出オチから一転、シリアス路線に移って面白くなった話の続きが読める「何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?」5巻です。

この5巻からまた、大きく路線が変わります。4巻の利三とお遥の決着が着き、光秀が天下統一の仕上げに掛かるところから始まります。

そしてここで残機が2という信長がお遥の持つ臣下としての忠誠に心を揺り動かされて、という流れとなります。

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あの信長が、家臣を道具としてしか見ていなかった信長が、家臣の為に自らの命を賭して時をくりかえす。この流れは正直読めなかったので、素直に驚きました。


そうして時を戻った信長は、とりあえず光秀を斬り殺して再度やり直すというギャグも忘れない二段構えです。シリアスを打ち出しつつ、しっかり地のギャグを忘れないサービス精神が嬉しいです。


その後さらに時をくりかえし、大きく歴史を改変する為に信長が動き出すのが新たな路線となっています。単なる出オチで終わらせない、タイムリープものだからこそ、主人公の成長を促して大きく物語を流動させる。これぞお話作りの鉄板ものではないでしょうか。

このタイムリープをテーマにした主人公が信長であり、おまけに本能寺の変を防ぐという歴史改変自体がありそうでなかった設定なんですよね。最初はギャグとしか見ていなかったものの、じっくりと構想を練りなおして壮大なシナリオにしていくのは良い方向に想定外でした。

この流れって、思ったよりもずっと面白い方向に変わってきてると思うんですよ。冷静に読み直すと絵も上手いし、ところどころギャグもしっかり忘れてないし、これこの調子で進めば大作に化け得るのではないでしょうか。期待。


ただ、ちょっと理解出来てないところがあって、信長の残機はあと1なわけですが、ばんばんタイムリープしまくってるんですよ。

てっきりタイムリープの数==残機だと思ってたのですが、もしかして死んだ回数==残機なのかな?だとしたらタイムリープする条件ってなんだっけ?これまで死なないでタイムリープしまくってるんだっけ?読み直さないとわからんなあ。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


3巻までの感想はこちら (タイムリープ信長を出オチで済ませない立ち回り)
4巻の感想はこちら(ギャグ路線からシリアスに転向?急激に面白くなった)
6巻の感想はこちら(歴史改変信長物語の面白さはゲーム感覚に通ずる)
7巻の感想はこちら(上杉謙信立ち塞がる)
8巻の感想はこちら(都合のいい展開を何度繰り返しても謙信が息の根止めに来るんじゃが)


何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(5) (ヤングマガジンコミックス)
藤本ケンシ(著), 井出圭亮(著)
講談社 2022-02-04T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.6
¥726