目的を持った双子が1人の養子として潜入し、2人1役を演じる「ミギとダリ」の最終7巻です。最初から最後までなんとも不思議な作品でした。ギャグなのかシリアスなのか境界線が曖昧というかなんというか。

2人1役を演じるというのはそのままの意味で、周りの人間には1人しかいないようにずっと振舞うのですよ。団欒の食事シーンですらそれをつらぬくのです。そのシーンが捉えようによっては本当にギャグにしか見えなくて、割と笑えてきます。

そのシーンが、まさかこの最終7巻では哀愁漂うような表現になるとは思いもよりませんでした。7巻までミギとダリ二人の心情描写が描かれ、この7巻で本来の目的を果たし、その先に表現される結果なのですなあ。


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「ぼくの幸せがダリの幸せであるように」


なので、同じことを描いていても捉え方が変わってきます。上手いですね、こういう表現。最初と最後で同じことを描いていても違う意味に捉えられるパターン好きなんです。

そしてそんな不思議なギャグかと思えば、真相のストーリーはシリアスだったりするのです。7巻でこれまでの謎が全て明かされて、ミギとダリの目的が果たされます。その真相も正直笑い飛ばせるようなものでなく、まるで昼ドラ。中盤までギャグ表現で、実はそれが布石で、最後はシリアスで締める技術がお見事です。


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「ダリの幸せがぼくの幸せだ」


シリアスシーンもちょいちょい元々ギャグだった内容をそのまま表現してて、シリアスの中にギャグをそのまま同梱してるのとか好きだなあ。しかも作中は誰もふざけていないという。やはりなんとも不思議な作品です。なんとも形容し難い。いくら書いても面白さが伝えられる気がしません。

これは読んだ人にしかわからない雰囲気であるでしょう。是非とも読んでみてほしいところです。不思議な雰囲気にじわじわ引き込まれて、いつの間にか読み進めてしまっていることでしょう。


眠気覚め度 ☆☆☆


ミギとダリ 1 (HARTA COMIX)
ミギとダリ 1 (HARTA COMIX)
posted with AmaQuick at 2021.12.17
佐野 菜見(著)
KADOKAWA 2018-04-14T00:00:00.000Z
5つ星のうち4.4
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ミギとダリ 7 (HARTA COMIX)
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佐野 菜見(著)
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