民主主義選挙を利用してマリョウがヤープト村へ攻め込まないように画策を続ける「望郷太郎」8巻です。

すごく面白いです。毎度毎度読むたびに引き込まれるのですこの作品。

20230123_001
遂に完成した紙幣。今は重たい石であるマーが通貨ですが、これが流通すればその便利さから使うようになることは必須。貨幣自身ではなく、紙幣が通貨としての意味を見出すことになります。

その流れから、紙幣はまだ国に認められていない通貨であることと、そのため選挙で配りまくっても公職選挙法違反にはならないという抜け道を利用するというのが策略だなあと。500年前の人間である利点を見事についています。

文明も次々と発展しているのが明らかになってきており、酒はもちろん砂糖や火薬、そして油売りとして石油が掘られていることも判明してきました。パルと獲物を狩っていたり、業務用冷凍庫にお湯を入れて風呂に入っていた時と比べると大違いです。

この時代でも大きい街では既にこれほどまでに文明が栄えていたのだから、そりゃヤープト村もパルがいた村も虐げられるのは必然です。歴史上でも文明が発展しているヨーロッパが他の地方を次々に植民地にしていたわけですし。


そんな中、古の武器が出てくるのが面白い。
20230123_002
いいですよね、この古の武器。現代科学がこの世界では古代の遺物になるのが本当にいいんです。こういう展開好き過ぎる。


20230123_003
古の機械コレクションでエンジンが出てくるということは、そして石油を掘っているということは、近いうちにガソリンを精製して自動車が走るということじゃないですか。馬車争というイベントにパルが出るみたいだけど、そのあたりで馬が用意できなくてとかそういう展開になるんだろうか。


そしていつの間にか遥か東まで来てたんですね。今回ハルビン遺跡が出てきて、もうそんな所まで来てるのかと。マリョウ篇終わったら次はいよいよ日本編になりそう。その前に船の話とかになるのかもなあ。


新刊が出るたびに心躍らせて読ませてもらえる「望郷太郎」8巻でした。当然次巻も大期待です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


5巻の感想はこちら(舞鶴太郎飛ぶ)
6巻の感想はこちら(貨幣経済が成立しても金の奴隷にはなるな)
7巻の感想はこちら(貨幣の次は民主主義選挙)


望郷太郎(8) (モーニングコミックス)
山田芳裕(著)
講談社 2023-01-23T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥759



おまけ

20230123_000
これ完全に「へうげもの」の「このクソたわけがあああぁぁぁぁッッ!!」のシーンだよねw