これでまだ4巻なのかと思わせてくれるほどのスピード感と濃厚さを味あわせてくれる「トリリオンゲーム」4巻です。

やっぱりこのスピード感がホントいいですね。だらだらと冗長な展開はなくて、ポンポンポンと次々に発展していくのが素晴らしいです。

そしてこの4巻ではいよいよハルとガクが対立を始めます。

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「それが僕のハルくんとの、ケンカの仕方だ……!!!」

これまではガクの能力を使いつつも、全てハルの手のひらの上で動いていたような関係でした。会社が大きくなるに連れ、そしてその大きくする強引さが強くなるに連れ、徐々にハルの何が何でものし上がる思いとガクの優しさが対立していきます。

そして遂に明確な対立。しかしその対立は真っ向からの仲違いではなく、会社としてあるべき複数事業の始まりになっています。

ハルはのし上がるために手に入れた芸能事務所を運営し、ガクは芸能事務所を手に入れるために犠牲となったゲーム開発チームを運営する。それぞれの事業が単体で動き出すのは、企業が大きくなるためには必ず通る道です。それがもう、4巻ほどで展開されるのだからやはりスピード感がすごい。

ここからの事業展開も次々に展開していきそうですし、まだまだ目が離せないものとなっています。4巻はハルがあまり出てこなかったけれども、ガクの魅力が大いに詰まった巻だったと言えるでしょう。「トリリオンゲーム」はハルとガクの物語であることを再認識させられました。


面白いなあホント。このスピード感だから、おそらく10巻くらいで完結するんじゃないかなあ。それくらいなら一気に面白いまま完結を迎えそうで楽しみですね。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


2巻までの感想はこちら(稲垣理一郎×池上遼一の異色コンビが見事にはまった傑作)
3巻の感想はこちら(一気にステップアップしていく経営戦略がたまらない)
5巻の感想はこちら(ついにお金がなくなる成り上がりストーリー)


トリリオンゲーム(4) (ビッグコミックス)
池上遼一(著), 稲垣理一郎(その他)
小学館 2022-07-04T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
¥693