ファンタジー

天空の扉 17巻 - 天空の扉が開かれる時

ラスボス戦かと思いきやラスボスが説教されてしまった「天空の扉」17巻です。

正直ちょっとグダグダかなあというのが率直な感想。この巻も半分くらいはゴブリンエンペラーが説教してます。

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そんなゴブリンエンペラーの説教と勇者レイが対峙し、遂に天空の扉が発動するところまでの描写となっています。もう少し早く展開してもよかったんじゃないかと思いますね、必要なのは「ゴブリンも人である」のところだったので、巻の前半はあまり意味がなかったのでは。


そしてこれまで長々と展開されてきた聖女側の話も決着します。が、その結末は思ったよりもあっさり。描写されたとおりだと元々これくらいあっさり結末を迎えるつもりだったようにも見えました。

しかしそうなると、聖女も何故出てくる必要があったのかというのも少し疑問が。描きたかっただけなのかなあ、無抵抗主義というか、とにかく戦争をやめろという傲慢さの結末というのを。だとしても、ちょっと引っ張り過ぎな気はしました。


というわけで、大きな展開は迎えたものの話の流れはそこまで進んでいない「天空の扉」17巻でした。20巻くらいで終わるのかな?もうそろそろエンディングだよねこれ。と言っても、今回の展開でどう決着させるのかは全然想像出来ないですけども。


眠気覚め度 ☆☆☆


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)
8巻の感想はこちら (天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟)
16巻の感想はこちら (天空の扉 16巻 - ゴブリンエンペラーに説教される勇者レイ)


天空の扉 17
天空の扉 17
posted with AmaQuick at 2022.07.03
KAKERU(著)
日本文芸社 2022-06-29T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥730


異剣戦記ヴェルンディオ 3巻 - 酒場要素が戻ってきて話も展開して面白くなってきた

前作「Helck」のアニメ化が決まった七尾ナナキの新作「異剣戦記ヴェルンディオ」3巻です。

『Helck』がテレビアニメ化決定! 七尾ナナキ先生による、謎の勇者と魔族が繰り広げる冒険ファンタジー。原作漫画30話分も無料公開中 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

これには本当にびっくり。「Helck」自体も結構前に終わった作品で、正直そこまで流行ったものでもないと勝手に思っていました。面白いと思って最後までは読んではいたけれども。

「Helck」はなー、最初が完全に出オチで、このあとどうするんだろうと思ったら徐々にシリアスな方向になり始めて、最後はシリアスのまま終わった作品という記憶です。熱い物語で好きな人は間違いなく好きな部類ですね。アニメ始まったら「人間が憎い」のシーンあちこちで使われそうな気がするw


というわけで本題に戻りまして、今回は「異剣戦記ヴェルンディオ」3巻のお話です。素直な感想として、2巻と比べると全体的に面白いと感じました。

2巻は始めたはずの酒場要素があまりなく、新キャラの回収巻というイメージでした。3巻では、そのキャラたちとともに酒場運営をしていくという流れになっています。つまりようやく酒場としてまともに話が展開していきます。
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「ようこそ!ポッフィー亭へ!」

はい、見事に酒場運営出来てますね。2巻で出てきたサフィーアが看板娘となり、荒野ゆえたまにしか来ないお客さんを血が滴るナイフで歓迎しています。

このアンバランスさ、まさにサフィーアの人間関係としての不器用さを表してて面白いなと。良いですよねこういう表現、行動がキャラを表すようなの好き。あとサフィーアの髪って赤だと勝手に思ってたんだけど3巻の表紙で青と判明。イメージ変わるなー。


そんなこんなで話が色々展開していきます。酒場運営をしてるがゆえに訪れる人から情報が得られたり、そこからいよいよ異剣戦争で天下を狙っているムンディマ新教団や新国家ファルカが登場して関わっていくことになります。

彼らと関わるに従い、2巻で身内になったサフィーアやシュラクもクレオとコハク陣営として大きく関わっていくことになります。

なので、なるほど2巻まではまだまだ設定説明の段階だったということですね。ちょっと時間が掛かってしまったけれども、サフィーアとシュラクの掘り下げを先にやったということになるのでOKでしょう。2巻でちょっとつまらなくなったかもなーというところから、また面白くなり始めました。これはこの先も期待できるかも。

まあ冷静に考えたら、クレオが生きていた時代から100年経ってるわけで、知り合いがコハクしかいない彼らの世界をより面白く描写するためには、様々なこの時代の関係者を登場させる必要があったということでしょう。

しかも町じゃなくて荒野の酒場だから来てもらうしか発展しないですからね。来るのは野盗ばかりなわけですし、サフィーアたちに参加してもらうためにはすこーし長い描写をしないとならなかったのは納得。

3巻で出てきたシュベルやモルカナも良いキャラだし、ただでさえ異剣戦記という戦争物になりそうなので、勢力図だったり登場人物も相当多くなるのでしょう。もしかしたらまだまだ設定放出の途中かもしれませんね。これからもっと面白くなることを期待します。


あと話の途中で入るオマケ4コマが面白い、思わず笑ってしまったw


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら (戦乱の世の辺境の地にて酒場を開く)
2巻の感想はこちら (酒場要素どこ??)



異剣戦記ヴェルンディオ(3) (裏少年サンデーコミックス)
七尾ナナキ(著)
小学館 2022-02-17T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
¥650


Helck(1) (裏少年サンデーコミックス)
七尾ナナキ(著)
小学館 2014-08-18T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥607


魔女と騎士は生きのこる - 正統派ファンタジーサバイバル

村を滅ぼしたのが森の魔女だと思って全力で殺しに掛かったら魔女のせいではなかったところから始まる正統派サバイバルファンタジーの「魔女と騎士は生きのこる」です。読んだ感想として、素直に面白いです。

ここで読めます


まず、前置きもほとんどなく主人公が狩りから村に帰ったら村人が全員死んでます。スタートからスピード感があるヘヴィさです。この最初の状況説明にド直球でハードな展開をつきつけてくる素直さが素敵です。

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「生き残った我が領民たちをお前が代わりに導くのだぞ」

辺境伯だった父に代わり領民を導けと託されるものの、既に領民の息は無く。ドン底から始まる物語ってそこから立ち直る為にあれやこれやを試行錯誤していく過程が面白いんですよね。


で、冒頭で前述したとおり、この状況を作り出したと思われる魔女のところへ行くのですが、実は魔女の仕業でもなんでもなく、むしろ領民たちに正しい死を与えてくれる存在になります。そうして、そこから始まる魔女と、生き残った数人の領民とのサバイバル生活がいまのところメインテーマです。

そのサバイバル生活も、領民たちを養う領主の苦労という形で表現されます。

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当然領主であるアグレディオスだけの力ではこの生活を生きのこることは出来ず、領民同士で助け合って生活をしていくことになります。

このあたり、領主の息子であり騎士としての生活は送ってきたけれども、普通の生活に関する知識が無かったり、料理ひとつとっても満足に出来なかったりと、特徴が出ているのが面白いです。生き残った領民の子供も、漁師の子供だからこそ魚を獲ったり捌いたり出来たりするのがまたリアル。


また、ファンタジーならではの敵も出てきたり、それに対する様々な戦法を取ったりとバトル観点での面白さもあります。しかもいつまでも付きまとう生き残るためのサバイバルの必要性。そのあたりの組合せがうまくて、続きをどんどん読みたくなってしまうものです。面白い。

そしてその中でメインとなってくる、魔女との関係。殺そうとしたもののなし崩し的に一緒にいることになったこの魔女が、特異点として作中にいます。人間のものごとを理解していない魔女。人間の行動を理解していない魔女。ふとした瞬間に魔法を使う魔女。このあたりの謎がひとつも解明されず、まだまだ謎は謎のまま展開していきます。


サバイバルファンタジーとして非常に面白いですし、サバイバルがなくてもそれだけで十分面白いファンタジーものとして読めるくらいの重厚さがあります。

しかも単に重いのではなく、キャラにも可愛さあり、クスッとするような笑いありで、気楽に読める要素も満載です。飛び抜けて面白いとまでは言わないですが、これは安定した面白さで続いていきそうです。

この手のものって、大抵最初の設定とか固有名詞とか多くてなかなか入り込みにくかったりするものだと思いますが、それが最初のドン底からの始まりで全てを賄っているとも言えるでしょう。設定を語らなくても読めばわかるようにしている展開は見事です。次巻も期待します。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


魔女と騎士は生きのこる (1) (角川コミックス・エース)
新川 権兵衛(著), 近本 大(その他)
KADOKAWA 2022-02-04T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥634

 

最果てのソルテ 2巻 - 魔界に突入して水上悟志ワールド全開

序盤から一気に魔界に突入するグダグダ展開なぞなんのそのの「最果てのソルテ」2巻です。

こういう作品でありがちなのは本筋の話が魔界に突入することなのにあちこちお使いしてだらだら間延びする展開ですが、「最果てのソルテ」ではそんなことはありません。1巻で魔界に向かい、2巻では早々に魔界へ突入してしまいます。このスピード感はホントいいですね。

そしてこの魔界というのがまた水上悟志ワールド全開で、こんな設定どこから思いつくんだろうというものばかりなのです。

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後ろ歩き草原とか


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やわらか荒野とか


一見誰でも思いつきそうなのに、なかなか無い発想なんじゃないでしょうか。こういうのって、普通に考えてても思いつくものではないと思って、何かきっかけだったり意識だったりが無いと浮かばないのかなと。

漫画に限らず、世の中の科学に携わる人とかはこういう0から1を生み出すような発想を持つ人がいるのだろうなと思うわけです。それらはどれだけの経験に裏打ちされたものなのだろうか。素直に尊敬します。


フィロの不死身設定も殺して欲しいのに殺されないという矛盾だったり、やっぱりシナリオ作りが上手いよなあ、水上先生。本人も半分くらいは話を作る方が楽しいって言ってた記憶があります。無理せず原作者としても頑張っていただきたいところ。この絵だからこそ魅力があるとも言えるけれども。


ついでにブラックの記憶が前世のものであるってのは、もしかしてこれ異世界転生ものだったりするんだろうか。巻末にはTwitterか何かで過去にアップしていた異世界転生ものの読切りが掲載されていますし、実はそういうことなのかな。

だとしたら、「最果てのソルテ」は水上悟志が送る異世界転生なのかもしれない。そうだとしたらキャラも大勢出てるし組織も多く出てるしキャラも立ってるしで、正直なところそんじょそこらの異世界転生では太刀打ち出来ないほどの傑作になるんじゃないだろうか。

おまけに異世界転生ものでなくても間違いなく面白い作品ですしね。あくまでオマケ要素的な異世界転生要素。そこに水上悟志ワールドが加わるのだから面白くないわけがないです。


「惑星のさみだれ」も2022年遂にアニメ化するし、しかも最後までやりきるということだし、「プラネットウィズ」も連載中だし何気にずっと手を止めてないですよね。Twitterでは酒ばかり飲んだくれてるのに実はこんなに活動的だとは。まだまだ追いかけたいと思います。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(水上悟志が描く壮大なファンタジー)


最果てのソルテ 2巻 (ブレイドコミックス)
水上悟志(著)
マッグガーデン 2022-01-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥574


惑星のさみだれ (1) (ヤングキングコミックス)
水上悟志(著)
少年画報社 2006-01-27T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥495


最果てのソルテ - 水上悟志が描く壮大なファンタジー

1/8に2巻が発売される「最果てのソルテ」の1巻の感想です。なんと1巻の発売日は2021年の1/9ということで、実に1年ぶりに2巻が発売します。

ここで読めます。


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なんとファンタジー世界でかつ2周目。タイムループものみたいです。といっても、この小さいセレンだけが前回の話を覚えているのみです。ソルテやフィロは記憶はなく純粋に1周目の感覚です。


詳しい内容を語り始めるといつまでも終わらなくなるので、設定語りはやめておきます。単に感想を述べるなら、さすが水上悟志と言えるような細かい設定が盛り沢山です。

序盤からでも、魔界の霊宝を集める職業のサルベイジャーという存在が出てきたり、奴隷制の話が出てきたり、突然魔法汚染に遭遇したりと、様々な設定を盛り込んでくるのです。しかし、それがそれほど複雑な内容としては描かれず、割と感覚で理解できてしまうのが本当に凄い。

設定もりもりの作品って普通は理解が難しくなる傾向にあるのですよね。だからこそ、少しずつ設定を小出しにしたり、キャラを設定に遭遇させることで読者と同じ目線でキャラに経験させるということをするのですが、水上悟志はそのあたりの導入が本当に上手です、わかりやすい。


しかもその設定がワクワクさせてくれるようなものでもあります。魔法を使えるソルテが魔法を使うためには魔女化する必要があったり、死にたくても死ねなくて、死ぬための居場所を探してるのがフィロだったり、ブラックはモグラの顔だったり。そもそも2周目の案内役として小さい妖精のセレンがワーキャー騒ぐだけでも面白い。

そしてサルベイジャーに対して、神罰騎士団のような魔法研究者のような集団もあったり、世界観の設定が非常に細かいし抜けが無いのです。だからこそ安心して読める。毎度見事です。


また、最初の方でまるで暗い話かのように始まった「最果てのソルテ」ですが、そんな暗い内容は最初だけで愉快な旅に変わっていくのです。

しかし、その旅というのが人間が訪れるには厳しい魔界。2巻以降の話ですが、その魔界の様々な魔力に翻弄される姿が実に面白いです。これは2巻の感想で書けばよかったかな。


話の展開も割りと早く、1巻時点で既に魔界に向かい始めてます。2巻ではすぐに魔界へ突入するはずです。変に引き延ばさず、展開が早いのもいいところですよね、読みやすい。まあ、「最果てのソルテ」は月刊どころか季刊レベルでの掲載スピードなので、ちんたらされるとさすがにキツいですしね、これくらいで丁度いいのでしょう。


というわけで、みんな大好き水上悟志先生は現在「プラネット・ウィズ」と「最果てのソルテ」を頑張って更新しながらいつもお酒を飲んでいるようなので是非とも応援しましょう。「最果てのソルテ」もゆっくりだけど確実に面白い作品なので今後も要注目です。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


2巻の感想はこちら(魔界に突入して水上悟志ワールド全開)


最果てのソルテ 1巻 (ブレイドコミックス)
水上悟志(著)
マッグガーデン 2021-01-09T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥574


最果てのソルテ 2
最果てのソルテ 2
posted with AmaQuick at 2021.12.27
水上悟志(著)
マッグガーデン 2022-01-08T00:00:01Z

¥660

 

葬送のフリーレン 6巻 - 魔法使い試験篇から正直厳しくなってきましたね

勇者パーティ内のエルフが長命ゆえにパーティの人生を看取り、その後の人生について描写されるまさに目の付け所がいままでになかった「葬送のフリーレン」6巻です。

サンデー掲載ということもあって既に超有名作品でもあり、わざわざ紹介する必要も無いと思いますので素直に感想だけ述べていきます。

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まずそもそもとして、よくこのような一発で終わりかねないネタを6巻とはいえやり続けていられるなあと。凄いことだと思うんですよ、ある意味世界平和が訪れた以降の話を考えているわけですから。それはつまり、モチーフとなるファンタジー世界を更に掘り下げたことであるのです。

およそ一般的に想定されるファンタジーのお話といえば、人類と魔族の対決があり、その決着を持ってお話が終わるというのが定番です。「葬送のフリーレン」は結末の先に存在する、エピローグを掘り下げて、さらに新たな物語を紡いでいるところが実に素晴らしい。


そんな「葬送のフリーレン」ですが、正直ベースな話、最初の設定がそろそろ生かされなくなってきてるのかなと。それこそ今のパーティメンバーがかつてのメンバの弟子だったり、どこに言ってもその名が轟いていたりと設定の妙があるのですが、魔法使い試験になってからその設定が割りとどうでもよくなっているような。

決してつまらないというわけではないのです。ただ、パンチが弱い気がします。元々文字多目で淡々と展開されるのが持ち味なわけですけれども、それがただただ続くように思えてしまうというか。やってる内容も試験に対して参加者があれこれするというだけの話なので、元の設定は関係無いのですよ。設定を活かしてこそのテーマだと思ったので、この流れはちょっとなあと。

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このあたりとか文字が多くてなあ。内容も状況説明が多いというのがきつい。


たぶん、この魔法使い試験に出てくるのが元のメンバメインではなく新キャラメインだからなんじゃないかなと。仲間たちは過去の勇者パーティとも多少なりとも縁があるキャラですし、それぞれもキャラが立っているので読んでてやり取りが面白かったのです。それが今の魔法使い試験だと弱いですよね。


素直な感想を述べると、面白さは少し薄まってきたかなというところでしょうか。続刊も買うかどうかは正直微妙になってきたかも。決してつまらないわけではないのですけれども。

読んでる途中で眠くなって寝てしまったというのが致命的だったかもしれません。


眠気覚め度 ☆☆


葬送のフリーレン(6) (少年サンデーコミックス)
山田鐘人(著), アベツカサ(著)
小学館 2021-11-18T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥462

 

ダンジョンの中の人 - ダンジョン運営の観点からダンジョンの仕組みを学びましょう

ダンジョンには実はダンジョン運営があってそこで働くことになってしまう「ダンジョンの中の人」です。何かの裏側的な話は数あれど、完全にダンジョン運営側の話というのはなかなか見ない気がします。

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「ダンジョンの管理…うーん「ダンジョンの運営」でしょうか?」

街にあるダンジョン、地下10階と想定されているそのダンジョンはまだ誰も最下層まで到達したことはなく、そのダンジョンを攻略するためにギルドや街が発展する。「ダンジョン飯」でもあったような設定ですね。

細かい設定等は「ダンジョン飯」の方が入念に作られていますが、「ダンジョンの中の人」はダンジョン側からの視点が見れるというのと、あくまで緩く展開するというのが特徴でしょうか。そういう意味ではラクに読める部類かもしれません。

ダンジョン内下層で倒した魔物からは宝石が手に入るのにも理由があったり、シーフギルドが拡張バッグや脱出用スクロールを提供してくれるのには仕組みがあったり、いわゆるダンジョンとギルドがずぶずぶだったりするわけです。そういう政治というか商売的な話も若干出てきたりします。

それと、ダンジョン運営ならではの、魔物の配置だったり、魔物のスカウトだったり。はたまた宝箱の設置数だったり中身だったり、階層に合った武器防具を入れていたりと、ダンジョン運営ならではの仕組みを設定しています。ダンジョンに宝箱が設置される謎がこれで解けました。

そんな感じで、RPGプレイヤーが疑問に持つようなことをゆるーくダンジョン運営を通して解説してくれたりします。もちろん「ダンジョンの中の人」特有の設定なので、全てに答えているというわけではないです。

ゆるさに反して、戦闘シーンのやり取りは割りとガチ目だったりします。主人公のクレイの武器はナイフですが、4本持ち歩いていたり状況によって持ち方を変えたりと凝ってます。1巻のスケルトンになって冒険者と戦うシーンもなかなか。運営に混じって度々そういう戦闘シーンも入って良いテンポになってます。グッド。

ただ、ひたすらゆるいので、合う人にはあうけれども、もう少しシリアスを求める人には足りないかもしれません。その辺はまあ、好みということで。


眠気覚め度 ☆☆☆


ダンジョンの中のひと : 1 (webアクションコミックス)
双見酔(著)
双葉社 2021-02-18T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥704


ダンジョンの中のひと : 2 (webアクションコミックス)
双見酔(著)
双葉社 2021-12-16T00:00:00.000Z

¥745

 

天空の扉 16巻 - ゴブリンエンペラーに説教される勇者レイ

勇者レイと真正面から勝負している続きから始まる「天空の扉」16巻です。実質ラスボスなはずなのでさすが強い。

展開としてもこれまでの仲間たちが勢揃いで、ありとあらゆる手段を用いて勇者レイに立ち向かうも、やはり一筋縄どころか二筋縄くらい上手くいかない展開でした。このあたりは最後にルーシュが決める
のも相まって面白く読めたところです。

ただ、そのあとの展開がちょっとなあ。ラスボス倒したのに、即座にそれは無しでーす、もっと防御を固めてしまうので頑張ってくださーい、みたいな展開になっちゃうのがまさしく唖然としたというか。

もちろん、読み進めていくと、この巻でやりたかったことなのであろうゴブリンエンペラーの説教に繋げる為というのはわかるのですが。それにしても既に攻略のしようが無いような防御を敷かれたらどうすんのやこれというところ。やりすぎ。


しかし、その肝心のゴブリンエンペラーの説教はなかなか面白いです。
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「君たちちゃんと 全てがうまくいった後のこと考えてる?」

勇者レイとキャロスは、天空の扉を使って時間を巻き戻し、色々とやり直すのが今の目的並びに人類への復讐としています。

また、天空の扉の発動条件は、人類の90%が死滅することです。それを達成する為に、ゴブリンエンペラーを利用して世界中のゴブリンキングに暴動を起こさせて、人類壊滅を目論んでいるわけです。

が、このゴブリンエンペラーが勇者レイよりも、キャロスよりも、おそらく世界中の誰よりも賢くて、あっという間にレイ達の企みが行き着く先は破滅しかないと見抜きます。その為、やるのはいいけど本当に覚悟はあるのか?とひたすら説教するのです。

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「アホが変に格好つけて「初志貫徹」ってやると世界は最大の迷惑をこうむるからね。アホなことしてると気づいたら変なこだわり持たずに即時方針転換がおすすめだよ?」

煽りよるわこのゴブリンエンペラー。しかも見事にこの勢いに飲まれるレイとキャロス。もう既に、二人はゴブリンエンペラーの手のひらの上です。悪役に対する真っ当な説教で、しかも敵対者ではなくて身内からというこの展開。これこそレイと戦う前にやってもよかったのではないか。

というよりも、この展開だともうレイとやりあうことはおそらく無いのでしょう。そもそも攻略不可能な防御を敷いてしまったし、それを打開せず、他のアプローチで結末に持っていくのだと思います。

それが、結局人類撲滅を実行するのか、もしくはゴブリンエンペラーに従って最終的にゴブリンが世界を支配してしまうのか。全く読めないところが「天空の扉」の面白いところです。気になるから早く次巻出ないものか。



眠気覚め度 ☆☆☆


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)
8巻の感想はこちら (天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟)
17巻の感想はこちら (天空の扉が開かれる時)


天空の扉 16
天空の扉 16
posted with AmaQuick at 2021.10.30
KAKERU(著)
5つ星のうち4.2
¥644


 

ダンジョン飯 11巻 - 終盤だと思うのだけど、話が飯関係なくなってきた

至る所で大人気の「ダンジョン飯」11巻です。11巻を読み始めて、全然話を覚えていなかったので10巻からもう一度読み返しました。

話はいよいよ大詰めというところ。ダンジョンの主であるシスルとの戦闘が10巻末から続いておりそれが決着。そのあとは遂にカナリアことエルフ部隊がライオス達に追いついてあんなことやこんなことが起こったり。

話の主軸が飯というよりも、ダンジョンの在り方だったりダンジョンと悪魔の関係だったり、悪魔の正体だったりと、世界観設定のものが多くなって来てます。序盤の魔物倒して美味しく調理しての展開からは離れてきてますね。

とはいえ、そういう流れでも読みやすさはしっかりしてるのが凄いところ。キャラがブレないからなのでしょう。ライオス達は変に難しいことばかり考えず、何よりもファリンを助けるところが第一であるところとか。マルシルは自身の夢の話が10巻から出てきていますが。

そんな流れでも、なんとか飯ネタを入れてるのはさすがです。大きく話が展開していてもベースは維持しようとしています。とはいえ、ネタとしてもだいぶ弱いなとも。これもしかしたら、途中で読み続けるのを断念してる人もいるのではないかなあ。

しかし「ダンジョン飯」の凄さは、単に飯の描写だけでなく、魔物の性質を丁寧に描写しておりそれを元に攻略するところにもあると思うのです。11巻でいうと絶望的なドラゴン軍団攻略になります。竜の性質を利用して攻略していくところは見事。

あとは前から思ってるのだけど、転移魔法を使える隊長の戦い方が独特過ぎて好き。斬新だしこんなの最強でしょ。ウィザードリィのマロールみたく石の中に転送したら、転送先の石は一体どこに行くのかという発想から生まれてますよねこれ。鬼頭莫宏の「なにかもちがってますか」でも転移だけはしてましたね。それを発展させるとこうなるのか。

話は終盤佳境で、初期の飯が好きだったユーザはちょっとおいてけぼり感がありますが、ファンタジー物とか昔のRPGであった設定とか好きな人ならまだまだ楽しめる展開です。このまま一気に完結まで突っ走ってほしいです。


おまけ:今回の料理
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こういうの見るとダック食べたくなるなあ。何年か前に中国で食べたきり、懐かしい。


眠気覚め度 ☆☆☆☆

 

異剣戦記ヴェルンディオ 2巻 - 酒場要素どこ??

異剣という戦争の兵器を巡って発生した異剣戦争の最中、異剣を集めるために冒険者を呼び込もうという建前で酒場経営が始まった「異剣戦記ヴェルンディオ」の2巻です。

異剣が話の主軸とはいえ、その過程で1から作物を育てて酒場経営をするというのが実に面白そうだったのですが、2巻の時点で既に酒場要素がほとんどなくなってしまっているような。。。

そしてまた戦闘シーンだったりシリアスシーンだったり、半分くらいはそっちに寄ってますね。まあHelckの時も半分くらいギャグかと思ったら途中から完全シリアスだったしなあ。元々シリアス重視で描きたいのかなあ。もう少し酒場経営観点のワイワイバタバタがあれば楽しくなりそうなのだけど。そのあたりが本編で入れられない反動か、単行本のおまけページにその要素がたっぷりあるような感じです。個人的には酒場要素が面白いと思っているのでもう少しそっちに割いてほしいところ。

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こう、シリアスなんですよ。この前後もボコボコに殴られたり。後半でも思い切りバトルが繰り広げられてたり自分を乗り越える成長シーンがあったり見ごたえは十分なんだけど、なんというか求めてるのはそこではなかったような感じがなあ。面白いんだけどなあ。

あとは設定が色々小出しで出てくるので、説明のところが多かったりするのも、良いのだけど惜しいというか。何故異剣を巡って争っているのかとか、異剣を使って強大になった王国がどうなっているのかとか。こういう説明とバトルシリアスシーンがメインですね、2巻は。

とはいえ、1巻から大きく進展したのは共に行動するキャラが増えたとこですね。根暗だけど強いシュラクとか1巻から出てる女騎士のサフィーアとか。このキャラを増やすための2巻とも言えるかも。

他にも妙に伏線ばかりで、まだまだこれは面白いぞ!と思うような展開に欠けるところが惜しいかなあ。主人公のクレオは元々強くなくて、どちらかというと頭や口で舞台を回していく役目なんですが、2巻で色々謎めいた設定が出てくるのですね。
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それにしたって、この表現はちょっと雑な感じが。。。なんだよ不思議な魅力って。それまでにそういうのを全力で発揮してるのなら裏づけもあるのだけど、コハクとワーワーやったりシュラクが懐いたりくらいでなんともなあ。そもそもそんなに他人と関わっていないからというのもその根拠の無さに拍車を掛けているような。

うーん、惜しいんだよなあ。面白くなりそうな気配はあるんだけどなかなか突き抜けないというか。実に惜しい。

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まあ、サフィーア可愛いしもうこれで全部不満点はひっくり返るかー。


続きは気になるところなので続刊は購読予定です。2巻の最後で遂に「ヴェルンディオ」も出たしね!
※そもそもここまでタイトルのヴェルンディオって出てなかった気がする。。。


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら (戦乱の世の辺境の地にて酒場を開く)
3巻の感想はこちら (酒場要素が戻ってきて話も展開して面白くなってきた)


 
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