初めてのタッグマッチ、めっっっっっちゃキモイやつ村雨と序盤にボッコボコにやられた獅子神が刑事2人を相手にする「ジャンケットバンク」10巻です。
今回、初のタッグマッチ「ライフ・イズ・オークショニア」が開始されます。そしてタッグを組むのは真経津が過去に破ってきた村雨と獅子神。何気にギャンブルで真経津以外が戦うのは初めてです。
そして、正直この「ライフ・イズ・オークショニア」はジャンケットバンク史上一番面白い戦いかもしれません。
真経津が出てくると強いのは強いのですが、どうやって勝つのだろうというところにだけ目が行きます。しかし、今回のメインは獅子神の成長なのです。
ただの噛ませですぐに退場すると思っていた獅子神。明らかに真経津、村雨、叶と比べると1枚も2枚も強さが落ちてしまう獅子神。そんな彼が主人公格を張ることになるとは誰が想像したでしょうか。
更に獅子神を成長させるべく動くのが医者でありめっっっっっっちゃキモイやつの村雨。このデコボココンビが想像以上にカッコいい戦いを見せてくれるのです。しかも最初から村雨はこうやって獅子神に指示をするという、まるで上下関係が出来ているかのようですね。
「単純な約束も守れんのか?」
すぐに約束破って怒られちゃうんですけども。
そんなお茶目な獅子神くん、彼はこの「ライフ・イズ・オークショニア」が命を賭けた戦いであることを真の意味で理解していなかったからこそ、今までの獅子神のままでなんとかしようと余計なことを考えてしまったのでしょう。
そう、詳細は割愛しますが、この勝負状況によっては死者が出ます。獅子神の戦いと言えば「気分屋ルーシー」と学生いじめしたところしか見たことありませんが、もしかするとこれまでまだ命を賭けた高いをしたことがなかったのかもしれません。
そんな彼が初めて死に直面し、このままでは本当に死んでしまうと思った時、まさしく死にものぐるいで生きようと足掻くのです。
「弱くて怯えきった 今のオレの為に生きろ!!!」
この辺、本当にカッコいいんだよなあ。「気分屋ルーシー」でイカサマ使って真経津に勝とうとしてた獅子神とは思えないカッコよさ。この後の思考シーンも凄まじく、読み飛ばしていいような内容ですけど全部読んでしまいました。
その直後の獅子神が覚醒するところの展開がまた凄く良いんです。「一流とそれ以外を分けるモノは自身が持つ視点の数に他ならない」のところから、敵である時雨、山吹の凄さを見せたあとに、村雨の凄さをさらに表現してるところがホント最高。そうすることで村雨が如何に強者足るのかを抜群に伝えてくれます。
この獅子神のカッコよさと、全てを見通している村雨の凄さが「ライフ・イズ・オークショニア」を最高に盛り上げてくれるのです。今まで一番面白いと思うなあこれ。
敵であり刑事である山吹と時雨のキャラ設定もまた抜群なのです。
「悪い奴には何をしてもいいんだってな」
この山吹が持つポリシーは「正義は行為ではなく同意で決まる」そして「自分の正義は快感である」「正当に酔いたいから気分良く殴れる悪者を探す」ということ。だから刑事になったのだと。
気持ちいいくらいに正直で、人間臭くて好きですよ、こういうキャラ。世のため人のためではなく自分の快感のために悪人を攻撃するという主張は凄く酔っていて素晴らしいです。
「そして正義は悪が死ぬまで殴るのを止めない」
正義が快感であること、悪が死ぬまで殴るのを止めないこと。これって、現代問題のひとつでもある、ネット上で犯罪自慢したらとことん叩かれることを示唆しているのだと思います。
犯罪者に人権なし、二度と何も出来ないように徹底的に殴りまくるというのがまさしくネットリンチを指しているのではないかと。つまりネットリンチは同意を認められた正義であるのだと。
現代社会の闇に上手く繋げてきたなあ。だからこそこれまでのギャンブラーと違って妙に人間臭くて、主張に納得出来るところがあって、わかりやすいキャラに仕上がっているのだと思います。
獅子神くんも村雨もいい感じにカッコよくて、対戦相手も人間臭くて、「ライフ・イズ・オークショニア」は最高ですね。11巻で決着しますが本当に続きが楽しみです。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
3巻までの感想はこちら(大金を持つ銀行は最高の賭場になり得る)
4巻の感想はこちら(まさかの決着方法に脱帽のジャックポットジニー篇完結)
5巻の感想はこちら(閑話休題でも一切手を抜かないギャンブラー達)
6巻の感想はこちら(またもや驚きの結末を迎える「アンハッピー・ホーリーグレイル」戦はこの巻で全て読めます)
7巻の感想はこちら(一皮剥けた御手洗くん篇)
8巻の感想はこちら(話の展開が全く見えなくなってきました)
9巻の感想はこちら(ヒーローズジャンケットがギャンブラーと銀行員を大きく動かす)
今回、初のタッグマッチ「ライフ・イズ・オークショニア」が開始されます。そしてタッグを組むのは真経津が過去に破ってきた村雨と獅子神。何気にギャンブルで真経津以外が戦うのは初めてです。
そして、正直この「ライフ・イズ・オークショニア」はジャンケットバンク史上一番面白い戦いかもしれません。
真経津が出てくると強いのは強いのですが、どうやって勝つのだろうというところにだけ目が行きます。しかし、今回のメインは獅子神の成長なのです。
ただの噛ませですぐに退場すると思っていた獅子神。明らかに真経津、村雨、叶と比べると1枚も2枚も強さが落ちてしまう獅子神。そんな彼が主人公格を張ることになるとは誰が想像したでしょうか。
更に獅子神を成長させるべく動くのが医者でありめっっっっっっちゃキモイやつの村雨。このデコボココンビが想像以上にカッコいい戦いを見せてくれるのです。しかも最初から村雨はこうやって獅子神に指示をするという、まるで上下関係が出来ているかのようですね。
「単純な約束も守れんのか?」
すぐに約束破って怒られちゃうんですけども。
そんなお茶目な獅子神くん、彼はこの「ライフ・イズ・オークショニア」が命を賭けた戦いであることを真の意味で理解していなかったからこそ、今までの獅子神のままでなんとかしようと余計なことを考えてしまったのでしょう。
そう、詳細は割愛しますが、この勝負状況によっては死者が出ます。獅子神の戦いと言えば「気分屋ルーシー」と学生いじめしたところしか見たことありませんが、もしかするとこれまでまだ命を賭けた高いをしたことがなかったのかもしれません。
そんな彼が初めて死に直面し、このままでは本当に死んでしまうと思った時、まさしく死にものぐるいで生きようと足掻くのです。
「弱くて怯えきった 今のオレの為に生きろ!!!」
この辺、本当にカッコいいんだよなあ。「気分屋ルーシー」でイカサマ使って真経津に勝とうとしてた獅子神とは思えないカッコよさ。この後の思考シーンも凄まじく、読み飛ばしていいような内容ですけど全部読んでしまいました。
その直後の獅子神が覚醒するところの展開がまた凄く良いんです。「一流とそれ以外を分けるモノは自身が持つ視点の数に他ならない」のところから、敵である時雨、山吹の凄さを見せたあとに、村雨の凄さをさらに表現してるところがホント最高。そうすることで村雨が如何に強者足るのかを抜群に伝えてくれます。
この獅子神のカッコよさと、全てを見通している村雨の凄さが「ライフ・イズ・オークショニア」を最高に盛り上げてくれるのです。今まで一番面白いと思うなあこれ。
敵であり刑事である山吹と時雨のキャラ設定もまた抜群なのです。
「悪い奴には何をしてもいいんだってな」
この山吹が持つポリシーは「正義は行為ではなく同意で決まる」そして「自分の正義は快感である」「正当に酔いたいから気分良く殴れる悪者を探す」ということ。だから刑事になったのだと。
気持ちいいくらいに正直で、人間臭くて好きですよ、こういうキャラ。世のため人のためではなく自分の快感のために悪人を攻撃するという主張は凄く酔っていて素晴らしいです。
「そして正義は悪が死ぬまで殴るのを止めない」
正義が快感であること、悪が死ぬまで殴るのを止めないこと。これって、現代問題のひとつでもある、ネット上で犯罪自慢したらとことん叩かれることを示唆しているのだと思います。
犯罪者に人権なし、二度と何も出来ないように徹底的に殴りまくるというのがまさしくネットリンチを指しているのではないかと。つまりネットリンチは同意を認められた正義であるのだと。
現代社会の闇に上手く繋げてきたなあ。だからこそこれまでのギャンブラーと違って妙に人間臭くて、主張に納得出来るところがあって、わかりやすいキャラに仕上がっているのだと思います。
獅子神くんも村雨もいい感じにカッコよくて、対戦相手も人間臭くて、「ライフ・イズ・オークショニア」は最高ですね。11巻で決着しますが本当に続きが楽しみです。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
3巻までの感想はこちら(大金を持つ銀行は最高の賭場になり得る)
4巻の感想はこちら(まさかの決着方法に脱帽のジャックポットジニー篇完結)
5巻の感想はこちら(閑話休題でも一切手を抜かないギャンブラー達)
6巻の感想はこちら(またもや驚きの結末を迎える「アンハッピー・ホーリーグレイル」戦はこの巻で全て読めます)
7巻の感想はこちら(一皮剥けた御手洗くん篇)
8巻の感想はこちら(話の展開が全く見えなくなってきました)
9巻の感想はこちら(ヒーローズジャンケットがギャンブラーと銀行員を大きく動かす)
ジャンケットバンク 10 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
posted with AmaQuick at 2023.03.06
田中一行(著)
集英社 2023-02-17T00:00:00.000Z
¥711
集英社 2023-02-17T00:00:00.000Z
¥711