神宮寺が失意の底に叩き落された田中名人との過去勝負編!!

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3月のライオンのスピンオフとして大いに期待されて連載が始まったものの、蓋を開けてみたら思った以上にカッコつけの塊で中身が割りとペラペラだった「3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代」 の2巻は、神宮寺がドン底から這い上がるきっかきになった、ドン底に落ちることになった田中名人との過去勝負を描いています。(いきなりひどい出だしだな)

正直あまり期待せずに2巻を読み始めたのですが、これがなんと2巻で持ち直した感があります。割と面白い。若くして勝ち続け名人への挑戦権を得た、己の強さに絶対の自信を持つ神宮寺の振る舞いと、それを軽々といなす将棋の化物の田中名人、2人のやり取りは見ものです。将棋に本当に命を掛ける田中名人、命を掛けてるつもりだったが己の未熟さに気づき死の恐怖に脅えてしまった神宮寺。これからこの田中名人にリベンジを仕掛けるわけですから、二人の因縁の描写としては良かったと思います。

どこまでも傲慢に振舞う神宮司は賛否両論あるかもしれませんが、私はこういうタイプの主人公が好きなのでグッドです。逆に田中名人の生い立ちまで書いちゃってるけど、それは無くても良かったかなあ。名人クラスになると別に強さの秘密とかは必要無く、ただただ強い、誰の手にも負えないという表現で十分んじゃないかと思います。生い立ちとか出すのは神宮寺が追い込んでからとかの方が良かったのでは。


というわけで、1巻のせいで2巻を読む人は減ってしまっているかもしれませんが、全然悪く無かったです。この調子で進むなら期待できそうですよ。


1巻の感想はこちら (3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代 1巻 - ZMANの西川秀明が描く昭和時代の将棋物語)

眠気覚め度 ☆☆☆