2021年10月

賭博堕天録カイジ 24億脱出編 13巻 - 13巻まで来てこんな逃亡戦に1巻まるまる掛けるの??

いつの間にかKindle版が配信されていたのでようやく読んだ「賭博堕天録カイジ 24億脱出編」の13巻です。来月11月には14巻が出るので、それに合わせてKindle版が出ていたのでしょう。大体1巻分の時間差でKindle版が来ますので。

気づいたら13巻まで出てたんですねこれ。黙示録、破壊録、堕天録が13巻だったので、後発シリーズも13巻完結と思いきや法則が崩れたのが和也編の10巻から。それからワン・ポーカー編が16巻で、24億脱出編が13巻でまだ終わらず、と。

というかずっと堕天録ですね。堕天録シリーズで52巻か。24億脱出編の14巻が出れば53巻。

え!?53巻!?そんなにこのシリーズやってるの!?

数えてみたらびっくりしてしまいました。どこまで堕天を続けるんだカイジよ。。。


そして13巻の話に戻りますが、続きに続いてる24億脱出編。逃げて保険証を取りに実家に帰って銀行口座を作って車を買って移動を続ける日々。13巻まで来てもまだまだ終わり気配がありません。

今巻のメインは突然始まった債務者とのカーチェイス。正直なところ、12巻のくだらないキャンパーとの話で1巻が終わるよりは全然よかったと言えるのですが、だとしてもこのカーチェイスひとつで13巻まるまる使うのはいかがなものかと。

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ただまあ、このやり取りで1巻使えるほどネタが続くのは福本先生の才能よな。確かに思考から何から何まで丁寧に描いたらここまで引っ張れるわ。

信号無視したり、対向車線に無理矢理入り込んでバック切り替えししたり、でも決して事故を起こすでもなく淡々と。現実にこんな追われ方をしたらこういう風になるのかなと想像は出来ます。そこが上手さか。

しかし、全く話が進展しないのはいかがなものかと。そもそも逃げ出さないで最初から勝ちを認めさせればこんなことになってなかったのに。ただそれだと、それ以上の話に発展しようが無いから逃げてるのか。

果たしていつまで続くのか「賭博堕天録24億脱出編」。文句言いながらも読み続けてるのは信者の証よな。。。


眠気覚め度 ☆☆


12巻の感想はこちら (黒沢が終了した今、福本先生が一番楽しんで描いてるのはこのカイジなのかもしれない)
14巻の感想はこちら (だらだらと進む展開にも関わらず毎巻買ってしまう私はまさしく信者なのだろう)
15巻の感想はこちら(1冊まるまる使った大ネタが仕込まれてるけど話は全く進みません)
16巻の感想はこちら(久々にちょっとだけ話が進みました)



 

天空の扉 16巻 - ゴブリンエンペラーに説教される勇者レイ

勇者レイと真正面から勝負している続きから始まる「天空の扉」16巻です。実質ラスボスなはずなのでさすが強い。

展開としてもこれまでの仲間たちが勢揃いで、ありとあらゆる手段を用いて勇者レイに立ち向かうも、やはり一筋縄どころか二筋縄くらい上手くいかない展開でした。このあたりは最後にルーシュが決める
のも相まって面白く読めたところです。

ただ、そのあとの展開がちょっとなあ。ラスボス倒したのに、即座にそれは無しでーす、もっと防御を固めてしまうので頑張ってくださーい、みたいな展開になっちゃうのがまさしく唖然としたというか。

もちろん、読み進めていくと、この巻でやりたかったことなのであろうゴブリンエンペラーの説教に繋げる為というのはわかるのですが。それにしても既に攻略のしようが無いような防御を敷かれたらどうすんのやこれというところ。やりすぎ。


しかし、その肝心のゴブリンエンペラーの説教はなかなか面白いです。
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「君たちちゃんと 全てがうまくいった後のこと考えてる?」

勇者レイとキャロスは、天空の扉を使って時間を巻き戻し、色々とやり直すのが今の目的並びに人類への復讐としています。

また、天空の扉の発動条件は、人類の90%が死滅することです。それを達成する為に、ゴブリンエンペラーを利用して世界中のゴブリンキングに暴動を起こさせて、人類壊滅を目論んでいるわけです。

が、このゴブリンエンペラーが勇者レイよりも、キャロスよりも、おそらく世界中の誰よりも賢くて、あっという間にレイ達の企みが行き着く先は破滅しかないと見抜きます。その為、やるのはいいけど本当に覚悟はあるのか?とひたすら説教するのです。

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「アホが変に格好つけて「初志貫徹」ってやると世界は最大の迷惑をこうむるからね。アホなことしてると気づいたら変なこだわり持たずに即時方針転換がおすすめだよ?」

煽りよるわこのゴブリンエンペラー。しかも見事にこの勢いに飲まれるレイとキャロス。もう既に、二人はゴブリンエンペラーの手のひらの上です。悪役に対する真っ当な説教で、しかも敵対者ではなくて身内からというこの展開。これこそレイと戦う前にやってもよかったのではないか。

というよりも、この展開だともうレイとやりあうことはおそらく無いのでしょう。そもそも攻略不可能な防御を敷いてしまったし、それを打開せず、他のアプローチで結末に持っていくのだと思います。

それが、結局人類撲滅を実行するのか、もしくはゴブリンエンペラーに従って最終的にゴブリンが世界を支配してしまうのか。全く読めないところが「天空の扉」の面白いところです。気になるから早く次巻出ないものか。



眠気覚め度 ☆☆☆


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)
8巻の感想はこちら (天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟)
17巻の感想はこちら (天空の扉が開かれる時)


天空の扉 16
天空の扉 16
posted with AmaQuick at 2021.10.30
KAKERU(著)
5つ星のうち4.2
¥644


 

3月のライオン 16巻 - 桐山零、新生

約2年ぶりに新刊発売となった「3月のライオン」16巻です。読むのに力がいるのは重々承知していたので、1ヶ月ほど間を空けて覚悟と決めて読みきりました。

16巻はこれまでの桐山零の苦悩を見せてきたのとうって変わって、川本家の一員として年末年始を過ごしていく姿や、恋仲となったひなちゃんとのやり取り、触れ合い、他人を思いやる気持ちにフォーカスを当てています。


そして16巻の最後で、二階堂がまるで読者の気持ちを代弁するかの如く、気持ちを吐露するのです。
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「そっか、桐山 お前、探し始めたんだな 全身全霊で別ルートを。やっと辿りつけたんだな お前のその名と同じ場所 始まりのスタートラインに」


そうなんですよ、この16巻では非常に丁寧に、零の心が解けていく様を描写しているのです。

15巻では、強敵という高い壁に目の前を遮られ、それを乗り越えるためには自身の力が足りない、圧倒的に弱いということに追い詰められていました。これまで自分の居場所を見つけるためにひたすら将棋に打ち込んできた桐山零は、この弱いという事実に自身が1人で立ち向かわなければならないと考えていました。

しかし、既に桐山零には共に苦悩する将棋仲間がおり、師匠がおり、そして何よりも自分を迎え入れてくれる家があります。更にそこには、自身が守りたいと思う相手もいます。桐山零自身はまだ気付いていませんが、実はそれこそがこれまでの桐山零と違う、大きな力となる他人との絆です。

それを誰でもない、親友である二階堂が気づいたのが上記シーンとなります。共に成長してきた二階堂だからこそ言える台詞だからこそカッコいい。

いやあ、ホント、このシーンを描きたいが為のここまで丁寧な描写だったのだと思います。また読んでる最中はそういうことを思わせず、ただただ優しい気持ちになれる話を続けているのがまた凄い。それだけでも十分に面白く質量の高い描写になっていますので。

特に年末年始を家族で過ごすジグソーパズルの話とか、お菓子の組合せ描写の話とか、疲れた時のココアの話とか、まるで実体験ではないのかと思うくらいの丁寧さです。それだけにリアルで、幸せな関係であることが窺えて、こちらも柔らかな気持ちとなれるのです。


ただ、この流れはこれまで読んでた人の反感を買う可能性もあるのかなと思ったりします。将棋がテーマだけれども、今巻は将棋の深い描写は少なく、川本家との触れ合いに重きを置いています。私はこの描写こそ桐山零の成長に必要なものだと捉えました。しかし、半分ラブコメのような展開にもなってます。そこがもしかしたら違和感になる人はいるかもしれません。


すっかり15巻の展開を忘れてしまっていたくらいですが、やはり凄かったです「3月のライオン」16巻。2年待ったことを裏切らないクオリティです。

ただただ心配なのは、毎度巻末で言及される作者様の体調ですので、決して無理することなく、御自身のお身体を第一に考えてお仕事を続けられることを願っています。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆




 

百姓貴族 7巻 - 相変わらず高クオリティの農家エッセイ

荒川弘が自身の経験を基に農家のなんたるかをありありと描く「百姓貴族」7巻です。なんだかんだもう7巻ですか、よくネタが尽きませんなあ。

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今回特に面白かったのは農家と虫の関係。

牛の酪農をやめたら、糞や堆肥によってくるハエがいなくなった。ハエがいなくなったらそれを獲るクモがいなくなった。ハエもクモもいなくなったからそれを食べるスズメも減った。スズメがいなくなったら畑の害虫が増えた。

まさしく食物連鎖ですな。こういうのを実体験出来る農家にはちょっと憧れる。


他にも犬がいなくなったらキツネが来るようになった話とか、野菜泥棒死すべしの話とか、農家ならではであり、かつ農家ではない人がなかなか知りえない、理解し得ない話を淡々とコミカルに進めるため、非常に勉強になります。いかなる職業でも、職業漫画はやはり面白い。

しかも中身が濃い。Kindle版で127ページしかなく、やたら少ないページで出すなあと思ったのですが、字が多いのでとにかく時間が掛かる。それだけ内容が濃いのです。刃牙とかと比べると1ページあたりの所要時間が5倍とかなんじゃなかろうか。

それでいてしっかりオチもつけて笑いを取るのだから、やはり荒川弘の技量がうかがえます、さすがです。正直他の作品よりもこの「百姓貴族」が一番荒川弘らしさを出しているのではなかろうか。


眠気覚め度 ☆☆☆



 

その着せ替え人形は恋をする 8巻 - 五条くんの心の扉が開いた音が聞こえる

コスプレ衣装を作ってることがクラス中にバレても、そんなことを全く意にも介さず受け入れてくれるクラスメイトがとても素敵な「その着せ替え人形は恋をする」8巻です。

この作品、1巻から非常に面白いのでとくとくと語りたいところですが、とりあえず8巻の感想にとどめます。

文化祭の男装コンテストに出るために海夢の衣装を作ることになった五条くん。子供の頃のトラウマで、雛人形や女性ものの衣服が好きなことが周囲にバレることを怖れていた五条くん。そんな五条くんを当然のように受け入れ、全力で応援し、その凄さを認めるクラスメイト達。そんな文化祭が終わるまでの8巻となっています。

この作品、なんだかんだで悪い人間が1人もいなくて、みんなが優しくて、凄く安心して読めるのが特徴です。7巻から8巻に掛けて、そのクラスメイトの優しさを受けてクラスに馴染んで成長していく五条くんが、読んでて幸せな気持ちにさせてくれます。

その究めつけが、この8巻のミスコンに至るまでの心情の変化です。表現が非常に丁寧で、キャラの気持ちが大きく伝わってきます。

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これまで人に頼ることをしてこなかった五条くん。それは相手のことを考えてのことだったのけれど、単なる自分が想像した相手の気持ちでしかなかったことに気付いた五条くん。人との距離を勝手に取り、相手の思いを勝手に決めつけ、自ら孤独になっていた五条くん。

そんな五条くんの気持ちを徐々に溶かしていったのは、言うまでもなく衣装作りと共にコスプレすることをお願い倒してきた喜多川海夢であるわけです。その思いが土台となって、交友関係が広がっていき、この文化祭を通してクラスメイトにも心を開いていくこととなります。

このあたり、五条くんのこれまでの葛藤と、これまでの自分の愚かさに気付く流れとが素晴らしいのです。おそらくそこまで難しく考えていないクラスメイト達と海夢、その差に五条くんが気付き、もっと単純でいいんだと思い至るまでが、クラスメイトとの交流を通して進んでいくのが尊い。



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「ごじょー君が作ってくれた衣装着てメイクして出るんだし あたしは絶対1位になる」

トドメと言わんばかりに、いつも通りの海夢の信頼後押し。他人に頼ることも徐々に覚え、また自分も頼られる存在だと思い知らされる瞬間。自分は他人の為に、他人は自分の為に、決してこの世界では孤独なんかではなく、他人と頼りあっていくものなのだと。



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「俺が喜多川さんを1位にしてみせる」

皆の思いを胸に、海夢の思いを胸に、自分の力を最大限に発揮することに全力で発奮する五条くん。ここのモノローグが本当に最高。

五条くんのこれまでの心情と、クラスメイトから向けられた信頼と、何よりも一番信頼してくれる海夢の思いに応える為に本気で全力を尽くす五条くんが最高にカッコいいわけですよ。その集中力、その覇気にクラスメイトも場を飲まれて何も言えなくなっているところがまた素晴らしい。本気の全力というものは、誰をも魅了するのです。



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五条くんの全力に、これまた全力で応える海夢。絶対の信頼を寄せているからこそ出来る全力の応対。この時ばかりは、ただ単にコスプレを楽しむ女の子から、五条くんの作った衣装に恥じない表現を絶対にしてみせるという気概すら感じえます。

その姿を見て、思わず自分の心をざわつかせられる五条くん。その思いは過去に雛人形を見た時に得た感動と同じものなのか、それともそれを越えたものなのか。だけど紛れもなくそれを実現させたのは、他の誰でもない五条くんその人なのです。


本当に、素晴らしい巻でした。これまでの五条くんと海夢のキャッキャウフフしてたコスプレ漫才から、一気に2段飛ばしで上へ向かった成長譚と言えるでしょう。

何よりも五条くんの成長がはっきりと読み取れたのがとても良かった。これまで閉鎖的だった五条くんが、海夢との出会いを経て様々な人と交流をしてきて、クラスメイトの一員として思い切り心開くことが出来たのは涙無しには語れません。

誰も五条くんに心を閉ざしてなんていなかったんだよ、五条くんが勝手に閉ざしていると思っていただけなんだよ。そこに気付いて、仲間達と仲良くやってることを想像するともうまずい、泣ける。

コスプレ漫画だけれども、実態は五条くんの成長譚でもあるんですよねこの作品。だからこそやはり面白いのかも。そんな五条にホの字で色々思い巡らせる海夢が可愛いというのも全く間違いではないですけど。むしろ序盤はその傾向の方が強かったような。この文化祭篇がやっぱり五条くんに焦点を当てた特別篇でもあるのかな。


次巻からどんな展開なのか今から楽しみですね。また日常コスプレに戻るのかな?そういえば文化祭で五条くんの心情描写がメインとはいえ、その間もコスプレ関連の詳細表現が途切れなかったですね。テーマが少し変わっても、主軸は一切ブレさせないところが素晴らしいです。

あとこんな人気なんだからそろそろアニメ化しないのかなーと思ったら4月くらいに既にアニメ化情報出てたんですね。当時もその情報見た気がするけどすっかり忘れてました。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


9巻の感想はこちら(五条くんが今までで一番の恐怖を感じる巻です)


余談、
特装版と通常版で微妙に表情が違うのがまた素敵です。









アニメの感想はこちらから


1話の感想はこちら
2話の感想はこちら
3話の感想はこちら
4話の感想はこちら
5話の感想はこちら
6話の感想はこちら
7話の感想はこちら
8話の感想はこちら

 

2021年週刊ビッグコミックスピリッツ47号ざっくり感想

2021/10/25 週刊ビッグコミックスピリッツ47号のざっくり感想となります。
メガテンが近づいてきたけどまだSwitchあらず。発売日までに有機EL版手に入らなかったら普通のやつ買う流れかこれ?


それでは今回も適当にいってみましょー。


■15分の少女たち -アイドルのつくりかた-
  いいねこの展開、SNSに晒される覚悟はあるかい?

■九条の大罪
  ウシジマくんやんこれ。

■土竜の唄
  回想は2回で終わってよかったー

■プラタナスの実
  朋美篇これで一段落かな?

■教場
  うーん?総代を狙うのはいいとして、なんだこの展開?そもそも職質問題ふっかけてきたの誰??新キャラ?既存キャラ?キャラの描き分けが下手なんだよな。風間にチクリ屋指名されたのも誰だったかすっかり忘れたし。。。

■結婚するって、本当ですか
  結婚は難しいんよホント。

■ジャガーン
  まさかのハッピーエンドで大団円なのかこれ。残り2話!

■くーねるまるた ぬーぼ
  たまに無性に米を食べたくなる時があるある。カレーとかチャーハンとか。山ほど食べる。そして後悔する。

■ダンス・ダンス・ダンスール
  都再登場?都出てきたら嬉しい。一番可愛い。

■忘却のサチコ
  今更だけどもう忘却と飯全然関係ないよな。

■野湯ガール
  今週読んで今更だけど「カジノグイ」の人が「村上海賊の娘」もこの「野湯ガール」も描いてると気付いた。「村上海賊の娘」は展開遅くて散々文句言っちゃったのに「カジノグイ」べた褒めとはこれ如何に。

■夫を噛む
  キャラの関係性が全くわからん、忘れてしまった。

■うきわ、と風鈴。 -友達以上、不倫未満-
  いやだから、不倫デートやん。

■女の体をゆるすまで
  ペス山ポピーの実録エッセイか。「実録_泣くまでボコられてはじめて恋に落ちました。」の人ですね。とりあえず1話目のこの話だけで既におっさんが気持ち悪い。

■お別れホスピタル
  こんだけぶっ壊れてるのに働くのはほぼまともってすごいな。

■ハマらない夫婦 ~私たちは一つになれない~
  ハマらないところが別のところでハマっちゃったよこれ!やだもーこれ!浮気不倫漫画ばっかじゃん今のスピリッツ!!!それとは別に、大して面白くないんだよなこれ。

■気まぐれコンセプト
  いつも中身無いけど、今週もやっぱり中身が無いな。




週刊ビッグコミックスピリッツ 2021年47号【デジタル版限定グラビア増量「新田あゆな」】(2021年10月25日発売) [雑誌]
週刊ビッグコミックスピリッツ編集部(著), かっぴー(著), 戸井理恵(著), 真鍋昌平(著), 高橋のぼる(著), 東元俊哉(著), 長岡弘樹(著), みどりわたる(著), 若木民喜(著), 金城宗幸(著), にしだけんすけ(著), 高尾じんぐ(著), ジョージ朝倉(著), 阿部潤(著), 麻生羽呂(著), 吉田史朗(著), 水瀬マユ(著), 野村宗弘(著), ペス山ポピー(著), 沖田×華(著), 竹充ヒロ(著), ホイチョイ・プロダクションズ(著)

¥400


藤本タツキ短編集 17-21 - 初期短編集、荒削りだがネタが濃い

あの藤本タツキの読切作品が4つ詰め込まれた「藤本タツキ短編集 17-21」です。

驚くことにこの最初の時点で画力が確かなものを持っており、そのデザインの丁寧さ、表現の上手さ、わかりやすさには度肝を抜かれます。

そしてありがちな設定から展開される独特な展開。構成もしっかりしており、新人が描いたものとは思えません。やはり他とは画一されたヒット作を生み出す人物というのは、元から原石であることは間違いないことの証明でしょう。


というわけで、それぞれの作品にざっくり感想でも。


■庭には二羽ニワトリがいた。
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宇宙人が学生生活を送っているシーンからスタートする作品。では人類はというと絶滅していて、鶏の気ぐるみを着ている2人だけが飼われることで生き残っている設定。まるで家畜に対するアンチテーゼのようなものとも思えます。そしてそこからのどんでん返し。うまくやればこれでも連載出来そうな気がする。



■佐々木くんが銃弾止めた
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そんなのないやろという展開を、勢いと説得力で押しきる作品。アフタヌーン系の読切でありそうこれ。もしもグフタの読切とかで載ってたらその号のイチオシとかにしてたかもしれない。



■恋は盲目
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これもアフタヌーン系の読切でありそう。勢いで押しきる作品。連載作品から考えると、こんな作品も描けるのかと驚くのでは。



■シカク
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個人的にこの短編集で一番好き。殺し屋シカクが可愛い。ただ設定はよくあるテンプレかな。テンプレだからこそ漫画の上手さが光るとも言えるかも。



絵柄が濃くて勢いがあり、一気に読めるけれど疲れるかもというのがこの短編集かもしれません。ファン必見、そうじゃなくても楽しめるものになっています。オススメ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


藤本タツキ短編集 22-26 - さらに画力構成力がアップした読切作品に酔いしれよう



 

ゾンビだらけのこの世界ではセックスしないと生き残れない - ゾンビメソッド+セックス

アホエロ本です。

タイトル通りの設定な「ゾンビだらけのこの世界ではセックスしないと生き残れない」は、なんとゾンビだらけのこの世界ではセックスしないと生き残れないんです。

よくあるゾンビサバイバルものに、緊急回避的なものとしてセックス要素を組み込んでいます。いやあもう、設定が清々しいくらいアホくさくて良いですな。セックスしてフェロモンなり体液なりを放出しまくると何故かゾンビが離れていくという。ゾンビとしても公共の場で破廉恥なことをしてるから単に距離を置きたいだけなのではと疑ってしまいます。

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とはいえ、セックスがゾンビ対策のひとつの手段としていることにより、それを中心にした話が展開されることとなります。

主人公の男の子は助かるためというよりもセックスをしたい為に相手を探すことを目的としています。そんなこんなで目的を達成するし、ご都合主義よろしくで次々と相手を見つけてはどうしてもセックスする状況になったりしていきます。

出てくる女の子も、最初はしたくないのですがセックスしないと生き残れないということから渋々了承して結局セックスしてしまいます。

また、そんな状況だからこそ、サークルの姫のようなキャラが複数の男を囲っていたり、やっぱりその集団は仲間割れで壊滅したりとか、ゾンビものあるあるに加えて人間関係あるあるが展開されたり。

そしてゾンビものお決まりのゾンビがいない島という存在が判明したり、そこに行くために人々が集まったり、人々が集まるとやっぱりゾンビものあるあるの集団壊滅や疑心暗鬼や寝取り寝取られがあったりと、ゾンビものでやれることは大体やってるのではないでしょうか。

そこに集団崩壊要素の強いセックスというものが必然事項として絡んでくるのですから、そりゃゾンビ対策もより難しくなるというものです。なので安寧の時など決してなく、ひたすらゾンビサバイバルが続くわけですな。

3巻ではいよいよ無ゾンビ島に乗り込んで平和に暮らすのかと思いきや、やはりそこでも渦巻く様々な人間関係。もともとの島民とゾンビパンデミックが始まってからの移住民の確執があったりそこでも女を巡っての争いがあったり。

正直このセックスネタひとつでどこまで引っ張るものかと思っているのですが、よく話が続くなと感心しています。島行って終わりくらいで考えてたところ、まだ連載が続くことになったのだとか。

確かにこれ、ゾンビものの割りに殺伐としてなくて、アホなコメディで、エッチな表現があって、頭カラッポで読むには最適なんですよね。難しいこと考える必要がないので。そういうちょっとした息抜きに読むにはバッチリ合うかもしれません。


にしても、ゾンビものってホント便利な設定やなあ。ファンタジーものとかもそうだけど、暗黙知になってるお約束があるので、設定の説明をする必要がないのが本当に便利。ウォーキングデッド流行ったと思ったらあれよあれよとゾンビものだったりゾンビ漫画が増えたのも頷けるところ。

ファンタジーものも形を少し変えて異世界ものとして共通知になってしまいましたね。転生してチート
があってスキルツリーがあってギルドがあって。

ただ、これらは便利だからこそ、そこを一歩上を行く設定や展開が無いと人気が出ることは難しい。なるほど現実もゾンビサバイバルやファンタジーサバイバルなのだな。


眠気覚め度 ☆☆☆


4巻の感想はこちら(紅のレッドスコルピオン)








恥らう君が見たいんだ 2巻 - 破滅願望性癖は下着売りで絶頂に達する

異常性癖の女子高生を激写する「恥らう君が見たいんだ」2巻です。エロさはさらに駆け上る2巻となっています。

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「着用下着10万で売れるまで帰れま10」

なにをキラキラしてるんでしょうかこの娘は。破滅願望の性癖を持つがゆえなのか、人前で見知らぬ他人に下着を売りつけることに魅力を感じる感覚は正直わからん。

とはいえ、撮影機材を購入する為の現金入手手段として、彼らはこの企画を実行します。

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エロいなあ。道端で、綺麗な女子高生に突然話しかけられ、目の前で脱いだ下着をもらえる。エロ漫画でもそうそう見ないストーリーが展開されています。痴女です。

2巻の前半はこの下着売りが繰り広げられて、本上さんが最高潮に興奮して人の指を使って絶頂します。いやいやそうはならんやろ、AVかよ。しかし絵の上手さも相まってエロい。


一方後半はエロ関係なく、白沢が実は応募していた映像コンクールで審査員特別賞を受賞する話。撮影を実行している白沢が実力を確かに持っているという裏づけの演出になりますね。

それはいいのですが、どうも話が白沢の才能の説明に大きく傾いていて、本筋のエロから離れている気がします。この流れ、この作品をどうしたいのかなと。

というのも、てっきりエロを全面に押し出し、エロ全開100%のAVでもそんな反応しねえよ的なエロスを描くだけのものかと思っていましたので。エロも出しつつ、白沢のサクセスストーリーにしようとしてるのかな?どう展開しても最終的には破滅ストーリーな気がするのだけど。


なので展開がエロから離れていくのかなーと思いきや、次巻予告で更にエロキャラが追加するみたいじゃないですか。

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メンヘラ臭がするけど間違いなくエロくて美人でなんと教師という江古田先生が破滅エロストーリーに参戦してきそうなのです。絵が上手いからまたしっかりエロそうなのよな。

なんだよおい、ストーリーを大きく切り替えたかと思わせといてしっかりエロに舵を取っていくのかよ。いいじゃないか、こういうのでいいんだよ。


というわけで、続々エロに走っていきそうな「恥らう君が見たいんだ」2巻でした。振り切れるなら中途半端に白沢にフォーカスを当てず、ガッツリエロへ向かってほしいところです。


眠気覚め度 ☆☆☆


1巻の感想はこちら(ファインダー越しに観る同級生のエロス)
3巻の感想はこちら(女子高生から一転、女教師をフォーカスに収める)



 

北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝 - 実写ドラマ北斗の拳で人が爆発する

こんな切り口があったのかと思い知らされる「北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝」です。

ここで読めます。

名作「北斗の拳」といえば、原作もさることながらパチンコパチスロで再大ブレイクを起こし、一気にそのスピンオフを雨後のタケノコの如く増やしまくっている程の大人気作品。

その新しいスピンオフが、誰もが想像しなかった特撮ドラマ世界で表現されました。何言ってるのかわかりませんね全然。私も何を言ってるのか理解できません。

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まさしくドラマ風景から始まるんですよ。

いやいやいや、「北斗の拳」って人が死んでなんぼの世界でしょうよ。アニメならともかく、実写でやるなら一体どれだけ死ぬだけの役が必要になるのか。そして人体の爆発をどうやって表現するのか。動物で再現するだけでも苦情が飛び交うこの時代、人間なんて実現しようものならひどいことになりますよ。

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特撮班頑張りすぎ。



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血を噴きだす為のパイプが絡んで事故が起きたからこそできたこの表現!

そうなんです、あくまで最初は爆発なんて想定していなかったという設定なんです。しかし撮影中に発生した事故による人体爆発。この偶然の産物を「北斗の拳」のメインテーマにするというドラマ現場ならではの機転。ここから全てが始まったかのように、後付設定をつけまくるのがこの作品の基本となります。

この後付に至る流れがいちいち笑えるのがすごいところ。
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「百裂拳だけじゃなくていろんな技がある方が面白いじゃねぇか!」という理由から生まれた「岩山両斬波」だったり。


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「実るさ…下に あの老人が眠っている」という名言の誕生秘話が俳優のアドリブだったり。

このように、あらゆる「北斗の拳」の設定がドラマを盛り上げるための演出を考えたら思い至ったということにして話が展開していくのです。

その流れが全てだからというのもあるのですが、そこが上手い。ドラマ撮影の彼らは勿論、現実の「北斗の拳」の実情は知らないわけです。だからこそ、1から「北斗の拳」を作り上げていく男たちの戦いという姿を見せてくれます。しかも特撮ドラマとして。

最初はこんなの出オチで終わるんじゃないかとも思ってましたが、これがどうしてしかしネタが途切れない途切れない。おまけに原作の細かいところに忠実なものだから、原作を知れば知るほど面白い。こんなパロディはなかなか無いです。

そして絵柄がホントに原作1巻2巻と同じような絵柄なのが凄い。再現シーン以外はあえてなのかわかりませんが少し似せてはいないところが、逆に演じているシーンなのかどうかを切り分けているようにすら見えます。

これ連載が長期化していって、原作の絵柄の変遷に合わせて変わっていったら面白いだろうなあ。というかそうせざるを得ない作りになっているような。


今のところ1巻ではシンとの戦いまでですし、Web連載もまだGOLANやジャッカルの話のところです。今から既にジャッカルのデビルリバースの巨体をどうやって表現するかや、フォックスが使う跳刃地背拳をどう演出するかが楽しみで仕方ありません。あとはレイがマミヤの服を切り裂くシーンをどうやって表現するかとか。

とにかく原作ファンであればあるほど楽しめる作りになってます。下手なパロディよりも数段レベルが高いものではないでしょうか。次巻も楽しみです。


眠気覚め度 ☆☆☆☆

2巻の感想はこちら(同じネタの繰り返しだけではなく新しいネタの掘り下げ方が上手い)


北斗の拳 世紀末ドラマ撮影伝 1巻 (ゼノンコミックス)
武論尊(著), 原哲夫(著), 倉尾宏(著)
5つ星のうち5.0
¥594

 
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