戦争

天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟

三つ目族の故郷奪還作戦、ダンダルフィアの戦いがはっじまっるよー

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祖国を騙まし討ちにより追われることになった三つ目族の復讐の戦いがいよいよ始まった「天空の扉」8巻です。8巻の半分はこのダンダルフィアの戦いが繰り広げられます。

元からとんでもない技術力を持っている三つ目族はこの世界観で銃を作り上げ、遂には狙撃ライフルを完成させてしまいます。それも2000人の兵士全員に。それに対する嘘つき鬼の軍勢の多くは頑丈な戦闘猪率いる大軍、つまり狙撃を上回る射程も無ければ狙撃を防ぐ手立ても無し。すなわち、戦争は準備段階で既に決していたということとなります。いやあ、こういう軍隊による圧倒的な蹂躙は気持ちいいね。個々人が暴れまわるのではなく、統率がしっかり取れたまるで生き物のような動きは本当に素晴らしい。



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その戦後処理としてもなかなか面白いものが描かれていました。まるでどこかで見たことのあるような話ですね。詳しく言及することはここでは避けることとします。また、これをもっと掘り下げて読めるのが同じ作者作品の「魔法少女プリティ☆ベル」ですのでもっと読みたい人はそっちもチェックです。


8巻の後半は久しく見なかったマギアのディアボロの話となります。女の子と魔王の組み合わせ、さてさてどうなることでしょう。


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こんなことになってしまいました。

そうなんだよなあ、今回改めてディアボロがマギアの強さについて語ったのだけど、ディアボロからありとあらゆる魔法を継承してる時点でマルチハイエンドウィザードなわけだし、それに加えて自動索敵も出来るとかはっきりいって魔力切れと不意打ちを除いたら負けることはありえないんだよなあ。こりゃ反則、インチキ。ルーシュ達はスタン以外全員頭おかしいレベルで強すぎるし、スタンも唯一の素人のクセに良い展開になってきたし、ホント見所あるよ天空の扉は。設定が良く練られてる、しかも論理的に。だから読んでいてすんなり納得出来るのがいいね。

さてさて、今回の表題にした「戦いの覚悟」ですが、怒りと共に自分や仲魔を守るために敵対者を容赦なく殲滅出来るようになったルーシュ、やらなきゃやられる、今放っておいたらあとで大変なことになる、と理性で敵対者を殲滅出来るようになったスタン、実は最初からいる人間枠でまだ人を殺していないのはマギアだけです。ゴブリンは笑顔で殺せるのにね。そのマギアに今回大きな試練が訪れることになります。魔王に強いと明言されるマギア、果たして彼女はその覚悟を越えることが出来るのか?いやあ、良い展開だなあ。


ストーリーもそうなんですが、先ほども書いたように設定が細かく決められてることがより面白さを増しています。今回の例では戦闘猪の設定ですね。作中自体に書いてあるのをまとめると「分厚い皮膚や力強いパワーで攻撃をものともせずに進撃を続け、目の前を蹴散らし、死体や雑草を食べ、破城槌のように建物を破壊してしまうスゲー強いブタ」という感じなのですが、おまけページに書かれている補足が秀逸でした。それは、強力な動物があるゆえにその食欲が旺盛過ぎて周辺の土地をあっという間に食べつくしてしまい、維持するためには遊牧民のように場所を転々と移動しながら食物を求めなければならないがゆえの国家自身の侵略性ということ。単純に卑劣で弱者を蹂躙するのが好きというだけじゃなくて、そういう背景もあってゆえの侵略という見方も出来るのが凄く良い。

というわけで、やっぱり設定が面白い「天空の扉」8巻でした。当然次巻も楽しみですな!


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

ホークウッド 8巻 - まさかの打ち切り完結!!

打ち切りだとおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
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最後まで読んでから、最終話と描かれていることに気づいてこれで完結と知ることになったホークウッド8巻です。

テーマはいいし、話も筋が通っていてなかなか面白かったんだけどなあ。やっぱり傭兵が主役なのにそこまで傭兵がパッとしていなかったから人気でなかったのだろうか。本来なら王国騎士団VS傭兵団という対立抗争を明確にして、信念と礼儀を重要視する騎士団と、金のためには、勝つためにはなんでもやる傭兵団という軸を立てるべきだったかと思います。しかし、その「勝つためならなんでもする」っていうのをイギリスの王様がやっちゃったからもう傭兵団の出る幕無いよねってのが7巻からの流れになってしまいましたね。 


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国王がまずこの考えに到達しちゃったもの


だからホークウッド達が何もしなくなっちゃってて、全然存在意義無いのが非常に勿体無かった。しかもその話が6巻くらいからずっと続いちゃってるんで、これで人気落としてしまったのではないでしょうか。この王様の考え方とかは凄く合理的で面白いんですけどね。うーん、ここからこの倫理観に傭兵団が一枚噛んでいく形ならもっと面白くなったんだろうけど。時間切れなのかなあ。


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こういう展開だからね。栄誉だ正面から正々堂々だという騎士団に対してのこの考え方。実に泥臭くて真理をついていて、現代では戦争に対する考え方というものはこうなるのではないでしょうか。勝った方が正義、それが歴史を振り返ると事実なわけですから、何を甘いこと言ってるのだというものですよ。こういう極めて合理的な考え方好きなんですよね、人間臭いのが好きなので、綺麗事言ってるのはあまり好きじゃないです。臭くて読む手が震えてしまう。


というわけで、なかなか面白いのに8巻で打ち切られたホークウッドでした。8巻自体は7巻を収束させる展開なだけなので、7巻まで読んでる従来の読者くらいしか楽しめないでしょう。うん、実に惜しい作品だった、トミイ大塚の新作に期待!


7巻の感想はこちら (ホークウッド 7巻 - 精神論と合理性)

眠気覚め度 ☆☆☆


狼の口 ヴォルフスムント 7巻 - 遂に公弟レオポルトとの戦いが始まる

「名乗りを許した覚えはないぞ、下郎」
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狼の口を落とし、ヴォルフラムを処刑することで遂に自由への第1歩を手にした三邦同盟の集団。
次は狼の口の襲撃を救援に来た公弟レオポルトを迎え撃たねばならない。
そのためにも、周辺の城を占領し、その襲撃に対抗する。
というのが「狼の口」7巻のざっくりストーリーです。

思えばこの作品、当初は手形を持たないものは絶対に関所を通さない、手形なしで掻い潜ろうとするものは徹底的に陵辱、殺害するという「狼の口」のオムニバス的な話と、その関所代官のヴォルフラムの非道で合理的な様を表現する話でした。

ところが途中からこの狼の口自体を奪還して自由を手にするという戦争ものとなりました。
それが前巻6巻までのお話。

そしてこの7巻は軍隊を擁するレオポルトに対抗するべく、周辺の城を落とすところから始まります。
まあネタバレになりますが、城自体は奪えるわけです。
そもそも城というのは守るのは易し攻めるのは難しに作るわけで、三邦勢力のひとつシュヴァイツ農民軍も攻城に苦労の末奪取します。
(幾人もの犠牲者を出しながら)



そして遂に迎え撃つレオポルト軍が用意していたのが、
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遠投投石器

軍隊ならではの攻城兵器なわけですよ。
ひたすら城や砦を破壊しつくすことが目的の攻城兵器ですよ。
こういう兵器出てくるのホント好き。

もともと狼の口を落とした時は、一般の農民軍団VS関所の守備というわけですから、決して対軍として戦ってきたわけではありません。
そんな関所相手でも様々な策略を用意して、幾人者犠牲者を出しての勝利だったわけで、では軍隊相手だとどうなるかということになります。


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まあこうなるよね。


城があるからこそ少数で防衛可能と考えていたシュヴァイツ農民軍ですが、
こんな射程外から一方的に攻撃されるとは思いもよらなかったのでしょう。
また、相手は軍隊ですので白兵戦で勝てるわけがありません。
すなわち遠投投石器の組み上げを潰すことも出来ません。

ここに、軍隊の強さをむざむざと見せ付けられることとなります。


というわけで、苦心の末の勝利、希望のあとには再び絶望という流れの狼の口7巻でした。
いいね、こういうやってもやっても次々に潰される感じ。
こういう流れで最終的に勝利を収めるという展開は大好物です。
しかも敵の強さも、味方の弱さもきちんと理由付けられてるのがいい。筋が通っている。
最初の頃と打って変わって戦争漫画になっていますが、面白いのでグッド!

にしても、今後どうなるんだろうな。最終的に狼の口で迎え撃つことになるのかな。
自分達が散々苦しめられて、破壊していったヴォルフラムの遺産でレオポルトに反撃ということになるのだろうか。
何にせよ続きが楽しみです。次は1年後かな?


眠気覚め度 ☆☆☆☆


 

天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争

剣と魔法の世界に登場した銃、それを武器に三つ目族は領土奪取の戦争を仕掛ける

武器の射程の概念や論理的な戦術、一枚岩ではない魔族の各勢力のそれぞれの思惑が交錯する「天空の扉」の7巻です。
この作品の一番の特徴と言えば、敵対しているのがかつて魔王を倒した勇者であるということと、主人公は世界最強の運送業者だということでしょう。
だって荷物を運ぶために音速を越えて移動するんだから。そしてそれを移動じゃなくて攻撃に転化できるんだから。

さてさてそんな作品の第7巻、散り散りになったルーシュたちのそれぞれの動きと、領地奪取の戦争に向けて動きだした三つ目族がメインです。
面白いんだけど、それぞれの話を丁寧にやってるから進みは遅いかな。なんとももどかしい。

何よりもメインで話が動いたのはやはり三つ目族の話。
戦争を始めることの準備から、その戦争を正当化するためのコネ、裏への根回し、そしてそれぞれの勢力の思惑と、政治的な動きが大きかった本巻です。
こういう話も好きなんですが、なによりも

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っていうような熱くなれる展開がいいね!
徹底的に戦争の準備をして確実な勝利をもぎ取るための決意。
あとこの準備の描写も、剣と魔法の世界観にも関わらず手先が器用な三つ目族が銃を作り上げたということで、

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というような細かい描写があるところもグッド。
特に軍隊にしっかり娼婦をつけてるところが、略奪も強姦も認めず軍としての機能を果たすというところが窺えて尚グッド。
戦争だからね、綺麗ごとじゃないからね。欲を吐き出すところを用意するのは大事だね。

そんなこんなで、ちゃくちゃくと戦争準備が進み、まるで三つ目族の勝利が確約されているようなところがグッド。
だけどおそらくただではすまないのでしょう、どうなることやら。


あとルーシュと竜魔族との交渉も実によかった。
あそこまで追い詰められる展開、しかも論理的には全く正しい展開になると思わなかった。
むしろその後の展開に疑問を感じたくらい。
こういう合理的に、理知的にものごとを進めていくからこの作品は面白いのです。


8巻の感想はこちら (天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

実は天空の扉はいつか時間があればおおきく取り上げたいと思っています。
が、なかなか方向性が定まらない。。。

ホークウッド 7巻 - 精神論と合理性

「戦力としての騎士はすでに…最強ではないのだとな…!!」

1300年代のヨーロッパ戦争を描く、傭兵の物語「ホークウッド」の7巻です。 
当時の時代背景から、世は騎士道精神全盛期。
騎士が行う戦争といえば広い平原で正々堂々と騎馬兵同士が突撃して打ち合う。
それが騎士道。策謀、計略など恥ずべき行為である。
そんな精神論、信仰が当時には根付いていたのです。

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7巻で始まるのは1346年のイングランドとフランスの戦争。
時代背景的にはまだ銃が出てくる100年くらい前なので
猛スピードで突撃する騎兵に対しては歩兵は壁にならず、弓兵も狙いを定めることも出来ず、
また、前述のように正々堂々というのが根底にあったので、罠も仕掛けずで、
それはそれはまさしく騎馬兵最強の時代だったようです。
ランスを構えて突撃する騎馬兵。上記前提条件からでは他に太刀打ちできるものがありません。

そんな騎士道精神に基づいて戦争の準備を進めるイングランド軍とフランス軍。
イングランドの王、エドワード3世は、広い平原に陣取ると着々と戦争の準備を始めます。
自陣の前に穴を掘り、その穴の上には鋭い先端の杭を何本も用意する。
そして全ての歩兵に弓を携帯することを命じる。
ここまで書いただけで、この手の話が好きな諸兄は全て騎馬兵の大群を蹴散らすための準備だとわかるでしょう。
しかし、当時としてはこの奇抜な作戦は実際に展開されるまでその効果を皆はっきりと理解することが出来ません。
いえ、想像することすら出来ないのです。

※ただ、色々な策略を用いる主人公のホークウッドすらその真意に気づかないのは不思議に思ったり。これはエドワード3世を際立たせるためにそういう反応にしたのかな。


そして遂に対峙するイングランド軍とフランス軍。
平原に大量に陣取った双方の全騎馬軍。戦争開始となります。
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結果、エドワード3世の騎士道精神を踏みにじる策略が炸裂


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うーん、痺れました。王であるからこそ、負けることが許されない立場だからこそ、
最強の存在とされる騎士の脆弱性を突き、合理的な策略を持って完全なる勝利を目指す。
将軍も、王太子のエドワードも疑うことの無かった騎士道精神、策略を弄するは恥ずべきことという根深い信仰があった戦い。
しかし、王ただ一人が、その合理性を深く理解し振舞った。


これ、蒼天航路の曹操と通じるものがあるんですよね。徹底的な合理性と判断力による策略。
感情、信仰など露知らず、ただひたすら最大の効力を得るために最も効率的で効果的な方法を実践する。
正直、ホークウッドで、しかも主人公じゃない人物でこのような展開が出てくると思っていなかったので驚きです。
どっちかというとエドワード3世はかませだと思ってました。
なので自分の中でホークウッドのエドワード3世は株価爆上げ中。
こんなキャラ出てくるなら面白いに決まってるよこの作品。
頭で戦う戦争モノが好きな人は必見。


最終巻の感想はこちら (ホークウッド 8巻 - まさかの打ち切り完結!!)

眠気覚め度 ☆☆☆
  
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