天才女子高生 出水川もなか が生活に横着するために家電を魔改造してドタバタする、ほのぼのコメディに見せかけたブラックコメディです。非常に面白かったのでこれは全力で推したいです。どんな感じかは作者のメッセージを見た方が早いでしょう。


これだけでも十分ブラックな感じが伝わるかと思います。相手に惚れさせるとか心を入れ替えるとか既に科学を超越しています。ポジティブ帽は実際にほしいタイミングあるかも。

この「りもで・りんぐ」、導入の1話目が本当に素晴らしいです。最初は家電製品を改造して、日々の生活を横着するための発明品の説明から入るのですが、それらの発明品が現実ににありそうなのがグッド。最初に出てくるのが「寝ぐせ直し機」で、こんなのあったらドライヤー業界壊滅するなと思いつつもこんなの誰もがほしがっている(一部の頭頂部がキレイな人を除く)ものですし、次の「持ち物セッティングマシーン」は原理はともかくその日に必要なものが勝手に出てくるというこれまた便利な代物だと。あとは実際にありそうな、というより既に実現している「金魚のえさボタン」でえさを与えているという。

ここまではまあ、ありがちな普通の改造品っぽい印象じゃないですか。そこに出てくる、1話で完成させた「遅刻防止機」ですよ。
20210526_000
そもそも遅刻防止機を作ったのに寝坊して遅刻しそうになっているという矛盾。このあと遅刻防止機を使ってもなかは見事遅刻せず学校に辿りつきます。しかも「はたから見ると一瞬で移動してるような錯覚をするかも」という弁。
20210526_001

父です。これは気づいてしまいましたね、遅刻防止機の本質に。父が試してみると、、、
20210526_002
と、このように「遅刻防止機」は「時間停止装置」だったのですね。これは魔改造、現実に起こりえないものをサラッと作ってしまうという、神への挑戦。このような話が主軸なんです。おまけにこの発明品を誇ることなく、自分たちのためだけに使うことで周囲への影響を小さくしており、まるで単なる日常コメディのように見せているのが面白いところ。こういうまともそうに見えてぶっ壊れてる系の話は大好きです。たまらない。

あとはキャラ付けも良くて、主人公の もなか は発明することに興味を持っていてそこまで発明品を悪用するような俗人ではないことがグッド。妹の いずみ は苦労人で健気で、発明品に頼らず生きようとする姿勢がグッド。この2人に対して、小学生の弟である もり が妙に俗人的で欲望に忠実で発明品を使ってうまいことやってやろうという姿勢が良いバランスになってます。好きな子に振り向いてほしいばっかりに発明品に頼ろうとしたり、パンチラに執着したり、未来を見て安心しきって好き放題やったり、未来であんなことになってたり。もなかといずみを合わせてドラえもんポジションだとしたら、もりはのびたポジションですね。お話を回す役回りが多い。

そんなブラックドラえもん的な話に近いのがこの「りもで・りんぐ」です。すんなりラクに読めるし、思わず笑ってしまうシュールさがあるし、非常にオススメです。これは本当に面白い。

発明といえば「スピーシーズドメイン」もある意味発明物でしたね。あれは発明もぶっ飛んでるけど、それ以上に色んな種族が集まる世界というのとその恋愛がベースなところがもっとぶっ飛んでました。発明を重視しているのはこっちかな。しかも内容は「スピーシーズドメイン」よりも頭おかしいものが多いという。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


りもで・りんぐ 1 (MeDu COMICS)
ふくたいさお(著)
5つ星のうち5.0
¥711