来年のTVアニメスタートが決定して原作も超大盛りあがりしている「もういっぽん!」18巻です。
未知たち2回目の金鷲旗、去年を超えるための3回戦、超強敵のダークホースである幸徳学園と決着する巻となりました。

勝負はもつれにもつれて大将戦、青西のエース氷浦永遠と幸徳学園最強大和が全力でぶつかります。
ここまでの幸徳学園戦、先鋒の南雲を始めとした、ある意味青西側は挑戦者という立場であったように思います。
剣道から柔道に転向し、まだ柔道を始めて1年しか経っていない南雲、中学から未知とともに柔道を続けていたけれども、決して強者とは言えない立場で努力を続けてきた早苗、相撲の経験があるとはいえ高校から柔道を始めたばかりの司、柔道を続けていたけれども強さにあまり結びつかず試合で一本経験をしたことがなかった姫コ。
いずれも強者という立場ではなく、いつ何時も挑戦者としての心持ちで戦ってきたのではないでしょうか。
そこに対して、青西のエース氷浦永遠は、青西内だけでなく周囲から認められる強さを持った強者です。絶対的な青西のエースとして、時には相手を秒殺し、時にはチームの強さを底上げするために尽力し、青西を代表する強者として立ち振舞いました。
その相手となったのが幸徳学園のエースである大和になります。すなわちこれは、弱者による挑戦ではなく、強者による頂上決戦なのです。※あまり弱者と書くと早苗達が弱いという誤解を生みそう。
何が言いたいかというと、早苗や姫コは、試合中いつも練習を思い返すことで、これまでの練習や努力の上で強者に立ち向かうジャイアントキリングが幾度も表現されてきました。
そしてそれが何度も私の涙腺を刺激して感情を思い切り揺さぶってきたので、この努力やみんなの力を一つにする思いというのが「もういっぽん!」の最大の魅力だと思っています。
それに対し、実は永遠の試合というのはあまり努力を思い返すことが無いというか、これまで作中で培ったものを使って勝利に繋げるというわけではなく、作中で描かれていない永遠自身の練習努力の成果で勝っていたところがあると思うのです。※もちろん、その強さの背景にみんなの思いが乗っかっています。
例えばやぐら投げを繰り出したところとか、腹包みを繰り出したところとかは、いきなり永遠が作中で繰り出すわけじゃないですか。これが永遠の強さと成長を描写しているところだと思うのですよね。
どうしても未知や早苗を始めとした実力が足りないキャラ達の練習にフォーカスするために、永遠の細かい練習描写にはあまり割かれていません。そのためか、これまで早苗や姫コの試合で表現されたようなこれまでの努力成果による盛り上がりはありません。
しかし、強者の戦いには強者の戦いによる盛り上げ方があるのがまた、「もういっぽん!」の面白いところなのだと改めて気付かされたわけです。
強者というのはもちろん永遠だけでなく、対戦相手の大和も含んでいます。この2人の戦いはこれまでの4人の戦いと違い明らかに異質であり、お互いがただお互いのためだけに戦っているのが本当に強者であることを感じさせるのです。

「自分を強くしてくれる相手さえおれば…大和忍/氷浦永遠は…どこまででも辿り着ける」

「自分のために 私は今この瞬間 私自身がただこの人より強いことを証明したい 柔道はみんなが作ってくれた…私の道」
このシーン、これまではチームとしてというところがあったにも関わらず、彼女たちには自分のことしか見えていないという人間臭さが本当にたまらなくて良かったです。
そして何度も書きますが、これまでのみんなの思いと努力を重ねたチーム戦から、強者による自分自身のための戦いを表現しているのが素晴らしいと思うのです。
また、この場面を応援している未知の表現がまた良くて、2人の世界が出来上がっていることに気づくと同時に、まだ自分がそこのレベル達していないと思い知らされてるんです。怪我で試合に出られなく、練習期間も短くなってしまい、おそらく未知は心の中で負い目を感じています。
しかしそんなことをおくびにも出さず、チームメイトを全力で応援サポート、そして気遣いが出来るように成長した未知にも拍手を贈りたいところ。試合に出ることができなくても、大きな成長をまたしたのだろうなあ。
熱い青春から熱いスポ根まで見せてくれる「もういっぽん!」は本当に面白い。感情は揺さぶられるし青春を思い出すしこんな学生生活送りたかったと思わせる。この作品に出会えたことに感謝。
お話としては、やはり3巻に及んだ幸徳学園戦が青西の金鷲旗のピークでした。お互いのキャラを掘り下げまくるし決勝みたいな盛り上げ方してたもんなあ。そのぶん熱量が物凄くてこっちも本当に心から楽しめて読めました。
また、これまで既に多くのキャラクターが出てきて、その彼女たちもまた成長を続けていることをしっかり表現していることが嬉しくなります。特に霞ヶ丘のモブキャラたちがモブから完全なレギュラークラスまで成長していて、早苗や未知達の思いを焚き付けているのがホント素敵。
キャラが沢山出てるのにしっかりみんな個性的だし、みんなが魅力的なのがたまりません。主人公やライバルだけでなく、それ以外をきちんと掘り下げてキャラ付けされる作品は名作の証だと思います。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
15巻の感想はこちら(2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う)
16巻の感想はこちら(最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる)
17巻の感想はこちら(全員の思いを一つにして挑む団体戦が美しすぎる)
おまけ

最後のこの顔好き過ぎるwwwwwwww
未知たち2回目の金鷲旗、去年を超えるための3回戦、超強敵のダークホースである幸徳学園と決着する巻となりました。

勝負はもつれにもつれて大将戦、青西のエース氷浦永遠と幸徳学園最強大和が全力でぶつかります。
ここまでの幸徳学園戦、先鋒の南雲を始めとした、ある意味青西側は挑戦者という立場であったように思います。
剣道から柔道に転向し、まだ柔道を始めて1年しか経っていない南雲、中学から未知とともに柔道を続けていたけれども、決して強者とは言えない立場で努力を続けてきた早苗、相撲の経験があるとはいえ高校から柔道を始めたばかりの司、柔道を続けていたけれども強さにあまり結びつかず試合で一本経験をしたことがなかった姫コ。
いずれも強者という立場ではなく、いつ何時も挑戦者としての心持ちで戦ってきたのではないでしょうか。
そこに対して、青西のエース氷浦永遠は、青西内だけでなく周囲から認められる強さを持った強者です。絶対的な青西のエースとして、時には相手を秒殺し、時にはチームの強さを底上げするために尽力し、青西を代表する強者として立ち振舞いました。
その相手となったのが幸徳学園のエースである大和になります。すなわちこれは、弱者による挑戦ではなく、強者による頂上決戦なのです。※あまり弱者と書くと早苗達が弱いという誤解を生みそう。
何が言いたいかというと、早苗や姫コは、試合中いつも練習を思い返すことで、これまでの練習や努力の上で強者に立ち向かうジャイアントキリングが幾度も表現されてきました。
そしてそれが何度も私の涙腺を刺激して感情を思い切り揺さぶってきたので、この努力やみんなの力を一つにする思いというのが「もういっぽん!」の最大の魅力だと思っています。
それに対し、実は永遠の試合というのはあまり努力を思い返すことが無いというか、これまで作中で培ったものを使って勝利に繋げるというわけではなく、作中で描かれていない永遠自身の練習努力の成果で勝っていたところがあると思うのです。※もちろん、その強さの背景にみんなの思いが乗っかっています。
例えばやぐら投げを繰り出したところとか、腹包みを繰り出したところとかは、いきなり永遠が作中で繰り出すわけじゃないですか。これが永遠の強さと成長を描写しているところだと思うのですよね。
どうしても未知や早苗を始めとした実力が足りないキャラ達の練習にフォーカスするために、永遠の細かい練習描写にはあまり割かれていません。そのためか、これまで早苗や姫コの試合で表現されたようなこれまでの努力成果による盛り上がりはありません。
しかし、強者の戦いには強者の戦いによる盛り上げ方があるのがまた、「もういっぽん!」の面白いところなのだと改めて気付かされたわけです。
強者というのはもちろん永遠だけでなく、対戦相手の大和も含んでいます。この2人の戦いはこれまでの4人の戦いと違い明らかに異質であり、お互いがただお互いのためだけに戦っているのが本当に強者であることを感じさせるのです。

「自分を強くしてくれる相手さえおれば…大和忍/氷浦永遠は…どこまででも辿り着ける」

「自分のために 私は今この瞬間 私自身がただこの人より強いことを証明したい 柔道はみんなが作ってくれた…私の道」
このシーン、これまではチームとしてというところがあったにも関わらず、彼女たちには自分のことしか見えていないという人間臭さが本当にたまらなくて良かったです。
そして何度も書きますが、これまでのみんなの思いと努力を重ねたチーム戦から、強者による自分自身のための戦いを表現しているのが素晴らしいと思うのです。
また、この場面を応援している未知の表現がまた良くて、2人の世界が出来上がっていることに気づくと同時に、まだ自分がそこのレベル達していないと思い知らされてるんです。怪我で試合に出られなく、練習期間も短くなってしまい、おそらく未知は心の中で負い目を感じています。
しかしそんなことをおくびにも出さず、チームメイトを全力で応援サポート、そして気遣いが出来るように成長した未知にも拍手を贈りたいところ。試合に出ることができなくても、大きな成長をまたしたのだろうなあ。
熱い青春から熱いスポ根まで見せてくれる「もういっぽん!」は本当に面白い。感情は揺さぶられるし青春を思い出すしこんな学生生活送りたかったと思わせる。この作品に出会えたことに感謝。
お話としては、やはり3巻に及んだ幸徳学園戦が青西の金鷲旗のピークでした。お互いのキャラを掘り下げまくるし決勝みたいな盛り上げ方してたもんなあ。そのぶん熱量が物凄くてこっちも本当に心から楽しめて読めました。
また、これまで既に多くのキャラクターが出てきて、その彼女たちもまた成長を続けていることをしっかり表現していることが嬉しくなります。特に霞ヶ丘のモブキャラたちがモブから完全なレギュラークラスまで成長していて、早苗や未知達の思いを焚き付けているのがホント素敵。
キャラが沢山出てるのにしっかりみんな個性的だし、みんなが魅力的なのがたまりません。主人公やライバルだけでなく、それ以外をきちんと掘り下げてキャラ付けされる作品は名作の証だと思います。
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
15巻の感想はこちら(2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う)
16巻の感想はこちら(最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる)
17巻の感想はこちら(全員の思いを一つにして挑む団体戦が美しすぎる)
もういっぽん!【電子特別版】 18 (少年チャンピオン・コミックス)
posted with AmaQuick at 2022.05.06
村岡ユウ(著)
秋田書店 2022-05-06T00:00:00.000Z

¥446
秋田書店 2022-05-06T00:00:00.000Z

¥446
おまけ

最後のこの顔好き過ぎるwwwwwwww