打倒金田一を目指す犯人側の視点を描いたことで一挙に注目を浴びた「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」11巻です。

一旦完結したのですが、金田一少年の事件簿30周年を記念して期間限定復活したそうです。

対象とした事件は「剣持警部の殺人」「錬金術殺人事件」「ゲームの館殺人事件」の3つとなります。2009年、2010年、2011年に発表された事件です。

実は私自身はこれらの原作を読んだことがありません。初代の金田一は全巻読んでましたがそこまででした。しかし、原作を知らないのに何故かそれなりに面白く読めてしまうのがこの「犯人たちの事件簿」の凄さなのだと思います、普通に面白かった。

というか、今回の犯人たちの引率とも言うべきストーリーテラー役に、初代犯人の有森や学園七不思議殺人の名物犯人的場を据える時点で面白い。

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「やることが多い‥ってね」

特に有森なんて、初代犯人かつ金田一の友人かつ死んで終わったということもあり、金田一史上最も有名な犯人なんじゃないでしょうか。それだけ良いキャラだってことでもあるんでしょう、彼らが出てくるだけで笑ってしまうのが正直悔しいところ。


そしてまた、知らなくても面白くしている要素として、ひとりひとりの犯人にしっかりと思想や特徴を打ち立てて、かつその話で使うネタを大きく固めてしまっていることが挙げられます。そうすることにより、毎回金田一に暴かれる同じ結論だとしても、そこに至る過程がしっかりしていて面白さを引き立てていいると思うのです。

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「俺‥悪そうに見えるけど‥めっちゃ普通のヤツだから‥‥人の殺し方なんてわっかんねぇよ‥‥!!」

犯人だけど普通の一般人だと主張したり、


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「さすが俺!幅広い知識があってこその閃き‥‥!!国立歯科大学‥‥ッ!!」

歯科大学のエリートだからという自負を持ち、歯を治す要領で溶接トリックを駆使したり、例えで金田一が自前の歯なら俺はインプラントだと主張したり、


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「どんどん過激にしてこっ!!昔のテレビみたいに!!」

昔のテレビマンだったからことあるごとに昔のテレビはコンプラがなかったと主張したりと、様々なキャラ付けがされています。これらがしっかりしているからこそ、各話でもネタの展開の仕方が一貫されていて面白く読めるものに出来上がっています。

当初は犯人がこういうことをしたとすると、実現するには相当大変だぞというところが面白さとして打ち出されていたと思います。ですが、その繰り返しだけではやはり単調になって飽きられてしまうので、こういった明確なキャラ付けとネタ作りするようにしたのでしょう。それがとても上手くいった作品になっていると思います。だから、原作を知らなくても十分に面白いものに仕上がっているのではないでしょうか。


10巻で完結して、再開もこの11巻で終わりとなる「金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿」でした。ホントこれは良いスピンオフだったと思います。コナンのスピンオフにも影響させるくらいですし、金田一を読んだことのある世代にドンピシャです。読んだことが無い人は必読。


眠気覚め度 ☆☆☆


金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(11) (週刊少年マガジンコミックス)
さとうふみや(著), 天樹征丸(著), 金成陽三郎(著), 船津紳平(著)
講談社 2022-06-16T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥528