ちょっとテコ入れが入り面白くなってきた「時間停止勇者」8巻です。

正直びっくり。ここのところマンネリでいまいちかなと思っていたところ、この8巻は面白いと感じました。やってることは次のステージに行って新しい女の子をひたすら脱がすということから本質的には変わらないのですが、新たに出てきた設定がなるほど面白いなと。

20220311_000
「ここを降りると前のエリアに戻れなくなって 先に進むしかなくなるという仕掛け…!」

これまでゲームの世界として言及されたことはなかったような気がするのですが、遂に明確なゲーム世界描写が出てきました。

まあそもそも、時間停止コントローラがゲームパッドだったし、制限時間表示とかステージクリア演出がゲームだったのでゲーム世界と思わせる演出はありましたけれども。


で、面白いのがここからで、これまで完全なファンタジー世界だったのか、いきなり和風ホラー世界に切り替わるのです。

20220311_001
「地下の奥深くに集落がある…しかも和風の…!?」

ファンタジー世界で火山洞窟くぐってサラマンダーの横をすりぬけたら「彼岸島」だったり「SIREN」だったりの世界が広がっています。この壮大なテコ入れがお見事。おまけに、この和風ホラー世界は8巻でほぼ解決してしまう使い捨てっぷり。この大胆な流れに今巻は一気に引き込まれましたね。


20220311_002
「ただの壁が広がっている…まじで地図の端!?」

しかもこの和風ホラー世界、世界の端が壁。さらにPS時代っぽいテクスチャー。ここまで表現してもらえると、「時間停止勇者」の世界観の見方が全然変わってくるわけです。

これまでは単に異世界転生で時間停止のチートが使えるという、他の異世界転生とは遜色ないお話でした。それがこの8巻で、異世界転生というよりはゲーム世界への転生であるという見方に変わります。なので、ゲームならではの設定、しかもメタ設定がこれからガンガン出てくるはずってことですよ。

これは一気に今後楽しみになってきたなあ。前述した通り、ここのところマンネリ気味な感じがしていたので、このテコ入れは個人的にグッドです。面白くなってきた。


考えたら、この作者の「アヴァルト」もゲーム内がテーマでした。やっぱりあれに未練があったということなんだろうか。まあ、「アヴァルト」は「時間停止勇者」と比べるとシリアスシーンが多くて盛り上がりに欠けてしまったというところがあるのであの終わり方も致し方なしと当時思っていました。

それが、「時間停止勇者」は話を展開しつつもとことん主人公が名前の通りクズであるからラクに読める部類なんですね。なので「アヴァルト」のように読むのに力がいらないのが「時間停止勇者」のいいところではないかと。やたらとスケベシーンが多いけどね。

あ、和風ホラー世界の解決方法はいつもどおりでしたw


というわけで、ゲーム世界であることがはっきりしてきたので一気に興味が増してきた「時間停止勇者」です。続きが気になってきた。けど、次巻予告を見た限りではまたマンネリに戻りそうな。。。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


6巻の感想はこちら (異世界で時間停止して何でもやってのけるぞ)
7巻の感想はこちら (南国で時間停止して脱がしまくるぞ)
9巻の感想はこちら (バ・レー大会でも時間停止して不正するぞ)
10巻の感想はこちら(大ボスの前で時間停止して楽勝だと思ったらコントローラーを無くしたぞ)
11巻の感想はこちら(ゲームプレーヤー呼びしてくるキャラが遂に出てきたぞ)
12巻の感想はこちら(いきなりチュートリアルが始まったぞ)


時間停止勇者(8) (シリウスコミックス)
光永康則(著)
講談社 2022-03-09T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥715


アヴァルト(1) (シリウスコミックス)
光永康則(著)
講談社 2016-05-09T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.3
¥660