ファンタジー

天空の扉 16巻 - ゴブリンエンペラーに説教される勇者レイ

勇者レイと真正面から勝負している続きから始まる「天空の扉」16巻です。実質ラスボスなはずなのでさすが強い。

展開としてもこれまでの仲間たちが勢揃いで、ありとあらゆる手段を用いて勇者レイに立ち向かうも、やはり一筋縄どころか二筋縄くらい上手くいかない展開でした。このあたりは最後にルーシュが決めるのも相まって面白く読めたところです。

ただ、そのあとの展開がちょっとなあ。ラスボス倒したのに、即座にそれは無しでーす、もっと防御を固めてしまうので頑張ってくださーい、みたいな展開になっちゃうのがまさしく唖然としたというか。

もちろん、読み進めていくと、この巻でやりたかったことなのであろうゴブリンエンペラーの説教に繋げる為というのはわかるのですが。それにしても既に攻略のしようが無いような防御を敷かれたらどうすんのやこれというところ。やりすぎ。


しかし、その肝心のゴブリンエンペラーの説教はなかなか面白いです。
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「君たちちゃんと 全てがうまくいった後のこと考えてる?」

勇者レイとキャロスは、天空の扉を使って時間を巻き戻し、色々とやり直すのが今の目的並びに人類への復讐としています。

また、天空の扉の発動条件は、人類の90%が死滅することです。それを達成する為に、ゴブリンエンペラーを利用して世界中のゴブリンキングに暴動を起こさせて、人類壊滅を目論んでいるわけです。

が、このゴブリンエンペラーが勇者レイよりも、キャロスよりも、おそらく世界中の誰よりも賢くて、あっという間にレイ達の企みが行き着く先は破滅しかないと見抜きます。その為、やるのはいいけど本当に覚悟はあるのか?とひたすら説教するのです。

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「アホが変に格好つけて「初志貫徹」ってやると世界は最大の迷惑をこうむるからね。アホなことしてると気づいたら変なこだわり持たずに即時方針転換がおすすめだよ?」

煽りよるわこのゴブリンエンペラー。しかも見事にこの勢いに飲まれるレイとキャロス。もう既に、二人はゴブリンエンペラーの手のひらの上です。悪役に対する真っ当な説教で、しかも敵対者ではなくて身内からというこの展開。これこそレイと戦う前にやってもよかったのではないか。

というよりも、この展開だともうレイとやりあうことはおそらく無いのでしょう。そもそも攻略不可能な防御を敷いてしまったし、それを打開せず、他のアプローチで結末に持っていくのだと思います。

それが、結局人類撲滅を実行するのか、もしくはゴブリンエンペラーに従って最終的にゴブリンが世界を支配してしまうのか。全く読めないところが「天空の扉」の面白いところです。気になるから早く次巻出ないものか。



眠気覚め度 ☆☆☆


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)
8巻の感想はこちら (天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟)
17巻の感想はこちら (天空の扉が開かれる時)
18巻の感想はこちら (天空の扉 18巻 - 勇者レイと決着)


天空の扉 16
天空の扉 16
posted with AmaQuick at 2021.10.30
KAKERU(著)
5つ星のうち4.2
¥644


ダンジョン飯 11巻 - 終盤だと思うのだけど、話が飯関係なくなってきた

至る所で大人気の「ダンジョン飯」11巻です。11巻を読み始めて、全然話を覚えていなかったので10巻からもう一度読み返しました。

話はいよいよ大詰めというところ。ダンジョンの主であるシスルとの戦闘が10巻末から続いておりそれが決着。そのあとは遂にカナリアことエルフ部隊がライオス達に追いついてあんなことやこんなことが起こったり。

話の主軸が飯というよりも、ダンジョンの在り方だったりダンジョンと悪魔の関係だったり、悪魔の正体だったりと、世界観設定のものが多くなって来てます。序盤の魔物倒して美味しく調理しての展開からは離れてきてますね。

とはいえ、そういう流れでも読みやすさはしっかりしてるのが凄いところ。キャラがブレないからなのでしょう。ライオス達は変に難しいことばかり考えず、何よりもファリンを助けるところが第一であるところとか。マルシルは自身の夢の話が10巻から出てきていますが。

そんな流れでも、なんとか飯ネタを入れてるのはさすがです。大きく話が展開していてもベースは維持しようとしています。とはいえ、ネタとしてもだいぶ弱いなとも。これもしかしたら、途中で読み続けるのを断念してる人もいるのではないかなあ。

しかし「ダンジョン飯」の凄さは、単に飯の描写だけでなく、魔物の性質を丁寧に描写しておりそれを元に攻略するところにもあると思うのです。11巻でいうと絶望的なドラゴン軍団攻略になります。竜の性質を利用して攻略していくところは見事。

あとは前から思ってるのだけど、転移魔法を使える隊長の戦い方が独特過ぎて好き。斬新だしこんなの最強でしょ。ウィザードリィのマロールみたく石の中に転送したら、転送先の石は一体どこに行くのかという発想から生まれてますよねこれ。鬼頭莫宏の「なにかもちがってますか」でも転移だけはしてましたね。それを発展させるとこうなるのか。

話は終盤佳境で、初期の飯が好きだったユーザはちょっとおいてけぼり感がありますが、ファンタジー物とか昔のRPGであった設定とか好きな人ならまだまだ楽しめる展開です。このまま一気に完結まで突っ走ってほしいです。


おまけ:今回の料理
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こういうの見るとダック食べたくなるなあ。何年か前に中国で食べたきり、懐かしい。


眠気覚め度 ☆☆☆☆

 

異剣戦記ヴェルンディオ 2巻 - 酒場要素どこ??

異剣という戦争の兵器を巡って発生した異剣戦争の最中、異剣を集めるために冒険者を呼び込もうという建前で酒場経営が始まった「異剣戦記ヴェルンディオ」の2巻です。

異剣が話の主軸とはいえ、その過程で1から作物を育てて酒場経営をするというのが実に面白そうだったのですが、2巻の時点で既に酒場要素がほとんどなくなってしまっているような。。。

そしてまた戦闘シーンだったりシリアスシーンだったり、半分くらいはそっちに寄ってますね。まあHelckの時も半分くらいギャグかと思ったら途中から完全シリアスだったしなあ。元々シリアス重視で描きたいのかなあ。もう少し酒場経営観点のワイワイバタバタがあれば楽しくなりそうなのだけど。そのあたりが本編で入れられない反動か、単行本のおまけページにその要素がたっぷりあるような感じです。個人的には酒場要素が面白いと思っているのでもう少しそっちに割いてほしいところ。

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こう、シリアスなんですよ。この前後もボコボコに殴られたり。後半でも思い切りバトルが繰り広げられてたり自分を乗り越える成長シーンがあったり見ごたえは十分なんだけど、なんというか求めてるのはそこではなかったような感じがなあ。面白いんだけどなあ。

あとは設定が色々小出しで出てくるので、説明のところが多かったりするのも、良いのだけど惜しいというか。何故異剣を巡って争っているのかとか、異剣を使って強大になった王国がどうなっているのかとか。こういう説明とバトルシリアスシーンがメインですね、2巻は。

とはいえ、1巻から大きく進展したのは共に行動するキャラが増えたとこですね。根暗だけど強いシュラクとか1巻から出てる女騎士のサフィーアとか。このキャラを増やすための2巻とも言えるかも。

他にも妙に伏線ばかりで、まだまだこれは面白いぞ!と思うような展開に欠けるところが惜しいかなあ。主人公のクレオは元々強くなくて、どちらかというと頭や口で舞台を回していく役目なんですが、2巻で色々謎めいた設定が出てくるのですね。
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それにしたって、この表現はちょっと雑な感じが。。。なんだよ不思議な魅力って。それまでにそういうのを全力で発揮してるのなら裏づけもあるのだけど、コハクとワーワーやったりシュラクが懐いたりくらいでなんともなあ。そもそもそんなに他人と関わっていないからというのもその根拠の無さに拍車を掛けているような。

うーん、惜しいんだよなあ。面白くなりそうな気配はあるんだけどなかなか突き抜けないというか。実に惜しい。

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まあ、サフィーア可愛いしもうこれで全部不満点はひっくり返るかー。


続きは気になるところなので続刊は購読予定です。2巻の最後で遂に「ヴェルンディオ」も出たしね!
※そもそもここまでタイトルのヴェルンディオって出てなかった気がする。。。


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら (戦乱の世の辺境の地にて酒場を開く)
3巻の感想はこちら (酒場要素が戻ってきて話も展開して面白くなってきた)


 

異剣戦記ヴェルンディオ - 戦乱の世の辺境の地にて酒場を開く

「Helck」の七尾ナナキが描く新作「異剣戦記ヴェルンディオ」は戦乱のファンタジー世界にて酒場を開く傭兵クレオと謎の亜人コハクの物語です。

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なのですが、メインが酒場経営ではないところがこの作品の紹介の難しいところ。

正直に言ってしまうと、1巻の時点では何がしたいのか全くわからないです。
酒場経営と言いつつ、話の主軸は「異剣」と呼ばれる、特殊効果を持ち使い手を選ぶ剣となります。
この「異剣」を使えば火を発生することが出来たり使い手の能力を飛躍的に上昇させることが可能であり、この戦乱は「異剣」が中心となって広がっているのです。

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それが「異剣戦争」。タイトルの「異剣戦記」はここから来ているのですねー。この戦争を生き抜くには異剣を手に入れる必要がある、そのためにはまず異剣から来てもらう、だから酒場をやるんだという流れで酒場を開くこととなります。正直酒場との紐付けは弱いかなあと。人を呼びこんだところでどうやって異剣を手にするかはまだ作中では考えていないということで終わっていますし。

その割には酒場経営するために野菜を作ったり井戸を掘ったり酒場の小屋を作ったり実際に営業してみたりと、その辺りの描写は細かくて読んでて面白いです。これ異世界系で酒場をやるという発想が先にあってあとから異剣とかの設定を考えたのかな。話を膨らませるためにとか。

酒場辺りの話とか酒場に来た酔っ払い女騎士の話とかは色々面白いのですが、やはり何がしたいのかよくわからないというのが率直な感想です。そもそも戦乱の世界になっている理由が不明だし(それが異剣が原因なのかな?)、何よりコハクが主人公に執拗につきまとって守ろうとするのが全く説明されていないし。

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登場から一貫してコハクはクレオを生かそうとするのですが、その理由は一切語らず。そもそもこのコハクの存在自体が全て謎。この辺りが解明していくのはいつになるのやら。

世界観もクレオ周辺の話しか出てきてないので町並みや庶民の暮らし等も推測できず。酒場経営して異剣を集めてそのあとどうしていくのかもまだ計画されておらず。謎だらけで何もわかりません。

なのにそれなりに面白いと思って読めてしまうのが不思議だなあこれ。絵はHelckの初期から見ると格段に上手くなってるし、話の間も上手い。この感じでまだまだ続き読みたいと思わせてしまうのは素直に凄いと思います。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


2巻の感想はこちら (酒場要素どこ??)
3巻の感想はこちら (酒場要素が戻ってきて話も展開して面白くなってきた)



 

Helck 7巻 - 信頼の上に築くもの、これは最高のシナリオ展開だ!

「俺は人間を滅ぼす。」

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「Helck」は人間の裏切りの末、魔族側に身を寄せることになり、魔族側の立場として人間へ復讐を誓う人間
の勇者ヘルクの物語ですが、この7巻でまたもや激アツの展開となってまいりました。

元々、この作品の中では人間こそが下衆の塊で、魔族はそれなりの一般的な考え方というか、何が正しくて何が不正かを直に判断する集団として描かれています。人間はとにかく魔族を目の仇にして滅ぼすことしか考えていないのに対し、魔族は人間との共存を提唱していることからそれが窺えるでしょう。

これまでの6巻でヘルクの過去の話も掘り下げられ、その悔恨、復讐の思いが如何にヘルクの中に蓄積されていったかが描写されてきました。それがあった上での、ヘルクとヴァミリオちゃんの帝国進軍となるのです。

上記の通り、ヘルクにとっては人間は殲滅の対象としてしか映っていません。心根は本当に優しい、仲魔思いのヘルクにこの感情を植えつけさせたのも、過去の出来事があってのことです。これまでの魔族と共に戦ったヘルクの行動や振る舞いを見ると、それに対するこの思いというのは並々ならぬ覚悟を感じさせます。それほどまでに、ヘルクの思いは強力で、人間を滅ぼすことでしか人間を救うことが出来ないという考えがあるのです。

ただ、それは人間、おいては過去の仲魔との完全なる決別も意味します。人間側はいくらでも蘇生可能で、さらに操ることで感情の無い兵士を大量に生産し続けています。この蘇生可能というのがポイントで、そこにはかつてのヘルクの仲魔をも兵士として立ち上がらせることが出来るということになります。つまり、ヘルク自身の手で、かつての仲魔の命を絶たねばならないという悲しい結末です。



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ヘルク自身はこの運命ともいえる最悪の結末を受け入れた上での覚悟なのでしょう。それはヘルクにとってどれだけの絶望を再度植えつけることとなるのか。優しい、仲魔思いのヘルクにとって、どれだけ心に穴を作ることになるのか。これ以上に悲しいことなどあるのだろうか。しかしそれでも、ヘルクはそれこそが最良の一手と信じ、かつての仲魔のため、人間のために、自らが苦しむことも承知でそれを行うのです。




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「救おう、人間を。」

それに気づいたヴァミリオのこの言葉。もう駄目、この展開駄目。これだけで涙が出てくる。ヘルクにとって、ここまで自分のことを理解してくれた人はこれまでいただろうか。ヘルクのために、このような結論を提案してくれる人はこれまでいただろうか。魔族という立場に関わらず、いや、魔族という立場だからこそ、状況を冷静に鑑みて、ヘルクの心境も考慮して、誰もが笑顔になれる本当の意味での最良の手段を共に実行しようと言ってくれる人がいただろうか。このような相手を得られたことこそが、ヘルクが魔界へ行った最大の結果なのだろう。



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この力強い言葉。今のヘルクにとって、これ以上の言葉はあるだろうか。人間界で騙され、仲魔を奪われ孤独になり、対立する人間全てを滅ぼそうとしてヘルクに対して、これ以上の信頼の言葉あるだろうか。この言葉はヘルクの心に深々と突き刺さり、生きるための、人間を救うための最大の活力となるだろう。


ああもう駄目、この記事書くために再度読み直してたらまた泣けてきた。他の感想でもたまに書くんですが、こういった絶対なる信頼のような展開に非常に弱いんですよ。絶望の中で孤独だと思っていたヘルクにとって、本当の意味での、上辺だけでない理解者が現れて、しかもそれが魔界四天王の1人で超強力で、さらに全面的に信頼して力を貸してくれて、おまけにヘルク自身を救うために動いてくれるっていうんだから。いやー、ヴァミリオちゃんは可愛いし男気あるし強いし可愛いしでホント最高のキャラやで!

にしても、ホント化けたなあこの作品。当初の出オチ的なギャグ漫画からここまで発展するとは予想出来ないって。戦闘シーンもガンガン上手くなってるし、シナリオも上手いし、裏サンデーってホント全体的にレベル高いと思う。

さてさて、話は上記で止まってるので、勿論次巻も大期待ですなあ!


6巻の感想はこちら (Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!)


眠気覚め度 ☆☆☆☆

ゲート 9巻 - もはや単なる異世界ものだけどその軸はしっかりしている印象

前巻8巻で普通のファンタジーになってしまった「ゲート」9巻ですが、9巻も普通のファンタジーです。あまり自衛隊とか日本とか関係無い感じです。

私はアニメ2期の方は炎竜のところでやめてしまっていたので初見として読めたのですが、アニメ視聴済みの方から見るとこのあたりは既に見たことのあるところなのでしょう。確かアニメ版は炎竜の次の話がレレイの町の話だったし。というわけで、9巻はミノタウロスとのバトルを経てレレイとその義姉アルフェの話になります。 

このアルフェの人間臭さが非常に良いねぇ

嫉妬とプライドの固まりのような人間で、一足飛びに自分を越えていってしまったレレイに対してはひたすら羨望と嫉妬と憎悪と劣等感と尊厳とが入り混じったような感情をぶつけるし、それを隠そうともしない、私は貴様よりも上だという上辺だけの上下関係を押し付けようとする辺りが実にいい。思い返せば、伊丹側の面子は基本賢い理知的な良い子ちゃんタイプばかりなので、自らのエゴを全面に出してくるようなキャラはなかなかいませんでした。帝国側はバカ皇子とかいたけどね。

だからこそ、ここでこういうキャラが出てきたのは光る。今はまだレレイに対して劣等感のみで行動してるけれども、これが成長してこの傲慢なままものすごい実力持つようになったら面白くなるんですよね。そこには期待!


というわけで、ファンタジー色が全面になったのは相変わらずだけど、ファンタジーとしてレベルが高くなってきた「ゲート」9巻でした。これは次巻も楽しみになってきましたねえ。


8巻の感想はこちら (ゲート 8巻 - 普通のファンタジーになっちゃった)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

聖骸の魔女 3巻 - ミュリッタとの3号聖約、そして早くもアダンテとのバトル勃発!!

アダンテの嫁は首だけ!!

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読めば読むほど味が出る、ドシリアスかと思いきやくだけた表情や展開も多めで楽しく読める「聖骸の魔女」3巻もこれまでと変わらず面白さ高水準で展開します。

前巻で図らずも聖約してしまった3人目の「最初の魔女」ミュリッタの登場から始まる3巻です。エゼルバルドもウプスラも謎の病で戦えない状態で、ここは3号ことミュリッタに頼るしかありません。

しかしこのミュリッタ、いわゆる性格ブスでいやあもうその卑屈な言動から行動からもやもやもやもやするわw 聖約したのに「私なんて…」という状態で周りを拒絶して引きこもる始末。ついたあだ名が、


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"蟲毒のミュリッタ"

上手いこと言ってるわこれwww 孤独と蟲毒ってwww 蟲毒のグルメかよwww

まあなんやかんやあって、きっちりいつものは出来たんですけどね。



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いつもの(エロいな今回)




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女神変成(アドベント)!!

あれ?ミュリッタのアドベントそんなにカッコ悪くないぞ。キノコベースでマリオかよと思うところはあるけど、少なくともウプスラの股間おっぴろげで頭巾被るように髪を巻くのよりはセンスあるんじゃないか?グッド。

まあなんやかんやでミュリッタがニコラの三番目の夫となり、三重婚となったのでした。アダンテ以外の11人全員と重婚するまであるぞこのままいけば。


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エゼルバルドも不服ながらも一応今は緊急事態ということで皆で分かち合うならと了承している模様。うらやましいぞニコラ、戦争が終わったらそれぞれがニコラの身体の一部を平等に持って帰るとかでバラバラになるんじゃないか最終的に。そうなると誰が頭を、誰がマーラ様をということでケンカになりそう。


さてさて、話は続いて七つの源罪"暴食"の魔女が出てきます。このあたりの食事の描写が非常に上手い。料理が上手くて見てるこっちも腹が減ってくる。暴食の魔女なので、民には飢餓を、魔女には飽食をという状況を強いており、ニコラたちもとんでもない空腹に襲われることになります。そこでまたニコラたちを救ったのがミュリッタですよ!!さすが3号!さすが3巻の表紙キャラ!大活躍だぜ!



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まさに蟲毒のグルメ

町の食料は手を出せないから、森の中でとってきたのが虫とキノコ。現地調達、獣もいないなら致し方なし、虫も立派なたんぱく質だし、キノコも栄養豊富だからね、腹は膨れるし、まさに背に腹は代えられないね、作中で何度も「毒を喰み、汚泥をすすってでも生き延びるのだ!!」って言ってるしね。



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うおおおおおおおおおいいいいいいいいッッッ!!

さすが蟲毒のミュリッタさん、容赦ない。この後の死を前提にした「怖くないですから、ミュリッタもすぐ後からいきますから」ってのもシリアスに言ってるのが非常に面白いし、ギャグセンスあるわこれ、こういうシュールボケ系がホント好き。初登場時はそれなりにカッコよかったウプスラもこのあたりになってくると完全に単なるツッコみキャラになってるのも好き。(他のキャラが立ち過ぎてるからウプスラがツッコみに回らざるを得ないw)


そんなこんなあり、いよいよアダンテと遭遇するわけです。3巻中のアダンテの話もスプラッタ感満載でシリアスとギャグとスプラッタとが良い感じに調和されていて全体的にレベルが高い。しかも今回はアダンテのアドベントまでお披露目だ!!


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女神変成(アドベント)!!

……うさ耳バンド着けただけじゃないよね?変身前後では今までの4人中一番差分がないというかなんというか。シンプルで逆にツッコミどころがないのがなんとも。もしかしてアダンテが一番まともな、一番人間に近い魔女なのかこれ?


というわけで、既に書きましたが、全体的にギャグもシナリオもスプラッタもレベルが高い作品だと思います。しかも何気にハーレム要素もあり、 女の子も可愛いとなりゃ見逃す手はありません。感想を書くために読み返してもやっぱり面白いし、何よりその画像の多さから見所が多いところもご理解いただけるでしょう。正直、もっと貼りたいところはあったんですが、さすがにやりすぎるとアレだと思いまして制限してるくらいです。それくらいグッと来るシーンが多い作品です。知名度さえ上がれば人気出る作品だと思うんだけどなー、どうかなー。


2巻までの感想はこちら (聖骸の魔女 - 魔女を制するのは魔女、そんな魔女との聖約とは!?)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟

三つ目族の故郷奪還作戦、ダンダルフィアの戦いがはっじまっるよー

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祖国を騙まし討ちにより追われることになった三つ目族の復讐の戦いがいよいよ始まった「天空の扉」8巻です。8巻の半分はこのダンダルフィアの戦いが繰り広げられます。

元からとんでもない技術力を持っている三つ目族はこの世界観で銃を作り上げ、遂には狙撃ライフルを完成させてしまいます。それも2000人の兵士全員に。それに対する嘘つき鬼の軍勢の多くは頑丈な戦闘猪率いる大軍、つまり狙撃を上回る射程も無ければ狙撃を防ぐ手立ても無し。すなわち、戦争は準備段階で既に決していたということとなります。いやあ、こういう軍隊による圧倒的な蹂躙は気持ちいいね。個々人が暴れまわるのではなく、統率がしっかり取れたまるで生き物のような動きは本当に素晴らしい。



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その戦後処理としてもなかなか面白いものが描かれていました。まるでどこかで見たことのあるような話ですね。詳しく言及することはここでは避けることとします。また、これをもっと掘り下げて読めるのが同じ作者作品の「魔法少女プリティ☆ベル」ですのでもっと読みたい人はそっちもチェックです。


8巻の後半は久しく見なかったマギアのディアボロの話となります。女の子と魔王の組み合わせ、さてさてどうなることでしょう。


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こんなことになってしまいました。

そうなんだよなあ、今回改めてディアボロがマギアの強さについて語ったのだけど、ディアボロからありとあらゆる魔法を継承してる時点でマルチハイエンドウィザードなわけだし、それに加えて自動索敵も出来るとかはっきりいって魔力切れと不意打ちを除いたら負けることはありえないんだよなあ。こりゃ反則、インチキ。ルーシュ達はスタン以外全員頭おかしいレベルで強すぎるし、スタンも唯一の素人のクセに良い展開になってきたし、ホント見所あるよ天空の扉は。設定が良く練られてる、しかも論理的に。だから読んでいてすんなり納得出来るのがいいね。

さてさて、今回の表題にした「戦いの覚悟」ですが、怒りと共に自分や仲魔を守るために敵対者を容赦なく殲滅出来るようになったルーシュ、やらなきゃやられる、今放っておいたらあとで大変なことになる、と理性で敵対者を殲滅出来るようになったスタン、実は最初からいる人間枠でまだ人を殺していないのはマギアだけです。ゴブリンは笑顔で殺せるのにね。そのマギアに今回大きな試練が訪れることになります。魔王に強いと明言されるマギア、果たして彼女はその覚悟を越えることが出来るのか?いやあ、良い展開だなあ。


ストーリーもそうなんですが、先ほども書いたように設定が細かく決められてることがより面白さを増しています。今回の例では戦闘猪の設定ですね。作中自体に書いてあるのをまとめると「分厚い皮膚や力強いパワーで攻撃をものともせずに進撃を続け、目の前を蹴散らし、死体や雑草を食べ、破城槌のように建物を破壊してしまうスゲー強いブタ」という感じなのですが、おまけページに書かれている補足が秀逸でした。それは、強力な動物があるゆえにその食欲が旺盛過ぎて周辺の土地をあっという間に食べつくしてしまい、維持するためには遊牧民のように場所を転々と移動しながら食物を求めなければならないがゆえの国家自身の侵略性ということ。単純に卑劣で弱者を蹂躙するのが好きというだけじゃなくて、そういう背景もあってゆえの侵略という見方も出来るのが凄く良い。

というわけで、やっぱり設定が面白い「天空の扉」8巻でした。当然次巻も楽しみですな!


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)
16巻の感想はこちら (天空の扉 16巻 - ゴブリンエンペラーに説教される勇者レイ)
17巻の感想はこちら (天空の扉が開かれる時)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

天空の扉 8
天空の扉 8
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KAKERU(著)
5つ星のうち4.4
¥544

Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!

怒りのアズドラが遂に本気を出す!!

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という最高潮の引きで終わる「Helck」6巻です。初期の出オチだったギャグ漫画からここまでシリアスな作品になるとは誰が想像したでしょうか。アズドラ自身も当初は抜けたボケ担当だったのに、こんなにもカッコいい姿を見せてくれることになるとは。これだからHelckは面白いんだよなあ。

設定自体も実際結構練られていて、勇者システムとか人類総勇者化計画とか勇者は死んでも生き返って強くなるとかなかなかファミコン世代にはたまらないものになっています。ただ最近思うのは、自分が読んでるのがそういうのが多いだけかもしれないけど、やたらと人間と魔族が対立していて魔族側が実は良識あって人間側がエゴの固まりの聞く耳持たないという書き方が多いような気がする。その方が人間臭くて好きだけどね。


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こんなこと言われたらもう信じるしかないやろー。これまでも人間に裏切られ、人間に蔑まされて来たヘルクなんだから、魔界に来て出会った人たちと育んだ関係や信頼を言葉でぶつけられるとか絶対やばい。自分が当事者だったら泣く、間違いなく泣く。

というわけで、過去編が終わって次の話に向けて動きだすところの6巻でした。7巻はアズドラの本気から始まるはずなので大いに盛り上がることを期待!!


5巻の感想はこちら (Helck 5巻 - 人間のヘルクが魔族側についた理由が遂に明らかに!)
7巻の感想はこちら (Helck 7巻 - 信頼の上に築くもの、これは最高のシナリオ展開だ!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

ゲート 8巻 - 普通のファンタジーになっちゃった

炎竜を撃破し、次に伊丹たちへ訪れる試練とは!?

ゲート8巻はKindle版が出ておらず、近所の本屋にも売っていなかったので久しぶりにAmazonで取り寄せました。
というか、本屋からゲートが1冊も無くなってたのが不思議。2期もスタート直前だし、今から一気に盛り上がるところだと思うんだけど。 

アニメの方のゲートはおそらく炎竜編全部やる感じだと思うので、この8巻の内容は入らないでしょう。
なんにしてもアニメの方も楽しみですね。

で、このゲート8巻ですが、話は炎竜撃破後の話から新展開となります。今回展開された話は2つ。 
 - 帝国側の皇太子クーデター
 - 伊丹たちの資源調査の旅
となります。

なるのですが、クーデター編はあまりに予定調和に事が進みすぎるし、これからおそらく戦争が始まるだろうというところで伊丹たちに切り替わるので尻切れトンボ。
伊丹編は本当に普通のファンタジーの様に話が展開していき、ゾンビが出るわコカトリスが出るわヤオの成長を促す回だわでいまいち盛り上がりに欠ける展開。

ヤオに関してはおそらくこの後の伏線のためなんだろうし、元々の文化の違いからの考え方の違いということを表現しているんだろうけど、そうだとしても序盤で非常にすんなり納得したレレイ達と比べるとあまりに頭が固いのでイライラさせる要素満載。 

クーデター側もどうせ事を起こしても圧倒的武力の前にひれ伏すことになるのだろうし、そもそも日本の政略が今回は全然見えないし、首謀者が栗林に散々ボコボコにされた皇子なので噛ませ臭が半端じゃなくて見てて「うわぁ…」って感想になること受けあい。


というわけで、話的には単なる凡作と言える8巻でした。そりゃそうか、元々日本と帝国の文化の混じりあい(戦闘や生活等々)が面白い作品なわけで、そのあたりが一切無い8巻では普通のファンタジーに成り下がるよねえ。

次巻以降もずっとこんな感じなんだろうか。うーん、そうだとしたらちょっとなあ。。。


7巻の感想はこちらから (ゲート 7巻 - 魔法と現代兵器)
9巻の感想はこちらから (ゲート 9巻 - もはや単なる異世界ものだけどその軸はしっかりしている印象)

眠気覚め度 ☆☆☆

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