個人的最高峰ギャンブル漫画「ジャンケットバンク」の5巻が早くも発売されました。

前巻4巻のジャックポットジニーが決着したあとからのお話となります。しかし、ジャックポットジニーは実はまだ勝負は決まっておらず、雛形の死亡待ちの状態です。その間、真経津は新しい勝負が出来ないという説明から始まります。

そこで閑話休題、真経津は次の遊びを探して、学生がイカサマをして執拗に設けている賭場へ潜入するのが、この5巻のメインとなります。


そこで登場する悪質イカサマギャンブラーが京極学くん。なんとこの学生、あの関谷仁の一番弟子なのです!!
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あの関谷仁の!
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あの関谷仁の!!
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あの関谷仁の!!!
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あの一番最初に真経津にメタメタにやられた関谷仁の一番弟子なのです!!!
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もうこの話の流れの時点で既に真経津にとっては単なるお遊びのギャンブルだということがわかりますねえ。いいんです、たまには生死が掛かっていないようなギャンブルがあっても。こういう気楽な、如何にイカサマギャンブラーを陥れるかの話もアクセントとして非常に重要なわけです。

感覚的には、「エンバンメイズ」3巻で出てきたゴードーたちを思い出しました。
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「エンバンメイズ」3巻より。このあと烏丸を罠に掛けようとしてメタメタにやられます。この話は何よりもゴードーくんのいつまでも続くしてやったり感と、それを踏まえての烏丸のいなし方が本当に面白かった。

「エンバンメイズ」の彼らはそのあと烏丸たちと仲良くなって話に絡んできたのがまた良かったんですよね。良いキャラしてて、それまで足りなかったお調子者枠を埋める形で。

しかし、「ジャンケットバンク」5巻の京極たちはただただ真経津の踏み台にされたところがちょっと可哀相かなと思ったり。


そしてこの学生イカサマ師の勝負に、なんと過去に戦った彼らが参戦するのが最大の見所だったりします。

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サウンドオブサイレンスで死んだと思っていた村雨さんの再登場。
4リンクにいることがおかしいと揶揄されるほど頭がおかしい村雨さんですね。借金を返してくれない人の身体を解剖して、身体の中から誠実さを捜し求める純然たるキ○ガイです。


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気分屋ルーシーで手を貫かれながら、ただただ真経津にはめられた獅子神くん
序盤で真経津に負けた獅子神くんといえど、ランクは4リンクなわけですから、当然関谷仁の一番弟子など足元にすら及ばず。

彼ら3人がギャンブラーとしての格の違いをまざまざと見せていくのがこの5巻の見所です。

最後の決着も「エンバンメイズ」で見たことがあるような要素を見せてくれて、「エンバンメイズ」の面白いところを「ジャンケットバンク」でも表現してくれたのかなと思ってしまうくらいです。

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徹底的に追い込む村雨さんカッコいいなー。あんなキ○ガイで敵に回したら嫌なやつだったのに、味方にしたらなんと頼もしいことか。

というか、村雨さんはともかく、獅子神くんは真経津戦でほとんど見せ所がなかったのに、今回の動きで一気に評判を挽回するほどの活躍を見せました。こうやって出てくるなら正直今後も再戦してほしかったり。

あと妙にこの3人が仲良くなっていくのがまた見ものです。変人同士は変人同士でつるむとはまさにこのことではないのか。


と、ギャンブラーサイドはお遊び要素満載のお話でした。一方、銀行サイドの御手洗くんがとんでもないことになっていきます。

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「真経津さんが死ぬ時に嘲笑なんて必要ない」

ジャックポットジニーの雛形の死が見世物になっていることに憤る御手洗くん。見世物を運営しているのは特5であるので、それをどうにかするために宇佐美主任を課長へ昇進させるべく、他の主任を倒す発言をします。

しかし、主任解任権はキャリア100年。それを実現するためには、自らの命を賭してでもキャリアを稼ぐことを決意していきます。

3巻までの感想でも少し言及したのですが、「ジャンケットバンク」はギャンブラーサイドだけでなく、銀行員サイドも狂っているのが特徴です。そこには実は理性的な人物などいなく、彼らが全て行き着くのは破滅なのです。その為に、彼らはギャンブルに身を投じているのです。

元より狂っているギャンブラーサイドに対して、御手洗くんは特四に入るまではまだ正常な人間でした。しかし銀行員としての退屈さを感じ、真経津という男をその目で見てしまい、既に真経津というギャンブラーの行く末を見届けることが目的になっています。ギャンブラーに魅せられた者としてまた、狂い始めているのです。

そうして、御手洗くんもまた、真経津と共にギャンブルの闇に浸透していくのでしょう。ということは、今後は闇に落ちた御手洗くんの覚悟が見れそうでますます楽しみですね。


5巻は閑話休題の愉快なお話と、次の戦いが始まる直前までの描写となりました。6巻から、また新たな命を賭けた戦いが見れることでしょう。次巻も楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


3巻までの感想はこちら(大金を持つ銀行は最高の賭場になり得る)
4巻の感想はこちら(まさかの決着方法に脱帽のジャックポットジニー篇完結)
6巻の感想はこちら(またもや驚きの結末を迎える「アンハッピー・ホーリーグレイル」戦はこの巻で全て読めます)
7巻の感想はこちら(一皮剥けた御手洗くん篇)
8巻の感想はこちら(話の展開が全く見えなくなってきました)
9巻の感想はこちら(ヒーローズジャンケットがギャンブラーと銀行員を大きく動かす)
10巻の感想はこちら(ライフ・イズ・オークショニアはジャンケットバンク史上最大の面白さ)