いまや「異種族レビュアーズ」で超有名になった天原先生が原作の作品が「貞操逆転世界」です。いやホント、この人は発想がセンスの塊。なんでこんな面白い設定がポンポン生み出せるのか。しかも設定の一発だけでなくて、妙に根拠のある設定を作ってくるのが実に上手い。天原先生の作品は面白いものが多いです。

「貞操逆転世界」はタイトルの通りで、男女の性観念が逆転した世界の話です。それを特にオーバーに表現した世界となります。世の中では男性はエロにオープンであり、女性は比較的クローズな態度を取るのが一般的ですが、それが逆転しているのです。つまり女性がエロにオープンで、男性がクローズな世界。女性の裸には大きな価値は無いとされていてメディアでは大々的に報道可能であり、男性の裸には非常に大きな価値を見出す世界なのです。

その代表的な例が童貞と処女の価値観です。今際の世の中では童貞は捨てるもの、処女は守るものなんて揶揄されることもありますね。一度も攻め込んだことのない兵士と一度も攻め込まれたことがない砦の例で例えられたりすることも。これが逆転するんです。

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これが「貞操逆転世界」。よくもまあこんな設定を思いつくものだとひたすら関心。だとしても、この作品に出てくる女性キャラは男でもそんなのはそうそういないぞというくらいエロに吹っ切れていますが。

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エロ全開。まあ男同士でもこういう話になったらここはそういう反応するかな。。。

で、この作品の真髄は、この設定を存分に生かすために「元の世界からこの貞操逆転世界に迷い込んだ」というキャラを作り上げることで上手く話を回してるんですなあ。

これが実に上手い。貞操逆転していることに気づいた女子高生が主人公なわけでして、この世界に戸惑いながらも徐々に順応していく姿を見せてくれるのです。とはいえ、貞操が逆転しているだけで他は至って普通であるので、そこまで不便そうでもないのもまたグッド。

というわけで、設定1本だけでも思わず読んでみたくなる「貞操逆転世界」はライトエロジャンルとしておすすめです。絵も上手くて女の子も可愛いので読んでて楽しくなります。設定の割にはそこまでエロくはないし。いうて男子高校生のエロ話レベル。


眠気覚め度 ☆☆☆

4巻の感想はこちら(いくら貞操逆転しててもここまでエロに人生賭ける人間はそうそういないでしょ)