60巻まで来た「GIANT KILLING」です。59巻の磐田戦がまだまだ続くのかと思いきや、なんとあっという間に決着がついてしまいます。いよいよリーグ戦最終節に向けて話が加速してる感じがしますね。

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「椿が7番を…あの頃と同じくらい輝かせてくれてるんだな」

正直59巻であれだけ良い勝負をしていたのに、60巻では椿完全復活の生贄にしかならなかったですね磐田。「GIANT KILLING」は既にETUよりも椿大介の物語に主軸を置いてるところがあるので、こうなっては仕方ないです。

とはいえ、この60巻ではETUだけでなく、上位を争うガンナーズと名古屋の戦いにもフォーカスを当ててくれます。

ガンナーズは窪田を始めとした強敵揃いだし、名古屋もETU前監督の不破率いる外国人3枚組の、物語序盤で苦しめられた相手です。彼らの戦いが見れるのが実に良かった。志村カッコいい。ぺぺも久々に活躍していいですなあ。


そしていよいよ次節、リーグ戦の優勝が決まる戦いにETUが臨むことになります。60巻まで続いた「GIANT KILLING」も、綺麗にリーグ優勝で見事GIANT KILLINGを成し遂げるのでしょうか、見どころです。

合わせて、来季の契約の話を絡めて不安要素もまた出してくるのがシナリオ作りとして上手いです。チームが優勝に向けてモチベーションを上げている中、来季契約で不安がる選手もいて、という構造が一筋縄では優勝できないことを語ってくれています。


そんな中でやはり注目を集めるのが選手の主人公である椿なんです。メンタルが弱いものの誰よりもサッカーが好きで向上心があって、夢にも思わなかった世界で戦うことを実現した椿。誰よりもETUの中で、いやリーグの中で一番成長した椿。そんな椿が、海外移籍するかどうかの話にフォーカスが当たります。

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「ここですごい選手になって 移籍するならたくさんのお金をETUに残したいって思ってます」

この椿の急成長もまた、まさしくGIANT KILLINGだと思うのですよ。「GIANT KILLING」という作品は、初めは監督達海猛の物語としてスタートを切りました。達海猛がETUをリーグ優勝させるGIANT KILLINGの物語だったのです。

そこに、もう一つのGIANT KILLINGである椿の存在を出すことで如実に面白さが増したものとなっています。既に達海猛の物語ではなく、椿大介の物語である意味の方が大きなものとなっています。達海猛という主人公を喰ってしまう椿大介、これこそがこの作品内で最大のGIANT KILLINGではないでしょうか。

椿の存在なくして「GIANT KILLING」がここまで面白さを続けることはなかったと思います。それくらい、この椿大介という主人公は魅力的なんです。読み続けて良かったホント、60巻までずっと面白いのは本当に素晴らしい。


あとやっぱり、リーグ戦終わって本編がETUのGIANT KILLINGとして終わったら、椿のスピンオフが始まって世界へのGIANT KILLINGとか始まらないかな。絶対面白いと思うんだよなそれ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


59巻の感想はこちら(リーグ戦も遂に終盤)


GIANT KILLING(60) (モーニングコミックス)
ツジトモ(著), 綱本将也(その他)
講談社 2022-02-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥715