2015年11月

花のズボラ飯 3巻 - ドラマ版 孤独のグルメ のセンスがそのまま流入してきた?

「うっまっ!!何これメチャメチャうまい!!」「うんまぁああ!!超絶にウマい!!」「うっま~~~っ 花やっぱり天才!!」

と、何を食べても基本的に「うまい!!」という表現になる花のズボラ飯3巻でした。いつもどおりですね。
さてさて、新刊が出るのは実に3年ぶりですか。1巻2巻の刊行ペースと比べると、いきなり随分空いた感じがします。 

展開もいつもどおり。花さんが適当にお腹を膨らませるために適当な食材で適当にご飯を作ったら適当なのに美味しくてついつい「うんまあぁぁああいいっ!!」となります。
なので安定して読める反面、特に思い切った展開も無いという感じです。 


とりあえず冒頭の、
nemusame_20151119_000
という台詞は自分のことを見透かされているかのようです。
寝ても寝ても眠いんです。12時間とか寝れます。


それと、読み進めていくと、
nemusame_20151119_001

とか、

nemusame_20151119_002
とかの駄洒落ネタが妙に豊富です。
そしてそのセンスがドラマ版の孤独のグルメそっくりな気がします。
当然原作者が同じだからというところでしょうが、孤独のグルメのゴローちゃんがそのままな感じ。

手元に無いので1巻と2巻は確認できないのですが、前もこんな感じでしたっけ?
なんかこんな感じだった気はする。

ただ、ドラマ版孤独のグルメではゴローちゃんはまったりと自分のペースで穏やかに駄洒落を言うのに対して、この花さんはちょっと狙いすぎな感じがして、それが滑稽になっています。
これ、駄目な人は駄目でしょう。受け付けない可能性有。


それと、
nemusame_20151119_003
「デザートの押さえ」、わかります。
 

というわけで、いつもと同じ「花のズボラ飯」でした。
おそらくドラマ版孤独のグルメと同時期に刊行した1巻2巻により得たファンも
すっかり離れて下火になっていることでしょう。

それでもまだ読み続けられる人だけ読めばいいのです。


眠気覚め度 ☆☆☆


花のズボラ飯 3
花のズボラ飯 3
posted with AmaQuick at 2021.06.02
久住昌之(著), 水沢悦子(著)
5つ星のうち3.8
¥792

Fireタブレット を 2年前に発売されたHDX7と比較。値段相応、解像度に難有

Amazonプライム会員なら5000円で買うことの出来た新しいFireタブレットが届きましたので少しHDXと比較してみました。
※まだ5000円で買えるみたいです。



過去の紹介記事はこちら (Kindleが今なら5000円で買えるぞ! (プライム会員限定))



私が前から持っているのは Kindle Fire HDX7 なので、元々高スペックのものでした。
値段も64GBで33000円ほどした記憶があります。
それと5000円のものを比較するのは少々無理があるところですが、実際の使用感等色々とわかりましたので比較してみます。

メインとなる比較箇所をAmazonから抽出してみると、


■Fire 
 - 値段:8,980円 (プライム会員価格4,980円)
 - ディスプレイ:7インチ
 - 解像度;1024 x 600 (171ppi)
 - ストレージ:8GB
 - バッテリー:7時間
 - 重量:313g

■Fire HDX 7 (既に取り扱っておらず、HDXは8.9だけ販売中です)
 - 値段:33,000円 (くらい)
 - ディスプレイ:7インチ
 - 解像度;1920 x 1200 (323ppi)
 - ストレージ:64GB (16GB, 32GB, 64GBから選択可)
 - バッテリー:17時間
 - 重量:303g


という感じになります。
まあ、CPUやスピーカの性能は色々変わるものの、メインのディスプレイサイズや重量はほぼ変わりません。
パッと見は同じに見えます。
バッテリーの持ち時間やストレージサイズは大きく違いますが、これは運用でカバー出来る範囲なので致命的ではないでしょう。

ですが、肝心の解像度が厳しい。
少し比較してみましたが、これは相当厳しい。
私はメインは電子書籍、特に漫画を読むことに使っていますので、ここが悪いと致命的です。

では、どれだけ悪いのか?
画像を用意しましたが、ファイルサイズが大きくなりましたので畳んでおきました。
画像比較は続きからお願いします。

 続きを読む

勇者が死んだ! 3巻 - 勇者の剣はフトモモだ!!

「うひょおお!ユナに負けず劣らずのむっちむち!形も、3年に一度獲れるか獲れないかクラスの大根のようだ…!」

そんな、ふともも大好き、金と女と権力に弱い一般農民が死んだ勇者になりすます「勇者が死んだ!」ですが、これがなかなかギャグとシリアスがいいバランスになってきた感じでより良い作品になりつつあります。

というのも、一国王女と一悶着あった末、色々な思惑が入り混じりバトルに発展していた2巻からは王女の悩みや葛藤、悪人の思想等々それなりに描かれていてそこそこ読めるものになっていますし、何より魔法を使うための設定を細かく決めているのが素晴らしい。

魔法については前の感想にも書きましたね。

そして前巻の最後では、大量の魔力を所持しつつも身体から流出してしまう魔漏症という病気のマルグリッド王女が、トウカにその魔力を分け与えようと「おしっこをかけようとした」ところで終わっていたのでその続きとなります。

まあ、少年誌(という定義でいいのか?裏少年サンデーは)なので聖水ぶっかけプレイは至らなかったですが、
トウカが魔力を得ることが出来ました。


nemusame_20151114_009
まさしく王道ファンタジー!! 

ひたすらふとももと金と権力を求めるトウカでしたが、こんな顔も出来るんですね!
こんなカッコいいトウカが見れるとは思わなかった!むしろずっと骨のままだと思ってた!
1巻でも2巻でも、そしてこの3巻でもひたすらエロしか求めていないようなトウカですが、
やる時はやる男なんです!これぞ、真の偽勇者!キャー!カッコいいー!!


nemusame_20151114_010
その魔力を使って作った聖剣は「巨大なフトモモ」だったわけですが。

そう、このシリアスシーンでこのギャップ。
こういう展開ホント好き。あくまでもギャグメインで、シリアスシーンは少なめにという心意気が窺えます。
元々この作品はギャグメインなわけですから、シリアスシーンもこういう落とし方でいいんですよね。
逆に、クソ真面目になってしまったらこの手の作品って絶対失敗すると思うんで、これくらいが丁度いいのだと思います。

にしても、こうやって読めば読むほど「魔方陣グルグル」と近いものがある感じがするなあ。
グルグルが好きな人なら絶対好きなんじゃないだろうかこれ。
ギャグ8 シリアス2 くらいのバランスでラクに読めるし。


4巻の感想はこちら (勇者が死んだ! 4巻 - 勇者は死んだ、俺がやらねば誰がやる!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆


2015年週刊スピリッツ51号ざっくり感想

2015/11/16 週刊スピリッツ51号のざっくり感想となります。
フィクションに出てくる乗り物で乗ってみたいものという欄に車が描いてあったのでデロリアンしか思い浮かびませんでした。
ジゴワット、ジゴワット。

それでは今回も適当にいってみましょー


■100万円の女たち (新連載)
  全然話が掴めない。読者共通の疑問はどうやって17歳が100万を稼いでいるかだろう。
  面白くなるのかこれ?なるにしてもどうやって面白くなるのかまったく先が読めない。
 
■土竜の唄
  これで月原が改心して手を組み始めるとかになったらご都合主義過ぎて笑える。
  ってかこの作品ずっとそんな感じだから十分ありえるのが怖い。 
  月原はあくまで最後までラスボス級でいてほしい。 
  
■デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
  ままごと気分でセックス!ままごと気分でセックス!
  これ、なんだかんだで割と的を射てるよな。 
  
■団地ともお
  今回面白かった!あんな即興演技普通できんぞ。
  
■アオアシ
  うーん、やっぱりスポーツ漫画の筆頭を狙ってる感じだなあ。
  
■ふつつかなヨメですが!
  クソジジイwww
  
■世界はボクのもの
  割と真面目にボクシング漫画してる…!
  
■忘却のサチコ
  カツヲのたたき!一度店で食べてみたいものである。
  
■くーねるまるた
  ジンジャエールって、いいよね。。。
  
■しあわせアフロ田中
  あれ、村田ってまだ童貞だったんだっけ?大沢はAV女優と付き合ってたし、井上は子供いるしな。岡本は高校の時に彼女いたしな。村田だけまだか。
  
■トクサツガガガ
  剣神ドラゴンクエストだかドラゴンクエストソードだか思い出した。
  
■1518!
  ホントにガチマラソンなんじゃねーかこれ。
  
■あさひなぐ
  おおっと先週予想した通りの展開に!
  
■ふろがーる!
  なんか少し違和感感じながら読んでるけど、前の朗読合戦よりは読みやすいな。
  
■ダンス・ダンス・ダンスール
  ライバル出てきたら都ちゃん女の顔してんじゃねーかよwww
  この展開は思春期真っ只中の中2の潤平にはキツすぎるだろwww
  せっかく都にいいところ見せたくて本気になり始めたところなのにwww
  続き楽しみwww 
  
■村上海賊の娘
  うーんと、面白さがわからないです。
  
■王様達のヴァイキング
  是枝くん就職!
  
■シェアバディ
  見てて痛々しいなやっぱり。
  ってかそれ以上になんだよ最後のページの煽り。
  「一歩前へ踏み出せ、木田!! 勿論トイレの話じゃないぞ!!」って全然うまくねーからw
 
■天そぞろ
  聞こえる、終焉(打切り)の足音が聞こえる。。。
  最近ずっと掲載位置ラスト付近だしな。
  ってかいまだに何がしたいのか全然見えてこないのよこれ。


 

狼の口 ヴォルフスムント 7巻 - 遂に公弟レオポルトとの戦いが始まる

「名乗りを許した覚えはないぞ、下郎」
nemusame_20151114_008


狼の口を落とし、ヴォルフラムを処刑することで遂に自由への第1歩を手にした三邦同盟の集団。
次は狼の口の襲撃を救援に来た公弟レオポルトを迎え撃たねばならない。
そのためにも、周辺の城を占領し、その襲撃に対抗する。
というのが「狼の口」7巻のざっくりストーリーです。

思えばこの作品、当初は手形を持たないものは絶対に関所を通さない、手形なしで掻い潜ろうとするものは徹底的に陵辱、殺害するという「狼の口」のオムニバス的な話と、その関所代官のヴォルフラムの非道で合理的な様を表現する話でした。

ところが途中からこの狼の口自体を奪還して自由を手にするという戦争ものとなりました。
それが前巻6巻までのお話。

そしてこの7巻は軍隊を擁するレオポルトに対抗するべく、周辺の城を落とすところから始まります。
まあネタバレになりますが、城自体は奪えるわけです。
そもそも城というのは守るのは易し攻めるのは難しに作るわけで、三邦勢力のひとつシュヴァイツ農民軍も攻城に苦労の末奪取します。
(幾人もの犠牲者を出しながら)



そして遂に迎え撃つレオポルト軍が用意していたのが、
nemusame_20151114_006
遠投投石器

軍隊ならではの攻城兵器なわけですよ。
ひたすら城や砦を破壊しつくすことが目的の攻城兵器ですよ。
こういう兵器出てくるのホント好き。

もともと狼の口を落とした時は、一般の農民軍団VS関所の守備というわけですから、決して対軍として戦ってきたわけではありません。
そんな関所相手でも様々な策略を用意して、幾人者犠牲者を出しての勝利だったわけで、では軍隊相手だとどうなるかということになります。


nemusame_20151114_007
まあこうなるよね。


城があるからこそ少数で防衛可能と考えていたシュヴァイツ農民軍ですが、
こんな射程外から一方的に攻撃されるとは思いもよらなかったのでしょう。
また、相手は軍隊ですので白兵戦で勝てるわけがありません。
すなわち遠投投石器の組み上げを潰すことも出来ません。

ここに、軍隊の強さをむざむざと見せ付けられることとなります。


というわけで、苦心の末の勝利、希望のあとには再び絶望という流れの狼の口7巻でした。
いいね、こういうやってもやっても次々に潰される感じ。
こういう流れで最終的に勝利を収めるという展開は大好物です。
しかも敵の強さも、味方の弱さもきちんと理由付けられてるのがいい。筋が通っている。
最初の頃と打って変わって戦争漫画になっていますが、面白いのでグッド!

にしても、今後どうなるんだろうな。最終的に狼の口で迎え撃つことになるのかな。
自分達が散々苦しめられて、破壊していったヴォルフラムの遺産でレオポルトに反撃ということになるのだろうか。
何にせよ続きが楽しみです。次は1年後かな?


眠気覚め度 ☆☆☆☆


T-Dragon - 1/100 の世界でのサバイバル!!

「この景色、俺は本当に100分の1の…1.78センチの体になったんだ」

突如世界を襲った謎の奇病、引き起こしたのは極小の生物が持つウィルスだった。
その生物は「T-Dragon」と名づけられた、僅か5mmのドラゴンのような形状。
T-Dragonを、キャリアを捕らえるために、人間たちは自らの身体を1/100に変えて捜索を開始する。


そんな、 ミクロサバイバルが「T-Dragon」です。
前提のシナリオは蔓延する奇病という設定ですが、本筋は人間が1/100になってしまったからゆえの普通の生物、特に昆虫とのバトルになっています。

nemusame_20151114_001
 
1/100の世界なので、その辺りの草や三輪車もこのスケール。
後半には「T-Dragon」捜索の為に家屋に侵入します。


目標対象となる「T-Dragon」は隕石に付着した卵から孵った生物ということで、エイリアンです。
ですがその大きさが僅か5mm。人知れず孵化し、いつの間にか病原菌を振りまく脅威の存在となっていました。
nemusame_20151114_002
nemusame_20151114_003


これを捕獲するために人間自体をミクロにしてしまおうという発想に至ったわけです。
しかし、1/100の世界、そこはもちろん普段見ている景色とも異なり、また、脅威も大幅に増えることになります。
そんなこんなで、

nemusame_20151114_004

こういう目にあいます。
なので、「T-Dragon」を捕獲する以前の問題として、この世界で生き残る術を確立するのが必要となりそうです。
割と簡単に人が死んだりするのはテラフォーマーズリスペクトなのかな。
あと、この虫たちが割りとグロいんで、虫系が苦手な人にはきついかもしれません。
テラフォーマーズはゴキブリを人間にデフォルメしてるからそんなに嫌悪感はありませんが、この作品はガチで虫です。 
ミクロ視点なので細かく描写されていて、例えば虫の体毛すら細かく描かれています。割と本気で気持ち悪い。


というわけで、人間をミクロにすることで虫を巨大化させたかに見せてその世界でサバイバルを行う作品となります。
ていうかこれあれだよな、何も全員ミクロ化する必要ないよな。
1/100と言わず1/10とかも用意したり、普通サイズの人間も用意して、それぞれで隊を組んだ方が絶対効率良いと思う。
元々のサイズならわざわざ銃とか用意しなくても戦えるわけだし。
例えば上記の様に虫に囲まれたなら普通サイズの人間が殺虫剤とか新聞紙で対処すれば問題無いんじゃ?
うーん、そういう抜け要素を残してるところは惜しい。


2巻の感想はこちら (T-DRAGON 2巻 - これはもう小さくなっている意味が無いのではないか?)

眠気覚め度 ☆☆☆

Helck 5巻 - 人間のヘルクが魔族側についた理由が遂に明らかに!

「醜い。」

序盤のギャグパートはいつの間にか消えうせ、すっかりシリアスな雰囲気になってきた「Helck」ですが、
この5巻では95%シリアスパートだけで構成されていました。
内容はHelckの過去編。4巻の後半から5巻まるまる全部過去編なのでかなりの長編ですね。

当然過去編なので、なぜヘルクが魔王を決める大会に参加することになったのか、その原因を明らかにすることが目的となります。

この「Helck」の世界観ですが、最近結構ある設定の魔王側(魔族側)は人道的で人間と敵対するつもりはないが、人間側がその能力の差から一方的に敵視するというものです。
特に生かしてる設定が、人間、魔族の他の第三者としての立場が魔物ということ。
魔族と魔物が別物です。魔物は環境から自然発生して、人間も魔族も同様に襲います。

そのことを魔族側は十分理解しているのですが、人間側は魔族と魔物を一緒くたにして、魔族が魔物をけしかけているという認識、そのような教育をずっと続けているわけです。
幼少から教え込まれた世の中の仕組みというものを覆すのは並大抵のことではなく、例え100人に1人や2人の例外となる人物がそれに気づいたところで、正論を唱えても集団心理を打ち破るのは難しいものです。 

今まで信じ続けたことの否定は、頭でも納得することが困難であり、心でも自分が間違っているということを認めるのに強い気持ちが必要となります。
また、人間は楽な方へ、そして声の大きい方へ流れるのが常ですから、この状況を打開するのは如何に難しいかというのは言うに難くありません。

そして始まる人間総勇者化計画。貴族以外の庶民を全て勇者という超人に変えてしまおうという実に理に適った、そして非人道的な政略です。


そんな人間が行った、ヘルクと、その仲魔たちと、そしてヘルクの弟であり、勇者として祭り上げられたクレスへの仕打ちの結果が、


nemusame_20151114_000
常に笑顔だったヘルクにこのような表情をさせることとなります。


このシーンはホントドキッとした。こういう表情とかの、たった一枚で様々な感情を表現することが出来る漫画ってホント素晴らしい。
言葉や文章以上に、人の心というものはその表情を見ればわかるのです。
このようなゾクッとするような、思わず震え上がるような体験が出来るのは良い作品であることの証明です。


少しそれましたが、この表情の結果が、Helck 1巻に繋がることとなります。
Helck 1巻は8割ギャグ漫画だけどな。


というわけで、ヘルクの過去編で終わってしまった5巻、おそらく6巻も少し過去編が続きます。
面白かったので当然次巻も楽しみです。

にしても、裏少年サンデーって割と読むものあるな。
懲役339年勇者が死んだ! もHelckもケンガンアシュラ も面白いもんなあ。
ぶっちゃけ週刊サンデーより面白いんじゃないのか?いや、読んでないからわからんけどさ。
昔は読んでたけど、10年位前の時点で読むもの無いと思って読まなくなってから読んでないからなあ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆

以前の感想はこちらから(Helck - 人間の勇者は人間を滅ぼすために立ち上がる)
6巻の感想はこちらから (Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!)

未知庵の② きなこ体操 - シュールホラーギャグ再び!未知庵が描く世界に酔いしれろ!

究極のシュールギャグ再臨!未知庵の世界を堪能しろ!

前作「未知庵の1 三時のお水」が傑作だった未知庵の続編となるのが「未知庵の② きなこ体操」です。

三時のお水の感想はこちらからー

はい、続編なのでシュールギャグそのままです。 
シュールさはそのまま、ネタだけ変わった、そんな感じでしょうか。

例えば、
nemusame_20151108_005
ファラオが頭の小学生が出てきたり。

うーん、突然のこの展開、相変わらずですなあ。 


あと、誰もが思いつく展開としては、
nemusame_20151108_007
このネタだったり。
誰もが一度は考えたことがあるはずこれは。
これをイメージしてしまうから、自分もどうもポイポイ系のものは使えません。


それと今回多いのが、所謂言葉でよく使われているものシリーズ。
例えば、

ほっぺたが落ちるほど美味しい
nemusame_20151108_006



目が泳ぐ
nemusame_20151108_008



耳にタコが出来る
nemusame_20151108_009



というような感じで、三時のお水よりは想像しやすいネタが多かった印象があります。

ただ、全体的な面白さとしては三時のお水の方がレベルが高かったように思います。
もちろん、きなこ体操が面白くないのではなく、相対的に三時のお水の方が面白いということです。
このきなこ体操も、単独で見れば相当レベルが高い部類だと思いますので、変わらずオススメ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


ストレニュアス・ライフ - ちょっと不思議な世界の職業漫画短編集

現実とちょっと違う!そんな世界の職業に焦点をあてた短編集。

最近なんか短編集の感想ばかり多くなっているような気がしますが、その通りです。
いざ書こうと思っても簡単に書けないような作品ばかり残ってきて、
ちょっとした時間でなかなか書けなくなってきています。

前置きはさておき、今回は「ストレニュアス・ライフ」の紹介となります。 
ちょっと不思議は何が不思議なのか、SFが入っているんですねー。


歯医者ひとつとってもいぬい歯科は犬だし。
nemusame_20151111_001



ホムンクルスの研究員とかもいるし。
nemusame_20151111_002



図書館の案内人はモニタ通した完全なアンドロイドだし。
nemusame_20151111_003



その他にも、小説家だったり、船乗りだったり、文字通り送り狼だったり、人魚だったり、工場勤務だったり、象使いだったり、羊飼いだったりと様々な職業について描いています。
内容も前述したとおり少し不思議な世界ならではのものになっています。

ただ、どちらかというとこの作品は雰囲気を楽しむものですね。
あまり難しいこと、深いこと考えず、見たままの雰囲気を感受性のままに捉えて読むのが一番楽しめると思います。
一切台詞がない話もあるしね。

というか、正直なところ雰囲気を楽しむものであるからこそ、文章ではうまく表現出来ません。
読まないと伝わらないと思うなあ、これは。


眠気覚め度 ☆☆☆


竜の学校は山の上 - またまた九井諒子の短編は珠玉の魔王話がたっぷり

世の中にはな、ふたつのものしかないっ
nemusame_20151111_000
役に立つものと、これから役に立つかもしれないものだっ

竜が実在する世界では、もちろん飼育の環境も整っている。
しかし、戦争が無い、平和な現代の世界に竜がいるということはどういった影響が出るのだろうか。
保護され、その保護自体には大量の税金がかかり、ただ生かされるものとなってしまった。
そんな竜を疎ましく思う集団ももちろんいるわけで、それを打開するためにも竜は人の役に立つものだという証明が必要となる。
そのためにも、ただただ竜を飼育するのではなく、竜の卵を食に適用できるか、翼竜を移動手段に使えるか、そんな思索を巡らせるのが「竜の学校は山の上」です。

内容は上記に書いてしまったのですが、なかなかなるほどなというアプローチでした。
竜を人間の生活に役立てるにはということを様々な観点から検討していきます。
それこそ、実現したらどのような影響が出るか、どれくらい費用が掛かるかという方面からも。
まるで本当に竜という存在がいるかのように見ることの出来る良作でした。


また、タイトルに書いたのですが、それ以上に序盤の魔王関連の話が凄くよい。

- 魔王を倒した勇者の末路だったり、
- 魔法で魔王に変えられた王様の話だったり、
- 魔王亡き後の魔王城をいざ役立てるための様々な施策だったり、
- 魔王というものの存在そのものを根底から覆す話だったり。

特に魔王城の話はしっとり読ませるのでおすすめ。
はした金で魔王討伐にけしかけられて、晴れて魔王を倒すも仲魔を失い、失望のままに魔王城の案内人にさせられる勇者と、魔王城を暮らせるものにしようとやってきた王族の王女の、魔王城再建に掛ける熱意とその理由等々、読み応え抜群です。


そのほかにも、人間とケンタウロスが普通に入り混じる現代劇もあり、それはそれで考えさせられるものがあります。
やっぱり竜の話もそうなんですが、何がすごいって現実にはありえないことをさも本当にありえるかの如く書くのが上手い。
本当に錯覚してしまう感じがあります。この自然な表現力はずば抜けています。
人間とケンタウロスが共生することでの社会的な問題をベースに書いているのですが、その発想がすごい。
ホント、まるで普通の日常漫画のように。必読です。


そしてラストの怠け者の話もいいですね。誰もが一度は考えたことのあるだろう実験のお話です。
あんなバイトあったら自分なら真っ先に消えてしまう気がします。


というわけで、何気に九井諒子の短編集3作品の中で一番面白かったと思います。
他の感想はこちらから。

竜のかわいい七つの子
ひきだしにテラリウム

ダンジョン飯と方向性は違うけど、よく出来た作品だと思います。オススメ!


眠気覚め度 ☆☆☆☆

竜の学校は山の上
竜の学校は山の上
posted with AmaQuick at 2021.06.02
九井諒子(著)
5つ星のうち4.5
¥981
今のイチオシ!
ちょっと前のイチオシ!!
結構前のイチオシ!!
それなりに前のイチオシ!!
スピリットサークル完結!!
タイムリープサスペンス!!
ゲームとギャグが好きなら!
漫画もいいけど山賊もね!
記事検索
応援してますその2
応援してますその5
Twitter
日々読んだ漫画の感想を中心に記事を更新しています。記事更新と同期していますので、漫画の感想情報を見逃したくない方はフォローお願いします!
メッセージ

名前
メール
本文
「眠気が覚める面白さを求めて」は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
  • ライブドアブログ