女子高生が実家の畑を守る為に鹿退治の罠猟をする「罠ガール」7巻です。山賊ダイアリーだったりカメ五郎氏の動画が大好きな私がこの作品を見逃すわけがありません。


7巻は前巻の続きである皮なめしからスタートです。普段何気なく使ってる毛皮もこんな大変な工程をしているのだと再実感。カメちゃんの動画でも非常に大変そうでしたね。


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「せん打ち」で余計な肉や脂肪をこそぎ落として、



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「脱脂洗浄」して、



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なめし液に漬ける。


この後さらに毎日皮が固まらないようなめし液に漬けながら繊維を伸ばしていく作業です。大変な作業ですが、これは古代の人たちはずっとやってきたんですね。化学繊維や綿や絹万歳ですよこりゃ。

それにしても、この「なめす」という工程を生み出したのは本当に凄い。昔の人凄い。さいとうたかをの「サバイバル」でもやってましたが、古代の人間は毛皮を口で柔らかくする過程で生み出したんだとか。それこそ最初は食べるものを極限まで摂取するための口なめしだったのかもしれませんね。人類は偉大だ。

あと何気にこの工程、やってみたかったりしますw 自分で狩りまでいかなくても、いつか狩猟鳥獣を解体するというのやってみたいんですよね。絶対始めて少ししたら疲れた言い出すと思うんですがw


7巻の後半は昨今話題の「キョン」退治です。ここ数年、房総半島でキョンが異常に増えているというニュースを見たことがあります。まさに時事ネタ。

また作品内で語られていましたが狩猟鳥獣指定もされていないのだとか。指定してしまうと追い回されて生息範囲広まってしまうらしいです。

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「たくさんの人が捕れるようになっちゃうと いろんなところで追い回されて生息域が広まってしまうからじゃないかな」


なるほどなあ、難しいですね。ゆくゆくは被害が増えれば狩猟鳥獣になるのでしょうが、先は長そうです。味は鹿よりもクセが無いらしいので乱獲してしまえば絶滅させられそうだけど出来ないのかな。特定外来生物だからいいと思うんだけど。それをするにしても猟師が足りないか。


そしてこの作品の罠ガール、狩猟慣れすぎ問題。色んな技術を使って極めて安全に捕まえた獲物の息の根を止めます。カメちゃんなんてあんなに危険なめに合いながらトドメ刺してたのにこんな技術があるとは。

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これ、片方に罠が掛かったので、もう片方の足にもロープをくくりつけて動けないように固定してるんです。あとづけロープも物干し竿のように長い獲物を使ってつけてるし、なんて賢いんだこの技術は。

トドメも長い得物を使った電気ショックで気絶させてるし、カメ五郎の世界では見れない世界が「罠ガール」では見れます。まあ、カメちゃんは自力でやってるからこそ面白いのは確かなんだけれどもw


こんなガチ狩猟が見れるのが「罠ガール」の魅力ですね。とびぬけた面白さは無いけれども、いつも安心して読めます。これぞ狩猟の日常系。



眠気覚め度 ☆☆☆

8巻の感想はこちら(キョンもカモもイノシシもぜーんぶ解体見せちゃいます。)

罠ガール(7) (電撃コミックスNEXT)
緑山 のぶひろ(著)
KADOKAWA 2022-01-27T00:00:00.000Z

¥663