さあやってまいりました「ハコヅメ」逆打ち感想の6巻です。だいぶ来ましたね、もう少しで走りきれます。

6巻最初の話は「セーグのミカタ」。セーグは性具です。ガサ入れでおとなのおもちゃをひたすら見つける回です。
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「ハコヅメ」は下ネタが絡むととことん面白いので、この回は何度読んでも笑ってしまいます。特にうぶでおぼこな川合がおとなのおもちゃの存在を一切知らず、美容器具と嘘付かれて一緒に買いに行きましょうと浮かれるところまでがホントに面白い。ていうかガサ入れ現場でそんな会話してんじゃないよw

ただこの話、しっかり良い話も盛り込んでるんですよねー。ドラマでは下ネタ一切NGだったのか原作で面白いところはほとんど表現されず、ただ良い話のところだけがフォーカスされてました。勿体なかったです。


お次の「腹スメント」はおそらく藤・松島・桃木セットの初登場かな?カナと牧ちゃんがひたすらやられ役になるというある意味レア回。というよりも、二人の可哀相な表現はこのあたりから始まった気がします。

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「バカ よく見ろクッションだよ 早く出るぞこんなトコ」

このあたりから源のクズっぷりも徐々に出てきたような。後輩には基本良い先輩だけど、同期相手となるととことんクズになる源が素敵。あと地味に源と山田の趣味がパチンコというのが判明した回でもあります。その後そんな設定一切出てこないけれど。

この話はドラマでしっかり再現されてましたね。カナがいないからカナのお腹の肉をずっと揉む桃木分隊長は見れませんでしたが。


それから「鑑識の常識」。いぶし銀の三郎55歳が出てくる話です。ドラマでは最終話にねじこんできましたよねこれ。この回は珍しくほとんど茶番、単なるコントを繰り広げて、そのついでに鑑識のイロハを教えてもらえるという感じです。聖子ちゃんと源がちょっとずれてるのをうまく表現した回とも言えるかもしれません。


そして「非"情事"態発生」。山田が合コン相手とデートに行くのにひたすら源が邪魔して聖子ちゃんが全然興味ないやつです。この頃の聖子ちゃんは山田の恋愛事情全然興味ないけれど、最近は山田の恋愛きちんと邪魔してますよね。たぶんそっちの方が面白いと気づいたのでしょう。

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「あんたちょっと大丈夫?ここ川合んち 私の部屋隣でしょ」「そんなのいいから聞いてよ」

こういうネタが本当に好きなんですよ。この2コマだけで腹抱えるくらい笑えます。こんなセンスある表現、そして全てがわかるような表現はなかなか無いですよ。正直山田の話と聖子ちゃんの話を全スルーする話よりも、このシーンがこの話で一番笑った記憶があります。


次は「現場のプリキュア」。ドラマでは終盤の方で、桜の事故と絡めてかなり重く描かれたところですね。原作では軽めに描きつつも交通事故に関してもの凄く鋭い解説をしています。為になる。

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「でもお兄さん 運転中3秒目をつぶってって言われたら怖くてできないでしょ」

できないっすねー。走りながらナビ見るのも怖いです。たまに対向車がハンドルの上に手を置いてスマホを両手でいじりながら運転してるの見たりするのだけど、どういう神経だったらそんな運転できるのだろうか、信じられません。

この話で川合が無事だったことに安堵して泣く聖子ちゃんは桜のことの伏線だったのか、それともそれだけ川合のことを思っているというだけの表現だったのか。両方の線がありそうですね、秦三子先生は事前に伏線になりそうなものはひたすら入れてるって話でしたし。

それと源のイケメン気遣いが見れる回でもあります。こういうことやるから人たらしなんだよな源は。


そしてこの6巻極めつけの面白さを誇る「笑ってはいけないお誕生日会」です。
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「実は本日 署長のお誕生日だ」「へぇ」

このどうでもいい情報と、川合のあまりにも興味が無い「へぇ」の一言から始まる通常点検回。ここが「ハコヅメ」史上で一番笑った回かもしれません。

ドラマでも第1回からこれを盛り込むことで視聴者のハートを掴んだ感がありますよね。原作ほどではないけれども、ドラマ版でもここは面白かったです。




まあ中身はドラマの動画を見ていただくか実際に読んでいただくかするとして、個人的にはこの回でもう1点絶対に言及しておきたいことがあるのです。それがカナなんですが、、、

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このカナ、不細工過ぎない?www

だって数話前のカナはこれですよ?w
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これもう別人レベルで違いますよね?こんな顔ポッチャリしてないでしょw

じゃあ他のキャラかというと、このページには既に川合も聖子ちゃんも牧ちゃんも描かれているわけで、そもそも町山署には女性警察官自体が少ないわけで。間違いなくカナしかいないはずなんですよ。で、これ。正面からとはいえこんな顔するだろうか。


もう一度比較しましょう。
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カラーなのにこの顔はちょっとwwwwww

このカナの顔にすごく笑ってしまったんだよなあ。そこで完全に掴まれて、そのあとも爆笑展開でホント面白い回でした。


そんな最高の回の次は「手心と親心」というこれまた面白い回。またもや活躍してくれるみんなのアイドル副署長。ドラマでもここはあったけど、ちょーっと原作通りの面白さにはならなかったかなー。最初の方で聖子ちゃんの多重人格のような不思議ちゃんキャラが視聴者にはまだ伝わっていなかっただろうし、山田役の山田さんもツッコミが原作の様に静かではなく、妙に声張ってツッコんでたし。






お次は「似顔絵ソウル」。川合先生再登場です。源の仕事に掛けるサイコっぷりも出てくる回です。ただこの回は、普段笑い話にしてしまったり気持ち悪いと一言で思ってしまうような事件を、実はもの凄く恐ろしい事件なのだということを認識させてくれる回でもありました。

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「知らない男がクローゼットの中を漁っていた。婚約者に気づいた男は逃走、婚約者がクローゼットを確認したところ、下着入れの中のパンツ全て、陰部の部分が切りとられてなくなっている状態だった」

ここだけ見ると、とんでもない変態の空き巣だという認識にしかならないじゃないですか。下着を盗るのではなく、その一部にだけ執着している到底理解の及ばない変態だってだけなんですよ。それくらいにしか思わないんです、普通の日常を送っている一般市民にとっては。

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「そのド変態と鉢合わせたのが 被害女性のほうだったら大惨事になっただろうね」

これなんですよね。ここまで理解には至らなかったですが、冷静に考えるとそういうことなんですよね。すんでのところで、人的被害が出る恐ろしい事件だったわけです。これを読んだ瞬間は本当にゾクッとしました。最悪の想定をするとこうなってしまう、ただの変態とバカにしてるわけにもいかないのだと。

鉢合わせということを表現されると、一気に現実感を帯びてしまうんです。もしも誰も居ない家に1人で帰った時に、知らない人間が部屋にいたら?ああ怖い怖い。


最後が「AV勧進帳」。川合がAVタイトルを読み上げて、山田がそれを書きとめていき、聖子ちゃんがマジックミラー号の「MM」を「SM」の誤表記ではないかと確認してしまい、源が「MM物陳列棚」ではなく「企画物陳列棚」と表記するのが適当であると発言する回ですね。ていうかAVの話しかないやこれw

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そして更に山田が愛澤艶琉のファンであることが発覚する回でもありました。2作目出てました?って質問出るあたり、相当ガチだぞこれ。


そんなこんなで、6巻は非常に笑いが絶えない「ハコヅメ」です。感想書くために全話読み返してるんですが、やはり何度読んでも面白いですね。



眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
ハコヅメ5巻の感想はこちら(とにかく笑える内容盛り沢山)
ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
ハコヅメ8巻の感想はこちら(これ警察学校で習ったやつだ!)
ハコヅメ9巻の感想はこちら(色々な話が詰め込まれている、これぞハコヅメ)
ハコヅメ10巻の感想はこちら(迷惑防止条例と強制わいせつの違いが勉強になります)
ハコヅメ11巻の感想はこちら(1巻の伏線を見事回収、この日の出会いを何度も後悔することになる)
ハコヅメ12巻の感想はこちら(同期の桜完結、川合の成長を感じられる最高の展開)
ハコヅメ13巻の感想はこちら(アンボックス事件のカップルが登場)
ハコヅメ14巻の感想はこちら(奥岡島事件発生篇)
ハコヅメ15巻の感想はこちら(奥岡島事件解決篇)
ハコヅメ16巻の感想はこちら(1巻で出てきたキャラが再登場する感動の成長譚)
ハコヅメ17巻の感想はこちら(アンボックスを読んだ後に読むと非常に切ない)
ハコヅメアンボックスの感想はこちら(警察の負の感情を全力で主張した傑作)
ハコヅメ18巻の感想はこちら(即ハメあんあん激イキスクール)
ハコヅメ19巻の感想はこちら(20巻を読むために覚悟させられる巻なのではないか?)
ハコヅメ20巻の感想はこちら(アンボックス級のシリアス話が一貫した傑作巻)
ハコヅメ21巻の感想はこちら(虎松譲二事件完結!大事件の事後処理といつものギャグパートが再開します)
ハコヅメ22巻の感想はこちら(恋愛要素満載で話を畳みに来てます)


ハコヅメ~交番女子の逆襲~(6) (モーニングコミックス)
泰三子(著)
講談社 2019-03-22T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
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