みんな大好き最強の元殺し屋アキラはまだまだ活躍の場が出てこない「ザ・ファブル The second contact」2巻です。

いつも通りというか、基本自分からは動かず巻き込まれ系主人公であるアキラです。だけど裏で着々と話が動き始めてるのが面白くてじんわり怖い。

今回のスタートは真黒組と紅白組の抗争が始まりそうなところからです。抗争のきっかけも1巻から始まっており、紅白組のきな臭い話だったり紅白組内部の問題がありそうだったりと抗争の外堀を徐々に埋めているイメージです。


そんな中、前回のファブル騒動で次々と幹部がいなくなりすっかり苦労人になってしまった海老原組長、その渋いカッコ良さが光ります。まともな大人は海老原組長とタコちゃんしかいないんじゃないかと思ってしまうくらい。

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「言っとくがあの状況で──俺が身柄さらってなかったら‥‥おまえ──殺されてたぞ!!」

渋い。カッコいい。その他にも、もうファブルとは契約を切ったからアザミとユーカリは口出しするなという念の押しよう。前作の序盤と比べると一番カッコ良くなったキャラは実はこの人なのではないか。


そしてその抗争と並行して、アザミやユーカリのレンタルおじさんとしての仕事の話や、腐ったイワシの缶詰を食べて腹を壊す非常にくだらないギャグ回を挟むセンスが凄いw

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「でも──便所は渋滞してるぜ!」


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「スゴイ──!!マイケル・ジャクソンみたいなポーズで──肛門を絞り上げて──‥‥祈ってるわ──‥‥」


便所は渋滞という表現が凄いし、アザミがうんこを我慢しているという描写が面白過ぎるwww おまけにこの話だけで1話まるまる掛けるという徹底振りwww

そうなんですよね、「ザ・ファブル」シリーズってこの緩い感じ(大便がじゃないよ)のノリでギャグだったりシリアスだったりが展開されていくから面白いんですよね。だからこそファブル側メンツの余裕が垣間見えて良いというか。

色々と事件が起きても必死になるのは一般人やヤクザだけで、終始アキラやヨウコ達は終始のんびりムード、だけど締める時はそのテンションのまま難なく締めるのがやはり魅力です。ある意味そこがテーマですしね。

しかもアキラ達は自分から何か問題を起こしてるわけでもない巻き込まれ系で、ただただうるさいハエを処理してるだけです。カッコいい。


話も前述したとおりゆっくり動き始めていて、いよいよアキラが動きだしそうなところで3巻へ続きます。話が大きく動かなくても相変わらず面白いのはさすがです、当然次巻も期待します。

あと作者コメントで遂に台詞中の「──」が言及されました。何気にこれが一番必見かも。



眠気覚め度 ☆☆☆☆


1巻の感想はこちら(俺たちのアキラが帰ってきた)
3巻の感想はこちら(今度はアキラではなくヨウコを掘り下げていくのでしょう)
4巻の感想はこちら(序盤からプロVSプロの抗争が熱い)
5巻の感想はこちら(ファブルとルーマーの全面戦争が始まりそうで面白さが加速中)
6巻の感想はこちら(全面戦争開始にワクワクドキドキが止まらない)