ガムテが主人公になった「忍者と極道」9巻です。

9巻でグラス・チルドレン篇が完結します。忍者の犠牲者3名、破壊の八極道の犠牲者3名、双方とも残るは5人ずつで、互いの素性も明らかになり、10巻から第2部が始まる形となります。

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「これがッッ 殺し屋ガムテすべてを賭けた本気の本気だ!! 多仲忍者 てめーには絶対負けない!!」

これまで共に戦ってきたグラス・チルドレンの極道技巧を次々と使い、仲間と共に宿敵忍者(しのは)を倒そうとするガムテ。こんなんもう主人公だろ。。。


しかも忍者(しのは)を倒す為に、自分の命を投げ出してヘルズクーポン2枚服用しているガムテ。

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「オレは…5分で死ぬ」

こんな命の賭け方、もう主人公だろ。。。



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「他人に殺された心はッッ!他人を殺さなきゃ正気ではいられないッ!! 殺さなきゃ生きらんない!!」


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「オレ達は!!そんな生き物なんだ!!! そんな生き物になっちまった!! なっちまったんだ!!!」

いずれも悲しく辛い過去を持つ、グラス・チルドレン。大人に壊されて、壊す立場にならなければ生き残れなかったグラス・チルドレン。彼らの代表として、彼らの受け手として振る舞ってきたガムテの強い思いの吐露。こんなんもう主人公だろ。。。


ガムテが終始格好良くて、正直なところ主人公の忍者(しのは)よりも応援したくなるくらい魅力的なキャラでした。9巻の作者あとがきで少し触れていたのですが、ガムテの初登場はとことん道化で、嫌われる為に存在するキャラだったんですよ。

そんなガムテの思いが解き放たれて、グラス・チルドレンを束ねるカリスマ性を持つ裏付けも明確に受け取れて、忍者(しのは)の宿敵としてここまで格好良い存在になるなど誰が予想出来たでしょうか。

おまけにグラス・チルドレン篇の終盤では、ガムテが忍者(しのは)をずっと名前呼びして明確にライバル視してるのがまた格好良くて。それだけ思いが強いことが読み取れて感動してしまいます。

本当に、本当にこのグラス・チルドレン篇のガムテは素晴らしかった。誰よりも強くて、誰よりも闇が深くて、誰よりも自身の信念を貫いて。そんな魅力的なガムテがいたからこそ、グラス・チルドレン篇はとても面白かったのだろうな。

決着がついたあとも、これまでの中では唯一生首にならず終わりを迎え、その瞬間まで忍者(しのは)と極道(きわみ)の関係をぶち殺す執念は本当にお見事。これでグランドフィナーレになってもおかしくないくらい格好良さが際立ってました。

しかも本当にガムテがほしかったのは、極道(きわみ)からの愛だったことがまた涙を誘います。ガムテらしく、その本心を明かすことなく、信念を貫き通した姿もまたカッコいい。


正直グラス・チルドレン篇はガムテがカッコよすぎたので、忍者たちのカッコよさが霞んでしまっています。これまでは笑いながらも忍者の活躍を見れて、そこまで極道側に肩入れは出来なかったように思います。

それが、このグラス・チルドレン篇では立場が完全に逆転。極道側、特にガムテに個人的には物凄く肩入れしてしまいました。

弱者が挑む強者への挑戦。弱者だからこそ様々な策を弄して忍者を殺そうとする立ち振舞い。その一挙手一投足が全て格好いい。

前回の感想でも書いたのですが、これ以上面白い展開に出来るのでしょうか?グラス・チルドレン篇が面白すぎたので、このあとの展開で盛り下がってしまうことが心配になってしまいます。もちろん相対的な話であって、これまでの面白さを維持するだけでも十分名作に値する作品になると思うのですけれども。


なんかもう、ガムテが死んだことで消失感があります。残りの破壊の八極道が勢揃いしたり、忍者(しのは)と極道(きわみ)が互いの正体を知ってしまったりと第2部に続くための仕込みはいくらでもあるのですが、そこを語っても仕方ない気がするのでここまでにしておきます。

ガムテに合掌。10巻が待ち遠しいです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


6巻の感想はこちら(生首エンターテイメントはグラス・チルドレン篇で大きな転換期を迎える)
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る) 


忍者と極道(9) (コミックDAYSコミックス)
近藤信輔(著)
講談社 2022-04-13T00:00:00.000Z

¥693




おまけ
連載時に気づいていたのですが、以下のコマはそのままでした。

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左手が無いはずなのに両手を使って消火器を潰すガムテ。

左手は2巻時点で忍者(しのは)にぶっ飛ばされてるので、無いはずなんです。ここだけ復活した?