逆うちハコヅメ感想も9巻まで来ました。9巻は如月部長が初登場です。まさかこのあと町山署に配属になってあれよあれよとスタメンに昇格するとはこの時は思いもしませんでした。しかも9巻の描かれ方はまさにできる警察官って感じだし。18巻時点での流れは全く想像出来ません。

そして抱腹絶倒の町山的実践訓練があるのも9巻ですね。ホントこれは笑いが止まらなかった。これこそドラマでやって欲しかったところでもあります。

最初は那須部長の奥さんが出産する、変態ばかりの町の話。変態の話で笑わせつつ、出産後でほっこりする話。刑事って大変だなと思わせてくれる一節です。

お次は聖子ちゃんと源が無線とマイクでやり取りして副署長に怒られる話。
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ここはやり取りが軽快でテンポ良くて面白い。これぞハコヅメのコントと思わせてくれる流れです。ある意味ハコヅメの真骨頂と言ってもいいのでは。

あと何気に桃木分隊長が初登場?してます。初じゃなかったかなー、ここまでほとんど名前しか出てなかった気がするんだよな。

続いて如月部長の初登場に加えて源の器の小ささが大いに発揮された「太陽にほえたい!」。
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ここも大笑いした記憶があります。夕日を背景に何を言い出すかと思いきや。これまで仕事っぷりから源アゲが多かったですが、この辺りからプライベートは完全にポンコツでダメ人間であるところが大きく掘り下げられてる気がします。源の運命はここから決まってしまったのか。

そして川合の同期と葵教官のお話。どこまでが本当に警察学校あるあるなのかはわかりませんが、これまた壮絶な学校時代だったことが描写されています。確かにここで徹底的に厳しく、理不尽に耐えられるように教育しておかなければ、警察官になってからの理不尽には太刀打ち出来ないのであろうと思ってしまいます。

それにしても、1時間走で水をぶっかけられたのが優しさとか、それは本当に優しさなのかどうなのか。止まれない状態で、汗だかよだれだかわからない状態でなら、水掛けられたら嬉しいのかもしれない。嬉しいかもな。。。

あとなんだかんだ感動で締めて泣かせようとしてくるのやめてください。

お次は宿直のお話。聖子ちゃん良い匂いするけどマウンテンメスゴリラなんだよね。あとここは川合聖子ちゃんにフォーカスを当てつつ、源山田のおっさんに包まれるところがメインだったり。
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「布団から いろんなオッサンのにおいがする」

いやこれはきつい。布団まではともかく、枕が嫌ですよね。布団の敷き詰め具合、雑魚寝具合はドラマ版の方が実はひどかったりします。

そしてこのあとの緊急事案の聖子ちゃんが相変わらず有能なんだこれが。
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この難しい言葉使って煙に巻く感じがホント有能。こういう手合いの相手も慣れてるんだろうなあ。ホント理不尽よね、このマスクにいちゃもんつけてくる流れ。元々の素質もそうだけど、何よりもこれまでの勤務経験を大いに生かした対応に見えるのがまたグッド。

次がカナの話ですね。アンボックスのオープニングでも描かれた警察学校時代の1シーンから始まります。
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このシーンがなあ、この話自体は山田のダメ出しの話であり、カナが有能なところを見せてくれるものだから、この時のカナの気持ちにはなかなか思い至らないのが上手いなあと。カナの表情もちょっと暗いですが、これは山田に持たせてしまった罪悪感から来るものと見えるのではないでしょうか。

その真意はアンボックスで語られるわけです。漫画表現ならではのミスリード、というかこれはある意味どうとでも捉えられるシーンだけど、人の本心というのは明かさないとわからないと教えてくれる名シーンではないでしょうか。
アンボックスの話はこちらでしてます。

お次は水難救助訓練。この手の全員集合はまさしくコント回で毎回面白い。みんなのアイドル副署長が大活躍しますしね。

この話でもカナが良い味出してるんですよね。
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「外れ警察官代表として言わせてもらいますが」「うちの代表頼もしい…」

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「なんだこの企画物AVみたいな状況」「カナ 口に出さないでくんない?」

ホントこの流れが秀逸。言いたいこと言ってしまうカナが本当に面白い。聖子ちゃんや源山田と違ってツッコミ内容が1レベル上の感があります。牧ちゃんじゃこうは行かないしなあ。やっぱカナだよなあ、こういうネタが抜群に光るのは。

そしてそして、抱腹絶倒で笑いが止まらなかった「町山的実践訓練」ですよ。本部教養課のおえらいさんに「実践的総合訓練」を完璧に見せるためにやらせを行う話。これこそ源と山田が大いに活躍する話と言えるでしょう。
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このアンジャッシュのすれ違いコントばりに噛み合わない人達。さらにこの後に山田も加わって、あれよあれよと話が展開して、もう笑いが抑えられない状況に。なんでここまで笑える話が作れるんだろう。これもドラマでやって欲しかったなあ、めちゃめちゃ人気出ただろうなあ。

最後はカリスマショップ店員になりたい女の子が盗撮されて山田に聴取されるお話。実際の性犯罪でも、こういう状況多いのでしょうね。実害がパンツ撮られただけだとしたら、怒りはすれども警察で話するまで帰れないとかめんどいと思う人もいるでしょうし。

この話でなかなか効いたのが「なぜか性的な犯罪だけ被害者に原因を求める人が少なくないが、犯罪は犯した人間が悪い」ということ。こう言われると、確かにそうだよなと。よく、空き巣に入られるのは鍵を掛けないで出かけた方が悪いということも聞きますが、防犯の観点としてはそうだとしても、悪いのは入った犯人なのですよね。

そういったところが、何故かすり替わってしまうことがあるのが難しいところではないかと。確かに未然に防げたと言えばその通りなのだけど、そうすると犯罪者が悪く無いのかと言うとそうではないですし。自衛は自衛、犯罪は犯罪。別物として考えないとならないですね。


ハコヅメも9巻まで読み戻すと、この辺りはまだオムニバスの展開だからこそ面白い頃だったように思えます。このあとは桜の話にフォーカスが当たったり奥岡島事件の話があったりと、大き目の話が中心になっていきます。

しかし、もともとハコヅメの人気が出た要因は、こういったオムニバスで展開される話のひとつひとつが非常に丁寧で面白く描かれていたことによるものでしょう。だからこそ、この頃のハコヅメが実は一番ハコヅメたらしめてる内容なのかもしれません。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


ハコヅメ3巻の感想はこちら(川合先生初登場の似顔絵特別捜査本部)
ハコヅメ4巻の感想はこちら(黒田カナ伝説はここから始まった)
ハコヅメ5巻の感想はこちら(とにかく笑える内容盛り沢山)
ハコヅメ6巻の感想はこちら(伝説の笑ってはいけないお誕生日会が収録されたハコヅメの最高傑作巻)
ハコヅメ7巻の感想はこちら(煽り役としてパーフェクトな聖子ちゃんが見れます)
ハコヅメ8巻の感想はこちら(これ警察学校で習ったやつだ!)
ハコヅメ10巻の感想はこちら(迷惑防止条例と強制わいせつの違いが勉強になります)
ハコヅメ11巻の感想はこちら(1巻の伏線を見事回収、この日の出会いを何度も後悔することになる)
ハコヅメ12巻の感想はこちら(同期の桜完結、川合の成長を感じられる最高の展開)
ハコヅメ13巻の感想はこちら(アンボックス事件のカップルが登場)
ハコヅメ14巻の感想はこちら(奥岡島事件発生篇)
ハコヅメ15巻の感想はこちら(奥岡島事件解決篇)
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ハコヅメ17巻の感想はこちら(アンボックスを読んだ後に読むと非常に切ない)
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