スポーツ

ワンダンス 8巻 - 2つの道で2つのダンスをそれぞれ駆け上がる

それぞれの道を見据えながらダンスの成長を続けていく「ワンダンス」8巻です。

7巻までのダンスバトル篇が終わり、それぞれが自分の考えるダンスの練習を進めていく巻となっています。


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「俺たちもしかしたら 行く道が違うかもしれないね」

これまで一緒にダンスの道を目指そうと話していた二人、カボの勝手な思い込みと、吃音症がゆえの言葉足らずのせいで微妙にすれ違い始めるのが見てて辛い。

だけど、このそれぞれの道を進み始めていることが、おそらく今後の二人の同じ道を歩むことの糧となる展開だと思われるのでグッドです。


カボはカボでダンスバトルがしたく、ブレイキンの練習をしていくことになります。光莉は光莉でアッセイさんのナンバー、いわゆるショーの練習をしていくことになります。

これら全く違う種類のダンスをそれぞれ習得していくことが、このあとの大きな布石になるのでしょう。


その過程が面白いのが「ワンダンス」なんです。特にカボのブレイキンに掛ける練習の意気込みや、その最中に入る邪魔への対処の見どころが凄くて、思わず見入ってしまいます。

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ダンス描写がカッコいいんだよなあ。。。


光莉の方も、新しい人たちと一緒にダンスをすることになり、しかもそこでは有象無象の1人と認識されてしまう始末。しかし即興ワンムーブをすると一気に空気が変わります。

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この描写もカッコいい。一気に周囲の目を釘付けにしてしまうほどのパフォーマンスをとても上手に表現出来ています。こういう空気で楽しむ作品でもあるんですよね。


まるでダブル主人公みたいな展開になってきましたが、どちらもキャラがきっちり立っているからこそ成立していると言えるでしょう。本当に面白い、早く続きが読みたい。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1~5巻の感想はこちら(ダンスものに外れ無し?高校生ダンスの傑作)
6巻の感想はこちら (カボのダンスは対象全てをリスペクト)
7巻の感想はこちら(カボの上昇志向が見えてくる熱い展開)

ワンダンス(8) (アフタヌーンコミックス)
珈琲(著)
講談社 2022-06-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥748



 

もういっぽん! 18巻 - 強者同士の思いをぶつける戦いが熱すぎる

来年のTVアニメスタートが決定して原作も超大盛りあがりしている「もういっぽん!」18巻です。

未知たち2回目の金鷲旗、去年を超えるための3回戦、超強敵のダークホースである幸徳学園と決着する巻となりました。

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勝負はもつれにもつれて大将戦、青西のエース氷浦永遠と幸徳学園最強大和が全力でぶつかります。

ここまでの幸徳学園戦、先鋒の南雲を始めとした、ある意味青西側は挑戦者という立場であったように思います。

剣道から柔道に転向し、まだ柔道を始めて1年しか経っていない南雲、中学から未知とともに柔道を続けていたけれども、決して強者とは言えない立場で努力を続けてきた早苗、相撲の経験があるとはいえ高校から柔道を始めたばかりの司、柔道を続けていたけれども強さにあまり結びつかず試合で一本経験をしたことがなかった姫コ。

いずれも強者という立場ではなく、いつ何時も挑戦者としての心持ちで戦ってきたのではないでしょうか。

そこに対して、青西のエース氷浦永遠は、青西内だけでなく周囲から認められる強さを持った強者です。絶対的な青西のエースとして、時には相手を秒殺し、時にはチームの強さを底上げするために尽力し、青西を代表する強者として立ち振舞いました。

その相手となったのが幸徳学園のエースである大和になります。すなわちこれは、弱者による挑戦ではなく、強者による頂上決戦なのです。※あまり弱者と書くと早苗達が弱いという誤解を生みそう。


何が言いたいかというと、早苗や姫コは、試合中いつも練習を思い返すことで、これまでの練習や努力の上で強者に立ち向かうジャイアントキリングが幾度も表現されてきました。

そしてそれが何度も私の涙腺を刺激して感情を思い切り揺さぶってきたので、この努力やみんなの力を一つにする思いというのが「もういっぽん!」の最大の魅力だと思っています。

それに対し、実は永遠の試合というのはあまり努力を思い返すことが無いというか、これまで作中で培ったものを使って勝利に繋げるというわけではなく、作中で描かれていない永遠自身の練習努力の成果で勝っていたところがあると思うのです。※もちろん、その強さの背景にみんなの思いが乗っかっています。

例えばやぐら投げを繰り出したところとか、腹包みを繰り出したところとかは、いきなり永遠が作中で繰り出すわけじゃないですか。これが永遠の強さと成長を描写しているところだと思うのですよね。

どうしても未知や早苗を始めとした実力が足りないキャラ達の練習にフォーカスするために、永遠の細かい練習描写にはあまり割かれていません。そのためか、これまで早苗や姫コの試合で表現されたようなこれまでの努力成果による盛り上がりはありません。

しかし、強者の戦いには強者の戦いによる盛り上げ方があるのがまた、「もういっぽん!」の面白いところなのだと改めて気付かされたわけです。

強者というのはもちろん永遠だけでなく、対戦相手の大和も含んでいます。この2人の戦いはこれまでの4人の戦いと違い明らかに異質であり、お互いがただお互いのためだけに戦っているのが本当に強者であることを感じさせるのです。

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「自分を強くしてくれる相手さえおれば…大和忍/氷浦永遠は…どこまででも辿り着ける」


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「自分のために 私は今この瞬間 私自身がただこの人より強いことを証明したい 柔道はみんなが作ってくれた…私の道」

このシーン、これまではチームとしてというところがあったにも関わらず、彼女たちには自分のことしか見えていないという人間臭さが本当にたまらなくて良かったです。

そして何度も書きますが、これまでのみんなの思いと努力を重ねたチーム戦から、強者による自分自身のための戦いを表現しているのが素晴らしいと思うのです。

また、この場面を応援している未知の表現がまた良くて、2人の世界が出来上がっていることに気づくと同時に、まだ自分がそこのレベル達していないと思い知らされてるんです。怪我で試合に出られなく、練習期間も短くなってしまい、おそらく未知は心の中で負い目を感じています。

しかしそんなことをおくびにも出さず、チームメイトを全力で応援サポート、そして気遣いが出来るように成長した未知にも拍手を贈りたいところ。試合に出ることができなくても、大きな成長をまたしたのだろうなあ。


熱い青春から熱いスポ根まで見せてくれる「もういっぽん!」は本当に面白い。感情は揺さぶられるし青春を思い出すしこんな学生生活送りたかったと思わせる。この作品に出会えたことに感謝。


お話としては、やはり3巻に及んだ幸徳学園戦が青西の金鷲旗のピークでした。お互いのキャラを掘り下げまくるし決勝みたいな盛り上げ方してたもんなあ。そのぶん熱量が物凄くてこっちも本当に心から楽しめて読めました。

また、これまで既に多くのキャラクターが出てきて、その彼女たちもまた成長を続けていることをしっかり表現していることが嬉しくなります。特に霞ヶ丘のモブキャラたちがモブから完全なレギュラークラスまで成長していて、早苗や未知達の思いを焚き付けているのがホント素敵。

キャラが沢山出てるのにしっかりみんな個性的だし、みんなが魅力的なのがたまりません。主人公やライバルだけでなく、それ以外をきちんと掘り下げてキャラ付けされる作品は名作の証だと思います。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


15巻の感想はこちら(2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う)
16巻の感想はこちら(最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる)
17巻の感想はこちら(全員の思いを一つにして挑む団体戦が美しすぎる)


もういっぽん!【電子特別版】 18 (少年チャンピオン・コミックス)
村岡ユウ(著)
秋田書店 2022-05-06T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥446



おまけ
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最後のこの顔好き過ぎるwwwwwwww


もういっぽん! 17巻 - 全員の思いを一つにして挑む団体戦が美しすぎる

今一番熱い女子高生青春柔道漫画「もういっぽん!」17巻です。今回は表紙を飾った1年生、司と姫コが大活躍します。

17巻も良かった。16巻ほど泣けるわけではなかったけど、司と姫コが熱すぎて熱すぎて、特に姫コがこれまでの鬱憤を晴らすかの如くフォーカスされまくって本当に良かった。


ベスト8を賭けた3回戦、初出場ながら完全なダークホースだった幸徳学園との対戦は、天才南雲とキャプテン早苗の頑張りで2勝2敗の状況。そこで回ってきたのが大会初出場かつ試合初参戦の司、そして去年共に戦った姫野紬の妹である姫コ。彼女たちの精一杯が見れる17巻になります。


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「目の前の相手に…自分のできることを全部ぶつけます!!」

試合前に南雲に言われた「自分のことだけ考えろ」を思い返す司。状況としては団体戦の勝敗に大きく関わるものとなっていて、本来なら絶対負けられないと意気込んでしまうところで、直前の先輩の言葉が心を落ち着かせる契機になってて良いんですよね。


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「私は練習でみんなと乱取りをする時…正直なところ司が一番手を焼くんだ」

ここにきて、司の体格、相撲経験という設定が生きてきて、青葉西に足りないガタいが良い選手の枠であることが主張されてくるんです。よく考えたらみんな小柄だしね。姫コも小柄だし、確かに司がそういう立場になるのか。一年で柔道未経験だからといって、この土壇場でお荷物になるわけでなく全力で戦えるのがカッコいい。

これまで実は司の凄さというのは語られる機会がなかったのがまたこのギャップ表現になっているような。まあそもそも初試合ということもあるのと、これまで他のキャラが濃すぎて目立てなかったからでもありますよね。縁の下の力持ち的な、ある意味ムードメーカーの一端を担っていました。司がいるからこそみんな冷静になれるところもあったし。


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「自分らしく冷静に…今の自分でもできることを!!」

そんな司だからこそ、自分の長所を理解している司だからこそ、試合で窮地に追い込まれても誰よりも冷静に、今自分が為せることを考えて動くのがホントカッコいい。

そして対戦相手の樹里が真逆のタイプで、とことん熱くなるタイプなのが良い対戦になってるんですよ。片や冷静に事を運び、片や熱くなって力で全てを凌駕しようとする。まさか初試合の1年生がここまで熱い戦いになるなんて思いも寄りませんでした。


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「あんたの炎でぜ~んぶ燃やし尽くしたれ」
「冷静に…頑張れ司!!!」


幸徳学園のキャラも凄く立ってて、それぞれの柔道に掛ける思いが強くて、幸徳学園側も思わず応援したくなってしまうのがまた憎い。

実のところ、そこまで柔道に思い入れは無く始めた司よりも、小学生の頃から柔道をしていて中学で一度空白期間が出来てしまった樹里の方が柔道に掛ける長年の思いは強いわけで、見方を変えたら幸徳学園が主人公の話になってもおかしくないはずなんです。そんな相手を、去年を越えるための金鷲旗3回戦で当ててくるのが上手いよなあ。


そうしてこの対戦は決着して、なんやかんやあって今度は姫コの出番なんです。今回は姫コの話が本当に良いんです。姫コというここまで温存された秘密兵器が、ネガティブが多くて士気を下げがちで、まさしく1年生の自信が無い可愛い後輩だった存在が遂に晴れ舞台に。

しかも未知の怪我の原因を作ったのが姫コであり、未知の代わりに立つことになるのがまたプレッシャー。おまけに団体戦の行方に影響を与える状況。舞台は完全に揃ってますね。

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ネガティブ姫コ、初団体戦で対戦相手は全国レベルということに怯えていた姫コ、だけど早苗の逃げない戦いを見て、誰よりも熱い思いを滾らせた姫コ。そんな姫コが遂にベールを脱ぐわけです。


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姫コが!


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姫コが!!


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姫コが!!!

こんなにもボロボロになりながら、スタミナを限界まで使って、限界を迎えながら闘志を持って立ち向かう姫コが本当にカッコいい。

しかもこれまで培ってきた教えや経験を全て出し切って戦うのが本当に良いんです。姫コの強さの裏付けであり、姫コの思いの強さであり、託すもの託されるものの思いであり。姉の姫野紬の思いを継承して、怪我をさせた未知への思いを乗り越えて、覚悟を見せてくれた早苗の気持ちを背負って、共に頑張ってくれた1年生の司からバトンを受けて、関係する全ての人たちから、紡がれる思いを全てその背に乗せて戦いに臨む姫コが本当にカッコいい。もう主人公でしょこれ。


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「もしかしたら…あの目…乱れも睨んだ上での猛攻?」

姫コは昔からカッコいい顔を良くするんですが、17巻ではそれが際立ってました。

これまで柔道を続けても一本勝ちしたことがなく、青西の中でも明らかに実力で劣っていると感じていて、他の皆と同じ様に試合で全力を出すと体力が持たないこともわかっていて。

だけどそれがわかっているからこそ、これまでの教えを全て生かそうとして、これまでの思いが溢れかえって、自分も青西の一員であることを理解したくて、でも今までのままでは貢献出来ていなくて。

だからこそこの団体戦、ベスト8を賭けた舞台だからこそ、自分がお荷物になるわけにはいかなく、自分が持てる全ての力を発揮しようとして。

そんな姫コは、やはり一人で戦っているのではないのです。皆の思いを背に乗せて、青西の一員として皆の為に皆の力を合わせて戦っているのです。そんな思いが見て取れて本当に良かった。


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「だから知恵と工夫で前へ進もう 同じ事故を繰り返さない技術を身につけよう」

このシーンの夏目先生カッコ良すぎでしょ。。。

未知を怪我させてしまった姫コ、そして奇しくも同じ状況になったこの試合。これがまさしく、未知を怪我させた姫コにとってのトラウマ供養であり、それを乗り越えた先にある姫コの成長に繋がるのがお見事。

良い経験も悪い経験も清濁併せ持ち、特にネガティブ姫コにとっては未知の怪我はいつまでも心のどこかで後悔につながっていたはず。それをこんな最高の舞台で、最高の展開で供養出来るのは本当に素晴らしいではないですか。やっぱり主人公でしょこれ。


もうね、司の活躍で十分すごかったのに、この姫コの流れが凄すぎて震えます。ここまで青西全員頑張り過ぎて、作品の最後の試合なんじゃないかと錯覚してしまうくらい。それくらい濃いでしょこの団体戦。これより凄いものなんて想像出来ないぞ。


そして遂に来た大将戦。エース永遠が満を持して登場。

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「勝ちたい 去年を超えたい」

全員が全力を出し切って、全員の思いを一つにして、まさしく団体戦という名にふさわしい戦いをしてきた青葉西高の面々。その総大将 エース氷浦永遠が団体戦の勝利を賭けて遂に大将戦へ。

去年は4人で挑まざるを得なく、実力としても遥かに劣りながらも後に優勝する立川学園に立ち向かい、力及ばず2人目で敗退してしまった青葉西高。

そんな悔しい思いを晴らすべく、全員で挑んできた団体戦、去年を越えるべく3回戦で立ちはだかったダークホース幸徳学園。誰よりも努力していて、誰よりもその強さを信頼されていて、チームとして誰もが認める、誰もが信頼している永遠の戦いに全てが掛かっています。今、全ての思いを受けて、全員で去年を乗り越えようとする姿が本当に美しい


青春だなあ。ホント素晴らしいなあ。こんな青春を送りたかった。そんな素晴らしい「もういっぽん!」はテレビアニメ化も決まったようでますます楽しみですな。

にしてもこれ、勝敗どうなるんだろ。いや、公式Twitterとか作者Twitterとかフォローしてたらそれっぽい結果が流れてきてしまってるので想定は付いてるんだけど。しかも明らかにここが最後の戦いの勢いで濃い描写なんですよ。2年生の金鷲旗団体戦はここでおしまいで、3年で未知も含めて乗り越えていくという展開になりそう。その場合誰が団体メンバ外れることになるんだ。。。あまり考えたくないなあ。。。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


15巻の感想はこちら(2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う)
16巻の感想はこちら(最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる)
18巻の感想はこちら(強者同士の思いをぶつける戦いが熱すぎる)


もういっぽん!【電子特別版】 17 (少年チャンピオン・コミックス)
村岡ユウ(著)
秋田書店 2022-03-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥495




おまけ
姫コの存在や強さって、姉の姫野紬が未知たちを通してまさしく紬いだものなんだなって。そこまで考えて「姫野紬」って名前にしたのかな。だとしたらセンスありすぎだなあ。


GIANT KILLING 60巻 - 面白さを牽引する椿大介が何よりも最大のGIANT KILLINGである

60巻まで来た「GIANT KILLING」です。59巻の磐田戦がまだまだ続くのかと思いきや、なんとあっという間に決着がついてしまいます。いよいよリーグ戦最終節に向けて話が加速してる感じがしますね。

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「椿が7番を…あの頃と同じくらい輝かせてくれてるんだな」

正直59巻であれだけ良い勝負をしていたのに、60巻では椿完全復活の生贄にしかならなかったですね磐田。「GIANT KILLING」は既にETUよりも椿大介の物語に主軸を置いてるところがあるので、こうなっては仕方ないです。

とはいえ、この60巻ではETUだけでなく、上位を争うガンナーズと名古屋の戦いにもフォーカスを当ててくれます。

ガンナーズは窪田を始めとした強敵揃いだし、名古屋もETU前監督の不破率いる外国人3枚組の、物語序盤で苦しめられた相手です。彼らの戦いが見れるのが実に良かった。志村カッコいい。ぺぺも久々に活躍していいですなあ。


そしていよいよ次節、リーグ戦の優勝が決まる戦いにETUが臨むことになります。60巻まで続いた「GIANT KILLING」も、綺麗にリーグ優勝で見事GIANT KILLINGを成し遂げるのでしょうか、見どころです。

合わせて、来季の契約の話を絡めて不安要素もまた出してくるのがシナリオ作りとして上手いです。チームが優勝に向けてモチベーションを上げている中、来季契約で不安がる選手もいて、という構造が一筋縄では優勝できないことを語ってくれています。


そんな中でやはり注目を集めるのが選手の主人公である椿なんです。メンタルが弱いものの誰よりもサッカーが好きで向上心があって、夢にも思わなかった世界で戦うことを実現した椿。誰よりもETUの中で、いやリーグの中で一番成長した椿。そんな椿が、海外移籍するかどうかの話にフォーカスが当たります。

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「ここですごい選手になって 移籍するならたくさんのお金をETUに残したいって思ってます」

この椿の急成長もまた、まさしくGIANT KILLINGだと思うのですよ。「GIANT KILLING」という作品は、初めは監督達海猛の物語としてスタートを切りました。達海猛がETUをリーグ優勝させるGIANT KILLINGの物語だったのです。

そこに、もう一つのGIANT KILLINGである椿の存在を出すことで如実に面白さが増したものとなっています。既に達海猛の物語ではなく、椿大介の物語である意味の方が大きなものとなっています。達海猛という主人公を喰ってしまう椿大介、これこそがこの作品内で最大のGIANT KILLINGではないでしょうか。

椿の存在なくして「GIANT KILLING」がここまで面白さを続けることはなかったと思います。それくらい、この椿大介という主人公は魅力的なんです。読み続けて良かったホント、60巻までずっと面白いのは本当に素晴らしい。


あとやっぱり、リーグ戦終わって本編がETUのGIANT KILLINGとして終わったら、椿のスピンオフが始まって世界へのGIANT KILLINGとか始まらないかな。絶対面白いと思うんだよなそれ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


59巻の感想はこちら(リーグ戦も遂に終盤)


GIANT KILLING(60) (モーニングコミックス)
ツジトモ(著), 綱本将也(その他)
講談社 2022-02-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥715


ワンダンス 7巻 - カボの上昇志向が見えてくる熱い展開

今一番熱いダンスバトルものの「ワンダンス」7巻です。ダンスをテーマに描く高校生の情熱と青春が本当に熱いです。

7巻ではカボが初めて参加したダンスバトルに決着がつきます。6巻で壁と戦って惜しくも敗北してしまったカボくん。その壁と頂上決戦を繰り広げた伊折。その決着と、初めてのチームバトルが展開されて、ダンスバトル終了です。


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ダンスバトルで悔しさを全力表現する湾田ちゃんが可愛い。これと同時に、これまで飄々としてた伊折もまたチームバトルの敗北に悔しさを表してるのが熱い。青春やな。

全力で練習してきて、表現出来るものを全て出し切って、それでも負けてしまって。悔しくないわけがなく、次へ向けてその思いを紡いでいく姿が本当に尊い。いいね、青春。


そのあとは湾田ちゃんの入学前コンビニバイトの話が展開され、湾田が何を表現したくてダンスをしているのか語られていきます。

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「耳が聴こえなくても 音がなくても ダンスなら音を聴かせられるんじゃないかと思ってるんです」

回想の中で、父の耳が聴こえないことの告白がされます。父子家庭で、上手く話してのコミュニケーションが出来ないことの辛さを知っている湾田だからこそ、ダンスで音を聴かせられるという表現に辿りついたのでしょう。そういった信念のある人間は強い。湾田が一目置かれるほどの凄さを裏付ける話でした。

この話自体はコンビニ店長の回想でカボ自身には伝わってないのですが、カボもリンクする形で踊る時の「音の大切さ」に気づき、初めて見た湾田のダンスに何故か「音をイメージした」ことに思いを寄せるのがカッコいい。

新参者でダンスの経験皆無で飛び込んだこの世界、初めてのダンスバトルで3位に入賞した結果は、何よりも音を正しく聴くことに優れていたから。そしてこの世界に先んじていた湾田は既に音を表現するレベルにまで辿り着いている。そこに、カボの複雑な気持ちが絡み合っていくのです。


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「不思議だ 湾田さんのことは尊敬している でも同時に嫉妬も感じる 気持ち悪い」

ここが読んでて本当にゾクッとして。恐る恐る始めたダンスにいつの間にか魅了されて、しかも初めてのダンスバトルで結果を出して。おまけにやはり上には上がいることに気付かされることで悔しさも大いに経験して。そして誰よりも上手くなりたいという気持ちが沸々と湧き上がり、この世界に引き込んでくれた湾田に対してですらその感情をぶつけるほどにまで成長したのです。

カボもまた、いつの間にかダンスの世界にどっぷりですなあ。とにかく上昇志向のこの流れ、カッコいいし青春だなあ。たまらん。

しかも、ここに来て吃音症であることが不利であると再認識し、もっと上手くなるために吃音症の殻を破ろうとするところまで至っているのがカッコいい。

吃音症であるけれども、今までそれ自体をどうにかしようとはしてなかったんですよねカボって。それが、もっと上手くなりたい、湾田と同じくらい、いやそれ以上にダンスが上手くなりたい、という強い思いが溢れ出てきており、このままではいけないと気づいてしまったんです。

いやこれ、次巻どうなるんだろ。本当に楽しみ。是非とも殻を破って頑張ろうとしてるところも描写してほしい。そしてその結果湾田と同じ舞台に立つというところを見せてほしい。


「ワンダンス」ホント面白いです。熱い青春読みたい人にはオススメ。ダンス知らなくても雰囲気で楽しめます。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1~5巻の感想はこちら(ダンスものに外れ無し?高校生ダンスの傑作)
6巻の感想はこちら (カボのダンスは対象全てをリスペクト)


ワンダンス(7) (アフタヌーンコミックス)
珈琲(著)
講談社 2022-02-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥715






■おまけ
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店長が持つDVD再生機がPS3なのが泣ける。家族写真あるけど一人暮らしっぽいから離婚してるのかな。コンビニ店長貧乏生活が垣間見えますなあ。

それとも、PC持ってない人がDVD再生するのってこういう方法が一番スタンダードなんだろうか。PC持ちとしてはそのあたりの感覚がわからん。もうディスクを買う時代でもないしなー。



もういっぽん! 16巻 - 最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる

2回目の金鷲旗、団体戦が超盛り上がっている「もういっぽん!」16巻です。今回も本当に良かった。。。号泣とまではいかずとも、常に涙腺緩みっぱなしですぐに2回も読んでしまった。。。

もうね、青葉西高校の主人公たちの青春度合いが熱過ぎるんですよ。こんなにもフレッシュで、こんなにもエネルギッシュで、こんなにも慈愛に満ちた青春が、光り輝いているのです。眩しくて本当にくらくらしてしまう、彼女達と同じ青春を経験してみたくなってしまう、そんな光に溢れた作品です。間違いなく名作になるでしょう。

同じようなスタンスの作品といえば「少女ファイト」かなとも思いましたが、あれはバレーを軸に恋愛あり憎悪ありの人間愛憎ドラマの要素も強いのでちょっと違うかな。「少女ファイト」は闇(病み)要素も強烈。この「もういっぽん!」はとにかく熱い青春。共通してるのはどちらも彼女達はひたむきに立ち向かっているということになります。

「もういっぽん!」は本当に明るくて、真面目で、青春してるんです。悪役なんて一切おらず、それぞれが柔道が好きという共通項で常に前向きに切磋琢磨していくのです。そしてこの16巻でも、その流れが如実に描写されていました。

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まず15巻で初登場となり、優勝候補の東体大福岡を破ることで今回の金鷲旗の台風の目となった大阪の幸徳学園。彼女たちの掘り下げと共に、16巻は青西が戦っていくことになります。

この幸徳学園メンバの背景が、柔道を好きなゆえに今回初出場することになったというものだったり、大会で見せている強者としての振舞いも考えがあってのことだったりと、決して自分たちが強いという傲慢などではなく、彼女達なりの作戦であるというのが妙にリアルで引き込まれてしまいます。

しかも、それらの作戦というのが、作品によっては主人公たちが取るようなものだったりするようなものなのです。だからこそ、幸徳学園も思わず応援したくなってしまいます。


そうして始まる青葉西高校と幸徳学園の3回戦。この戦いが最高に熱い。

強敵相手に、2年生として、先輩としてチームを勝たせるという責任を背負った南雲の全力。南雲のような天才センスも無ければ、永遠のように特別柔道が強いわけではないのに、キャプテンであるという立場から責任感と後輩へ引き継ぐ思いを一心に抱え込む早苗。柔道をするということだけでなく彼女達の強い思いが試合を通して何度も描写されていきます。

そこに差し込まれる仲間たちの思いというのが相まって、鳥肌が立つほどのとてつもない面白さを発揮しています。しかもこの仲間たちというのが、青西メンバのみに留まらず、この1年で関わった相手、倒した相手、負けた相手、それら全ての思いが詰まっているのです。

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「回せ!!」「転がせ!!」「もうちょい!!」「GoGoGoGo!!」「いける!!」「投げきれえええええ」

これが、青西の彼女達がこの1年間の柔道で築き上げた絆なのです。敵も味方もなく、共に戦ってきたからこそ生まれた応援が、彼女達の力になっています。1年前の金鷲旗とは比べ物にならないくらい大きな信頼関係に発展した彼女達の絆には涙が止まりません。



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そして試合を終えて振り返った先に待っていた、早苗を受け入れる青西メンバ。交流を大きく拡げて柔道を通した信頼、絆を得たけれども、最も大きな信頼関係があるのは彼女たちです。

この16巻では、回りとの関係を描きながら、何よりこの青西メンバの思いを再度描写していたように思います。



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姫コの為に自身の思いを全力で乗せた柔道を見せると約束する早苗



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司に、チームのことなど考えず、自分のことだけ考えて柔道を楽しむように説く南雲



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これまで関わってきたみんなのおかげでここまで変われたと感謝する永遠



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永遠のおかげで高校でも柔道を続けられて、しかもますます強くなって柔道を全力で楽しんでることを感謝する未知。



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そして誰よりも近くで早苗のことを見てきて、共に成長し支え合い、早苗の強さを絶対に疑わない未知




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そんな彼女達の思いがあるからこそ、どんな強敵が相手だろうとも、彼女達は立ち向かえる。だからこそ、畳の上で敵と向かい合っても、後悔などせず常に全力で戦うことが出来るのだ。


ひとりひとりの掘り下げが非常に丁寧で、そんな彼女達の関係性を発展させるのも本当に見事で、まさにこの青春ドラマにどっぷりと浸らせてくれます。こんなに熱くなれるなら、思わず青春をやり直したくなるほどの思いが込み上げてきます。こういう関係性が築ける環境が近くにあるのであれば、南雲が剣道をやめてまで一緒に未知たちと柔道をしたくなる気持ちもわかる気がします。

柔道描写だけでなく、それ以上に青春が熱い「もういっぽん!」は本当に凄いですね。この熱量を週刊連載で描き続けてるのも凄い。素晴らしい作品をありがとうございます。

試合結果も気になるので次巻も当然早く読みたいところなのですが、それ以上に彼女たちの青春の続きに早く浸りたいです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


15巻の感想はこちら(2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う)
17巻の感想はこちら(全員の思いを一つにして挑む団体戦が美しすぎる)
18巻の感想はこちら(強者同士の思いをぶつける戦いが熱すぎる)


もういっぽん!【電子特別版】 16 (少年チャンピオン・コミックス)
村岡ユウ(著)
秋田書店 2021-12-08T00:00:00.000Z

¥426




おまけ:
感想書いてるそばから泣けてダメだこれ。早苗が振り返った時の出迎えシーンとか涙無しでは読めないよ。それだけでなく、作中読んでるだけで目が潤んでくるのに。嬉しいとか信頼とかの表現で泣くのは大好物なので完全に刺さるんだよな「もういっぽん!」

数学ゴールデン 3巻 - プレ合宿による数学オリンピックの洗礼に春一はどう答えるか

数学オリンピックのプレ合宿篇となる「数学ゴールデン」3巻です。

3巻では新キャラが続々と登場し、春一の心を一斉に折りに掛かります。

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数学オリンピック3年連続金メダリスト 千手 司


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2年連続銅メダルの 紅丸 翼参

この時点でメダリストを出してくるということは、主要キャラが概ね勢揃いしたということなのでしょうか。今後数学オリンピックに挑戦する際、大きな壁となりそうです。

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このプレ合宿で既に大きな壁になっていますが。

だがしかし、この作品の熱いところは、このような壁を全力で打ち破っていく春一にあるのです。

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ハチワンダイバーだ!!

春一のまだ見ぬ問題に取り組む姿がホントカッコいい。わからなくても、堂々とわからないと宣言し、わからないことがわかっている自分のことを良く把握しているし、何よりもそこで諦めないで喰らいついていくところがお見事。

毎日自由時間に個別レッスンをしてくれる紅丸に、悔しい思いを募らせながらも決して諦めず、挑戦を続けていきます。紅丸も最初は単に嫌がらせで始めていただけなのに、段々と春一の熱意に押されてしまい、認めていく姿も素晴らしい。

数学という舞台なだけで、やっていることは熱血スポ根なんですよねこれ。だから思いが全て熱いし、全力で青春に挑む姿は本当に素晴らしい。

ただ、作中で描かれている数学の問題とか出てくるとじんわりと頭が痛くなってくるような。。。数学好きではないからなあ、ちょっと数学が病的なまで好きな人はわからんなあ。どの問題を出されても1問も解けない自信があります。

話自体は数学に馴染みが無くても読み止りませんし、読むこと事態は苦痛ではないでしょう。そんなことを理由にしてこんな熱いスポ根を読まないのは非常に勿体無いです。何かに打ち込む熱意が読みたい人へオススメです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


2巻までの感想はこちら(目指せ数学オリンピック!これぞ熱血のスポ根だ!)


 

もういっぽん! 15巻 - 2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う

今年の夏頃にほぼ全巻半額セールを実施しており、一気に読みきってしまった「もういっぽん!」の15巻です。

読んだ当時、あまりにハマってしまって、思わず感想を書きたい気持ちを多いにかき立てられたのですが、中途半端な熱量では書けないなと思っているうちに新刊が発売してしまいました。

「もういっぽん!」は平凡な女子高生が中学で辞めようと思っていた柔道を、ひょんなきっかけで高校でも続けることを決めて、笑いあり涙あり喜びあり苦労ありの超熱い青春を過ごす柔道漫画となります。

何よりも、出てくる子達がみんな真摯に柔道に打ち込んでいて真っ直ぐで、悪人が一切出てこなくて、仲間を思う気持ちの強さやだからこその遠慮のなさだったり、対戦する相手校も互いに高め合う関係だったり、とにかく全てが優しいのです。読んでこんなに心が晴れやかになる作品もなかなか見受けられません。本当に素晴らしい。

そんな「もういっぽん!」の15巻は、2回目の金鷲旗が始まります。
金鷲旗高校柔道大会(きんしゅうきこうこうじゅうどうたいかい)は、毎年7月下旬に福岡県福岡市で開催される高等学校を対象とした柔道のオープントーナメントである。
※Wikipedia:「金鷲旗高校柔道大会」より引用
私も今年の東京オリンピックで柔道を見てから知るほど無知だったのですが、高校柔道三大大会の1つです。剣道の玉竜旗に対して、柔道の金鷲旗とも言われています。


「もういっぽん!」では1年目から金鷲旗に参加していて、2年目の今回が2回目です。しかも1年目ではたった3人で戦わなければならないところを、今年は1年生も入って正式に5人で戦えることに。主人公の未知が怪我で参加出来ないのは、3年目に向けての仕込みなのでしょう。

この未知が参加出来ないということを、去年の南雲にフラッシュバックさせることが本当に見事。
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「今キミがいる場所に去年は南雲がいた あの時の気持ちがあったから今の自分がいる」

1年目の時は柔道初心者だった為、選手としての参加は許されなかった南雲。歯痒い思いを持ちながら、チームメイトを全力で応援していく姿は素晴らしかったです。

そしてそれが、怪我の偶然とはいえ、未知が同じ立場となりました。南雲は去年の思いがあるからこそ今年があります。未知も今年は我慢の時。来年に向けてこの金鷲旗を全力で応援し、チームの士気を上げ、来年の、最後の金鷲旗への雌伏の時とするのでしょう。

もうダメだ、このシーンだけで泣いてしまった。今書いてる時点も泣いてます。なんでここまで心に響くんだろう。

この後の南雲の活躍もさることながら、未知が持つ南雲への信頼が本当に素晴らしい。小学生の頃からの友達である南雲のことをずっと見ていた未知。だからこそ、初めての金鷲旗参加で、柔道を始めてたった一年の南雲安奈が大活躍することをずっと信頼していたのも未知なんですよね。

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「南雲はず~っと…超本気(南雲安奈)!!!」

それに対して有言実行で次々と一本勝ちしていく南雲も本当に素敵。最高にカッコいい仲間です、こんなに頼りになる友達がいるのだから、未知達が全力で楽しく柔道を続けられるのも納得出来ます。


そして何よりもこの1年でさらに大きく成長したのが永遠。柔道は強いけどおどおどして自分の意思を表に出しにくい引っ込み思案で、でも未知と一緒に柔道をやりたいという思いは貫き通した彼女は、何よりも誰よりも、不動のエースとしての覚悟を持って金鷲旗に臨んでいます。
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「どんどん…頼ってほしいよ 自分の役割をきちんと果たせるように… エースとしてもっと成長したいから」

この表情ですよ。1年前では見せなかったような自信に満ち溢れたこの表情ですよ。この1年を通して、未知や早苗や南雲との関係を通して、誰よりも成長したのがこの永遠なのではないでしょうか。

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こちらも有言実行、エースとしての役割をきっちり果たします。本当カッコいい、頼れるエース。先鋒次鋒は2年の南雲と早苗が務め、中堅副将は1年の司と姫コが請け負うことで負けてもよい立場にしてあげて、大将の永遠が確実に勝ち切る。一番カッコいい立場だし、何よりも永遠自身がはっきりと自覚してエースとして振舞うのが素晴らしい。

このような成長や、仲間の思いには本当に弱いんですよ。みんな良い子だしお互いのことを心から思いやってるし。だからこそ単に甘いとかではなく時には厳しく接してるし。青春してるなあ。こんな青春送りたかったなあ。


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ライバルの立学の小田桐も怪我のため金鷲旗は辞退。未知と共に、試合に出たかった思いをぶちまけます。敵ながら、共に同じスポーツをする仲間として、同じ立場として、来年の最後の金鷲旗に向けて思いを募らせます。

同じ学校だけでなく、様々な学校の仲間と共に関係を作っていく未知が本当に素敵。その独特の空気感、誰とでもすぐに仲良くなれるコミュ力。これが一番「もういっぽん!」を大きく振り回すシナリオの中心なのです。未知がいるからこそ、この「もういっぽん!」が最高に素晴らしい作品に仕上がっています。良いキャラだなあ。


「もういっぽん!」は本当に優しくて、熱くて、感動出来る作品です。柔道に勝つことが彼女達の目標ですが、それ以上に何より、仲間と共に楽しんで成長していく姿が素晴らしいです。確実に名作となる作品でしょう。

それと、話もスピード感があって凄く読みやすいです。中学卒業から始まるのに、5巻くらいでもう1年目の金鷲旗をやってましたし、15巻で既に2年目の金鷲旗です。なので次へ次へとすぐ読み進めてしまいます。こういうスピード感が無い作品が多い昨今、少し珍しいかもしれないです。

何はともあれ、次巻もとても楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


16巻の感想はこちら(最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる)
17巻の感想はこちら(全員の思いを一つにして挑む団体戦が美しすぎる)
18巻の感想はこちら(強者同士の思いをぶつける戦いが熱すぎる)


 

すまひとらしむ 2巻 - 凄く面白いのに打ち切りなのは納得いかない

非常に残念なお知らせですが「すまひとらしむ」は2巻で打ち切り完結となりました。2巻を読んでも面白いのに打ち切られたことは納得行きません。

なんでなんだろう。掲載誌が悪かった?相撲では人気が出なかった?蔵王のキャラが人気無かった?相撲協会からストップが入った?

正直、一番可能性があるのが最後の相撲協会から申し入れがあったんじゃないかと陰謀説を疑ってしまうくらい、この作品が打ち切られる意味がわかりません。それくらい、2巻もしっかり面白かったです。

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序盤から因縁の武心力との立会い。逆襲の取組から始まります。前回は蔵王に完敗してしまった武心力の力士生命を懸けた一番です。雪辱を晴らすことが出来なければ、二度と蔵王に勝てないと認識してしまい、立ち直ることが出来ないほどの心の傷を負うことになるでしょう。

そんな武心力と蔵王の取組、ここも立会いが始まる前から言葉による揺さぶりのやり取りや、取組に入れば武心力の心情を全面に押し出して抜群に表現されます。

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「雑魚なりに死力を尽くすことすらせんならば 二度と俺の前に立つな」

武心力の完敗です。さすがダークヒーローで最強の力士として君臨する主人公蔵王。言うことひとつすらカッコいい。

この後も蔵王が連戦連勝。次々と勝ち上がる蔵王の前に新たな挑戦者が出現します。
それが1巻から登場している焔王光。同じ序二段として立ちはだかるのです。
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この焔王光が、武心力以上の実力の持ち主で、蔵王のライバルとして成長していきそうなのですよ。武心力よりも見た目も性格も良いし、これぞ強敵という感じ。この取組自体も非常に良い勝負をします。

なので、これで武心力、焔王光、蔵王と、今後切磋琢磨して何度も立ち会うライバルが揃ったのですよ。この続きが読めないのが本当に惜しいなあ。


これらの取組の後は、蔵王の話というよりは相撲部屋の闇に触れていきます。
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幕下以下の力士を何人も所属させることでひたすら金稼ぎだけに執心する親方。


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ドーピングが暗黙に使用されている相撲協会の現実。

正直なところ、この辺りを描きすぎたせいで打ち切られたのではと少し勘ぐってしまうのですよ。なぜなら漫画自体は本当に面白いのだから。

そして最後は武心力との3度目の戦いとなります。
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なんと蔵王に勝つため、それまで自身が軽蔑した「ドーピング」に手を出してしまった武心力、改め武神力。勝つ為の執念、何が何でも蔵王に土をつけるという強い意思。その為に、手段を選ばなかった武神力。こんな面白い展開なかなか無いでしょう。

最後の取組もスピーディで躍動感があって実に面白いものでした。ここまでの武神力の思いや覚悟も相まって、その面白さを何倍にも増幅させています。やっぱり滅茶苦茶面白いじゃないかよこれ。

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「勝ちたいのなら戦え どうせ死を選ぶのならば戦って死ね」
この後にもう一言、「逃げるな」と続きます。この見開き合計4ページが凄くカッコいい。これまで敵としてすら見てなかった蔵王が、初めて武神力を強敵と認めたという変化がとても素晴らしい。

これ、読み返して気づいたのですが、実は作者の打ち切りに対する思いだったりするんじゃないかなとも。いつかまたこの作品を世に出してやろうという強い思いにも読み取れるのですよ。やっぱり不人気じゃなくて、変な圧力があったりしたんじゃないかなあ。陰謀論になってしまうけど。


とにかく主人公の蔵王が、ずっとぶれることなく、相撲を憎んでいるのに誰よりも相撲の技術を持っていて最強であることが見事なキャラでした。悪役ヒーローなのにこんなカッコいいのもなかなかいないです。

いや、本当に終わってしまうのが惜しい。1巻より2巻の方がさらに面白くなってたのに。可能なら是非とも続きを読んでみたいものです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

1巻の感想はこちら(相撲を技術で凌駕する)


GIANT KILLING 59巻 - リーグ戦も遂に終盤

「GIANT KILLING」も59巻まで来ました。長いな。Kindle導入前のところまでは手放してしまったけど、たぶん何回も読むものでもないからいいかな。。。

58巻が椿が立ち直るところで非常に良い終わり方をしていたので最高の巻でした。その次と来るのでさすがに58巻よりもちょっと面白さは落ちるかなというところですが、安定しています。そういう意味では「GIANT KILLING」って割とずっと面白い。ド安定。59巻続いてずっと面白いのは本当に凄いことです。

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58巻で感極まって泣いてしまった椿から始まる59巻です。話は遂にリーグ戦終盤へ。第30節時点で3位のETUですが、上位層はほとんど勝ち点差が1しかなく、残り4節でいくらでも結果が変わる状態です。

長かったなあ、ここまで。途中で椿の世界篇が入っていたとはいえ、本当に長かった。14年以上掛けてようやくリーグ戦が終盤です。まさかここまで長くなるなんて誰が想像したでしょうか。それこそ、この1年の話ではなくて、何年かにわけてリーグ優勝していくのかと思っていた時期もあったので、この長さは本当に凄い、色んな意味で。

ただ、やはり安定した面白さはずっと継続していると思うのですよ。それこそ、自分も何回も読み返すほどはまっているわけではありませんが、新刊が出る度に読んでしまいます。「GIANT KILLING」に関しては初期からついていけてる読者も多いのではないでしょうか。自分もその1人です。

59巻は残り3節の最初、4位のジャベリン磐田との対戦です。リーグ初期は圧倒的敗北を喫した相手である磐田、今度はETUを立ちはだかる敵として、全力で仕掛けてくるわけで、ETUが挑戦される立場になります。そこで磐田があれよあれよと対策を練っているわけで、いつもの調子なら前半は大いにやられるところですが、どうやら今回はそうもならない雰囲気です。

とはいえ、いつもそう簡単に終わらせない、それならば対戦自体を省略するはずですので、まだまだ60巻以降で盛り返してくれるのでしょう。

なんですが、、、正直ベースな話、椿の世界選手権レベルの話を見てしまったあとだと、どうも国内リーグ戦の勝負が見劣りしてしまうような。椿遠征篇は結構楽しんで読んでた派のため、そっちの方をメインで描いてくれても面白そうだなとか思ったり。

リーグ戦が終わったら「GIANT KILLING」自体は完結して、椿の海外篇とか始まる想定だったりしないですかね?全然ありそうだなそれ。一応「GIANT KILLING」の主人公は達海だけど、プレイヤーの主人公は椿だし。既に椿が達海を喰ってるレベルで活躍しちゃってるしなあ。

というわけで、59巻まで来てようやく終盤に差し掛かってきた「GIANT KILLING」です。終わるまでまだ1年か2年くらいは掛かりそうですね。


眠気覚め度 ☆☆☆☆

 
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