「その数値はキミの性欲を表している。使うたびに増えるから気をつけた方がいいよ」

人一倍勉学に励み課題を解くことは出来るが、基本的な頭の回転が遅いために会話もたどたどしく、試験の結果も思わしくない女子高生 結城美菜実。彼女が欲したのは考える為の時間。それを得るために差し出すものは性欲の上昇。

そんなまさしくエロ漫画的な設定が「ぼくらのふしだら」です。 
というかエロ漫画です。掲載誌が違えばこの設定を理由に毎回毎回あんなことやこんなことやの話になっていたでしょう。
しかしこの漫画の違うところは、この設定をサスペンス風に持っていっていることです。(作品の半分はエロですけど)

最近、異様に性欲が高まり勉強どころではなくなってしまった結城美菜実。
そしてそこに悪魔の囁きが。。。

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その結果、いつの間にか胸には数字が刻まれていて。。。
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時間を止める能力を持つことになった結城美菜実ですが、時間を止めれば止めるほど性欲が溜まっていき、男に少し触れられるだけで大いに反応してしまう身体になってしまいます。
それどころか、理性が抑え切れずに見知らぬ男性を襲ってしまうようなことも。
つまり、時間を止める能力の代償に理性を失うほどの性欲を持ってしまうんですね。
使うのであれば、性欲を発散する方法を確立しなければならないわけですし、そもそも今後性欲に耐えられるかどうかもわかりません。

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が、それを受け入れ、能力を積極的に使っていくことを決意する結城美菜実。そこにはこれまでのコンプレックス、ストレス、未来への希望、そんな溜めるに溜められ続けられた負の感情が前提になっています。
常人ならば危険だと察しすぐに手放すところを、そんなことが出来ないくらいまで追い詰められていたんですね。
そういう原因も色々と表現しているのでその心理状態への持っていき方も無理が無く納得できます。こういう描き方は上手い。
それをエロに結びつけるのはさすがだとは思いましたが。


さてさて、そんな時を止める能力、性欲さえなければ無敵なわけです。スタープラチナだって数秒しか時を止められないのに、こっちは性欲さえどうにかすれば無制限ですからね。
とまあ、そんな力があれば事件が起こらないはずもなく、結城美菜実は危険な領域に突入していきます。

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うん、なかなか読ませるなあ「ぼくらのふしだら」
エロじゃない設定だったらどうなるんだろうとか、エロだからこそこんなに良く出来ているのかとか思ったり思わなかったり。
これは続きが楽しみ。


2巻の感想はこちら (ぼくらのふしだら 2巻 - 性欲と引き換えに時を止める少女、その結末)

眠気覚め度 ☆☆☆☆