熱くなれる

エンバンメイズ 4巻 - 迷路の悪魔 烏丸徨が次に挑むのはダーツの迷路!?

1000台のダーツを配置して迷路をお互い作り上げる迷路バトル!"迷路の悪魔" こと烏丸徨が作り上げた迷路は!?
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エンバンメイズとは、命を賭けた1対1のダーツ勝負を繰り広げる物語である。
ダーツとは、満点が存在する競技である。それゆえに圧倒的な実力者同士では、通常のルールで勝敗が決することは絶対にありえない。勝敗を決するのは、駆け引きと心の弱さである。

そんな極限ダーツバトルが「エンバンメイズ」です。眠気が覚める漫画2016でも1位にした通り、個人的に現在イチオシ作品となります。

何が面白いって、その勝負の駆け引き。主人公の烏丸徨もダーツの絶対的な強者ですが、対戦相手も悉くダーツ強者で、勝敗を決するのはその勝負方法の駆け引きと心理戦になっています。この表現が実に上手い。何が上手いっていうと、烏丸徨が何か考えている時の表情。

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びびびびびびびびび

この表情が本当にたまらない!作者の田中一行もこういうキメシーンはやたら力が入るのかものすごくクオリティが上がる!本当にこういう山場はめちゃめちゃ絵が上手いので、他の日常シーン的な絵と比較するととんでもないことになるかも。別人かってくらい絵の上手さが変わる。そしてそのキメシーンが毎度毎度カッコいいからたまらない。

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ね?


というわけで、導入のエンバンメイズ語りはここまで、4巻の内容に迫っていきます。

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4巻で開始するバトルは "迷路の悪魔" 烏丸徨と "求道者" 志道都 のダーツ迷路勝負。そういえば歴戦の対戦者もみんな二つ名があるんですよね、実に凝ってる。

この都君、実はとんでもない人物で、

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烏丸徨と勝負をしたければ命を賭けろと言われて首を吊っちゃいます。


まあ死んでないんだけど
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と、こういうとんでもない変態が志道都です。うーん、今回の対戦相手も頭イッちゃっててカッコいいねえ。こういうぶっ飛んでるキャラが次々と出てきては烏丸徨に戦いを挑んで死んでいくのがこの作品の面白いところであります。

そして前述した通り、対戦方法は1000台のダーツ台を使ってお互い作った迷路でダーツをしていき、総得点が同じ場合は先に1000台投げ終えた方が勝ちという勝負。もちろんダーツ強者は必ず満点を取れるので、実質的に先に迷路を廻って投げ終えた方の勝利となります。そのため、如何に相手を迷わせることが出来るかという、迷路作りから勝負が始まっているわけです。

そこで両者が作成した迷路が、

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複雑な迷路を作成した志道都に対して、ひたすら一本道を作成した烏丸徨。この采配がどういった結末を迎えるのか?この何も考えていないようで実は相手の裏をかくことに長けている烏丸徨ならではの策略が炸裂します。

その結果、

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二人が迷路を巡る様子がまるで天国と地獄のような対比に。

ひたすら一本道を修練の如く投げ続ける志道都。まるで迷路を楽しむかのように次々と軽快に投げ続けていく烏丸徨。どうしてここまで差がついてしまったのか。絶望に打ちひしがれながらも勝負の最中に成長して烏丸徨を追い詰める志道都。しかしその追い上げも叶わず、


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「そこが行き止まりだ」

出ました!勝利の決め台詞!というわけでいつもの台詞で勝利です。まあ負けたら話が終わっちゃうので、如何に勝つかが全ての作品ですから、結果は書いてもいいかなと。だけど、この戦いの駆け引きは本当に面白かった。最初の迷路作成でどうなることかと思いきや、あんなことがあって志道都を追い詰めて、でもそれだけじゃ終わらなくて追い上げてきて、最後の最後で烏丸徨のもうひとつの策略が見事に決まるという名勝負。一回勝ったと思いきや逆転されそうになったのって今回が初めてじゃないか?もうその辺りの展開や表現が本当に素晴らしい勝負でした。


そしてこの4巻、早くも次の勝負が開始されます。
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"迷路の悪魔" 烏丸徨 対 "純粋" 皆月司

実はこんなハイペースで勝負が繰り広げられるのは珍しいです。1巻以来かな。勝負自体はまだ始まっていなく、ルール説明だけで4巻は終わりなので次巻でどんな戦いが繰り広げられるのかが楽しみですが、何よりも


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基本ポーカーフェイスの烏丸徨にこんな顔をさせてしまうルールだったり、



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こんな勝負前からヒリつくような駆け引きは始めてのことなので、おそらくこの勝負がこのエンバンメイズの大きな節目となることは間違いありません。


エンバンメイズは本当に面白いので、間違いなくオススメ出来る作品です。もともとグッドアフタヌーンで連載されていたというのに加えて、今は何故かマンガボックスで連載しているという状況なので知名度も高くないと思われます。面白さ絶対保証なので興味がありましたら是非一読を!!


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

3月のライオン 11巻 - 守るべき人の為に全力で

「こんなに気持ちのいい日曜日なんだもの…全部終わりにするならこんな日だよね」

前巻の10巻から既にそういう流れでしたが、初期の頃とは打って変わって成長し川本家のいざこざにまで顔を突っ込み独走し始めた桐山零。
そんな川本家の父親騒動にケリが付く3月のライオン11巻は相変わらず安定して抜群に面白い作品でした。

元々、3月のライオンは将棋をテーマにした人間ドラマなわけですが、少し前のいじめの話から進学の話、そして今回のダメ父騒動と川本家には次々と受難が訪れています。
日々お世話になっている川本家3姉妹の優しさに触れることで桐山自身も徐々にその頑なな心を開き、段々とこの家族のためを思って行動をするようになっていきます。
そして、それの真骨頂がこの11巻でしょう。

前巻10巻で既にダメ父と直接対峙しており、持ち前の頭の良さと回転、そして狡猾で老獪な多くのプロ棋士と直接やり取りをしてきた中で培った交渉術、それを用いて矢継ぎ早に論破していき、しまいには勢いあまってひなちゃんと結婚することが最良の道だと模索しそれを明言してしまう始末。
今回の11巻では、それに拍車が掛かります。

その最たる例が、ダメ父と1対1で話しに臨んだ時のひとコマ。

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あの温厚な桐山くんが!本気で!!他人の為に怒ってる!!!

これ、実は初期段階の桐山からは考えられないような行動、言動なんですよね。
どこか他人にとは常に線を引いて接していたところのある桐山くんで、初期は川本家でご飯をご馳走になることすら遠慮がちでした。
それがこの変わりようですよ。素晴らしい。ホント、人間の成長をじっくりしっかり描ける作品は心を動かされる。
こんな桐山くんの一面も手伝ってか、川本家の3姉妹も直接ダメ父と対峙、決着となるのが11巻です。
徹底的に父親をダメ人間として描くことで(実際言動も行動もそうだけど)、3姉妹自身も完全な決別な道を取る為の十分な布石となっています。
見てて痛々しいけど、清々しくもある。そういう意味でも心が揺さぶられる11巻でした。


そして将棋。こちらも平行でまともに描けるのがこの作品の凄いところだと思います。
こんないざこざがある最中でも当然対戦は行われるわけで、相手は直接対決描写は始めてとなる元名人藤本雷堂。
このキャラが本当に面白い。
そのままで十分棋士として強いのに、加えて対局中にはひたすら喋り続けるという。
この設定だけでも面白いのに、更にそれに対して相手に常に会話を求めていて、それに対して桐山くんは適当に相槌打ちながら、でも的確に攻め続けていて、そんなアンバランスさが読んでて非常に愉快な気持ちになります。

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そしてスゴイのが、これだけ意味の無いような話がひたすら台詞として描かれているのに(上図のように)、読んでて面白いし、思わず読み飛ばさずに読みきってしまうということ。
思い返してみれば、3月のライオンはこういうところだけでなく作品全体に台詞が多い漫画です。
ですがそれが嫌になったことはなく、むしろ心地よいとすら思わせてしまう。
やはり細かいところまでしっかり描写されて無駄が無いのだと思います。
他の作品だとなかなかこうはいかないと思うのですが、それが出来てしまっているのがやはりすごい。


そして最後に、食べ物の描写が本当に美味しそう。
11巻では手巻き寿司を食べようという話があるのですが、
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どうしてこんなに美味しそうに描けるのか。
まさに家庭の食卓の描写であり、身近に感じられるから内容が用意に想像できるからこそ美味しそうに感じるのでしょうが、それでもこの描写は本当にすごいと思います。
見た目だけでも美味しそうですが、何よりそれについて美味しそうに、心から早く食べたいと思わせるようにキャラクターそれぞれの心理描写を細かく描いているからこそだとも言えます。
正直下手な料理漫画よりもよっぽど心に訴えるものがあるはず。
もちろん11巻のこの描写だけでなく、以前あったカレーの話とか、甘いものを食べて帰る時の話とかも素晴らしい出来でした。

ホント羽海野チカは天才なんじゃなかろうか。人間ドラマも、将棋描写も、食事描写も全てがハイクオリティ。
年1冊ペースのスロー刊行ではありますが、この面白さを維持出来るならいくらでも待つことが出来ます。


さてさて、11巻の最後ではまたしても暴走し始めた桐山くん。
もちろん次巻も楽しみですなあ!


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆



FLIP-FLAP - 恋する相手と付き合うために始めたピンボール、次第にそれ自体が目的になる!

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「好きなもんは好きなんだよ!!! 意味ばっか求めてんじゃねーよ!!!!」


もう7年近く前の作品になりますが、Kindle版が170円だったので再購入。やっぱり面白い。
「FLIP-FLAP」はひょんなきっかけで好きな女の子と付き合うためにはピンボールのハイスコアを更新してと言われて始めたものの、ピンボールの奥深さ、その楽しさに目覚め、気づいたらピンボールを楽しむこと自体が目的になってしまった物語です。

うーん、手段が目的になったとか仕事じゃやっちゃいけないことなのでなんともそう書いてから違和感が。
まあ、この作品の場合は手段も目的もどっちも最終的に行き着く先は同じだからいいのか。

当初はピンボールなどやったこともない主人公の深町でしたが、片思いの相手のピンボールに真摯に、本気で向かう姿に圧倒され、徐々にそれに惹かれていき、遂には彼女と同じ領域に入ってしまうほど本気でピンボールに立ち向かい始める様は本当に見てて気持ちのいいものです。

人が何かを好きになる、そしてそれに本気で、命を懸けて向かっていく。
例えそれが他人から見て滑稽であっても、本人が本当に本気なら、それは誰にも馬鹿にできないことだし、素晴らしい尊いものなのです。
そういった熱い展開が1冊中ずっと続くのが本当に心地よい。人の本気とはなんと美しいものなのだろうか。

そのままあっという間に片思い相手の山田さんを越える腕前になり、ハイスコアアタックは続き、
遂にはギャラリーが大勢発生し大いに盛り上がらせるまでになってしまう深町。
それに反するかのように、深町の集中力は増しに増して、

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完全にギャラリーの騒音をシャットダウン。
研ぎ澄まされた集中力の前には自分とピンボール。
その世界に没頭する。自分だけの世界で本気で「好きなもの」に熱中する。



そこまでの変遷も深町の成長、心境の変化、ピンボールに対しての好きの度合いの変化がゆっくりと確かに感じられた上でのこの表現ですよ。
興奮しないわけがないですね。最高。
読んでるこっちも没頭して、思わず時間も忘れて読みふけってしまいます。


いやー、良かった。1巻完結で読みやすいし、今はKindleで安かったから170円で買えたし。
万人にオススメ出来る傑作です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


 
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