全然想定していなかったのですが、前巻に続いて連続刊行された「藤本タツキ短編集 22-26」です。11月の発売リストを調べていた時に思わず声が上がってしまったのを覚えています。
22歳から26歳に描いた読切作品ということで、やはり絵や構成がグンとレベルアップしています。中身も独特なものからストレートなものまで様々です。センスが光る作品群を是非ともご覧ください。
それではそれぞれの感想でも。
■人魚ラプソディ
アフタヌーンあたりの読切でありそうな作品。あとがきには「普通の話を書けないみたいな事を言われて、なにくそと書いた」とあって、ああなるほどだからある意味普通の作品なんだと思ってしまったもの。人ならざるものとの愛が描かれているなあ。
そもそも普通とはなんだろう?w 確かに藤本タツキといえば「ファイアパンチ」を代表とした異色な意欲作が多いイメージが先行していたので、こういうのを見ると普通だなあと思ったり。ということは、藤本タツキはデフォルトが異常なのか?
いや、異常と言っても差し支えあるまい。異常だからこそ傑出した作品を生み出せるのだから。
何気に水中で暮らす人魚が平然と制服のようなものを着ていることに思わず笑ってしまった。
■目が覚めたら女の子になっていた病
これまた普通だなと思ったもの。結論も普通。女体化に対して周りの男たちではなく、恋人との付き合い方に終始してるのが良いですね。でも、他の人でも描きそうなくらい普通。恋愛の愛が描かれているなあ。
■予言のナユタ
これは藤本タツキっぽい。妹であるナユタの言葉使い然り、関係性然り。ただ結末は普通と言っても仕方ないような。それにしても、こういう設定で人が死にそうなのに、死なないでこういう展開に出来るものなのですね。兄妹愛が描かれているなあ。
■妹の姉
これだけ、過去にWebで読んだことありました。自分が藤本タツキを知った、というかしっかり読んだのはこの作品が初めてだったはずです。
「ファイアパンチ」みたく殺したり殺されたりではなく、コンプレックスを抱えた姉妹がお互いに対してどう思っているのかを全面に描いた作品で、心をぶん殴ってきます。その表現の為に、自分の裸体を学校中に知られた女子高生というのがやはりグッドで、最初にそれを持ってくることにより一気に読者の興味を惹かせてるのが非常に上手いですよね。
おまけになんだかんだこの姉が強くて、最後は自分で自分の裸婦画を書いてしまうというのが最高にイカす。このキャラは絶対人気出るよな。もっと見てみたかったところ。
最初から最後まで問題なく引き込まれてしまう作品です。「ルックバック」にも近いところがあると思います。姉妹愛が描かれているなあ。
個人的には前作の「藤本タツキ短編集 17-21」よりも好きです。やはり上手くなっています。異能者が努力をすれば更に成長するとはまさしくこのことでしょう。ホント、天才だと思います。
眠気覚め度 ☆☆☆☆
藤本タツキ短編集 17-21 - 初期短編集、荒削りだがネタが濃い
22歳から26歳に描いた読切作品ということで、やはり絵や構成がグンとレベルアップしています。中身も独特なものからストレートなものまで様々です。センスが光る作品群を是非ともご覧ください。
それではそれぞれの感想でも。
■人魚ラプソディ
アフタヌーンあたりの読切でありそうな作品。あとがきには「普通の話を書けないみたいな事を言われて、なにくそと書いた」とあって、ああなるほどだからある意味普通の作品なんだと思ってしまったもの。人ならざるものとの愛が描かれているなあ。
そもそも普通とはなんだろう?w 確かに藤本タツキといえば「ファイアパンチ」を代表とした異色な意欲作が多いイメージが先行していたので、こういうのを見ると普通だなあと思ったり。ということは、藤本タツキはデフォルトが異常なのか?
いや、異常と言っても差し支えあるまい。異常だからこそ傑出した作品を生み出せるのだから。
何気に水中で暮らす人魚が平然と制服のようなものを着ていることに思わず笑ってしまった。
■目が覚めたら女の子になっていた病
これまた普通だなと思ったもの。結論も普通。女体化に対して周りの男たちではなく、恋人との付き合い方に終始してるのが良いですね。でも、他の人でも描きそうなくらい普通。恋愛の愛が描かれているなあ。
■予言のナユタ
これは藤本タツキっぽい。妹であるナユタの言葉使い然り、関係性然り。ただ結末は普通と言っても仕方ないような。それにしても、こういう設定で人が死にそうなのに、死なないでこういう展開に出来るものなのですね。兄妹愛が描かれているなあ。
■妹の姉
これだけ、過去にWebで読んだことありました。自分が藤本タツキを知った、というかしっかり読んだのはこの作品が初めてだったはずです。
「ファイアパンチ」みたく殺したり殺されたりではなく、コンプレックスを抱えた姉妹がお互いに対してどう思っているのかを全面に描いた作品で、心をぶん殴ってきます。その表現の為に、自分の裸体を学校中に知られた女子高生というのがやはりグッドで、最初にそれを持ってくることにより一気に読者の興味を惹かせてるのが非常に上手いですよね。
おまけになんだかんだこの姉が強くて、最後は自分で自分の裸婦画を書いてしまうというのが最高にイカす。このキャラは絶対人気出るよな。もっと見てみたかったところ。
最初から最後まで問題なく引き込まれてしまう作品です。「ルックバック」にも近いところがあると思います。姉妹愛が描かれているなあ。
個人的には前作の「藤本タツキ短編集 17-21」よりも好きです。やはり上手くなっています。異能者が努力をすれば更に成長するとはまさしくこのことでしょう。ホント、天才だと思います。
眠気覚め度 ☆☆☆☆
藤本タツキ短編集 17-21 - 初期短編集、荒削りだがネタが濃い