ファンタジー

Helck 7巻 - 信頼の上に築くもの、これは最高のシナリオ展開だ!

「俺は人間を滅ぼす。」

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「Helck」は人間の裏切りの末、魔族側に身を寄せることになり、魔族側の立場として人間へ復讐を誓う人間
の勇者ヘルクの物語ですが、この7巻でまたもや激アツの展開となってまいりました。

元々、この作品の中では人間こそが下衆の塊で、魔族はそれなりの一般的な考え方というか、何が正しくて何が不正かを直に判断する集団として描かれています。人間はとにかく魔族を目の仇にして滅ぼすことしか考えていないのに対し、魔族は人間との共存を提唱していることからそれが窺えるでしょう。

これまでの6巻でヘルクの過去の話も掘り下げられ、その悔恨、復讐の思いが如何にヘルクの中に蓄積されていったかが描写されてきました。それがあった上での、ヘルクとヴァミリオちゃんの帝国進軍となるのです。

上記の通り、ヘルクにとっては人間は殲滅の対象としてしか映っていません。心根は本当に優しい、仲魔思いのヘルクにこの感情を植えつけさせたのも、過去の出来事があってのことです。これまでの魔族と共に戦ったヘルクの行動や振る舞いを見ると、それに対するこの思いというのは並々ならぬ覚悟を感じさせます。それほどまでに、ヘルクの思いは強力で、人間を滅ぼすことでしか人間を救うことが出来ないという考えがあるのです。

ただ、それは人間、おいては過去の仲魔との完全なる決別も意味します。人間側はいくらでも蘇生可能で、さらに操ることで感情の無い兵士を大量に生産し続けています。この蘇生可能というのがポイントで、そこにはかつてのヘルクの仲魔をも兵士として立ち上がらせることが出来るということになります。つまり、ヘルク自身の手で、かつての仲魔の命を絶たねばならないという悲しい結末です。



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ヘルク自身はこの運命ともいえる最悪の結末を受け入れた上での覚悟なのでしょう。それはヘルクにとってどれだけの絶望を再度植えつけることとなるのか。優しい、仲魔思いのヘルクにとって、どれだけ心に穴を作ることになるのか。これ以上に悲しいことなどあるのだろうか。しかしそれでも、ヘルクはそれこそが最良の一手と信じ、かつての仲魔のため、人間のために、自らが苦しむことも承知でそれを行うのです。




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「救おう、人間を。」

それに気づいたヴァミリオのこの言葉。もう駄目、この展開駄目。これだけで涙が出てくる。ヘルクにとって、ここまで自分のことを理解してくれた人はこれまでいただろうか。ヘルクのために、このような結論を提案してくれる人はこれまでいただろうか。魔族という立場に関わらず、いや、魔族という立場だからこそ、状況を冷静に鑑みて、ヘルクの心境も考慮して、誰もが笑顔になれる本当の意味での最良の手段を共に実行しようと言ってくれる人がいただろうか。このような相手を得られたことこそが、ヘルクが魔界へ行った最大の結果なのだろう。



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この力強い言葉。今のヘルクにとって、これ以上の言葉はあるだろうか。人間界で騙され、仲魔を奪われ孤独になり、対立する人間全てを滅ぼそうとしてヘルクに対して、これ以上の信頼の言葉あるだろうか。この言葉はヘルクの心に深々と突き刺さり、生きるための、人間を救うための最大の活力となるだろう。


ああもう駄目、この記事書くために再度読み直してたらまた泣けてきた。他の感想でもたまに書くんですが、こういった絶対なる信頼のような展開に非常に弱いんですよ。絶望の中で孤独だと思っていたヘルクにとって、本当の意味での、上辺だけでない理解者が現れて、しかもそれが魔界四天王の1人で超強力で、さらに全面的に信頼して力を貸してくれて、おまけにヘルク自身を救うために動いてくれるっていうんだから。いやー、ヴァミリオちゃんは可愛いし男気あるし強いし可愛いしでホント最高のキャラやで!

にしても、ホント化けたなあこの作品。当初の出オチ的なギャグ漫画からここまで発展するとは予想出来ないって。戦闘シーンもガンガン上手くなってるし、シナリオも上手いし、裏サンデーってホント全体的にレベル高いと思う。

さてさて、話は上記で止まってるので、勿論次巻も大期待ですなあ!


6巻の感想はこちら (Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!)


眠気覚め度 ☆☆☆☆

ゲート 9巻 - もはや単なる異世界ものだけどその軸はしっかりしている印象

前巻8巻で普通のファンタジーになってしまった「ゲート」9巻ですが、9巻も普通のファンタジーです。あまり自衛隊とか日本とか関係無い感じです。

私はアニメ2期の方は炎竜のところでやめてしまっていたので初見として読めたのですが、アニメ視聴済みの方から見るとこのあたりは既に見たことのあるところなのでしょう。確かアニメ版は炎竜の次の話がレレイの町の話だったし。というわけで、9巻はミノタウロスとのバトルを経てレレイとその義姉アルフェの話になります。 

このアルフェの人間臭さが非常に良いねぇ

嫉妬とプライドの固まりのような人間で、一足飛びに自分を越えていってしまったレレイに対してはひたすら羨望と嫉妬と憎悪と劣等感と尊厳とが入り混じったような感情をぶつけるし、それを隠そうともしない、私は貴様よりも上だという上辺だけの上下関係を押し付けようとする辺りが実にいい。思い返せば、伊丹側の面子は基本賢い理知的な良い子ちゃんタイプばかりなので、自らのエゴを全面に出してくるようなキャラはなかなかいませんでした。帝国側はバカ皇子とかいたけどね。

だからこそ、ここでこういうキャラが出てきたのは光る。今はまだレレイに対して劣等感のみで行動してるけれども、これが成長してこの傲慢なままものすごい実力持つようになったら面白くなるんですよね。そこには期待!


というわけで、ファンタジー色が全面になったのは相変わらずだけど、ファンタジーとしてレベルが高くなってきた「ゲート」9巻でした。これは次巻も楽しみになってきましたねえ。


8巻の感想はこちら (ゲート 8巻 - 普通のファンタジーになっちゃった)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

聖骸の魔女 3巻 - ミュリッタとの3号聖約、そして早くもアダンテとのバトル勃発!!

アダンテの嫁は首だけ!!

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読めば読むほど味が出る、ドシリアスかと思いきやくだけた表情や展開も多めで楽しく読める「聖骸の魔女」3巻もこれまでと変わらず面白さ高水準で展開します。

前巻で図らずも聖約してしまった3人目の「最初の魔女」ミュリッタの登場から始まる3巻です。エゼルバルドもウプスラも謎の病で戦えない状態で、ここは3号ことミュリッタに頼るしかありません。

しかしこのミュリッタ、いわゆる性格ブスでいやあもうその卑屈な言動から行動からもやもやもやもやするわw 聖約したのに「私なんて…」という状態で周りを拒絶して引きこもる始末。ついたあだ名が、


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"蟲毒のミュリッタ"

上手いこと言ってるわこれwww 孤独と蟲毒ってwww 蟲毒のグルメかよwww

まあなんやかんやあって、きっちりいつものは出来たんですけどね。



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いつもの(エロいな今回)




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女神変成(アドベント)!!

あれ?ミュリッタのアドベントそんなにカッコ悪くないぞ。キノコベースでマリオかよと思うところはあるけど、少なくともウプスラの股間おっぴろげで頭巾被るように髪を巻くのよりはセンスあるんじゃないか?グッド。

まあなんやかんやでミュリッタがニコラの三番目の夫となり、三重婚となったのでした。アダンテ以外の11人全員と重婚するまであるぞこのままいけば。


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エゼルバルドも不服ながらも一応今は緊急事態ということで皆で分かち合うならと了承している模様。うらやましいぞニコラ、戦争が終わったらそれぞれがニコラの身体の一部を平等に持って帰るとかでバラバラになるんじゃないか最終的に。そうなると誰が頭を、誰がマーラ様をということでケンカになりそう。


さてさて、話は続いて七つの源罪"暴食"の魔女が出てきます。このあたりの食事の描写が非常に上手い。料理が上手くて見てるこっちも腹が減ってくる。暴食の魔女なので、民には飢餓を、魔女には飽食をという状況を強いており、ニコラたちもとんでもない空腹に襲われることになります。そこでまたニコラたちを救ったのがミュリッタですよ!!さすが3号!さすが3巻の表紙キャラ!大活躍だぜ!



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まさに蟲毒のグルメ

町の食料は手を出せないから、森の中でとってきたのが虫とキノコ。現地調達、獣もいないなら致し方なし、虫も立派なたんぱく質だし、キノコも栄養豊富だからね、腹は膨れるし、まさに背に腹は代えられないね、作中で何度も「毒を喰み、汚泥をすすってでも生き延びるのだ!!」って言ってるしね。



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うおおおおおおおおおいいいいいいいいッッッ!!

さすが蟲毒のミュリッタさん、容赦ない。この後の死を前提にした「怖くないですから、ミュリッタもすぐ後からいきますから」ってのもシリアスに言ってるのが非常に面白いし、ギャグセンスあるわこれ、こういうシュールボケ系がホント好き。初登場時はそれなりにカッコよかったウプスラもこのあたりになってくると完全に単なるツッコみキャラになってるのも好き。(他のキャラが立ち過ぎてるからウプスラがツッコみに回らざるを得ないw)


そんなこんなあり、いよいよアダンテと遭遇するわけです。3巻中のアダンテの話もスプラッタ感満載でシリアスとギャグとスプラッタとが良い感じに調和されていて全体的にレベルが高い。しかも今回はアダンテのアドベントまでお披露目だ!!


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女神変成(アドベント)!!

……うさ耳バンド着けただけじゃないよね?変身前後では今までの4人中一番差分がないというかなんというか。シンプルで逆にツッコミどころがないのがなんとも。もしかしてアダンテが一番まともな、一番人間に近い魔女なのかこれ?


というわけで、既に書きましたが、全体的にギャグもシナリオもスプラッタもレベルが高い作品だと思います。しかも何気にハーレム要素もあり、 女の子も可愛いとなりゃ見逃す手はありません。感想を書くために読み返してもやっぱり面白いし、何よりその画像の多さから見所が多いところもご理解いただけるでしょう。正直、もっと貼りたいところはあったんですが、さすがにやりすぎるとアレだと思いまして制限してるくらいです。それくらいグッと来るシーンが多い作品です。知名度さえ上がれば人気出る作品だと思うんだけどなー、どうかなー。


2巻までの感想はこちら (聖骸の魔女 - 魔女を制するのは魔女、そんな魔女との聖約とは!?)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟

三つ目族の故郷奪還作戦、ダンダルフィアの戦いがはっじまっるよー

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祖国を騙まし討ちにより追われることになった三つ目族の復讐の戦いがいよいよ始まった「天空の扉」8巻です。8巻の半分はこのダンダルフィアの戦いが繰り広げられます。

元からとんでもない技術力を持っている三つ目族はこの世界観で銃を作り上げ、遂には狙撃ライフルを完成させてしまいます。それも2000人の兵士全員に。それに対する嘘つき鬼の軍勢の多くは頑丈な戦闘猪率いる大軍、つまり狙撃を上回る射程も無ければ狙撃を防ぐ手立ても無し。すなわち、戦争は準備段階で既に決していたということとなります。いやあ、こういう軍隊による圧倒的な蹂躙は気持ちいいね。個々人が暴れまわるのではなく、統率がしっかり取れたまるで生き物のような動きは本当に素晴らしい。



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その戦後処理としてもなかなか面白いものが描かれていました。まるでどこかで見たことのあるような話ですね。詳しく言及することはここでは避けることとします。また、これをもっと掘り下げて読めるのが同じ作者作品の「魔法少女プリティ☆ベル」ですのでもっと読みたい人はそっちもチェックです。


8巻の後半は久しく見なかったマギアのディアボロの話となります。女の子と魔王の組み合わせ、さてさてどうなることでしょう。


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こんなことになってしまいました。

そうなんだよなあ、今回改めてディアボロがマギアの強さについて語ったのだけど、ディアボロからありとあらゆる魔法を継承してる時点でマルチハイエンドウィザードなわけだし、それに加えて自動索敵も出来るとかはっきりいって魔力切れと不意打ちを除いたら負けることはありえないんだよなあ。こりゃ反則、インチキ。ルーシュ達はスタン以外全員頭おかしいレベルで強すぎるし、スタンも唯一の素人のクセに良い展開になってきたし、ホント見所あるよ天空の扉は。設定が良く練られてる、しかも論理的に。だから読んでいてすんなり納得出来るのがいいね。

さてさて、今回の表題にした「戦いの覚悟」ですが、怒りと共に自分や仲魔を守るために敵対者を容赦なく殲滅出来るようになったルーシュ、やらなきゃやられる、今放っておいたらあとで大変なことになる、と理性で敵対者を殲滅出来るようになったスタン、実は最初からいる人間枠でまだ人を殺していないのはマギアだけです。ゴブリンは笑顔で殺せるのにね。そのマギアに今回大きな試練が訪れることになります。魔王に強いと明言されるマギア、果たして彼女はその覚悟を越えることが出来るのか?いやあ、良い展開だなあ。


ストーリーもそうなんですが、先ほども書いたように設定が細かく決められてることがより面白さを増しています。今回の例では戦闘猪の設定ですね。作中自体に書いてあるのをまとめると「分厚い皮膚や力強いパワーで攻撃をものともせずに進撃を続け、目の前を蹴散らし、死体や雑草を食べ、破城槌のように建物を破壊してしまうスゲー強いブタ」という感じなのですが、おまけページに書かれている補足が秀逸でした。それは、強力な動物があるゆえにその食欲が旺盛過ぎて周辺の土地をあっという間に食べつくしてしまい、維持するためには遊牧民のように場所を転々と移動しながら食物を求めなければならないがゆえの国家自身の侵略性ということ。単純に卑劣で弱者を蹂躙するのが好きというだけじゃなくて、そういう背景もあってゆえの侵略という見方も出来るのが凄く良い。

というわけで、やっぱり設定が面白い「天空の扉」8巻でした。当然次巻も楽しみですな!


7巻の感想はこちら (天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!

怒りのアズドラが遂に本気を出す!!

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という最高潮の引きで終わる「Helck」6巻です。初期の出オチだったギャグ漫画からここまでシリアスな作品になるとは誰が想像したでしょうか。アズドラ自身も当初は抜けたボケ担当だったのに、こんなにもカッコいい姿を見せてくれることになるとは。これだからHelckは面白いんだよなあ。

設定自体も実際結構練られていて、勇者システムとか人類総勇者化計画とか勇者は死んでも生き返って強くなるとかなかなかファミコン世代にはたまらないものになっています。ただ最近思うのは、自分が読んでるのがそういうのが多いだけかもしれないけど、やたらと人間と魔族が対立していて魔族側が実は良識あって人間側がエゴの固まりの聞く耳持たないという書き方が多いような気がする。その方が人間臭くて好きだけどね。


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こんなこと言われたらもう信じるしかないやろー。これまでも人間に裏切られ、人間に蔑まされて来たヘルクなんだから、魔界に来て出会った人たちと育んだ関係や信頼を言葉でぶつけられるとか絶対やばい。自分が当事者だったら泣く、間違いなく泣く。

というわけで、過去編が終わって次の話に向けて動きだすところの6巻でした。7巻はアズドラの本気から始まるはずなので大いに盛り上がることを期待!!


5巻の感想はこちら (Helck 5巻 - 人間のヘルクが魔族側についた理由が遂に明らかに!)
7巻の感想はこちら (Helck 7巻 - 信頼の上に築くもの、これは最高のシナリオ展開だ!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

ゲート 8巻 - 普通のファンタジーになっちゃった

炎竜を撃破し、次に伊丹たちへ訪れる試練とは!?

ゲート8巻はKindle版が出ておらず、近所の本屋にも売っていなかったので久しぶりにAmazonで取り寄せました。
というか、本屋からゲートが1冊も無くなってたのが不思議。2期もスタート直前だし、今から一気に盛り上がるところだと思うんだけど。 

アニメの方のゲートはおそらく炎竜編全部やる感じだと思うので、この8巻の内容は入らないでしょう。
なんにしてもアニメの方も楽しみですね。

で、このゲート8巻ですが、話は炎竜撃破後の話から新展開となります。今回展開された話は2つ。 
 - 帝国側の皇太子クーデター
 - 伊丹たちの資源調査の旅
となります。

なるのですが、クーデター編はあまりに予定調和に事が進みすぎるし、これからおそらく戦争が始まるだろうというところで伊丹たちに切り替わるので尻切れトンボ。
伊丹編は本当に普通のファンタジーの様に話が展開していき、ゾンビが出るわコカトリスが出るわヤオの成長を促す回だわでいまいち盛り上がりに欠ける展開。

ヤオに関してはおそらくこの後の伏線のためなんだろうし、元々の文化の違いからの考え方の違いということを表現しているんだろうけど、そうだとしても序盤で非常にすんなり納得したレレイ達と比べるとあまりに頭が固いのでイライラさせる要素満載。 

クーデター側もどうせ事を起こしても圧倒的武力の前にひれ伏すことになるのだろうし、そもそも日本の政略が今回は全然見えないし、首謀者が栗林に散々ボコボコにされた皇子なので噛ませ臭が半端じゃなくて見てて「うわぁ…」って感想になること受けあい。


というわけで、話的には単なる凡作と言える8巻でした。そりゃそうか、元々日本と帝国の文化の混じりあい(戦闘や生活等々)が面白い作品なわけで、そのあたりが一切無い8巻では普通のファンタジーに成り下がるよねえ。

次巻以降もずっとこんな感じなんだろうか。うーん、そうだとしたらちょっとなあ。。。


7巻の感想はこちらから (ゲート 7巻 - 魔法と現代兵器)
9巻の感想はこちらから (ゲート 9巻 - もはや単なる異世界ものだけどその軸はしっかりしている印象)

眠気覚め度 ☆☆☆

聖骸の魔女 - 魔女を制するのは魔女、そんな魔女との聖約とは!?

「もろうたぞ、そなたの純潔の涙」
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15世紀ローマ、魔女が跋扈している世界。
そんな中、浄会には「最初の魔女」と呼ばれる12人の魔女が封印されていた。
その魔女の封印を解くのは「聖約」。失われた左手の薬指を戻すことによって「最初の魔女」はその姿を現世に取り戻す。

というのが「聖骸の魔女」です。
記事を書くにあたってもう一度1巻から読み返したのですが、実に面白かった。
1巻だけでも十分面白かったのですが、2巻も読むと相まって良くなりました。

というのも、魔女狩り時代の魔女VS魔女という裏地をしっかり構成しながら、中身はコミカルギャグもありシリアス戦闘もあり可愛い女の子の嫉妬もありとごちそうにごちそうを備えたような力作なのです。


さてさて、この「聖骸の魔女」というのは、上記にも書いた封印された「最初の魔女」のことを指しています。
1000年以上も封印され続けた「最初の魔女」、そしてそれを元にしたコピーと言える現代(15世紀)の魔女が対立するわけですね。
15世紀で大暴れしている魔女達を制するために「最初の魔女」の力を借りていくということになります。

その魔女の力を借りるための契約を「聖約」と呼ぶことになるのですが、その意味はというと、
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なんですねー。
つまり、「最初の魔女」と聖約するということは結婚そのものをするということになると。



で、上記画像の通り、2人が同時に「結婚」宣言しています。
つまりこれ、12人の最初の魔女の内、既に2人と結婚、重婚していることになります。ニコラくんやっるー。
左側の魔女エゼルバルドの聖約は一番トップの画像の感じ、右側の魔女ウプスラの聖約は、
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という感じ。見目麗しい。

と、こんな感じで、ひょんなきっかけで「最初の魔女」と結婚していき、敵対する魔女と戦っていくのが「聖骸の魔女」の本筋となります。

さて、そんな戦い方法なんですが、魔女たちは聖約しただけではまだ戦う能力がありません。
戦うための能力を発揮するためには聖約した相手、夫のニコラのあるものを取り込む必要があります。

それが、
涙だったり、
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血液だったり。
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そんな夫の体液を媒介に変身していきます。
それが、
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ん?






夫の体液を取り込むと、
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これになります。
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これが、
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こう。
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カッコ悪くねーかこれ?www


なんつーか、微妙なセンスというかなんというか。
ちょっとしたやられやくっぽく見えてしまうというか。
何よりも、もともとの格好がすごいカッコよくて美しいからこそこの姿に違和感感じるというか。


だってこれが、

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こうよ?www
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とりあえずウプスラは足閉じてwww

もうダメだった、読み返した時、この真面目なシーンとこのギャップでひたすら笑ってしまった。
しかもシナリオ的には変身シーンはバトルの重要シーンだからね。
「最初の魔女」の強さ的に変身すれば勝ち確定みたいなもんだから、今後はどうやって変身するまで持っていくかという話がメインになりそうなくらいだしね。
だのに変身シーンはこれだからね、笑わないわけないね。


まあ敵が攻撃してきた手を弓矢で撃ち抜くくらいすごいんだけどね。
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思わず変身シーンでバカにしてしまいましたが、その実中身は本当に面白い作品です。
最初に書いたようにシリアスシーンも多いけれども、それと同等くらいのペースでコミカルな展開あり、重婚ゆえの嫉妬ありで見ててニヤニヤしてしまうシーンも多いです。
そのバランスが秀逸で、非常にテンポがいい。サクサク読み進められる要因ですね。

特に2巻の、ニコラの怒りを起こすためにニコラの目の前でエゼルバルドが拷問を受け続けた時なんてグッときましたね。


エゼルバルドのこの台詞からニコラは思わず涙を流し、
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女としての喜びを味わった結果、
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涙飲むんだから。
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もちろんこのあとにめちゃくちゃアドべント(女神変成)ですよ!
シリアスな流れでいきなり涙べろんべろん舐めてあの変な格好になるんだから笑わないわけないだろ!!(言いすぎ)

たぶん作者も大真面目に描いているんだろうけど、最初の設定からどうしても笑いに変化してしまうというこの流れが恐ろしい。
というか、こういう穿った見方をしないとそうそう笑ってしまうシーンではないんですけどね。
現に最初に読んだ時は全然違和感感じなくて笑いもしなかったし。


とまあ、こんな感じの作品です。2巻の最後の方では3人目の「最初の魔女」の棺も登場し、
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まさかの三重婚をほのめかされて、
しまいにゃ

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と、笑顔で棺桶破棄を提案するエゼルバルド。
こんなん笑うわ。だって見開きでこの笑顔で疫病神は捨ててしまえって言ってるんだもの。笑わないわけがない(反語)


でも最終的には

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三重婚しちゃうんだけどね!!



とまあこんな感じで終始バカにしてしまっているような感じですが、非常に面白い作品だと思います。
1巻だけじゃそこまで魅力感じないかもしれませんが、2巻まで読んで、そして読み返したら一気に面白いと感じました。
個人的にはこういう作品好き。
何より、暗い時代で描かれがちな中世の魔女の話をここまでコミカルにシリアスに表現したという点がグッドです。
当然ながら次巻も楽しみですなあ。


3巻の感想はこちら (聖骸の魔女 3巻 - ミュリッタとの3号聖約、そして早くもアダンテとのバトル勃発!!)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

かつて神だった獣たちへ 3巻 - 戦時中の英雄と戦後の悪魔と

戦争に行ったお父さんは、
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竜になって帰ってきました。 
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そんな戦時下の英雄と、戦後のその立場を扱った「かつて神だった獣たちへ」の3巻となります。
率直に言うと、1,2巻よりも面白かったです。

というのも、今回顕著に見え隠れしたのが人間の悪意。 

この作品、戦争時に擬神兵として竜や狼のような獣、いわゆる魔獣になった人間達が、戦後にはその姿を戻すことが出来ず、理性も無くなり、本当にただの獣に成り下がってしまうというところがメインのストーリーとなっています。
理性も無いので家畜や畑、はたまた村も襲ってしまうものもいれば、理性は保っているものの、平和になった世界の人間達が自分達に向ける悪意、敵意のせいで敵対視してしまっているものもいます。

もう書いてしまいましたが、その人間の悪意が顕著に現れてきたのです。

元々、戦争を治めるために犠牲の心で獣になって戦った人間達。
しかし、戦争が終わると、戦争に行かなかった人間は手の平を返したように彼らを腫れ物のように扱います。
こういう心情の変化、人間の弱い心、こういう人間臭い表現が実にたまらない。大好物です。

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彼らも頭の中では理解しているのです、擬神兵になった人たちのおかげで平和が訪れたことを。
しかしまた、戦争から帰ってきた、理性を失った擬神兵が彼らの畑や家畜を襲うことで被害を受けていることも事実です。

そんな相反した事実が織り交ざると、人間は現状の回復をするように行動するのは必然です。過去に縋っても意味は無いですから。
だからこそ、未来へ向けてしなければならないことと、過去に対しての感謝と敬意とが入り混じった結果、どうしようもなくその感情をぶつけることとなるのです。

こういう話ホント好き。こういう展開があったから1,2巻よりも3巻が面白かったです。


また、大筋のシナリオもいい感じに展開してきましたね。
元々戦争を終えて平和になった国で、擬神兵の扱いについて対立が起こり国が分断される。
そしてそれぞれの国で対立するのは親子である。うーん、ドロドロしてきたなあ。


というわけで、3巻になってグッと面白くなってきた「かつて神だった獣たちへ」、続刊も期待です!

前巻までのレビューはこちら (かつて神だった獣たちへ - 力を持ちすぎた兵士の戦後の末路)


眠気覚め度 ☆☆☆☆


Helck 5巻 - 人間のヘルクが魔族側についた理由が遂に明らかに!

「醜い。」

序盤のギャグパートはいつの間にか消えうせ、すっかりシリアスな雰囲気になってきた「Helck」ですが、
この5巻では95%シリアスパートだけで構成されていました。
内容はHelckの過去編。4巻の後半から5巻まるまる全部過去編なのでかなりの長編ですね。

当然過去編なので、なぜヘルクが魔王を決める大会に参加することになったのか、その原因を明らかにすることが目的となります。

この「Helck」の世界観ですが、最近結構ある設定の魔王側(魔族側)は人道的で人間と敵対するつもりはないが、人間側がその能力の差から一方的に敵視するというものです。
特に生かしてる設定が、人間、魔族の他の第三者としての立場が魔物ということ。
魔族と魔物が別物です。魔物は環境から自然発生して、人間も魔族も同様に襲います。

そのことを魔族側は十分理解しているのですが、人間側は魔族と魔物を一緒くたにして、魔族が魔物をけしかけているという認識、そのような教育をずっと続けているわけです。
幼少から教え込まれた世の中の仕組みというものを覆すのは並大抵のことではなく、例え100人に1人や2人の例外となる人物がそれに気づいたところで、正論を唱えても集団心理を打ち破るのは難しいものです。 

今まで信じ続けたことの否定は、頭でも納得することが困難であり、心でも自分が間違っているということを認めるのに強い気持ちが必要となります。
また、人間は楽な方へ、そして声の大きい方へ流れるのが常ですから、この状況を打開するのは如何に難しいかというのは言うに難くありません。

そして始まる人間総勇者化計画。貴族以外の庶民を全て勇者という超人に変えてしまおうという実に理に適った、そして非人道的な政略です。


そんな人間が行った、ヘルクと、その仲魔たちと、そしてヘルクの弟であり、勇者として祭り上げられたクレスへの仕打ちの結果が、


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常に笑顔だったヘルクにこのような表情をさせることとなります。


このシーンはホントドキッとした。こういう表情とかの、たった一枚で様々な感情を表現することが出来る漫画ってホント素晴らしい。
言葉や文章以上に、人の心というものはその表情を見ればわかるのです。
このようなゾクッとするような、思わず震え上がるような体験が出来るのは良い作品であることの証明です。


少しそれましたが、この表情の結果が、Helck 1巻に繋がることとなります。
Helck 1巻は8割ギャグ漫画だけどな。


というわけで、ヘルクの過去編で終わってしまった5巻、おそらく6巻も少し過去編が続きます。
面白かったので当然次巻も楽しみです。

にしても、裏少年サンデーって割と読むものあるな。
懲役339年勇者が死んだ! もHelckもケンガンアシュラ も面白いもんなあ。
ぶっちゃけ週刊サンデーより面白いんじゃないのか?いや、読んでないからわからんけどさ。
昔は読んでたけど、10年位前の時点で読むもの無いと思って読まなくなってから読んでないからなあ。


眠気覚め度 ☆☆☆☆

以前の感想はこちらから(Helck - 人間の勇者は人間を滅ぼすために立ち上がる)
6巻の感想はこちらから (Helck 6巻 - ヘルクの過去編終了、アズドラの計略始動!)

天空の扉 7巻 - 各勢力の思惑、そして始まる三つ目族の戦争

剣と魔法の世界に登場した銃、それを武器に三つ目族は領土奪取の戦争を仕掛ける

武器の射程の概念や論理的な戦術、一枚岩ではない魔族の各勢力のそれぞれの思惑が交錯する「天空の扉」の7巻です。
この作品の一番の特徴と言えば、敵対しているのがかつて魔王を倒した勇者であるということと、主人公は世界最強の運送業者だということでしょう。
だって荷物を運ぶために音速を越えて移動するんだから。そしてそれを移動じゃなくて攻撃に転化できるんだから。

さてさてそんな作品の第7巻、散り散りになったルーシュたちのそれぞれの動きと、領地奪取の戦争に向けて動きだした三つ目族がメインです。
面白いんだけど、それぞれの話を丁寧にやってるから進みは遅いかな。なんとももどかしい。

何よりもメインで話が動いたのはやはり三つ目族の話。
戦争を始めることの準備から、その戦争を正当化するためのコネ、裏への根回し、そしてそれぞれの勢力の思惑と、政治的な動きが大きかった本巻です。
こういう話も好きなんですが、なによりも

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っていうような熱くなれる展開がいいね!
徹底的に戦争の準備をして確実な勝利をもぎ取るための決意。
あとこの準備の描写も、剣と魔法の世界観にも関わらず手先が器用な三つ目族が銃を作り上げたということで、

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というような細かい描写があるところもグッド。
特に軍隊にしっかり娼婦をつけてるところが、略奪も強姦も認めず軍としての機能を果たすというところが窺えて尚グッド。
戦争だからね、綺麗ごとじゃないからね。欲を吐き出すところを用意するのは大事だね。

そんなこんなで、ちゃくちゃくと戦争準備が進み、まるで三つ目族の勝利が確約されているようなところがグッド。
だけどおそらくただではすまないのでしょう、どうなることやら。


あとルーシュと竜魔族との交渉も実によかった。
あそこまで追い詰められる展開、しかも論理的には全く正しい展開になると思わなかった。
むしろその後の展開に疑問を感じたくらい。
こういう合理的に、理知的にものごとを進めていくからこの作品は面白いのです。


8巻の感想はこちら (天空の扉 8巻 - 戦いの覚悟)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

実は天空の扉はいつか時間があればおおきく取り上げたいと思っています。
が、なかなか方向性が定まらない。。。

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