまうくらい癖があると思います。

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「『仕事』ってなんなんだろーね」「私にしゃべり場みたいな質問ぶつけて暇つぶしするのやめてください」

こういう感じのやり取りがひたすら続きます。個人的な感想としては、週刊誌等の連載で毎回数ページなら好きな部類だけど、1冊でひたすらずっと続くと正直きつくなってくるかなというところ。

いや、それは一気に読もうとするから良くないのかもしれないです。毎晩の晩酌のように、ご飯の度に少しずつ食べる漬物のように、ちょっとずつちょっとずつちまちま楽しむのがこの作品の真の楽しみ方なのかもしれません。

というのも、この作品、基本3人しか出てきませんが、なかなか裏を持った人間臭いキャラ設定で、読んでて確かに面白いんですよ。

ひたすら怠惰を目指してタバコばかり吸うアラサーだったり、唯一の真人間かと思いきやめちゃめちゃ腹黒のメロンおっぱいちゃんだったり、最年少で極度のフェチズムを持ったエロ漫画家を目指してる人妻だったり。

この3人の濃いキャラ設定だからこそ、この何もしないという空間で会話をひたすら成立させることに成功しているのかもしれません。そういう見方をすると凄いなこれ、そんじょそこらの作品よりもよっぽど深いかもしれん。

だからこそ、少しずつ味わうのが一番良いのかもしれませんね。一気に取り過ぎは毒になるやもしれぬ。


眠気覚め度 ☆☆☆


派遣OLローテーション!! 合冊版1
藤真タケシ(著)
電書バト 2020-04-01T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥297


うわさの女 - 大見武士の新刊はいつもどおり闇落ち満載

毎度ゲスい話ばかり作り上げる大見武士先生の新刊はまたしてもゲスい「うわさの女」です。

「噂の女」といえば内山田洋とクール・ファイブの名曲を始めとした一般的に沢山使われている名詞なので、Google検索を始めとした各種ネット検索のタイトルだけの検索では引っ掛かりにくく、このネット社会では不利に働きそうな名前が惜しいです。

いや、それを凌駕するくらいこの作品が人気出ればいいのか。
いやいや、読み手を選ぶ作品だから難しいだろうなあ。

「うわさの女」のテーマを簡単に書くと、不倫をテーマにしたエロ漫画です。不倫されて壊れた夫婦関係だったり、そのために歪んでしまった性格や性癖だったり。そんな人妻のあんな姿やこんな姿が描かれていきます。

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エロ漫画と書きましたが、エロはアクセントになるものであり、本質はその過程を通して描かれる人間臭さとなります。

不倫されて自分の正気を保つために、その悪意を他人に悪意で返すことを繰り返してしまうとか、本当に闇落ち系ですね。昨日書いた「忍者と極道」の感想でもあったガムテと同じことしてると思ってしまったり。

他にも壊れてしまったからこそ見られることに性癖を覚えたと思い込むことで関係を保っていたり、ドSで初めて相性抜群の相手だと思ったら既婚者だったり(これはこの女性の考え方とは関係なく単なる被害者だと思うが)。

一番エロいのはEDで寝取られされないとダメな旦那のために好きでもない男に抱かれてくやしいでも感じちゃうしてる人でしたなあ。

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感想書く為に読み直すと2話だけちょっと異端かも。これ不倫とか関係ないよなあ、世間の目が気になるだけで。

そんな感じで、不倫で致してる姿を毎話拝みつつ、不倫する人は罰が当たるんだねえみたいなのが基本テーマです。全部が全部そうではないですけど、大体そうです。

なので、いつもの大見武士氏の作品が好きであれば楽しめるでしょうし、そうでなければうーん難しいかなというのが率直な感想になりそうです。暗い話とかドロドロした話が好きな人は楽しめると思います。


眠気覚め度 ☆☆☆


大見武士作品の感想はこちら
しあわせのくに - ゲス作家大見武士が描くVR世界
ぼくらのふしだら - 等価交換となる対象は性欲
ぼくらのふしだら 2巻 - 性欲と引き換えに時を止める少女、その結末
かみくじむら ~ぬめりロワイヤル~ - ゲス作家大見武士の過去作品IF幸せストーリー


うわさの女 (SPコミックス)
大見武士(著)
リイド社 2022-04-14T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥1,100


GROUNDLESS : 10巻 -君殺す事なかりせば- - 政治家と軍人

個人的に激推ししている「GROUNDLESS」10巻です。10巻も本当に面白かった。政治家と軍隊の関係性の苦悩を表現していたり、図らずも疫病の話が現実世界と同期していたり、戦闘を繰り返して歴戦の兵になっているダシア自警団の凄さが描写されたりしています。

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10巻はユズハの故郷の話です。9巻はシュバーハンの話を掘り下げていたので、順番にメインキャラクターの背景を掘り下げている形になります。

シュバーハンは当初から活躍しまくってたし、ユズハも衛生兵として最初から活躍していたのでこの展開は嬉しいところ。狙撃兵ソフィアだけでなく、ダシア自警団の面々の過去を含めて苦悩が見えていくのが本当に興味深い。

そしてユズハは島民系の出自で、この世界では差別を受ける側の民族であり、今回の舞台はそのユズハの故郷なので、架空戦記としての国家形成設定を存分に発揮しています。

というのも、今回の政治家と軍隊の話というのは、大陸系にすり寄って島民区を維持し続ける被迫害側の政治の話と、その体制に不満を持つ軍隊派閥の話なのです。現実でもよく聞く話ですね。それが行き過ぎるとクーデターが起きたりとか。

ではなぜ文民統制が成り立つのか、なぜ武器を持たない政治家が軍隊に命令ができるのか、そういった疑問にダシア自警団がある種答えを出す話とも言えます。これは、ユズハの故郷アイアンクラウンがそうなってしまったことと、なぜダシアはそうはなっていないのかの国家形成も含んでいます。

なんだか難しい話になってしまったなあ。まあ、いずれにせよ、そういった思想の話、民族迫害も「GROUNDLESS」のテーマなので、そういったものが楽しめる方なら絶対に楽しめると思います。


今回もダシア自警団が訪れたアイアンクラウンで開放市民軍が蜂起して戦闘が起こってしまうのですが、そのあたりもダシア自警団とアイアンクラウンの防衛隊の違いが如実に出てくるのがやはり面白い。

幾度も訓練を重ねるよりも、数度の実戦を経験し死線を乗り越えた部隊の方が、実戦では結果を出してしまうというところとかが凄くリアルなのです。

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「我々は…落ちこぼれと寄せ集めが運よく生き残っているだけのしょうもない部隊ですよ。」

ここまで読み続けている読者ならまさしく共感するはずなんですよこのセリフ。とんでもない戦いを切り抜けてきて、しかもその大半の成果はソフィアの狙撃で、しかしここまで生き残ってきたダシア自警団。初期メンバしかしっかりとした訓練などしておらず、半分近くがほぼ訓練なしで実戦投入されてきた背景を鑑みると、このセリフの通りなんですよね。ここまで生き残っているからこそ、実戦になると統率の取れた動きができる精鋭となっているわけですが。

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「訓練のときとは比べ物にならないくらい 方針も指示も精神状態の作らせ方も、詳細で明確に行っている…」

やっぱり実戦になるとカッコいい。この命令もひとつひとつが丁寧で非常に緊張感を持って読めるのが「GROUNDLESS」の良さなんです。好きな人にはホントたまらないです。


そしてこの10巻の肝は、やはり前述した通り政治家と軍隊の話でしょう。

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「我が区出身者を前衛に置く事は譲れませんぞ!!!そこは最低限、徹底してお願いしたい!!!」

アイアンクラウン自治区の防衛隊だけでは開放市民軍に敵わないと判断した区長は、即座にダシア自警団に協力を依頼し、その上ダシア自警団にいるアイアンクラウン出身者を前衛に出せと厚かましい依頼をするのです。

これは、ダシア自警団に手柄を取らせても、アイアンクラウン自治区としては自身の自治区出身者が開放市民軍を制圧したと放言したいがゆえですね。そうすることで大陸民に島民自治区として戦えるという牽制になると。

これ、言っていることは人でなしなんですが、ある意味政治手腕としてはそんなに間違っていないとは思います。ただ、作中ではこの区長は悪く書かれすぎかなという気はしますね。実態としてアイアンクラウン自治区の為ではなく区長自身の手柄という欲が強いからというのもありますけど。

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「あなたはどれだけ恥知らずで他力本願なんです…!!!軍人の命もその仕事も…あなたのものではないんですよ!?」

この区長の態度に対して、やはりこの軍人の反応になるわけです。自分たちの力では開放市民軍を制圧できないことがわかってしまったアイアンクラウン防衛隊は、恥を偲んでダシア自警団に制圧を依頼するわけですから。

自分たちが無力だとわからされるのはキツイよなあ。おまけに損害が出たあとであり、しかもその原因はやはり区長の命令に起因してるというのがまた。

なぜ武力を持っている軍人が、武力を持たない政治家に道具のように命を扱われなければならないのか。その葛藤が10巻では炸裂します。

正直この区長は読んでてホント胸糞。人によっては読んでてイライラするかも。

これに似たような話どこかであったと思い返したら「ナポレオン-獅子の時代-」3巻でした。こっちは単に兵士とその上官の話ですが、無能な上官のせいで兵士が死ぬというのは、政治家におもちゃのように扱われる軍人という構図も同じようなものではないかと。

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「戦死者の何割かは味方の撃った銃弾に殺された者だ  兵たちの間で実しやかにささやかれる噂によればその割合は四人にひとり」(ナポレオン-獅子の時代- 3巻より)


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「理由もなく部下をイジメる上官や無能な将校はそうやって片付けられるんです」(ナポレオン-獅子の時代- 3巻より)

軍人の命を好きなように扱う政治家、同じ様なことをされるのでは。。。


というわけで相変わらず高水準の面白さを保っている「GROUNDLESS」10巻でした。ホント面白い、もっと売れてほしい。これが売れないのはおかしい。

ただちょっとキツイかなと思ったのは、ベースになる字が小さいことです。字が小さい上に文字が多いので読むのに苦労するかも。読み切るまで40分くらい掛かりました。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(隻眼の狙撃兵 - ミリタリーアクションの傑作)
2巻、3巻の感想はこちら (第三穀倉地域接収作戦 - 初侵攻、新兵、暗闇の戦い、問題山積みの接収作戦)


GROUNDLESS : 10-君殺す事なかりせば- (アクションコミックス)
影待蛍太(著)
双葉社 2022-03-17T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥730


ナポレオン ―獅子の時代― (3) (ヤングキングコミックス)
長谷川哲也(著)
少年画報社 2005-02-10T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.5
¥547


ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 20巻 - アンボックス級のシリアス話が一貫した傑作巻

伊賀崎交番所長にフォーカスを当てたシリアス話が展開される「ハコヅメ」20巻です。アンボックス含むと実質21巻目です。

これはアンボックスと同レベルのシリアスさを放っています。巻中でしばしばいつも通りのノリのギャグが繰り広げられるものの、正直それまでの流れからは笑えるようなものは少なく、終始一貫してシリアスです。

普段は笑い重視のハコヅメ、しかし警察官は常に死と隣合わせの可能性がある危険な職業であることを全面に表現し、警察官の非常にシビアな話をまた描写してくれています。アンボックスのアナザーバージョンとも言えるでしょう。それぐらい、覚悟を持って読むことをおすすめします。

読んでる最中はまさに息を呑むような展開が続き、終盤は事件に立ち向かう川合たちの心境がありありと伝わる見事な描写で、警察官といえど一人の人間であることを思い出させてくれます。

今回の事件の犯人もまた、一人の人間だからこそそういう思考に至るのも致し方ないとも思える動機であり、それぞれ非常に人間臭い感情が発生しています。だからこそ読み手に全力で訴えかけてくる、心を握りつぶされたような感覚に陥ります。

読んでてこんなにハラハラドキドキさせるものはそうそう無いですよ、それだけでこの作品がやはり凄いということが再認識できます。


話としては、というか話の感想書くとどう書いてもネタバレに触れなきゃならないので難しいのですが、虎松の話がまた関係してきます。死してなお生ける関係者を走らせる、どれだけ虎松譲二が人たらしであり、策略家であったのか。一つの組織から関連事件が多すぎるんだよなあ。

しかも20年前の潜入捜査時期から関係させてるとか、一体どこまで考えて伏線置いているのでしょうか。この調子だとこれまで出てきたキャラが全員何らかの大きな事件に関係するまで発展してしまう。町山市とんでもないな。

そして今回の事件の犯人が、これまでの誰よりも悪意が強いというのが、この話をシリアスにするのに拍車を掛けています。計画性があって、信念があって、全てを理解した上で犯罪をしているタイプはこれまでハコヅメでほとんど出てきていません。その代表格がやはり虎松譲二を始めとした反社グループであり、今回もまた虎松譲二関連なのです。

想像も入りますが、普段の警察官が対応し得る事件は、交通事故等を始めとした過失事故だったり、欲望に負けた性犯罪だったり、計画性の無い窃盗だったりが多いのではないでしょうか。特に新任の川合が請け負った事件はそういったものがほとんどでした。

それに対して、今回の犯人はある意味組織だって行動をしており、自分のしていることが犯罪だとわかった上で実行しています。そういった覚悟を持った相手に対するのは川合を始めとした町山署のメンバには経験が少ないものでしょう。だからこそ、緊迫感に溢れた事件対応が繰り広げられることになったのではないかと。


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「嫌です!行きたくない」

事件の対応といえど、恐怖のあまり拒絶する川合。冗談の範疇ならともかく本気で嫌がるような描写は初めてに思えます。死に直面する可能性と警察官としての正義の間で揺らぐのはまさに人間らしい感情です。警察官とはいえ一人の人間であることを思い出させてくれます。


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「あと5分あるけど…親に電話するか?」


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「命の危険がある任務だから 配置につく前に一応…2分間とるから大事な人と話をしといで」

もしかしたら、この任務の結果死ぬかもしれない。なので事前に話をしておきたい相手と話をしておけという上司からの温情。死の機会があり得るからこそ覚悟しろという命令。これを見せられると否応なしに緊張感が走ります。彼らは間違いなく、死ぬかもしれない危険な任務についているのだと。

シリアスはこれまで度々ありましたが、どれも身に危険が及ぶようなものはこれまでなかったです。だからこそ今回、このような非常にリアルな現場表現が見れたことは、「ハコヅメ」の面白さを更に裏付けたものになるのではないかと思うわけです。

というのも、「ハコヅメ」は基本的に警察官の日常を描くのがメインであり、元警察官の作者だからこそ表現できるリアリティが面白さの一部でした。

それをこれまで大いに表現した上で、時たま起こる非日常事件というのがまた余計にリアリティを発揮していると思うのです。テレビやニュースで語られるような事件はどのような現場対応しているのか、その時の警察官はどのような気持ちで臨んでいるのか、それらが非常に良く表現出来ていると思います。

特にそこに表現される警察官の人間らしさが拍車を掛けます。

死ぬかもしれない、行きたくない、怖い。だけど私が(警察官が)命を危険にさらさないと、他の一般市民が危険にさらされてしまう。警察官としての正義は文字通り自己犠牲をしてまで達成しなければならないのか?しかしそれをしなかった時に自分は激しく後悔しないだろうか?そんな感情まで見え隠れします。

この人間らしいリアリティが非常に上手く、現場の緊張感が読み手にも伝わってくるのです。これ、映画見ててもこんなにハラハラしないですよ。元々漫画を読む時には感情移入しがちなのですが、そうだとしてもこんなにドキドキしたのは初めてかも。固唾を飲んでページをめくってしまった。


それくらい凄まじい20巻でした。アンボックスとはまた違う方向でリアリティがあります。アンボックス好きな人はこういう話好きなんじゃないかなー。ただ、こういうノリばかりになってしまうとそれはそれで辛いかも。


あとはこの事件を通して中富課長の警察幹部としての苦悩だったり、源の天才がゆえの苦悩だったり、潜入捜査官としての伊賀崎がどれだけ過酷な捜査をしていたのか読めたのがすごく良かったです。

特に源のくだりは、何気ない伊賀崎交番所長の語りから事件につながるところがあって好きだなあ。

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「人が「理解するため」苦しんでる時間 天才は「理解されるため」苦しむんだろうなって思ってね」

このシーンがまさか源の苦悩につながるとは最初思いませんでした。ただ思い返すと、もともと源は取り調べの天才と度々言われており、この20巻でもしばしば中富課長がそれに言及しています。


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「源部長は良かれ悪しかれ「特別」だと思うから…」


そして事件発生時、対応に向けて源も違和感を感じます。
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「自分の「感覚」が鳴らす警鐘を どうあがいても打ち消せない」

源の「感覚」でしかないからこそ、源自身はこれで間違いないはずだと思うものの、上司である刑事課長や中富課長からその対応はせずに応援を待てと言われて葛藤します。これが「天才」もしくは「特別」だからこそ持ちうる、「わかりあえない」という気持ちなんですよね。

まさしく、「人が理解するために苦悩している」のに対し、「天才が理解されるために苦悩している」シーンなのです。


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「対峙した上での源部長の判断なら それが絶対に最善策です」(ネタバレのため一部セリフを伏せました)

それを理解してくれたのが川合であるというのがまた良い。源の行動は傲慢で組織に逆らう懲戒ものかもしれないけれども、現場にいる川合はそれが被害者を助けるための最善策として捉え、共に行く覚悟をするというのが本当に素晴らしい。「特別」な源誠二が「理解された」瞬間です。

この流れからの、事件解決に向かうやり取りがすごく良かった。これってこの20巻までで展開された川合と源の関係値があるからこそ出来た表現だと思うんですよ。普段馬鹿にしていても肝心のところで信頼し合える関係が素晴らしいじゃないですか。

そんな素晴らしい2人も見れるのが「ハコヅメ」20巻です。素晴らしかった。


いやあホント、19巻で閑話休題したのとちょっと面白さがなくなってきたかなーと思っていたところで、この20巻という流れですよ。ホント化け物ですねこの作品、また面白さが加速してる。思わず1日で2回読んでしまいました。1回読むのに30分は掛かるのに。まだまだ安泰ですねこれは。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
ハコヅメ5巻の感想はこちら(とにかく笑える内容盛り沢山)
ハコヅメ6巻の感想はこちら(伝説の笑ってはいけないお誕生日会が収録されたハコヅメの最高傑作巻)
ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
ハコヅメ8巻の感想はこちら(これ警察学校で習ったやつだ!)
ハコヅメ9巻の感想はこちら(色々な話が詰め込まれている、これぞハコヅメ)
ハコヅメ10巻の感想はこちら(迷惑防止条例と強制わいせつの違いが勉強になります)
ハコヅメ11巻の感想はこちら(1巻の伏線を見事回収、この日の出会いを何度も後悔することになる)
ハコヅメ12巻の感想はこちら(同期の桜完結、川合の成長を感じられる最高の展開)
ハコヅメ13巻の感想はこちら(アンボックス事件のカップルが登場)
ハコヅメ14巻の感想はこちら(奥岡島事件発生篇)
ハコヅメ15巻の感想はこちら(奥岡島事件解決篇)
ハコヅメ16巻の感想はこちら(1巻で出てきたキャラが再登場する感動の成長譚)
ハコヅメ17巻の感想はこちら(アンボックスを読んだ後に読むと非常に切ない)
ハコヅメアンボックスの感想はこちら(警察の負の感情を全力で主張した傑作)
ハコヅメ18巻の感想はこちら(即ハメあんあん激イキスクール)
ハコヅメ19巻の感想はこちら(20巻を読むために覚悟させられる巻なのではないか?)
ハコヅメ21巻の感想はこちら(虎松譲二事件完結!大事件の事後処理といつものギャグパートが再開します)


ハコヅメ~交番女子の逆襲~(20) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
講談社 2022-02-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
¥693

 

ゴゴゴゴーゴーゴースト - 世の中の自分勝手な人達を祟ってスカッとしよう

社内不倫がバレて社会に居場所が無くなり、生きるのが辛くなった女性が図らずも死に瀕したら突然守護霊と称するオネエ系幽霊が現れて元不倫相手を祟ろうという話の「ゴゴゴゴーゴーゴースト」です。

いきなり情報量多くて書いてる自分も混乱しています。尚、最初の数話はオンラインで読めます。

ゴゴゴゴーゴーゴースト - pixivコミック


尚、Amazonから引用するとこのような紹介です。

社内不倫で弄ばれた傷心ダメОLの明智ウシロ。彼女の前に突然現れたのは、オネエゴースト・正子。自暴自棄になっているウシロに正子が出した提案とは? おかしな2人の、奇妙でイケイケな祟り生活が始まる!

あんまり変わらないですね。



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「アンタ 今 死にかけてるから…」


一流企業に就職した明智ウシロは社内不倫がバレ、文字通りウシロ指を指されて退社し、三流企業に再就職して慰謝料を毎月払う日々を送っています。

三流企業といえど形態は契約社員。正社員登用の約束も反故にされ、ひたすら独りでやるせない生活を送る日々を過ごし人生にヤケクソがちになっています。

そのストレスから胃薬と酒を毎日煽るような日々となっていて、ついつい胃薬オーバードーズしてしまい、そのまま倒れて頭を打ち死に掛けるわけですね。そこで表れたのが守護霊と言い張る幽霊、正子なのです。


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「アンタの守護霊なんだから」


この不思議な現象を素直に受け入れたウシロ、もういっそのことこのまま死んでもいいかなと言ってしまうところを、この正子が「そういうことなら生きるっきゃなくない?」と復讐を提案します。

「私があいつを祟るから アンタ生きてみなさいよ」

段々とその気になってきたウシロは、思わずその祟りの内容を確認します。

「祟りってのはいったい…何するつもり?」



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「あの男の金玉ひとつ潰しちゃおうと思って~」



そんな彼女?たちの祟り生活が「ゴゴゴゴーゴーゴースト」なんです。幽霊なので見えない正子がウシロの代わりに気に喰わない相手にあんなことやこんなことしてしまう、スカッと系のお話です。

話の展開は面白いし、対象となる相手はこの上なく気に入らない相手が多かったりするので、現実の嫌いな相手に渇!が繰り返されることとなります。

尚、1巻時点では金玉潰しません。それどころか不倫相手がほとんど話に出てきません。その前に身の回りで起こる問題に対応していくのがメインのお話です。


こういうショートストーリーを繰り返すのは面白いですが、あまり長く同じ展開が続き過ぎると飽きも来てしまうので、徐々に正子の過去や秘密であったり、不倫相手との展開をしてほしいところではあります。とはいえ、まだ1巻なので全然良し。面白いです。


ただ、ウシロと正子の行動基点が全て負の感情なので、面白さを感じつつも気づかずに読み手の心を抉っていく可能性が高いので用法容量を守って正しくお使いください。

人間、負の感情に惹かれるものであり、人の不幸だったりスカッと話を好む人も多いのですが、それらは負の感情に基づいており極めて非生産的です。そもそもスカッとする原因に遭遇しなければ不幸にもならないわけなので。他人の怒りや不幸は蜜の味と言えど、それにあてられて自分が病んでいては目も当てられません。

そういった意味で「ゴゴゴゴーゴーゴースト」は負の感情が強く、気をつけないと読んだ人を歪ませるかもなあという印象を持ちました。読んだだけでそういう感情を発生させる作品というのはとても上手い漫画だということなんだろうけど。


ですので、面白くてオススメですが取り扱いにはご注意ください。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


ゴゴゴゴーゴーゴースト 1 (BRIDGE COMICS)
蛭塚 都(著)
KADOKAWA 2022-01-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥653




余談
主人公が「明智」で主人公の会社の女先輩が「織田」と「徳川」かあ。となると正子は「北条」なのかな。



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そしてこの胃薬「胃が痛くなるほど頑張る私が好き」っていうキャッチコピーが大好きw

ウシロが「喧嘩売ってんのか?」と読者の気持ちを代弁するのもまたグッドwww



 

ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 3巻 - 川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部

逆打ち「ハコヅメ」感想も遂に3巻です。今回含めてあと3つ、あと3つ書けば、全ての「ハコヅメ」の感想を書いたことになるので頑張りましょう。


1話目は「UFO」。UFOを見たという通報に対応する聖子ちゃんと川合からスタートします。この話、夜中の通報してくる人たちにひたすら対応していく回なのですが、どれだけ警察官が大変なのかというのを上手く描写していると思います。

しかも、天丼のように何度も通報してくる坂本太郎のことをネタにしつつ、最後はしっかり自殺防止の対応に結びつけるという上手さ。最初の頃から、本当に話作りが上手いですよね。



2話目は「大麻と似顔絵」。聖子ちゃんと牧ちゃんと川合が3人1つのベッドで寝るお話からスタート。

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「くっせぇ。くっさ え!?どっち… うわ 牧高さんくっさ…」

最近の川合ならまずしないであろう言葉使いが面白いw そしてこの話から初めて、川合が似顔絵を描き始めるんですね。この回はその導入部分です。



そうして「似顔絵狂騒録」の登場。川合の似顔絵初お披露目回です。川合の下手さに笑う話かと思いきや、実は川合こそが本当の姿を描きだそうとしていたことがわかる素晴らしい回。

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「彼が犯人と対峙したとき 反抗の途中で殺気立った犯人の目が 強く印象に残ったためかと」

ここに気づくための布石ってなんだったんでしょうね。元から川合がそういうことを考える姿が見れていればみんなもこんなにびっくりしなかったわけで。何にせよ、ここから川合先生の伝説が始まるのです。



話は続いて「再現人形」の回。牧ちゃんが実は事情聴取で被害者の女の子から正しい情報を引き出せなかったことから色々問題が発生する回です。ドラマでは牧ちゃんの役柄を川合が取っちゃってました。

この回で面白いのは、聖子ちゃんは牧ちゃんのことを擁護して、源はしっかりと牧ちゃんのことを仕事が出来るようになるよう責める二極化です。源が言っていることは正論であるものの、珍しく聖子ちゃんは牧ちゃんを庇います。ここから、同性の後輩には実は甘いという聖子ちゃんの姿が垣間見えます。

そしてその対立を落ち着かせてるのが、2人の後輩である山田なんですね。ここで彼らの関係性がはっきりしてきます。3巻でようやくキャラが揃ってきて、関係性を整理してきたというところでしょうか。



そして特別捜査本部が立ち上がった「捜査一課」の話。特捜のやり取りがホント笑えて面白い。

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「もっとマシな似顔絵捜査官はいなかったのか 冤罪が出るぞ」からの「クリソツだ!」の流れが本当に面白いし、


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「弱い」「決定打がねぇ」「その決定打を見つけるのがてめぇらの仕事です」のやり取りもホント笑えるし、


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「捜査員の睡眠時間が計画に入ってません」「入れてません」「倒れます」「その時は他のコマと差しかえます」の流れとか最高に面白い。たった3ページでこれだけのやり取りを入れてくるとかホントに天才なのか。



その次の「勝負は一瞬」もまだまだ特捜事件の話ですね。こうして読み返すと3巻のほとんどが似顔絵から始まった婦女暴行事件の話で構成されてたんだなー。このあたりは、笑いもあるのに話もしっかりしていて本当に面白いです。


そのまま「コマよ走れ」へ続きます。

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「こんな…クソ野郎のせいで…っ」

牧ちゃん屈指の暴言シーン。ここ以外に汚い言葉使ったことないんじゃないだろうか。犯人逮捕し、被害者の心を救ったシーンで締める一連のこの事件は、「ハコヅメ」初期の長編シリーズとなりました。綺麗に締めるあたりがいつもの話と違ってグッド。単に笑いと警察官の話だけでなく、しっかりとしたシナリオ構成を練れる力を示したということではないでしょうか。



次から話が変わって山田が無くした「警察手帳」のお話。

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今見返すと、この那須部長と北条係長の顔が面白い。源の顔も死んでる。それに対して刑事課長と署長の顔が普通なのは、もう達観してしまっているのだろうか。



最後が「新任の秘密」でニカチョーくん初登場です。まさかこの時のキャラが、時間を置いて如月部長と共に関係してくるとは思いもしませんでしたね。

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この川合の聖子ちゃんから覚えたドヤ顔いいよなあw

話としても、刑事課長が副署長のことを交えながら過去の大泥棒との対峙の話をするのが素敵。こういう話を出来るっていうのは、良い上司なんだろうなあ。ありとあらゆるところで恐ろしい一面ばかりでてくるけれども。


3巻は似顔絵もそうですし、初の長編が収録された「ハコヅメ」でした。このあたりから面白さと人気を確立させたと言っても過言ではないでしょう。



眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
ハコヅメ5巻の感想はこちら(とにかく笑える内容盛り沢山)
ハコヅメ6巻の感想はこちら(伝説の笑ってはいけないお誕生日会が収録されたハコヅメの最高傑作巻)
ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
ハコヅメ8巻の感想はこちら(これ警察学校で習ったやつだ!)
ハコヅメ9巻の感想はこちら(色々な話が詰め込まれている、これぞハコヅメ)
ハコヅメ10巻の感想はこちら(迷惑防止条例と強制わいせつの違いが勉強になります)
ハコヅメ11巻の感想はこちら(1巻の伏線を見事回収、この日の出会いを何度も後悔することになる)
ハコヅメ12巻の感想はこちら(同期の桜完結、川合の成長を感じられる最高の展開)
ハコヅメ13巻の感想はこちら(アンボックス事件のカップルが登場)
ハコヅメ14巻の感想はこちら(奥岡島事件発生篇)
ハコヅメ15巻の感想はこちら(奥岡島事件解決篇)
ハコヅメ16巻の感想はこちら(1巻で出てきたキャラが再登場する感動の成長譚)
ハコヅメ17巻の感想はこちら(アンボックスを読んだ後に読むと非常に切ない)
ハコヅメアンボックスの感想はこちら(警察の負の感情を全力で主張した傑作)
ハコヅメ18巻の感想はこちら(即ハメあんあん激イキスクール)
ハコヅメ19巻の感想はこちら(20巻を読むために覚悟させられる巻なのではないか?)
ハコヅメ20巻の感想はこちら(アンボックス級のシリアス話が一貫した傑作巻)
ハコヅメ21巻の感想はこちら(虎松譲二事件完結!大事件の事後処理といつものギャグパートが再開します)


ハコヅメ~交番女子の逆襲~(3) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
講談社 2018-08-23T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥660

 

ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 4巻 - 黒田カナ伝説はここから始まった

逆打ち「ハコヅメ」感想も4巻まで来ました。このあたりは初期の絵柄と変わっていく絵柄の境目な感じがしていいですね。4巻はみんな大好きカナも初登場しますし、見所満載です。

最初は「トラウマ」という交通事故にまつわるお話。初期のハコヅメでたまにあった、ギャグ少なめのガチトーン回です。宮原部長も初登場ですね。

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「赤ん坊のご遺体見た後に 三食くってぐっすり寝られる奴の方がおかしいんだ 警察じゃそれが多数派だが」

普段人死にはまず接しない我々にとって、警察官という職業が如何に特殊な世界かを思い知らされます。真面目な「ハコヅメ」として是非読むべき回でしょう。



2つ目は「正義の研修」。もの凄くくだらない理由で源がセクハラしたと聖子ちゃんが訴える回です。話の基点になっている川合への説明時に、源がなーーんにも考えないで適当こいてることが面白いのと、副署長の苦悩が垣間見えて素晴らしいお話。
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「もみ消したい」



続いてきました「くノ一」回。みんな大好きカナの登場です。人気投票で個人的1位間違い無しのカナの登場です。一番要領が良くて、一番しっかり者で、誰からも一目置かれる存在のカナの登場です。
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カナ初登場のコマ。黒田カナさん25歳です。この時から色々設定盛ってるのが、あとの巻を読み返すとよくわかります。この話自体、カナが警察官になった生い立ちだったり、生安の仕事がどんなものかというものを説明してますね。大きな盛り上がりには欠けるけど、しんみり読める回でしょう。



お次は「警察女子会」。引き続きカナ語りの回です。この辺りから聖子ちゃん世代との警察学校話だったり藤桃木松島トリオの絡みが始まったりしてます。
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「酔ったら死ぬかもしれないからね!」
潜入捜査は命懸けだあ。。。



お次は「多感なお年頃」。またまたカナが活躍する回です。満を持して登場したからこそカナでやりたいネタがいっぱいあったのでしょう。
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「もっとよく考えないと 山田はずっと山田のままだよ」「くそっ山田のままで…いいわけあるかよっ」「山田さん!改名しなくていいですよ」

この絶妙に噛み合ってない感が面白い。一瞬川合のツッコミの意味がわからなくなるけれど、川合がわかってないだけですねこれ。言葉通りに取りすぎw それと現場解決したあとに真面目なことを言いながら聖子ちゃんと源が山田でこっそり油拭いてるところも好きw



その次が「宅飲みの罠」。またまたカナが登場して、川合の部屋で飲んで源をハメる回です。この回はとにかく会話の掛け合いが面白いです。

あるものでパッとつまみを作る川合の姿が見れたり、それに対して聖子ちゃんが「川合あんた本当こういうの気ぃきくよね」と最大限に皮肉ったり。ひたすら源批判になったり。警察官同士の恋愛は責任を取らされる話をしたり。

飛び抜けて笑えるようなものがあるわけではないですが、レベルが高い回だと思います。



「面従腹背」は山田が珍しくカッコいい回。警察ならではの上下関係がしっかりしていることを説明してくれる回でもあります。
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「だから下っ端は頭を下げ 中間は上司に見えるように叱ることで部下を守り 上は適当なこと言ってその場をおさめるんだ」

色々な感情を持ちながらも対応しなければならない警察官だからこそ、それを納得させるための理由が必要なわけで、それは下の者としては上司に責任を押し付けることであり、上司はそれを果たすことで組織を回しているというお話。なるほどなあ、うまく社会は回っているもんだなあ。



そして「男と女と警察と」は再びカナ回。これまで優しいところしか見せていなかったカナが、業務の為にしっかりと切り替えて厳しい対応をしていたこともわかる回です。よく言われる「警察は事件が起きてからでないと何もしてくれない」ということを、何故そうなっているのか説明してくれる回でもあります。
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「だいたいコレ言うと「使えねぇな」って態度をあからさまにとられるけど負けないで」

こういう話を読むと、警察官側の苦労も垣間見ることが出来て、少しは優しくしようという気にもなりますね。そういった意味では正しく警察啓蒙漫画とも言えるでしょう。やっぱり「ハコヅメ」読んでから警察に対する意識は多少なりとも変わりましたし。



最後は「地獄はなぜ暑い」の爆笑から始まり夏場の検視の説明まで盛り込んだ回。ドラマでも再現されてました。



ドラマでそのまま表現されてましたが、最初数ページのやり取りがホント笑いが止まらないくらい笑えます。そのあとの検視現場では汗を垂らすなと無茶を言われたり、夏場の仕事が如何に大変か説明されています。そりゃ大変ですよ、どんな仕事だって夏場の暑い中での仕事はホントに大変です。暑いと頭も回らなくなるし。

そしてこの話の最後が、5巻の最初の夏祭りの話へ繋がるのですなあ。
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眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ5巻の感想はこちら(とにかく笑える内容盛り沢山)
ハコヅメ6巻の感想はこちら(伝説の笑ってはいけないお誕生日会が収録されたハコヅメの最高傑作巻)
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ハコヅメアンボックスの感想はこちら(警察の負の感情を全力で主張した傑作)
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ハコヅメ20巻の感想はこちら(アンボックス級のシリアス話が一貫した傑作巻)
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ハコヅメ~交番女子の逆襲~(4) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
講談社 2018-10-23T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥660


ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 5巻 - とにかく笑える内容盛り沢山

「ハコヅメ」逆うち感想5巻編、今回入れてあと5回で完了となります。なんとか新刊が出る前に走りきりたい。

5巻の最初は「制服の作用・副作用」。夏祭り警備回です。このあたりから聖子ちゃんの過去恋愛観だったり恋人が出来ない理由が徐々に明確になってきたりします。
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「そうなの…理由はわからないけど」(いや 理由はわかる…)

聖子ちゃんは強く生きていけるよホント、独りで大丈夫。



次は「睨む大捜査線」。「ハコヅメ」お得意鉄板の性犯罪回です。ゲッラゲラ笑いました。ドラマ版でもハードボイルドのところしっかりやってましたね、もの凄く真面目な顔でパンティ連呼するやつ。
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「筋読み…?」「どこの署にもなぜか一人はいる 聞いたことない性的嗜好や 見たことない性具から 犯人像を予想するのが得意な人よ」


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「ちなみに「筋読み」が捜査に役立てられることはほぼないわ」「それじゃあただのムダなおしゃべり…」


このくだりが本当に面白くて面白くてwww そのあとの「パンティ」発言に対して源と山田が「ショーツ…?初めて聞いた」って言うところも好きw

そのあとの現行犯が出てきたところで、署員総出で逮捕に向かったと思いきや「俺たちはただ…その変態を生で見たいだけだ」発言をしたり、究極は宮原部長のこの言葉。
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「牧高が「キンタマ」っつったよな!?」

最初から最後まで本当に笑いの止まらない最高の話でした。


次いで「涙は女の手榴弾」。最近めっきり登場しなくなってしまった咲ちゃんが刑事課長に直談判する会です。この回は源のサイコっぷりが光る回でもありました。ちょっと食べてみてって食べさせながら「よく わからないモノ口にしちゃダメだよ 赤ちゃんじゃないんだから」とのたまう姿はサイコ以外の何者でもないでしょう。
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ここの直談判、咲ちゃんには相当勇気がいる行動でしょうに。というかここの刑事課長の態度が怖い怖い。こういう人は確かにいるけど、おっそろしいわねこりゃ。



続いて「世紀の小芝居」のお話。珍しく聖子ちゃんが風邪でダウンしたと思いきや、源と山田が酔っ払いの見た目は男性別は女の対処に苦慮するお話です。そして川合牧高カナトリオが絶妙に活躍する回とも言えます。
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このあたりから聖子ちゃんと源の妙な関係が見え隠れしますね。



次は「継続は微力なり」の、敷根が悪質な職質でとことん署内メンバからボコボコにされる回です。職質の話はどんな人に声を掛けるのかや、ただ人を見るだけでもこれだけ推測が可能であるということを教えてくれて非常に勉強になります。このスキル磨けば街中の人間を観察してるだけで一日過ごせるくらい楽しめるかも。

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「那須部長っぽい人が通りを歩いてたらどうします?」「別に?何も?」「なんでも声かけすりゃいいってモンじゃないんだよ」


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「副署長っぽい人が通りを歩いてたらどうします?」「あの人スルーした警察官はクビにしていい」「持ち物全部確認するまで帰さない」

この流れよw ここがホント笑ってしまったw このあたりがもの凄く「ハコヅメ」に引き込まれた原因かもしれませんwww



お次は「強き者の苦悩」、川合の警察学校時代の教官である葵さんと、川合と聖子ちゃんが飲みに行く話ですね。これで読み取れるのが警察の超上下社会という風習。普段は川合や山田や源と触れることが多いせいかあまり見ることはない、聖子ちゃんの目上への対応が見れます。

話の中身は警察官の恋愛観結婚観です。周りのゴリラがイケメンに見えてしまうことがあるという。このあたりの警察官ならではの恋愛観はよく「ハコヅメ」で描写されていて、実に面白い。ほとんど実際の恋愛には発展しないのがまたグッド。



続いて「発砲ふさがり」。警察官がほぼ使わずに済むという拳銃を使った話です。作中でも「拳銃を発砲した警察官は人生が変わる」と記載されるほどシリアスなスタートの、初期の「ハコヅメ」には珍しいお話です。だけどその次のページではコメディに戻ってひたすら笑えます。
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「当たんない2人が拳銃構えても両手ふさがっただけだし 川合に至ってはもはやただのストラップになっちまった!」

シリアスとコメディを上手く融合した、というか9割コメディなんだけれども、緊迫の笑いをもたらしてくれる回でしょう。



その次は山田たちの警察学校時代のお話である「出る杭は制圧される」。何気にここが秀山課長が初登場かな?最初に今の宮原部長を出してきて、最後に宮原部長と秀山課長の関係を明かす流れが背景をしっかり説明していてグッドですねえ。
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若かりし日の秀山教官、この台詞が一番笑った。



最後が刑事課のメンバ全員が超絶疲労でコントにしかなってない「ポリスマンズ・ハイ」。この回は本当に、本当に、本当に、腹が痛くなるくらい何度も何度も笑いました。
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咲ちゃん回であれだけ恐ろしい対応を見せた刑事課長が、疲労リミッター解除されたら弁当の注文とってくれるとかこのひとコマだけで何回笑ったことか。


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山田が立ちくらみして立てなくなったので持ってきた塩が署の玄関に放置してたやつだというのにもホントゲラゲラ笑ってしまったし。

このあと北条係長も立ちくらみで倒れて、山田が塩盛ってこようとしたら源がしっかり「バカおまえ係長にはちゃんと冷蔵庫の中の塩持って来い」って指示するところでももう一笑い。ホントこの話はめくればめくるだけ笑いが起こるのが素晴らしすぎます。



この頃の「ハコヅメ」が本当に好きなんだよなあ。シリアスは薄く、コメディが濃く、読めば読むほど笑えてしまう。絵もこの頃から8巻くらいまでのが馴染みやすいというか。最新の「ハコヅメ」も当然面白いですが、この頃が一番輝いていた頃だと思います。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
ハコヅメ6巻の感想はこちら(伝説の笑ってはいけないお誕生日会が収録されたハコヅメの最高傑作巻)
ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
ハコヅメ8巻の感想はこちら(これ警察学校で習ったやつだ!)
ハコヅメ9巻の感想はこちら(色々な話が詰め込まれている、これぞハコヅメ)
ハコヅメ10巻の感想はこちら(迷惑防止条例と強制わいせつの違いが勉強になります)
ハコヅメ11巻の感想はこちら(1巻の伏線を見事回収、この日の出会いを何度も後悔することになる)
ハコヅメ12巻の感想はこちら(同期の桜完結、川合の成長を感じられる最高の展開)
ハコヅメ13巻の感想はこちら(アンボックス事件のカップルが登場)
ハコヅメ14巻の感想はこちら(奥岡島事件発生篇)
ハコヅメ15巻の感想はこちら(奥岡島事件解決篇)
ハコヅメ16巻の感想はこちら(1巻で出てきたキャラが再登場する感動の成長譚)
ハコヅメ17巻の感想はこちら(アンボックスを読んだ後に読むと非常に切ない)
ハコヅメアンボックスの感想はこちら(警察の負の感情を全力で主張した傑作)
ハコヅメ18巻の感想はこちら(即ハメあんあん激イキスクール)
ハコヅメ19巻の感想はこちら(20巻を読むために覚悟させられる巻なのではないか?)
ハコヅメ20巻の感想はこちら(アンボックス級のシリアス話が一貫した傑作巻)
ハコヅメ21巻の感想はこちら(虎松譲二事件完結!大事件の事後処理といつものギャグパートが再開します)


ハコヅメ~交番女子の逆襲~(5) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
講談社 2019-01-23T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥660


 

ハコヅメ~交番女子の逆襲~ 6巻 - 伝説の笑ってはいけないお誕生日会が収録されたハコヅメの最高傑作巻

さあやってまいりました「ハコヅメ」逆打ち感想の6巻です。だいぶ来ましたね、もう少しで走りきれます。

6巻最初の話は「セーグのミカタ」。セーグは性具です。ガサ入れでおとなのおもちゃをひたすら見つける回です。
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「ハコヅメ」は下ネタが絡むととことん面白いので、この回は何度読んでも笑ってしまいます。特にうぶでおぼこな川合がおとなのおもちゃの存在を一切知らず、美容器具と嘘付かれて一緒に買いに行きましょうと浮かれるところまでがホントに面白い。ていうかガサ入れ現場でそんな会話してんじゃないよw

ただこの話、しっかり良い話も盛り込んでるんですよねー。ドラマでは下ネタ一切NGだったのか原作で面白いところはほとんど表現されず、ただ良い話のところだけがフォーカスされてました。勿体なかったです。


お次の「腹スメント」はおそらく藤・松島・桃木セットの初登場かな?カナと牧ちゃんがひたすらやられ役になるというある意味レア回。というよりも、二人の可哀相な表現はこのあたりから始まった気がします。

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「バカ よく見ろクッションだよ 早く出るぞこんなトコ」

このあたりから源のクズっぷりも徐々に出てきたような。後輩には基本良い先輩だけど、同期相手となるととことんクズになる源が素敵。あと地味に源と山田の趣味がパチンコというのが判明した回でもあります。その後そんな設定一切出てこないけれど。

この話はドラマでしっかり再現されてましたね。カナがいないからカナのお腹の肉をずっと揉む桃木分隊長は見れませんでしたが。


それから「鑑識の常識」。いぶし銀の三郎55歳が出てくる話です。ドラマでは最終話にねじこんできましたよねこれ。この回は珍しくほとんど茶番、単なるコントを繰り広げて、そのついでに鑑識のイロハを教えてもらえるという感じです。聖子ちゃんと源がちょっとずれてるのをうまく表現した回とも言えるかもしれません。


そして「非"情事"態発生」。山田が合コン相手とデートに行くのにひたすら源が邪魔して聖子ちゃんが全然興味ないやつです。この頃の聖子ちゃんは山田の恋愛事情全然興味ないけれど、最近は山田の恋愛きちんと邪魔してますよね。たぶんそっちの方が面白いと気づいたのでしょう。

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「あんたちょっと大丈夫?ここ川合んち 私の部屋隣でしょ」「そんなのいいから聞いてよ」

こういうネタが本当に好きなんですよ。この2コマだけで腹抱えるくらい笑えます。こんなセンスある表現、そして全てがわかるような表現はなかなか無いですよ。正直山田の話と聖子ちゃんの話を全スルーする話よりも、このシーンがこの話で一番笑った記憶があります。


次は「現場のプリキュア」。ドラマでは終盤の方で、桜の事故と絡めてかなり重く描かれたところですね。原作では軽めに描きつつも交通事故に関してもの凄く鋭い解説をしています。為になる。

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「でもお兄さん 運転中3秒目をつぶってって言われたら怖くてできないでしょ」

できないっすねー。走りながらナビ見るのも怖いです。たまに対向車がハンドルの上に手を置いてスマホを両手でいじりながら運転してるの見たりするのだけど、どういう神経だったらそんな運転できるのだろうか、信じられません。

この話で川合が無事だったことに安堵して泣く聖子ちゃんは桜のことの伏線だったのか、それともそれだけ川合のことを思っているというだけの表現だったのか。両方の線がありそうですね、秦三子先生は事前に伏線になりそうなものはひたすら入れてるって話でしたし。

それと源のイケメン気遣いが見れる回でもあります。こういうことやるから人たらしなんだよな源は。


そしてこの6巻極めつけの面白さを誇る「笑ってはいけないお誕生日会」です。
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「実は本日 署長のお誕生日だ」「へぇ」

このどうでもいい情報と、川合のあまりにも興味が無い「へぇ」の一言から始まる通常点検回。ここが「ハコヅメ」史上で一番笑った回かもしれません。

ドラマでも第1回からこれを盛り込むことで視聴者のハートを掴んだ感がありますよね。原作ほどではないけれども、ドラマ版でもここは面白かったです。




まあ中身はドラマの動画を見ていただくか実際に読んでいただくかするとして、個人的にはこの回でもう1点絶対に言及しておきたいことがあるのです。それがカナなんですが、、、

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このカナ、不細工過ぎない?www

だって数話前のカナはこれですよ?w
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これもう別人レベルで違いますよね?こんな顔ポッチャリしてないでしょw

じゃあ他のキャラかというと、このページには既に川合も聖子ちゃんも牧ちゃんも描かれているわけで、そもそも町山署には女性警察官自体が少ないわけで。間違いなくカナしかいないはずなんですよ。で、これ。正面からとはいえこんな顔するだろうか。


もう一度比較しましょう。
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カラーなのにこの顔はちょっとwwwwww

このカナの顔にすごく笑ってしまったんだよなあ。そこで完全に掴まれて、そのあとも爆笑展開でホント面白い回でした。


そんな最高の回の次は「手心と親心」というこれまた面白い回。またもや活躍してくれるみんなのアイドル副署長。ドラマでもここはあったけど、ちょーっと原作通りの面白さにはならなかったかなー。最初の方で聖子ちゃんの多重人格のような不思議ちゃんキャラが視聴者にはまだ伝わっていなかっただろうし、山田役の山田さんもツッコミが原作の様に静かではなく、妙に声張ってツッコんでたし。






お次は「似顔絵ソウル」。川合先生再登場です。源の仕事に掛けるサイコっぷりも出てくる回です。ただこの回は、普段笑い話にしてしまったり気持ち悪いと一言で思ってしまうような事件を、実はもの凄く恐ろしい事件なのだということを認識させてくれる回でもありました。

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「知らない男がクローゼットの中を漁っていた。婚約者に気づいた男は逃走、婚約者がクローゼットを確認したところ、下着入れの中のパンツ全て、陰部の部分が切りとられてなくなっている状態だった」

ここだけ見ると、とんでもない変態の空き巣だという認識にしかならないじゃないですか。下着を盗るのではなく、その一部にだけ執着している到底理解の及ばない変態だってだけなんですよ。それくらいにしか思わないんです、普通の日常を送っている一般市民にとっては。

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「そのド変態と鉢合わせたのが 被害女性のほうだったら大惨事になっただろうね」

これなんですよね。ここまで理解には至らなかったですが、冷静に考えるとそういうことなんですよね。すんでのところで、人的被害が出る恐ろしい事件だったわけです。これを読んだ瞬間は本当にゾクッとしました。最悪の想定をするとこうなってしまう、ただの変態とバカにしてるわけにもいかないのだと。

鉢合わせということを表現されると、一気に現実感を帯びてしまうんです。もしも誰も居ない家に1人で帰った時に、知らない人間が部屋にいたら?ああ怖い怖い。


最後が「AV勧進帳」。川合がAVタイトルを読み上げて、山田がそれを書きとめていき、聖子ちゃんがマジックミラー号の「MM」を「SM」の誤表記ではないかと確認してしまい、源が「MM物陳列棚」ではなく「企画物陳列棚」と表記するのが適当であると発言する回ですね。ていうかAVの話しかないやこれw

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そして更に山田が愛澤艶琉のファンであることが発覚する回でもありました。2作目出てました?って質問出るあたり、相当ガチだぞこれ。


そんなこんなで、6巻は非常に笑いが絶えない「ハコヅメ」です。感想書くために全話読み返してるんですが、やはり何度読んでも面白いですね。



眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
ハコヅメ5巻の感想はこちら(とにかく笑える内容盛り沢山)
ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
ハコヅメ8巻の感想はこちら(これ警察学校で習ったやつだ!)
ハコヅメ9巻の感想はこちら(色々な話が詰め込まれている、これぞハコヅメ)
ハコヅメ10巻の感想はこちら(迷惑防止条例と強制わいせつの違いが勉強になります)
ハコヅメ11巻の感想はこちら(1巻の伏線を見事回収、この日の出会いを何度も後悔することになる)
ハコヅメ12巻の感想はこちら(同期の桜完結、川合の成長を感じられる最高の展開)
ハコヅメ13巻の感想はこちら(アンボックス事件のカップルが登場)
ハコヅメ14巻の感想はこちら(奥岡島事件発生篇)
ハコヅメ15巻の感想はこちら(奥岡島事件解決篇)
ハコヅメ16巻の感想はこちら(1巻で出てきたキャラが再登場する感動の成長譚)
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ハコヅメアンボックスの感想はこちら(警察の負の感情を全力で主張した傑作)
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ハコヅメ~交番女子の逆襲~(6) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
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