前作「Helck」のアニメ化が決まった七尾ナナキの新作「異剣戦記ヴェルンディオ」3巻です。

『Helck』がテレビアニメ化決定! 七尾ナナキ先生による、謎の勇者と魔族が繰り広げる冒険ファンタジー。原作漫画30話分も無料公開中 | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com

これには本当にびっくり。「Helck」自体も結構前に終わった作品で、正直そこまで流行ったものでもないと勝手に思っていました。面白いと思って最後までは読んではいたけれども。

「Helck」はなー、最初が完全に出オチで、このあとどうするんだろうと思ったら徐々にシリアスな方向になり始めて、最後はシリアスのまま終わった作品という記憶です。熱い物語で好きな人は間違いなく好きな部類ですね。アニメ始まったら「人間が憎い」のシーンあちこちで使われそうな気がするw


というわけで本題に戻りまして、今回は「異剣戦記ヴェルンディオ」3巻のお話です。素直な感想として、2巻と比べると全体的に面白いと感じました。

2巻は始めたはずの酒場要素があまりなく、新キャラの回収巻というイメージでした。3巻では、そのキャラたちとともに酒場運営をしていくという流れになっています。つまりようやく酒場としてまともに話が展開していきます。
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「ようこそ!ポッフィー亭へ!」

はい、見事に酒場運営出来てますね。2巻で出てきたサフィーアが看板娘となり、荒野ゆえたまにしか来ないお客さんを血が滴るナイフで歓迎しています。

このアンバランスさ、まさにサフィーアの人間関係としての不器用さを表してて面白いなと。良いですよねこういう表現、行動がキャラを表すようなの好き。あとサフィーアの髪って赤だと勝手に思ってたんだけど3巻の表紙で青と判明。イメージ変わるなー。


そんなこんなで話が色々展開していきます。酒場運営をしてるがゆえに訪れる人から情報が得られたり、そこからいよいよ異剣戦争で天下を狙っているムンディマ新教団や新国家ファルカが登場して関わっていくことになります。

彼らと関わるに従い、2巻で身内になったサフィーアやシュラクもクレオとコハク陣営として大きく関わっていくことになります。

なので、なるほど2巻まではまだまだ設定説明の段階だったということですね。ちょっと時間が掛かってしまったけれども、サフィーアとシュラクの掘り下げを先にやったということになるのでOKでしょう。2巻でちょっとつまらなくなったかもなーというところから、また面白くなり始めました。これはこの先も期待できるかも。

まあ冷静に考えたら、クレオが生きていた時代から100年経ってるわけで、知り合いがコハクしかいない彼らの世界をより面白く描写するためには、様々なこの時代の関係者を登場させる必要があったということでしょう。

しかも町じゃなくて荒野の酒場だから来てもらうしか発展しないですからね。来るのは野盗ばかりなわけですし、サフィーアたちに参加してもらうためにはすこーし長い描写をしないとならなかったのは納得。

3巻で出てきたシュベルやモルカナも良いキャラだし、ただでさえ異剣戦記という戦争物になりそうなので、勢力図だったり登場人物も相当多くなるのでしょう。もしかしたらまだまだ設定放出の途中かもしれませんね。これからもっと面白くなることを期待します。


あと話の途中で入るオマケ4コマが面白い、思わず笑ってしまったw


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら (戦乱の世の辺境の地にて酒場を開く)
2巻の感想はこちら (酒場要素どこ??)



異剣戦記ヴェルンディオ(3) (裏少年サンデーコミックス)
七尾ナナキ(著)
小学館 2022-02-17T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.9
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Helck(1) (裏少年サンデーコミックス)
七尾ナナキ(著)
小学館 2014-08-18T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.7
¥607