若槻対飛戦が繰り広げられる「ケンガンオメガ」13巻です。

拳願会と煉獄の対抗試合も最終盤、残すは若槻対飛戦と、王馬対ロロン・ドネア戦です。13巻では若槻対飛戦が決着し、王馬対ロロン・ドネア戦が開始されます。

この対煉獄との対抗試合、純粋な戦いになる組み合わせもあれば、蟲絡みの戦いもありで、正直なところ戦いによって面白さがまちまちです。個人的にはやはり、二徳対劉戦とか嵐山対速水のような純粋な戦いが面白かったですね。

そしてこの若槻対飛戦、純粋な戦いと思いきやここで二虎流が絡んでしまうんですな。元々若槻戦ってあまり戦いの展開に恵まれないことが多いのに、二虎流絡んだおかげでまた微妙な展開になってしまうのが可哀想なところ。

いや、若槻の戦いって面白くするの難しいとは思うんだけどね。とにかく力が強いって設定だから、殴れば相手は終わるのが基本だし。元々強者設定な上に主人公格の設定だから、ピンチになるとなんだ弱いんじゃんと思われてしまうのがまた可哀想。

そんな若槻の相手が実は二虎流だったという流れなわけです。

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憑神と降魔を組み合わせたような奥義「神魔」。これを使って、さらに二虎流も使って若槻を苦しめます。飛が神魔を使ったり次々と色々な技を繰り出すところは楽しい。だけど、ここまで見せてきた飛のキャラが一変してしまって、キャラに一貫性が無いように見えてしまうのがもったいない。良いキャラだったと思うんだけどなあ。


そしてこのキャラ、実はケンガンアシュラで登場させる予定だったらしいです。が、色々設定を練るとお流れになってしまったのだとか。そのあたりは13巻のおまけページで語られていました。

本当はユリウスが飛に変わって若槻と拳願絶命トーナメントで戦う予定だったとか。そのために、各企業は選手交代を認めるという特別ルールが用意されていたんですね。

思い返すと、ケンガンアシュラの方では結局選手交代が使われていなかったので、そういう事情があったんですね。途中でシナリオが変わると事前の設定が活かされなくなる、惜しい方の展開でした。

作中では選手交代の設定を2回使おうとしてました。一度は関林がムテバとやる時に、マーヴェラス関として別選手扱いしたもの。だけどこの時、選手交代したとは判定しないだろうと作中で言及されていました。

もうひとつは、今井コスモが王馬とやる前に、大久保と交代させようとしたところ。阿古屋に執拗な攻撃を受けた身体では戦えないと判断した時のものです。結局コスモは王馬と戦い破れましたが、大久保と交代して王馬とやってたら大久保勝っただろうなこれ。

そんなこんなで、選手交代設定がうまく活かされなく、ボツになっていたキャラが飛だったわけです。そして若槻とやりあって、あの結末を迎えます。


13巻の最後は前述したように、王馬対ロロン・ドネア戦です。王馬よりもアギトの方が戦えるんじゃないかと思ってるんですが、そういえば王馬って一応拳願絶命トーナメントのファイナリストだったんですよね。

雷庵を倒し、今井コスモを倒し、若槻を倒した上で黒木玄斎と戦ったからこそ、今の拳願会のナンバーワンとして君臨すべきということだったのだろうか。それでもまだまだ、アギトの方が強いと思ってしまうのだけど、それはこれまでの戦いのインパクトがゆえなのかなあ。


さて、おそらく次巻で煉獄との試合は決着します。そのあともまだまだ続くので「ケンガンオメガ」からは目が離せません。そもそもこのままじゃケンガンオメガの主人公である光河くんがまだ弱いままだしね。


眠気覚め度 ☆☆☆


10巻の感想はこちら(嵐山十郎太がカッコいい)
11巻の感想はこちら(二徳対劉戦は抜群に面白いぞ)
12巻の感想はこちら(純粋な格闘家同士の戦いが一番面白いよね)
14巻の感想はこちら(いつの間にかほぼ最強の座にいる王馬)
15巻の感想はこちら(対抗試合が終わってそれから数年後)
16巻の感想はこちら(光我くん強くなりすぎ問題発生中)


ケンガンオメガ(13) (裏少年サンデーコミックス)
サンドロビッチ・ヤバ子(著), だろめおん(著)
小学館 2022-06-10T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
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