家庭を省みず定年退職、妻と死別し悲しみに暮れた男が仕事に選んだのが風俗店だったという「はたらくすすむ」です。風俗店が舞台ではありますが、風俗そのものがメインではなく、そこで働く66歳の新人アルバイトすすむさんの物語となります。

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とはいえ、風俗描写はガッツリあるので苦手な人は無理かも。実際のピンサロに取材しているそうで、おそらく実際のものとそう差はないものとなっているのでしょう。だからこそ、そこに勤める女の子の描写だったり裏の顔だったりがリアルで面白い。

そんな彼女たちとのやり取りを通して、死別した妻へのこれまでの態度を後悔したり、娘との関係について悩んだり、連絡を取り合っていない息子との関係改善を目指したりとすすむさんが奮闘するのが見所。元下着会社の経験を生かして女の子達の出勤や客当ての管理をバリバリしたり、女の子を気遣ったりするところもなかなかグッド。おまけに元々の優しさからか女の子達の信頼も勝ち取り、アルバイトとはいえ店の中でも重要なポジションになっていく成り上がりストーリーです。こういうのはやはり読んでて面白い。

ただ気になるのが、成長することに対していちいち妻との思い出に浸ったり妻への後悔にふけったりするところがちょっとしつこいかなと思ったり。もちろん成長するために過去を振り返って反省し前向きに対応するためではあります。なのですがその頻度が多くてちょっとしんどいかなあ。問題発生→過去を後悔→問題解決へ奮闘するという流れを毎回やるようなものなので。

とはいえ、全体的に明るく、少しエッチで、女の子も可愛く、ラクに読めます。4巻で完結してるので気楽に読んではいかがでしょう。講談社なので定期的に1巻が無料になるのもグッド。


眠気覚め度 ☆☆☆