20巻の大事件事後処理から始まる「ハコヅメ」21巻です。アンボックス含むと実質22巻目です。

21巻の前半は伊賀崎交番署長の過去篇から繋がる物語の後処理になります。主にあの事件がどれだけ対応した川合と源に影響を与えたのか、どうしてあの事件当時あのような行動を取れたのか、そして伊賀崎は今後どうなるのかという描写がされています。これで虎松譲二との因縁話もおそらく完結です。

やはりその中でも、新任ながらに源を信じて人質となった川合の機転、そして感情、更に如月部長との関係と心が揺れ動きまくっているのが読み取れます。

正直この肝の座りっぷりは1巻の頃から考えられないほどの成長ではないでしょうか。いや、成長どころかむしろそれが川合のらしさなのかもしれません。

元々似顔絵捜査の時から発揮されていたように、川合は洞察力がものすごいのです。人の顔を見るだけで今日は機嫌が悪そうですねと挨拶代わりに言ってしまうほどで、誰よりも周りのことを観て察していいます。人質になった経緯もそのような洞察があったからこそと語っています。

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「私は女だから源部長ほど酷い目に遭わなかった」「弱音を吐けない源部長のほうがきついはず」

その洞察に加えてこの気遣いです。源のことを嫌っていると言いつつも、山田や聖子ちゃん同様に源のことを信頼しており、源ならこう動いてくれる、源ならこう考えてくれるというところまで察して行動しています。おまけにその後のことまで気を遣えている、とんでもなく成長していますね。敷根に爪のアカ飲ませてやりたい。

それだけの洞察力、気遣いがあるくせに、頑なに如月部長の気持ちに真正面から応えようとしないのがまた川合らしくていいですよね。恋愛慣れしていなくて、自分が憧れていてイケメンに迫られていて、感情がわけわからなくなっているんだと思います。

だからこそ、事件後にどれだけ如月部長から心配されても、心の余裕がまだなくて、むしろ心の負担になってしまっているのが見ていて切ない。


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「好き  藤部長が大好き‥!」

そうして、心の弱った時に一番言葉を掛けてほしい相手が聖子ちゃんなんですなあ。元々女性警官バディものとして始まったハコヅメ、ここで原点回帰してきましたね。

なんかこの流れだと、結局如月部長とはどうともならない気がしてきます。20巻まではまだ何か起きそうな気がしてましたが、川合が無理ってなるんじゃないかなあこれ。


21巻の後半は事件の後遺症を残しつつも、徐々に元のハコヅメに戻って来てます。いわゆるこれまでもあったギャグパートを挟みながら事件に対峙していく流れです。

この元の流れ、面白い、確かに面白いんですが、、、シリアスパートが面白すぎたことに加えて、事件の事後処理である21巻前半も面白かったので、正直ギャグパートが相対的に面白くなく感じてしまっている気がします。

それと、絵がうまくなりすぎてるのも弊害な気がするんですがどうでしょう。やっぱり8巻とか10巻あたりの絵がギャグパートには向いていた気がします。シリアスパートは今の絵で抜群に合うと思うのですが。

うーん、難しいですね、どっちもまさしくハコヅメなんだけど、どっちであるべきなんだろう。やはりギャグあってのハコヅメとも言えるので、今くらいのバランスが丁度いいのかなあ。


そしてそして気になる次巻予告ですよ。重大事件は起きなさそうですが、聖子ちゃんと山田がどうなっちゃうのの展開じゃないですか。もしかしてギャグと恋愛を全面に押し出していくのかな?


ギャグパートはみたいなことを書いてはしまいましたが、21巻も実に面白かったです。噂ではそろそろハコヅメは完結して、今の年齢のうちに描ける作品に取り掛かる予定とのこと。ハコヅメが何巻まで続くのか、そして終わってしまうのは寂しいのですが、新作が読めるならそれも待ち遠しいです!

参考:販売絶好調の『ハコヅメ』、なのになぜ今“終わる”のか?


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
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ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
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ハコヅメ20巻の感想はこちら(アンボックス級のシリアス話が一貫した傑作巻)


ハコヅメ~交番女子の逆襲~(21) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
講談社 2022-06-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥693




おまけ
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遂に噂の術科師範が出てきてここは盛大に笑ったwww