勇者パーティ内のエルフが長命ゆえにパーティの人生を看取り、その後の人生について描写されるまさに目の付け所がいままでになかった「葬送のフリーレン」6巻です。

サンデー掲載ということもあって既に超有名作品でもあり、わざわざ紹介する必要も無いと思いますので素直に感想だけ述べていきます。

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まずそもそもとして、よくこのような一発で終わりかねないネタを6巻とはいえやり続けていられるなあと。凄いことだと思うんですよ、ある意味世界平和が訪れた以降の話を考えているわけですから。それはつまり、モチーフとなるファンタジー世界を更に掘り下げたことであるのです。

およそ一般的に想定されるファンタジーのお話といえば、人類と魔族の対決があり、その決着を持ってお話が終わるというのが定番です。「葬送のフリーレン」は結末の先に存在する、エピローグを掘り下げて、さらに新たな物語を紡いでいるところが実に素晴らしい。


そんな「葬送のフリーレン」ですが、正直ベースな話、最初の設定がそろそろ生かされなくなってきてるのかなと。それこそ今のパーティメンバーがかつてのメンバの弟子だったり、どこに言ってもその名が轟いていたりと設定の妙があるのですが、魔法使い試験になってからその設定が割りとどうでもよくなっているような。

決してつまらないというわけではないのです。ただ、パンチが弱い気がします。元々文字多目で淡々と展開されるのが持ち味なわけですけれども、それがただただ続くように思えてしまうというか。やってる内容も試験に対して参加者があれこれするというだけの話なので、元の設定は関係無いのですよ。設定を活かしてこそのテーマだと思ったので、この流れはちょっとなあと。

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このあたりとか文字が多くてなあ。内容も状況説明が多いというのがきつい。


たぶん、この魔法使い試験に出てくるのが元のメンバメインではなく新キャラメインだからなんじゃないかなと。仲間たちは過去の勇者パーティとも多少なりとも縁があるキャラですし、それぞれもキャラが立っているので読んでてやり取りが面白かったのです。それが今の魔法使い試験だと弱いですよね。


素直な感想を述べると、面白さは少し薄まってきたかなというところでしょうか。続刊も買うかどうかは正直微妙になってきたかも。決してつまらないわけではないのですけれども。

読んでる途中で眠くなって寝てしまったというのが致命的だったかもしれません。


眠気覚め度 ☆☆


葬送のフリーレン(6) (少年サンデーコミックス)
山田鐘人(著), アベツカサ(著)
小学館 2021-11-18T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.8
¥462