実はこのナポレオン、非常に面白くて大好きなシリーズなのです。Kindleを手にした2013年末くらいからすぐに読み始め、あれよあれよと長谷川哲也版ナポレオンにはまっていきました。

「ナポレオン~獅子の時代~」で描かれる下積み時代から、イタリア方面軍で大活躍していく流れが最高に面白く、その上笑いまで誘うという。歴史物をここまで娯楽として表現できるのは「蒼天航路」か「へうげもの」か、この「ナポレオン」かと思っているほどでございます。

なによりこのナポレオンが超合理的な上に決断力もあり部下からも恐れられまくっているのがホント最高。読んでて笑ってしまうところも多くあり本当に面白い。元々カリスマが高い人物ですが、それをしっかり描写されているのが素晴らしいのです。

そんなナポレオンのお話も、覇道進撃21巻にて遂にナポレオンが皇帝の座から下ろされるところまで来てしまいました。

ロシアに攻め込むも敗北を喫し、しかしただでは転ばぬ戦争の天才があれよあれよと反撃をしている最中のパリ陥落。その辺りを描いているのがこの21巻です。敗走を繰り返したり、これまでの友人や部下も次々と戦死、自殺、引退していったり、悲しい話が続きました。「獅子の時代」で活躍を知ってるからこそその悲しみもひとしおです。

自分は実はこのあたりの西洋史にあまり詳しくなく、この「ナポレオン」で全て知ったくらいのものです。ロベスピエールとかすら知らなかったです。そんな私ですから、フランスの隆盛は大筋しか把握しておらず、誰がどうした等は知らない次第です。

だからこそ、ここにきてタレイランが全面的に表に出てきて大活躍などすると思わず、その流れにびっくりと同時に、その手腕にただただ脱帽でした。それならもっとナポレオンの時にも表に出てくればいいのにとも思ったり。

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そして遂にナポレオン追放。この作品もいよいよ来るところまで来ましたね。獅子の時代から合わせて36巻、もう少しで完結してしまうのは寂しいところですが、最後まで突っ走っていただきたいです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


ナポレオン~覇道進撃~ 22巻の感想はこちら(まだまだ続くタレイランの華麗なる政治)
ナポレオン~覇道進撃~ 23巻の感想はこちら(100日天下と最後の戦い)
ナポレオン~覇道進撃~ 24巻の感想はこちら(ワーテルローの戦いが破滅への道)
ナポレオン~覇道進撃~ 25巻の感想はこちら(全ての運命に見放されたナポレオン)
読み切り版の感想はこちら(1812-崩壊- 前編/後編 prototype ナポレオン ~獅子の時代~)