とよ田みのる最新作「これ描いて死ね」1巻です。今回は離島に住む女子高生が漫画を描くお話となっています。

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「『これ描いて死ね』などと漫画に命を懸けないこと。」

この先生兼同好会の顧問になってくれた手島先生がとことん良いキャラなんです。自分がかつて夢見た漫画への意思とその挫折を味わったからこそ出来る生徒たちへの対応という優しさが節々に垣間見えて、こんな厳しくも優しい先生ならいくらでも伸びますわ。

と、いきなり魅力的なキャラの感想から始めてしまいましたが、話の根幹は漫画が好きで好きでしょうがない女子高生が漫画を描くことに挑戦するものとなっています。

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「そっか…漫画って、自分で描けるのか。」

漫画好きから、漫画を自分で描くことに気づくまでの流れが本当に素晴らしい。好きなものに、好きという気持ちだけで向かっていって、新たに好きになるものを見つけられる。そんな思いが綺麗に表現されていて本当に上手いです。

まあそこから漫画を実際に描くようになるまでの流れはご都合主義的なところは否めないですが、漫画だからこそこうあるべきでしょう。何よりも、そのおかげで超魅力的な手島先生という存在が生まれたわけですから。

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そこから3人の漫画同好会が発足され、しかも3人それぞれにしっかり役割が与えられるのが良いんですよねー。

原作と作画というところまでは想定できたものの、ただ漫画が読みたいだけという赤福が、ある意味一番辛辣に作品を評価してくれる読者ポジションとしての参戦が素敵。

ましてや、途中まで読み手にもただ漫画読みたいだけじゃねーかと思わせつつ、明確な役割を持たせたキャラに仕立て上げるのだから。


やっぱりとよ田みのる作品はキャラ作りが秀逸というのを改めて思い知らされた作品でした。キャラもそうなんですけど、感情の表現が上手いんですよね。その感情になるまでの流れだとか、その環状になった時の表現が極端でわかりやすいとか。表情がしっかり喜怒哀楽を表しているのもわかりやすいのかも。

1話の最初で漫画を読んでる安海が、漫画を読んで受けた表現を喜怒哀楽の4コマで表しているのが良い例です。すごくわかりやすくて、ひと目で感情がわかります。わかりやすい表現というのはそれだけ人の心を掴みやすいと思うのです。


巻末に載っている読切版の話、スピリッツで連載当時読んだ覚えがありました。えっ、とよ田みのるがスピリッツに掲載されるの?と思ってドキドキして読んだ記憶。当時も面白いと思って読んでたけど、やっぱり改めて読むと面白いなー。しかも読切時の主人公が手島先生の若い頃だったんだってんだから、1巻を読んでから読むとまたひとしお。


「これ描いて死ね」は絶対今後人気が出てくる作品でしょう。まだ趣味の範囲と言っている手島先生がいつから本格的に教えてくれるようになるのか楽しみだし、そうなってから安海たちがどうなっていくのも楽しみです。当然今後も期待です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


これ描いて死ね(1) (ゲッサン少年サンデーコミックス)
とよ田みのる(著)
小学館 2022-05-12T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥814