今一番熱い女子高生青春柔道漫画「もういっぽん!」17巻です。今回は表紙を飾った1年生、司と姫コが大活躍します。

17巻も良かった。16巻ほど泣けるわけではなかったけど、司と姫コが熱すぎて熱すぎて、特に姫コがこれまでの鬱憤を晴らすかの如くフォーカスされまくって本当に良かった。


ベスト8を賭けた3回戦、初出場ながら完全なダークホースだった幸徳学園との対戦は、天才南雲とキャプテン早苗の頑張りで2勝2敗の状況。そこで回ってきたのが大会初出場かつ試合初参戦の司、そして去年共に戦った姫野紬の妹である姫コ。彼女たちの精一杯が見れる17巻になります。


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「目の前の相手に…自分のできることを全部ぶつけます!!」

試合前に南雲に言われた「自分のことだけ考えろ」を思い返す司。状況としては団体戦の勝敗に大きく関わるものとなっていて、本来なら絶対負けられないと意気込んでしまうところで、直前の先輩の言葉が心を落ち着かせる契機になってて良いんですよね。


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「私は練習でみんなと乱取りをする時…正直なところ司が一番手を焼くんだ」

ここにきて、司の体格、相撲経験という設定が生きてきて、青葉西に足りないガタいが良い選手の枠であることが主張されてくるんです。よく考えたらみんな小柄だしね。姫コも小柄だし、確かに司がそういう立場になるのか。一年で柔道未経験だからといって、この土壇場でお荷物になるわけでなく全力で戦えるのがカッコいい。

これまで実は司の凄さというのは語られる機会がなかったのがまたこのギャップ表現になっているような。まあそもそも初試合ということもあるのと、これまで他のキャラが濃すぎて目立てなかったからでもありますよね。縁の下の力持ち的な、ある意味ムードメーカーの一端を担っていました。司がいるからこそみんな冷静になれるところもあったし。


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「自分らしく冷静に…今の自分でもできることを!!」

そんな司だからこそ、自分の長所を理解している司だからこそ、試合で窮地に追い込まれても誰よりも冷静に、今自分が為せることを考えて動くのがホントカッコいい。

そして対戦相手の樹里が真逆のタイプで、とことん熱くなるタイプなのが良い対戦になってるんですよ。片や冷静に事を運び、片や熱くなって力で全てを凌駕しようとする。まさか初試合の1年生がここまで熱い戦いになるなんて思いも寄りませんでした。


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「あんたの炎でぜ~んぶ燃やし尽くしたれ」
「冷静に…頑張れ司!!!」


幸徳学園のキャラも凄く立ってて、それぞれの柔道に掛ける思いが強くて、幸徳学園側も思わず応援したくなってしまうのがまた憎い。

実のところ、そこまで柔道に思い入れは無く始めた司よりも、小学生の頃から柔道をしていて中学で一度空白期間が出来てしまった樹里の方が柔道に掛ける長年の思いは強いわけで、見方を変えたら幸徳学園が主人公の話になってもおかしくないはずなんです。そんな相手を、去年を越えるための金鷲旗3回戦で当ててくるのが上手いよなあ。


そうしてこの対戦は決着して、なんやかんやあって今度は姫コの出番なんです。今回は姫コの話が本当に良いんです。姫コというここまで温存された秘密兵器が、ネガティブが多くて士気を下げがちで、まさしく1年生の自信が無い可愛い後輩だった存在が遂に晴れ舞台に。

しかも未知の怪我の原因を作ったのが姫コであり、未知の代わりに立つことになるのがまたプレッシャー。おまけに団体戦の行方に影響を与える状況。舞台は完全に揃ってますね。

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ネガティブ姫コ、初団体戦で対戦相手は全国レベルということに怯えていた姫コ、だけど早苗の逃げない戦いを見て、誰よりも熱い思いを滾らせた姫コ。そんな姫コが遂にベールを脱ぐわけです。


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姫コが!


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姫コが!!


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姫コが!!!

こんなにもボロボロになりながら、スタミナを限界まで使って、限界を迎えながら闘志を持って立ち向かう姫コが本当にカッコいい。

しかもこれまで培ってきた教えや経験を全て出し切って戦うのが本当に良いんです。姫コの強さの裏付けであり、姫コの思いの強さであり、託すもの託されるものの思いであり。姉の姫野紬の思いを継承して、怪我をさせた未知への思いを乗り越えて、覚悟を見せてくれた早苗の気持ちを背負って、共に頑張ってくれた1年生の司からバトンを受けて、関係する全ての人たちから、紡がれる思いを全てその背に乗せて戦いに臨む姫コが本当にカッコいい。もう主人公でしょこれ。


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「もしかしたら…あの目…乱れも睨んだ上での猛攻?」

姫コは昔からカッコいい顔を良くするんですが、17巻ではそれが際立ってました。

これまで柔道を続けても一本勝ちしたことがなく、青西の中でも明らかに実力で劣っていると感じていて、他の皆と同じ様に試合で全力を出すと体力が持たないこともわかっていて。

だけどそれがわかっているからこそ、これまでの教えを全て生かそうとして、これまでの思いが溢れかえって、自分も青西の一員であることを理解したくて、でも今までのままでは貢献出来ていなくて。

だからこそこの団体戦、ベスト8を賭けた舞台だからこそ、自分がお荷物になるわけにはいかなく、自分が持てる全ての力を発揮しようとして。

そんな姫コは、やはり一人で戦っているのではないのです。皆の思いを背に乗せて、青西の一員として皆の為に皆の力を合わせて戦っているのです。そんな思いが見て取れて本当に良かった。


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「だから知恵と工夫で前へ進もう 同じ事故を繰り返さない技術を身につけよう」

このシーンの夏目先生カッコ良すぎでしょ。。。

未知を怪我させてしまった姫コ、そして奇しくも同じ状況になったこの試合。これがまさしく、未知を怪我させた姫コにとってのトラウマ供養であり、それを乗り越えた先にある姫コの成長に繋がるのがお見事。

良い経験も悪い経験も清濁併せ持ち、特にネガティブ姫コにとっては未知の怪我はいつまでも心のどこかで後悔につながっていたはず。それをこんな最高の舞台で、最高の展開で供養出来るのは本当に素晴らしいではないですか。やっぱり主人公でしょこれ。


もうね、司の活躍で十分すごかったのに、この姫コの流れが凄すぎて震えます。ここまで青西全員頑張り過ぎて、作品の最後の試合なんじゃないかと錯覚してしまうくらい。それくらい濃いでしょこの団体戦。これより凄いものなんて想像出来ないぞ。


そして遂に来た大将戦。エース永遠が満を持して登場。

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「勝ちたい 去年を超えたい」

全員が全力を出し切って、全員の思いを一つにして、まさしく団体戦という名にふさわしい戦いをしてきた青葉西高の面々。その総大将 エース氷浦永遠が団体戦の勝利を賭けて遂に大将戦へ。

去年は4人で挑まざるを得なく、実力としても遥かに劣りながらも後に優勝する立川学園に立ち向かい、力及ばず2人目で敗退してしまった青葉西高。

そんな悔しい思いを晴らすべく、全員で挑んできた団体戦、去年を越えるべく3回戦で立ちはだかったダークホース幸徳学園。誰よりも努力していて、誰よりもその強さを信頼されていて、チームとして誰もが認める、誰もが信頼している永遠の戦いに全てが掛かっています。今、全ての思いを受けて、全員で去年を乗り越えようとする姿が本当に美しい


青春だなあ。ホント素晴らしいなあ。こんな青春を送りたかった。そんな素晴らしい「もういっぽん!」はテレビアニメ化も決まったようでますます楽しみですな。

にしてもこれ、勝敗どうなるんだろ。いや、公式Twitterとか作者Twitterとかフォローしてたらそれっぽい結果が流れてきてしまってるので想定は付いてるんだけど。しかも明らかにここが最後の戦いの勢いで濃い描写なんですよ。2年生の金鷲旗団体戦はここでおしまいで、3年で未知も含めて乗り越えていくという展開になりそう。その場合誰が団体メンバ外れることになるんだ。。。あまり考えたくないなあ。。。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


15巻の感想はこちら(2回目の金鷲旗、青春と若さをぶつけ合う)
16巻の感想はこちら(最高に熱い青春ドラマが眩しすぎる)
18巻の感想はこちら(強者同士の思いをぶつける戦いが熱すぎる)


もういっぽん!【電子特別版】 17 (少年チャンピオン・コミックス)
村岡ユウ(著)
秋田書店 2022-03-08T00:00:00.000Z
5つ星のうち5.0
¥495




おまけ
姫コの存在や強さって、姉の姫野紬が未知たちを通してまさしく紬いだものなんだなって。そこまで考えて「姫野紬」って名前にしたのかな。だとしたらセンスありすぎだなあ。