漫画感想

何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!? 7巻 - 上杉謙信立ち塞がる

段々と歴史シミュレーションゲーム的な面白さが展開されてきた「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」7巻です。

本能寺の変を避けるため、武田や毛利は配下に任せて信長本人が奥州伊達家まで行ったところの続きとなります。前巻の終わりは、予測された未来で奥州の信長が謙信に攻められるというところまで。

この未来予測はクマの能力であり、歴史改変中の信長にとってのチートみたいなものです。反則やなあしかし。

そして告げられる、本能寺で死なないと二度と時をくりかえせないという事実。

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「刻を戻っている最中に死亡すればもうやり直せない  その瞬間全てが終わる」

うーん、この設定は仮に後付としていいとしても、なんか設定があまり明確に定められていないような気がしてるんですよね。何巻か前にはあと2回しか戻れないとか言いつつ何回も戻ってた気がするし、刻を戻っている最中にということであれば、改変後のお遥と共に死んで戻ってきたあの話は何だったのかと。それとも、あれは戻ってるんじゃなくて未来の話になってたから問題なしってこと?

このあたりが読んでていつもよくわからなくなります。読み直して検証整理しないとダメかなあ。設定がころころ変わってるような気がして、緊迫感がよくわからないんですよね。いろんなゲーム的な要素が付け加えられて面白くなるのはいいのだけど、ルールははっきりしないと雑になってしまうしなあ。


話は戻って、7巻は遂に上杉謙信が登場。ある意味謙信紹介巻と言えるでしょう。

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「謙信はとにかく戦が大大大大大大大大大大大大大大大大大好きであった」

この設定は上手いなあw 義に厚くいかなるところにも馳せ参じていくのは、単に戦が好きだからというキャラ付け。実際ありそうで面白いw

奥州2年半後の米沢城籠城シーンも7巻で描かれて、またもや大ピンチなところまでが展開されています。毎度毎度、最初の死に様はひどい無様に描かれますよねw ベースはギャグ漫画だから仕方ないんですけどもw


というわけで、設定の甘さはともかく、やってることはさほど変わらなくて面白さが維持されている「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」7巻でした。次巻も楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆


3巻までの感想はこちら (タイムリープ信長を出オチで済ませない立ち回り)
4巻の感想はこちら(ギャグ路線からシリアスに転向?急激に面白くなった)
5巻の感想はこちら(歴史人物とタイムリープの組合せがシナリオと噛み合って面白くなってきた)
6巻の感想はこちら(歴史改変信長物語の面白さはゲーム感覚に通ずる)


何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(7) (ヤングマガジンコミックス)
藤本ケンシ(著), 井出圭亮(著)
講談社 2022-08-05T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥726


ザ・ファブル The second contact 4巻 - 序盤からプロVSプロの抗争が熱い

俺達のアキラが帰って来たと思ったらやっぱりなぜか組の抗争に巻き込まれる「ザ・ファブル The second contact」4巻です。

本当に何もしていないのに巻き込まれてるのが実にいつもどおり。最強の元殺し屋なのに降りかかる火の粉を払うだけなのがファブルの面白さです。

さて、4巻ではいよいよ紅白組についているプロ集団、ルーマーが大きく動き出します。表立つことはなく静かに足跡を忍ばせて徐々に徐々に。

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が、俺達のアキラはその存在にもう気づいています。真黒組にはアキラを始めとした元ファブルが4人、まあ負けるわけはないと気楽に読み進めますが、どうも話はキナ臭い方向に。

基本的に倉庫で受け身のアザミとユーカリがあまりルーマーの存在に気づかないというのはまあ仕方ないところ。しかし、ヨウコの動きがあまりにも悪くないかという印象です。

まあ、元よりアキラよりも劣るファブルであり、さらに今は失恋の渦中だからこそこういうことになるのかもしれません。とはいえ、ファーストでの対同業者戦では抜群の強さを発揮して、ヨウコもさすがファブルなんだという印象もあったからこそ、ちょっと4巻の動きは情けないような。


しかしそんなヨウコを尻目に、相手方のルーマーの動きが怖い怖い。アキラ達は常に後手に回っているからというのもありますが、アキラはともかくヨウコをじわじわと追い詰めていく姿がさすがプロといったところ。

思い返すと、本当のプロとやりあったのはファーストも終盤のファブル内輪もめくらいなんですよね。それに対して、セカンドは序盤からこのような強敵を配置してくるのはびっくり。これ以上の敵は想像出来ないので、このルーマーとの戦いが終わったらどんな展開になるんでしょうね。


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それにしても海老原組長カッコよくなったなあ。最初は若頭として苦労人をやってて、組長が殺されてからけじめをつけるために組を回していって、セカンドではその貫禄がますます上がった気がします。ただ、その分おちゃめな要素が減っちゃったのはちょっと残念w


というわけで、相変わらず安定して面白い「ザ・ファブル The second contact」です。緊迫感増してきてルーマー戦も最高潮、この先もまだまだ楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(俺たちのアキラが帰ってきた)
2巻の感想はこちら(シリアスと緩さの融合のレベルが高くて相変わらず面白い)
3巻の感想はこちら(今度はアキラではなくヨウコを掘り下げていくのでしょう)




僕の心のヤバイやつ 7巻 - 思春期の葛藤と成長とニヤニヤと笑いのバランスが完璧

アニメ化も決まった大絶好調中の「僕の心のヤバイやつ」7巻です。青春してるよなあ、たまらんよなあ。

好き合ってイチャイチャしまくっているのに、自身の劣等感や自信のなさ、自分などこの相手に見合わないはずだという思い込みから、この好きという気持ちを偽り続ける自分の意気地なさにももやもやし続ける、そんな思春期の葛藤が本当にたまらんのです。


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「山田は俺のだ」

好きな子には面と向かって言えないくせに、他の前では言えてしまう度胸っぷり。好きなのに素直に伝える自信がなくて、だけど相手も絶対に自分のことを好きでいてくれると確信していて、その自信もちょっとしたことで揺らいでしまって。

だけどちょっとしたことからすぐに行動を起こすようになり、遠い広島と通話をしていたのに途切れてしまったことから不安で悩んで広島まで行ってしまおうかとまで思いつめて、それで結局相手の親のところまで乗り込んでしまう行動力を発揮して。


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「ただ無事だって確認したいだけ」


そんな市川が、徐々に徐々にその殻を破って成長していくのが「僕ヤバ」の魅力だと思うんですよ。

これ、初期の市川からは考えられないような行動なんですよね。こういう行動が出来るようになったのも、山田のことを好きになって山田との関係を続けて、山田にふさわしい男になるために変わろうとして、そうしてこれまで培った成長があったからこそ取れた行動になっているんです。

単なる青春恋愛ものではなく、恋愛をテーマにした成長譚とも言えるでしょう。人の成長を描いてる作品はやはり名作揃い。しかも本人の葛藤も交えながらきっちりじっくり下地を積んだ上の成長になっているのが本当に上手いと思います。


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「2人きりで何度も遊んでるのに まだ付き合っていないのか」

自分のことを棚に上げているのに気づいているんでしょうか?こういう一コマの間だったり、絵を見るだけでわかるキャラの感情だったりの表現がとても上手くて、純粋に漫画として高レベルな作品でもあると思うんですよね。


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「ゴムある?」

それでいて、思春期特有のシモネタも含んだギャグも鋭いところがまた素晴らしい。山田との接触ミスリードで闇山田がしばしば出るところとかも本当に面白い。人間劇というか、キャラをしっかり立てた上での群像劇としても面白いんですよ。


初期の頃からキャラ同士の関係性も少しずつ変わってきて、市川と山田はもちろんなんですが、市川が女子連中とも仲良くし始めたり、それでいてしっかり男子連中とも仲良くなっていたりするところもやはり読んでて清々しいです。こんな青春を送りたかった。


各種メディアや世の中も図抜けて上がってきている「僕の心のヤバイやつ」は、これを読まずに何を読むと言っても過言ではない作品でしょう。もしまだ読んでいないのであれば必読です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


6巻の感想はこちら(まだ読んでない人には今からでも読んでほしいくらいオススメです)


僕の心のヤバイやつ 7 (少年チャンピオン・コミックス)
桜井のりお(著)
秋田書店 2022-08-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
¥446


今日から始める幼なじみ 4巻 - 幼なじみの域を越えて手を繋ぎたがる女の子が可愛くてニヤニヤが止まらない

尊いオブ尊いの座を欲しいがままにしている「今日から始める幼なじみ」4巻です。既にそうなっていましたが、今巻も幼なじみじゃなくてもう付き合ってるよね?レベルでイチャイチャしてます。


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「航平と電車でお出かけするの初めてだから 楽しみだな~」

こんな幼なじみはいねぇ!!

と、思わず突っ込みたくなるような幼なじみの関係性が繰り広げられます。相手と一緒にお出かけするのはもう幼なじみでありその次の感情持ってる存在だよねこれ。

しかもこのあと大きな本屋で迷子になりお互いを探すイベントまで発生。さらにさらに、迷子にならないようにするイベントが出てくるわけですよ!裾を掴んだりするわけですよ!!

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こんな表情の変わり方もするわけですよ!!!!!!

なんなのもうこの子たち!幼なじみじゃなくてその先に進みたいんでしょこの子たち!!もう初々しいったらありゃしない!こんなの尊いオブ尊いに決まってるじゃないですか!!!!

こんな関係性がただの幼なじみなわけがなくてですね!こんなの幼なじみは幼なじみでも、既に好き合ってる幼なじみがする幼なじみなわけですよ!これでニヤニヤするなというのが酷ってもんじゃありゃしませんかね!?


少々声を荒げてしまいましたが、それくらい本当にニヤニヤが止まらない作品なんですこれ。同日に「僕の心のヤバいやつ」新刊も発売してますが、それに匹敵するくらいニヤニヤしてしまいます。単純なニヤニヤ度と尊さでは「今日から始める幼なじみ」の方が上ですね。

なので、「僕ヤバ」が好きなひとは絶対これを読んでも楽しめるはずなので、断然おすすめなのです。必読なのです。これは使命なのです。読まざるを得ないというやつなのです。


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はぁ~~~~

このセリフを、少なくとも恋愛感情を自覚していない女の子が発してしまうのですよ?これを尊いと言わざるしていったい何を尊いと言うのか?叶うのであれば、是非とも私にお教えいただきたい。


いやホントたまらんですよ「今日から始める幼なじみ」は。何がたまらんって、決してその関係性が先に進むことなく、いつまでもこの関係性のままニヤニヤさせてくれ続けるのがたまらんのです。

この手の作品ってなんだかんだ2人がくっついたりしちゃうと作品のテーマが変わっちゃうと思うんですよ。少なくとも今の所そういった風にはなりそうにないので、まだまだ期待大です!


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(幼なじみに憧れる女の子が可愛くてニヤニヤが止まらない)
2巻の感想はこちら(幼なじみを勘違いしている女の子が可愛くてニヤニヤが止まらない)
3巻の感想はこちら(幼なじみであることを公認にしたい女の子が可愛くてニヤニヤが止まらない)


今日から始める幼なじみ 4巻【電子特典付き】 (バンチコミックス)
帯屋ミドリ(著)
新潮社 2022-08-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥660


しょうもないのうりょく 3巻 - 大小様々な異能力がテーマのラクに読めるお話完結

非常にラクに読めて、それでいてキャラ毎に特殊能力設定があるので飽きずに読めた「しょうもないのうりょく」3巻です。終わってしまいました。

改めて、この作品の世界では個人一人ひとりに「異能」が生まれつき備わっています。それは「相手の嘘の割合がわかる異能」だったり、「猫に好かれる異能」だったり、「蚊を一撃で仕留める異能」だったり、非常に大小様々です。

そして、その「異能」が社会に完全に浸透しており、誰しもが自分の異能がわかっている社会なのです。それゆえに、生まれ持った「異能」を生かした仕事をする人もいたり、はたまたそんな特定の「異能」をコンサルする仕事まで生まれています。

一方で、「異能」とはいえ仕事に全く役立たないものも当然沢山あるわけで、そんな「異能」に振り回されることなく、ごくごく普通の我々の一般社会と同じような過ごし方をしている方々もいることになります。

そんな、現実社会にちょっとしたエッセンスを加えたコメディが「しょうもないのうりょく」なのです。


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主人公の星野さんがいる会社は「異能」を重視しない方針。なので、様々な「異能」が出てくるものの、本当に普通の会社です。

しかし、そこで繰り広げられるやり取りだったり会話だったりが、必ず「異能」絡みなのが面白いんですよ。

恋愛の話になったら、「相手の嘘の割合がわかる」から恋愛に有効だとか逆に困るだとか。「相手の出身地がわかる」から営業の掴みに向いているとかいないとか。まあ、結局は「異能」は使おうが使わまいがその人次第ということで毎度落ちるのですけども。


やっぱりこの「しょうもないのうりょく」の凄いなと思うところは、こんなの思いつかないと言ってしまえるような「異能」をキャラ付けの個性にしつつ、それだけでなくてしっかりキャラ設定しているところの上手さだと思うんです。

なので、「異能」が話のベースになりつつも、その人の性格等々の一般的なお話に落ち着くんです。「異能」というとんでも設定なのに、それを軸にするだけで甘えずしっかり群像劇にしてるのが上手いなあと。

だからこそ、ラクに読めて面白いです。日常系作品に「異能」のエッセンスが振りまかれたものと言えるでしょう。好きな人は絶対好きなやつですこれ。日常系のラクに読める作品が読みたい人には必見です。

終わっちゃったのがもったいないなあ。こういうのってあまり長く続けられても困るけど、もう数巻くらいは続いて良かったのではと思ったり。


眠気覚め度 ☆☆☆


2巻までの感想はこちら(全ての人間が特殊能力を持つ社会)




ダンダダン 6巻 - 王道で展開が早い作品が面白くないわけがない

超王道かつ抜群のスピード感で次々と話が展開していく「ダンダダン」6巻です。話の面白さといい、展開の強弱といい、ギャグの折り込み方といい、本当に漫画としてレベルが高い作品です。


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「人間は皆殺しじゃあ」

これまでの流れから、妖怪や悪霊と新キャラの組み合わせで一人ずつ仲間が増えていく展開なのは予想出来たところですが、今回はこれまでの流れと違ってしっかり中身が悪霊のまま敵対していくのが非常に良かったです。

しかも一筋縄ではいかない強敵であり、同時に地中に潜むUMAとも戦いが繰り広げられたりと、なんだかんだオカルトとSFをしっかり融合させています。


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「ジジはモモちゃんを傷つけたり絶対しねぇ 返せよ ジブンの大切な友達を」

それでいてしっかり王道の少年漫画しているのがいいんですよね。恋敵だと思っていた相手への友情をぶつけるところとか、決めるところがしっかり王道でたまらない。


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それでいて、守られるだけのキャラがいなくて全員本気で全力で活躍するのがまた良いのです。それぞれがやるべきことをみんなのためにやって、だから事件解決に向かえて、全員でやり遂げた感を感じられます。キャラが立っているからこそ尚更面白いんですこれが。


ただ、ちょっと後半の展開はお助けキャラ登場の流れで惜しいなとは思ったり。最初から駆けつけるって言ってたっけ?王道なんだけどそれはやりすぎな感じはしたかなあ。

とはいえ、話を収めるためには必要な演出でもあったので結果オーライでしょう。おまけに人体模型くんがあんな形で活躍出来たし。ちょっと予想外過ぎたけれどもw

そして最後の流れ、完全に乱馬でした。


ホント面白いなあ。普段ジャンプ系って読まないんですけど、「ダンダダン」は別格で面白いです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(これは必読!間違いなく人気が出る!)
2巻の感想はこちら(非常に高水準の作品、実に面白い) 
3巻の感想はこちら(少年漫画の王道とはまさにこの作品でしょう)
4巻の感想はこちら(宇宙人のお約束を全面で使う演出がお見事)
5巻の感想はこちら(予想通りの展開だけど面白さの水準が高くて素晴らしい)


ダンダダン 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)
龍幸伸(著)
集英社 2022-08-04T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥502


ペリリュー外伝 1巻 - 楽園のゲルニカを様々な視点で描くお話は必見

太平洋戦争末期のペリリュー島(パラオ)の戦闘を描いた「ペリリュー 楽園のゲルニカ」の外伝作品が「ペリリュー外伝」です。外伝と銘打っていますが、あくまで本編を多角的に視たシナリオ展開となっています。

話は大きく4種類。片倉分隊に所属していた吉敷の話、ペリリューに上陸したアメリカ兵視点の話、田丸の帰国後の話、ペリリュー島の住民視点の話となります。


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「この死体を痛めつけろ 見つけたアメ公が震え上がるくらいな」

田丸と合流する前の吉敷が描かれるのが最初の話となります。物資調達と称して死体漁りがメインとなっているような片倉分隊、そこでの対アメリカ兵とのやり取り等が描かれます。

一方で吉敷は新兵であり、まだ戦闘に抵抗がある状態。そこで上記のようなエゲつない命令に従うのかどうか、という葛藤が見れます。

戦争という極限状態に染まってしまっている片倉分隊の面々と、まだ染まっていない吉敷の対立等が見どころです。窮地に追い込まれて、もう正常な思考も出来ないということなんだろうとも読み取れます。


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また、敵兵を発見して攻撃を仕掛けたものの、その大半は負傷兵である状況にも遭遇してしまいます。敵とはいえ、弱っている相手を手に掛けるべきなのか、個人としてはともかく、軍として取るべき行動とは、色々と考えさせられる描写です。


アメリカ兵視点のお話は、ペリリュー島に上陸する新兵のものです。国からは数日で落とせる簡単な戦闘という情報をもらっており、勝ち戦のような気分で戦場に臨むアメリカ兵達。しかし、揚陸艦は日本軍から徹底的な抵抗を受けます。

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「神の御加護を」

雨のように降り注ぐ銃弾、砲弾を掻い潜りながらの上陸作戦。仲間達は次々とその攻撃の前に倒れていき、果たして生きて上陸出来るのか。そして上陸した先もまた戦場であり、これが戦争だというものを嫌というほど思い知らされるお話です。

作中では豊富な物資で次々と日本兵を追い込んでいましたが、そのアメリカ兵もまた、嬉々として戦闘を好んだわけでは決してなく、田丸や吉敷のようにただの戦争に駆り出された一般人であるという描写なのでしょう。すなわち、本質的な勝者は誰もいないという、戦争の悲惨さを表現したのではないでしょうか。


これらのように、本編では語られなかった視点のお話が多種多様と出てきます。やっぱり「ペリリュー」は決して写実的な絵ではないのに読みやすくて、その絵柄だからこそきっちりと戦争の怖さというものを教えてくれます。なので非常にすんなり読めてしまうのです。ホント面白い。

もちろん本編も面白かったですが、外伝であればもっといろんな視点、特にアメリカ兵視点のものがもっともっと読みたいですね。戦争が集結したのに抵抗を続ける日本軍に対して、どういう気持ちで対応を続けたのかとか。楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆


本編11巻の感想はこちら(終戦、帰国、それから現代へ、歴史をつなぐ意欲作ここに完結)


ペリリュー ―外伝― 1 ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ (ヤングアニマルコミックス)
武田一義(著), 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)(著)
白泉社 2022-07-29T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥660


フォビア 2巻 - 恐怖症に限らないホラーになったけれど面白さは据え置き

恐怖症をテーマにオムニバスホラーが繰り広げられる「フォビア」2巻です。

とはいえ、恐怖症がメインではなくなったように思えます。どちらかというとコンプレックスや対人関係の怖さがテーマですね。

掲載されている話は5つ。最初の「拒絶」と「笑顔」は恐怖症に近いテーマで描かれています。

「拒絶」はなんでも人のいいなりになって、欲しがられたものをあげてしまう女の子の話。最初にクラスメイトが「髪が綺麗だね」と褒めてあげたら次の日に髪を切って献上してきたところが最高に「フォビア」っぽくて最高でした。

「笑顔」は笑顔の下の隠れた表情が見えるようになってしまった女性の話。いつもニコニコ仲良さそうな両親が完全に仮面夫婦で隠れた表情を見た時の展開と、オチにつながる隠れた表情が最高に世にも奇妙な物語です。こういう話好き。


残り3つの「孤独」「長身」「醜形」はコンプレックスがテーマ。

「孤独」は現代社会あるあるな気がします。高齢独身女性が、かつて憧れていた先輩と再会し、結婚していないお互いのために相手を拘束しようとするお話。こういう人の足を引っ張る人とか絶対いるよなと思いながら読みました。

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「今の歳だとまだ不安定かもしれないけど、あと2年もすれば完全に吹っ切れるから!」

吹っ切れることが果たして自身の幸せなのか。難しいところですね。いつの間にか婚期を逃していてどうしようという人も今の世の中多いでしょうし、現代社会の闇を書いている気がします。話の展開もまさしく世にも奇妙な物語。


「長身」は背の小さな男性がそのコンプレックスを思うがままに発揮するお話。

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読んでてこの男に怒りを色々覚えてなんだかなあと。コンプレックス発揮しまくってるのだけど、世の中のDV男性はもしかしてこういう感情からDVをしてしまうとかあるのだろうか。結末はともかく、こういう話も世の中に大いにありそうで怖いですなあ。


最後の「醜形」はこの顔で生まれたことを実の父親にぶつけてしまう女性のお話。

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「私は…私は…生まれた時点でもう人生詰んでるの!!」

これも本当にありそうで嫌だな。きっと知らないだけで、こういうやり取りがされている家庭も決して少なくないんだろうなあと勝手に邪推したり。

ただ、話の流れが読めるものであったのが惜しいです。これまでの話と違ってちょっとパンチ力が弱いイメージ。


うーん、決してつまらなくはないですし、むしろ読んでる間は楽しめて(時には怒りも交えて)読めました。しかし、1巻のインパクトと比べるとどうしてもちょっと落ちてしまったかなというのが「フォビア」2巻の印象です。

今後はどのような話になっていくのでしょうか。どちらの方向に舵を切っても読み続ける予定ですが、出来れば1巻の恐怖症をテーマに読めることを期待したいなあというところ。


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら(原克玄とゴトウユキコの異色コンビが放つ恐怖症ホラー)


フォビア(2) (ビッグコミックス)
原克玄(著), ゴトウユキコ(著)
小学館 2022-07-29T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.2
¥693


野人転生 5巻 - 第1部完ッ!!

ノーチートノースキル異世界転生で頑張る「野人転生」5巻です。

これまでの情報より、冒険者のレベルには上限があり、そこを越えるためには死を覚悟してランクの高いモンスターを倒さなければならないことが明らかになりました。

そのレベル上限の壁はほとんど多くの冒険者は越えることが出来ないほどの高い壁になっており、逆にそれを越えることが出来れば一流の冒険者になることが出来るというものです。

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4巻ではパーティメンバーにレベルの壁を越える提案した野人。彼らはその決意を元に、その日暮らしで続けていた冒険者生活を一時的に止め、高ランクモンスター討伐に全てを賭けます。


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討伐相手はロックリザード。パーティ最強のゴンズはあくまで止め刺し、野人、アル、キモンの3人でよってたかってロックリザードをいじめて行動制限する作戦に。


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「これが敵の真の姿か!!!」

このロックリザードの特徴が結構面白くて、なかなか見ごたえのある戦いになってます。岩蜥蜴と書いてロックリザードと読ませるくらいなので、さぞや装甲が岩の如く硬いのだろうと思いきや、単にそれだけでなく高ランクモンスターらしい奮闘っぷりです。


そうしてロックリザード討伐を終えて町に生還した野人たちの元に現れるのがさらなる災厄であり、町を追われることとなった野人は再び森へ帰還するところまでがエピローグ。

30話のタイトルがエピローグなので、え、これで終わっちゃうの?と思いましたが、作者の後書きによるとあくまでも1部完であり、まだまだ続くとのこと。面白いのでこれからも期待です。


眠気覚め度 ☆☆☆


3巻までの感想はこちら(ノーチートノースキル転生で生き残れ)
4巻の感想はこちら(ノーチートなのに人間からも狙われるのが素敵)


野人転生(5) (電撃コミックスNEXT)
小林 嵩人(著), 野人(その他)
KADOKAWA 2022-07-27T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥730

 

恥らう君が見たいんだ 4巻 - 恋愛要素を重点的に表現していくのか?

見られて果てる女子高生は今回その姿を見せなかった「恥じらう君が見たいんだ」4巻です。

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見られて果てるのではなく、自分から責めて果ててました。
なるほど、そういうプレイもありなのか。是非お願いしたいところ。

ところで話は撮影の話から、本庄さんの性癖に近い人を探したいですの方向に発展していきます。

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「ハプバーに行きたいです」

ハプニングバーってあれですよね、会員制の店で、中は普通のバーっぽくなってるんだけど何故かプレイルーム的なものがあって、バーの中で同意したもの同士が最後まですることも可能っていう。

そういうのに今まで縁がなかった自分としてはにわかには信じられない存在なんですが、そういった性に奔放な人たちも多くいるのでしょう。怖いやら羨ましいやら。

というわけで、ハプバーに潜入していきます。

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「ねえ‥ジュニア あのふたりさ~ ヤッちゃうかもね?」

ハプニングバーだから!その場にいるこれまで全く無関係の相手とも!ヤッてしまうかもね!

とまあこんな感じなんですが、どうも話の本筋が映像を撮るの方ではなく、監督と女優の恋愛はするのかしないのかというところにフォーカスされています。

そして4巻の内容を読んでくと明らかに恋愛の方向に向かっているんですよねえ。どういう方向に持っていくんだろ、描きたかったのは恋愛なんだろうか?読みたいのは恋愛ではなかったんだけどなー。まあ、絵が上手くてえっちぃからそれだけで十分価値あるのだけどw


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら(ファインダー越しに観る同級生のエロス)
2巻の感想はこちら(破滅願望性癖は下着売りで絶頂に達する)
3巻の感想はこちら(女子高生から一転、女教師をフォーカスに収める)


恥じらう君が見たいんだ(4) (ヤングマガジンコミックス)
甜米らくれ(著)
講談社 2022-07-20T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥726


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