眠気が覚める面白さを求めて

12巻でそろそろ追い続けるのをやめようか悩んでいた「終末のワルキューレ」13巻です。びっくり、普通に面白く読めました。



そもそも全然面白くなかった釈迦と毘沙門天の戦い。いつのまにか毘沙門天が七福神全員と合体して零福になり、それも釈迦が圧倒し、今度は戦争だのノリでいきなり出てきたこの波旬。今までの「終末のワルキューレ」なら必ずこの波旬の紹介で過去回想が1話から2話くらい使って戦いに水を差していたはずですが、今回はそれがほぼ皆無。

皆が波旬って誰？どこの神？誰も知らないの？という茶番から、ハデスとベルゼブブが出てきて、あっという間に4ページで解説してくれました。そうだよ、これくらいでいいんだよ掘り下げなんて。

そうして釈迦と波旬の激闘が始まるわけです。これがどうしてなかなか読み応えがあるというか、そういえばこの作品はキャラの背景とか掘り下げとかどうでもよくて、何も考えずにバトルシーンを読んで、すげーつえーかっこいいーすればいいだけのものだということを思い出させてくれました。




途中このシーンを見て、「まさかここから波旬の過去掘り下げないよな？それしたら13巻それで終わってしまうぞ」と思わず声が出てしまいましたが、この回想はなんと次のページで、たった2ページで終わってくれたのです。

そうなんです、回想なんてこれくらいでいいんです。そもそもが「終末のワルキューレ」は有名どころの神だったり歴史上の人物を出してるわけですから、キャラの掘り下げを改めてやる必要なんてないんですよ。


最初の方だって「呂布は強い、トールもなんか凄い、おおーカッコいいー」だったわけじゃないですか。それでいいんですよこの作品は。深い裏とかにこだわっていないのです。カッコいいバトルシーンが見れれば満足のはずなんです。

それがいつの間にか、読み直していないので間違いがあるかもしれませんが、少なくともジャックザリパーとヘラクレス戦くらいからやたらと掘り下げるようになった気がします。その煽りを受けたシヴァと雷電戦に至っては両者の回想をやっていたような。

そこに来て、釈迦が圧倒してるにも関わらず釈迦も零福も掘り下げるということをしてしまったのだからそりゃテンポが悪い悪い。求められていないところをグダグダ描かれたらつまらないと思ってしまうわけです。


が、この13巻でようやく初期の頃のテンポの良さが戻ってきた感じがしますね。今後もこれくらいのノリでやってくれると何も考えずに読めて面白いんだけどなあ。

そして13巻できっちり戦いを終わらせてくれたことが非常に非常に非常にグッド。ページをめくる度に、「え、終わるよね？終わらないで次巻で決着とかないよね？というか終わりなさいよ？いや早く決着つけろって」と思った次第です。これで決着つかなかったら絶対文句いいまくってました。


ただ、気になることとして、凄いバトルで「おーすげー」だけの作品だからいいんですが、もうこの決着の仕方ごちゃごちゃし過ぎて何がなんだかという感じｗ

そもそもスタートからして、神だった釈迦が人類代表として戦うという神対神だったわけです。そして、零福はいつの間にかいなくなって神の代表が波旬になりました。だけど神側のほとんどが波旬のことを知らず。そんな状態で波旬を神側として扱っていいの？というのが1つ。


そしてもう1つが、ネタバレになってしまうのであまり書きたくないのですが、最後釈迦と零福が力を合わせるみたいな展開になっちゃうんですよ。

は？と。かつての敵は今は味方理論ですか？と。もう神と人間が争ってるんだか神と神が争ってるんだかそもそも戦ってた相手はどういう立場だったのか結局何と戦ってるんだかわからない始末なんです。もうめちゃくちゃｗ


まあ、前述したとおり、そんなところは深く考えないほうがいいのでしょう。なんでもありだし、そういう世界だしなこれ。変に矛盾とか考えないで、頭からっぽでバトルを楽しむべきです。

だからこそ、13巻のようなテンポの良い戦いを続けてほしいなー。回想とかもう全然いらんからさ。回想にはwikiのURL貼っておくとかでいいからとにかくバトルを盛り上げてくれｗ


眠気覚め度 ☆☆☆


12巻の感想はこちら(1回の戦いが長くないですかこれ)
14巻の感想はこちら(7戦目開始で15巻へ弾みをつけるための巻です)
15巻の感想はこちら(また過去回想をまるまる1話やったりしてだらだら長くなってます)
16巻の感想はこちら(始皇帝とハデスの戦いって地味じゃない？)
17巻の感想はこちら(ベルゼブブの回想を戦闘前にしたのはグッド)