エッセイ

腸よ鼻よ 6巻 - 肛門痛すら笑いに昇華してしまう闘病エッセイギャグ

潰瘍性大腸炎に抵抗するため大腸全摘出した「腸よ鼻よ」6巻です。今まで同様、大変な大病なのに前向きで笑いに昇華しているのが素晴らしいです。

大腸取って、人工肛門のストーマになって退院して束の間の休日を謳歌してやっぱり入院しての繰り返しをする作者。この作者ホントパワフルだな。そのやり取りの1つ1つが面白くて、思わず笑ってしまうのもちらほらです。

闘病エッセイなだけでなく、作者の人生エッセイでもあることから、当時の連載漫画の話とか出てくるのもまたいいアクセントになってるんですよね。編集者に見初められるところから連載に至って、この6巻では打ち切りを喰らったところを如実に描写してくれています。


そして一番笑ったのはストーマを閉じて元の肛門に戻すのはいいけれども、肛門痛がひどいというところのくだり。

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「ケツの穴が痛い…」

ずっと人工肛門で排泄すると肛門を使わないから、便を通すのに非常に痛みを伴うのだとか。このあとしばらくはケツが痛いのネタが続きます。


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「あ~あ!! 肛門を鋼鉄製にできたらなぁ~!!」


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「腸液はアルカリ性なので肛門を鉄にしたら腐食するでしょうね」

この会話が本当に起こってそうで本当に笑ってしまったwww

これネタじゃなくてガチでこんな会話してんじゃないかなあ、作者の島袋全優氏もこういうことまさに言いそうだし、この先生も真面目にこう返しそうなのが面白すぎてなあ。

こんな感じで全面ギャグ調で、ギャグもシュールなのが多くてホントラクに読めるのが素晴らしい。作者のポジティブさとセンスが光る作品だと思います。ホントおすすめ。

ちょっと惜しいなーと思うのが、有名作品のパロディネタがちょいちょい出るところが勿体ないなと思ったり。そんなのやらなくても全然普通に笑えるし、逆に良さを潰しちゃってる感があります。好きな人は好きなんだろうけどこういうの。


というわけで、闘病エッセイギャグ「腸よ鼻よ」は極めてラクに読めて大病の闘病生活が勉強出来るのでみなさま是非是非読みましょう。コミックガンマで無料でも読めるし、そっちもオススメ!


眠気覚め度 ☆☆☆☆


5巻の感想はこちら(大腸摘出直後から始まる闘病エッセイギャグ)


腸よ鼻よ 06
腸よ鼻よ 06
posted with AmaQuick at 2022.03.14
島袋 全優(著)
KADOKAWA 2022-03-10T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥990


蛙のおっさん(1) (月刊少年ライバルコミックス)
島袋全優(著)
講談社 2014-05-09T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥462


百姓貴族 7巻 - 相変わらず高クオリティの農家エッセイ

荒川弘が自身の経験を基に農家のなんたるかをありありと描く「百姓貴族」7巻です。なんだかんだもう7巻ですか、よくネタが尽きませんなあ。

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今回特に面白かったのは農家と虫の関係。

牛の酪農をやめたら、糞や堆肥によってくるハエがいなくなった。ハエがいなくなったらそれを獲るクモがいなくなった。ハエもクモもいなくなったからそれを食べるスズメも減った。スズメがいなくなったら畑の害虫が増えた。

まさしく食物連鎖ですな。こういうのを実体験出来る農家にはちょっと憧れる。


他にも犬がいなくなったらキツネが来るようになった話とか、野菜泥棒死すべしの話とか、農家ならではであり、かつ農家ではない人がなかなか知りえない、理解し得ない話を淡々とコミカルに進めるため、非常に勉強になります。いかなる職業でも、職業漫画はやはり面白い。

しかも中身が濃い。Kindle版で127ページしかなく、やたら少ないページで出すなあと思ったのですが、字が多いのでとにかく時間が掛かる。それだけ内容が濃いのです。刃牙とかと比べると1ページあたりの所要時間が5倍とかなんじゃなかろうか。

それでいてしっかりオチもつけて笑いを取るのだから、やはり荒川弘の技量がうかがえます、さすがです。正直他の作品よりもこの「百姓貴族」が一番荒川弘らしさを出しているのではなかろうか。


眠気覚め度 ☆☆☆



 

腸よ鼻よ 5巻 - 大腸摘出直後から始まる闘病エッセイギャグ

「腸よ鼻よ」は難病特定疾患である「潰瘍性大腸炎」の闘病記録をありのままにギャグとして描かれる大作エッセイです。何より連載中も緊急入院でしばしば休載したりしてるので、作者である島袋全優氏の健康を心から祈りたくなる作品です。

実はこれ、2年くらい前から知ってて、オンラインで全部読んでました。既読にも関わらず、単行本を買って応援したくなるほどの傑作なのです。

何よりも、辛く苦しいはずの闘病記を、ギャグに昇華して楽しく読ませようとするのが本当に凄い。しかもその見せ方が面白く、暗い話がベースのはずなのに明るく楽しく笑って読めてしまうのです。こんな闘病、辛くて死にたくなるほどであろう経験を自らの作品にしてしまう根性に脱帽です。まさに命を賭けて漫画を描いています。

しかも大半が実話であろうことがまた凄い。1巻のスタートからなんか調子が悪いけど病院に行かなかったとか、病院に行ったはいいけどヤブ医者でひどい目にあったとか赤裸々に全て描いています。ヤブ医者の話なんて冷静に考えたら笑い話どころじゃないですよこれ。それをそう思わせず、楽しく読ませてくれるのが凄く良いです。

また、潰瘍性大腸炎に関する話から始まって、身体の異変のこと、薬の効果のこと、腸が無くなったらどうなるのかや、人工肛門になるとどうなるか、大腸摘出術後直後の状態をありありと書き連ねています。おそらくこれは下手に真面目な本よりも潰瘍性大腸炎に対する理解を深めることができます。大して興味がなかった自分すらそうなのですから、大いに病気のことを周知するバイブル足り得るでしょう。

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大腸摘出手術後の全優氏。薬の効果もあるとはいえ、ここまでリアルに術後の様子を描くとは。

この「腸よ鼻よ」の連載当初から触れられていた大腸全摘出が遂に行われたのが4巻で、この5巻は術後直後から始まります。

およそ13時間にも及ぶ大手術。おまけに小腸が肛門に届かず、血管を使って無理矢理つなげたため腸が壊死する可能性が50%。全優本人はその事実を知らされず、家族のみが知ったまましばらく過ごすことになります。

この辺りがもう現実味あふれてて怖いやら面白いやらなのです。術後で上記のような状態になっている本人が、恐ろしい1/2の挑戦中と知ってしまっては取り乱すに違いなく。家族にしか大病であることを知らせない現実そのままで(実話だから当たり前なのだけど)、こういったところが本当にリアル。

だけど、その辺りもギャグに昇華して読者に面白おかしく伝えてしまうのが素晴らしい。いやホント、このあたりの話なんて本人や家族に取っては笑い話じゃないわけですよ。これが他の医療漫画ならもっと恐ろしげに、次々と家族は泣いて、めちゃめちゃシリアスな展開になるはずです。そこをギャグにしてしまうのが、この作者の上手さなのでしょう。

また、作者の島袋全優氏は本当にチャレンジャーというか、好奇心旺盛で、摘出した大腸を見たいと言い張る始末。おまけに大腸の状態をまじまじと観察して、炎症で黒くなってるところを見つけては「こんな黒いところがあったら売れずに廃棄だろうなぁ…」と言ってしまったり、この好奇心を共有したくて人に見せたがったり。
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いわゆる「モツハラ」。「モツハラ」するには自身を犠牲にしなければならないとか高度なハラスメントだ。。。

そして5巻では人工肛門になってからのストーマの扱いの話だったり、オストメイトトイレ(ストーマを洗浄する機材搭載のトイレ)の話を知ることが出来たり。こういう本を読んで知識を得れば、不用意に多目的トイレを使うようなことは中々出来なくなります。そういった啓発本としても活躍可能な「腸よ鼻よ」は素晴らしい。

1巻の頃から応援してますが、引き続き続刊も期待してます。勿論オンライン版も継続して読んでいます。作者も最近は体調が良いようで一安心、くれぐれも身体を第一に続けていただきたいものです。本編読んでると変に無理して体調壊すとか普通にしてるからな。。。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


6巻の感想はこちら(肛門痛すら笑いに昇華してしまう闘病エッセイギャグ)


腸よ鼻よ 05
腸よ鼻よ 05
posted with AmaQuick at 2021.09.09
島袋 全優(著)
5つ星のうち5.0
¥990

腸よ鼻よ 01
腸よ鼻よ 01
posted with AmaQuick at 2021.09.09
島袋 全優(著)
5つ星のうち4.7
¥990

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