現在連載中の中でもマジパネェ存在感を放出しまくってるのが「忍者と極道」ッス。何がパネェッてとにかく生首が大量に飛ぶ。飛ぶ飛ぶ飛ぶ。そして生首がそのまま喋る。んで、死んでいく。大物以外は最後必ず生首なんじゃないかってくらい飛ぶ。だのにその描写に一切不快感を覚えさせず、むしろ清々しい清涼感すら感じてしまう。つまり生首を飛ばすことを極上のエンターテイメントに仕立て上げている。それが「忍者と極道」が傑作であるゆえんなのです。
その「忍者と極道」の6巻が発売されました。いやはや、毎週Web更新も追っかけているので話を理解しているとはいえ、やはりこうして単行本としてまとめて読むとまた面白いですね。
忍者と極道のWeb連載はここで読めます。
さて、6巻の舞台は「割れた子供達(グラス・チルドレン)」篇のバトル開始からとなっています。総理官邸に潜入したガムテ率いる大量のグラス・チルドレンと、逃げ惑う米国大統領を含めた首脳陣、それを守りつつグラス・チルドレンをブッ殺していく忍者、そしてその場にいた極道側の親玉である輝村極道。極道の一部隊であったグラス・チルドレンと極道(きわみ)がぶつかるということが、このグラス・チルドレン篇がこれまでと大きく違った転換期の話だということが読み取れます。
これまではあくまで忍者と極道との戦いに終始しています。その過程で忍者も極道も双方少しずつ重要人物を失い、戦力を削られている流れとなっていました。
しかしこのグラス・チルドレン篇は、単に忍者(しのは)とガムテの因縁に留まらず、ガムテと極道(きわみ)の親子因縁にも踏み込んでいます。ある意味、忍者と極道という2勢力の争いに第3勢力が狼煙を上げたとも言えるでしょう。ということは、このグラス・チルドレン篇は「忍者と極道」のストーリーとして大きな意味を持っているはずなのです。
6巻の最後は遂に忍者(しのは)と極道(きわみ)が戦闘中に出会ってしまうところまでです。そう、「フラッシュ☆プリンセス」を共通言語として深い友人関係となった相手が、本来は敵対する相手だったと気づいてしまうことになります。
友人が実は敵だったという、ある意味ベタベタな王道展開ではありますが、これがどうしてこんなにも面白く読めるのか。それはやはり、キャラの立て方が素晴らしいということにあるでしょう。
その大きなポイントとしては、忍者も極道も互いに信念を持って行動していることです。忍者は裏世界で世のために極道をブッ殺すことを生業とし、その姿を表すことなく極道を処分するという信念。極道は長年辛酸を舐めされられ続けた忍者を駆逐してやろうという信念。お互いの信念がぶつかるからこそ、お互いの正義がぶつかるからこそ、どちらも全力で事を成そうとすることに我々は惹かれるのです。
また、それらに軸を起きつつも、日常生活では普通の人間と同様に些細なことに悩んだり、好きな趣味があったりという人間臭さが窺えるのが良いスパイスとなっています。そしてその対象が忍者(しのは)も極道(きわみ)もプリキュアをモチーフにした「フラッシュ☆プリンセス」というアンバランスさがまた良い。しかも「フラッシュ☆プリンセス」を忍者(しのは)が推すおかげで関係者や総理大臣にまで普及していってるのがまた愉快。どんだけ作者はプリキュア好きなんだろう。
しかもですよ、その「フラッシュ☆プリンセス」も細かい設定がされていて、忍者(しのは)も極道(きわみ)も推しキャラがヒースたんというプリンセスの敵キャラで、プリンセスとヒースたんの関係性がまさしく忍者(しのは)と極道(きわみ)と同じというのがまた憎い。好きなアニメと同じ事を現実でやっていると2人が気づいた時、その関係がどうなるのかワクワクしてたまらないです。そういうシナリオの立て方も本当に上手い。
話も設定も面白い上に、絵の構図もカッコいいものが多いことも面白さに拍車を掛けています。例えば6巻最初の2ページですが、コミック開いた最初からこうですよ。
警備員の生首を飛ばして回るグラス・チルドレンに対して、
グラス・チルドレンの生首を飛ばして回る忍者(しのは)。対比で描かれててもの凄くカッコいい。漫画の見せ方というのが凄く上手い。この2ページだけで、互いの勢力がどういう動きをしてるのかわかるのがホント上手いです。しかも勢いがあるし、前述したように生首が飛んでるのに何故か清涼感があるし。ベリーグッド。
あともの凄く好きなのが、大物勝負になった時に互いに名乗り上げるところです。それがたまらなくカッコいい。これからガチでタイマン張るから覚悟しろよテメーって感じでホントカッコいい。パネェ。
このスタンスは絶対崩してないのが本当に素敵。負けた方も全力尽くして、信念持って戦ったが敵わなかったという見え方するのが本当に良い。こう、厨二病じゃないですけど、子供の頃カッコいいと思ったものが全部詰まってる感じがするんですよね。漢気溢れるというか。忍者も極道も両方がものすごくカッコいいから素直に好きになれます。そして忍者側は殺した後に必ず「ブッ殺した」って決め台詞を告げるのもカッコいい。言葉は汚いのにそのアンバランス感がたまらないです。
カッコいいと言いつつ、極道側は一般人殺しまくったり法で裁くにはぬるすぎるようなことばかりしてるので、実際にこんなのがいたら笑ってる場合じゃないのだけど、それが何故か読んでて不快にならないのがまたこの作品の凄いところ。キャラが立ってるからなんだろうなあ。一応忍者側が主人公なのだけど、極道の方を応援したくなってしまうのは忍者が強すぎるからか、それとも極道側の方が妙に人間臭いからか。
というわけで、「忍者と極道」は今読むべき極上のエンターテイメントです。まだ6巻までだし、オンラインでも多少は読めるので読み始めるなら今のうち!
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)
10巻の感想はこちら(第2部スタートの狼煙が上がる極道革命)
書いてて「忍者(にんじゃ)」と「忍者(しのは)」と「極道(ごくどう)」と「極道(きわみ)」の表現をどうしようか四苦八苦しました。少なくとも忍者(しのは)と極道(きわみ)は読み仮名振らないと何のこと言ってるかわからないよね。
その「忍者と極道」の6巻が発売されました。いやはや、毎週Web更新も追っかけているので話を理解しているとはいえ、やはりこうして単行本としてまとめて読むとまた面白いですね。
忍者と極道のWeb連載はここで読めます。
さて、6巻の舞台は「割れた子供達(グラス・チルドレン)」篇のバトル開始からとなっています。総理官邸に潜入したガムテ率いる大量のグラス・チルドレンと、逃げ惑う米国大統領を含めた首脳陣、それを守りつつグラス・チルドレンをブッ殺していく忍者、そしてその場にいた極道側の親玉である輝村極道。極道の一部隊であったグラス・チルドレンと極道(きわみ)がぶつかるということが、このグラス・チルドレン篇がこれまでと大きく違った転換期の話だということが読み取れます。
これまではあくまで忍者と極道との戦いに終始しています。その過程で忍者も極道も双方少しずつ重要人物を失い、戦力を削られている流れとなっていました。
しかしこのグラス・チルドレン篇は、単に忍者(しのは)とガムテの因縁に留まらず、ガムテと極道(きわみ)の親子因縁にも踏み込んでいます。ある意味、忍者と極道という2勢力の争いに第3勢力が狼煙を上げたとも言えるでしょう。ということは、このグラス・チルドレン篇は「忍者と極道」のストーリーとして大きな意味を持っているはずなのです。
6巻の最後は遂に忍者(しのは)と極道(きわみ)が戦闘中に出会ってしまうところまでです。そう、「フラッシュ☆プリンセス」を共通言語として深い友人関係となった相手が、本来は敵対する相手だったと気づいてしまうことになります。
友人が実は敵だったという、ある意味ベタベタな王道展開ではありますが、これがどうしてこんなにも面白く読めるのか。それはやはり、キャラの立て方が素晴らしいということにあるでしょう。
その大きなポイントとしては、忍者も極道も互いに信念を持って行動していることです。忍者は裏世界で世のために極道をブッ殺すことを生業とし、その姿を表すことなく極道を処分するという信念。極道は長年辛酸を舐めされられ続けた忍者を駆逐してやろうという信念。お互いの信念がぶつかるからこそ、お互いの正義がぶつかるからこそ、どちらも全力で事を成そうとすることに我々は惹かれるのです。
また、それらに軸を起きつつも、日常生活では普通の人間と同様に些細なことに悩んだり、好きな趣味があったりという人間臭さが窺えるのが良いスパイスとなっています。そしてその対象が忍者(しのは)も極道(きわみ)もプリキュアをモチーフにした「フラッシュ☆プリンセス」というアンバランスさがまた良い。しかも「フラッシュ☆プリンセス」を忍者(しのは)が推すおかげで関係者や総理大臣にまで普及していってるのがまた愉快。どんだけ作者はプリキュア好きなんだろう。
しかもですよ、その「フラッシュ☆プリンセス」も細かい設定がされていて、忍者(しのは)も極道(きわみ)も推しキャラがヒースたんというプリンセスの敵キャラで、プリンセスとヒースたんの関係性がまさしく忍者(しのは)と極道(きわみ)と同じというのがまた憎い。好きなアニメと同じ事を現実でやっていると2人が気づいた時、その関係がどうなるのかワクワクしてたまらないです。そういうシナリオの立て方も本当に上手い。
話も設定も面白い上に、絵の構図もカッコいいものが多いことも面白さに拍車を掛けています。例えば6巻最初の2ページですが、コミック開いた最初からこうですよ。
警備員の生首を飛ばして回るグラス・チルドレンに対して、
グラス・チルドレンの生首を飛ばして回る忍者(しのは)。対比で描かれててもの凄くカッコいい。漫画の見せ方というのが凄く上手い。この2ページだけで、互いの勢力がどういう動きをしてるのかわかるのがホント上手いです。しかも勢いがあるし、前述したように生首が飛んでるのに何故か清涼感があるし。ベリーグッド。
あともの凄く好きなのが、大物勝負になった時に互いに名乗り上げるところです。それがたまらなくカッコいい。これからガチでタイマン張るから覚悟しろよテメーって感じでホントカッコいい。パネェ。
このスタンスは絶対崩してないのが本当に素敵。負けた方も全力尽くして、信念持って戦ったが敵わなかったという見え方するのが本当に良い。こう、厨二病じゃないですけど、子供の頃カッコいいと思ったものが全部詰まってる感じがするんですよね。漢気溢れるというか。忍者も極道も両方がものすごくカッコいいから素直に好きになれます。そして忍者側は殺した後に必ず「ブッ殺した」って決め台詞を告げるのもカッコいい。言葉は汚いのにそのアンバランス感がたまらないです。
カッコいいと言いつつ、極道側は一般人殺しまくったり法で裁くにはぬるすぎるようなことばかりしてるので、実際にこんなのがいたら笑ってる場合じゃないのだけど、それが何故か読んでて不快にならないのがまたこの作品の凄いところ。キャラが立ってるからなんだろうなあ。一応忍者側が主人公なのだけど、極道の方を応援したくなってしまうのは忍者が強すぎるからか、それとも極道側の方が妙に人間臭いからか。
というわけで、「忍者と極道」は今読むべき極上のエンターテイメントです。まだ6巻までだし、オンラインでも多少は読めるので読み始めるなら今のうち!
眠気覚め度 ☆☆☆☆☆
7巻の感想はこちら(忍者と極道の共闘は生首エンターテイメントを最高潮に盛り上げる)
8巻の感想はこちら(グラス・チルドレン篇最高潮、ガムテと忍者の決着迫る)
9巻の感想はこちら(ガムテが主人公になりました)
10巻の感想はこちら(第2部スタートの狼煙が上がる極道革命)
書いてて「忍者(にんじゃ)」と「忍者(しのは)」と「極道(ごくどう)」と「極道(きわみ)」の表現をどうしようか四苦八苦しました。少なくとも忍者(しのは)と極道(きわみ)は読み仮名振らないと何のこと言ってるかわからないよね。