サスペンス

累 9巻 - 明かされる "いざな" の生い立ち

「私だけが何も知らない莫迦だった!!」 

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8巻で累の口紅を破壊した野菊、"咲朱"としての生命を終えるためのカーテンコール、その必読の展開から始まる「累」9巻です。これまでの累と野菊のやり取りに一旦終止符が打たれることとなります。

いやあ、この展開はまあ予想出来る範疇ではあるんですが、やはりすごいのはとことんまで貫く累の傲慢さですね。生きる為に、自分の存在意義の為には人の顔を奪い続けるという業を背負う宿命にあり、かつそれを受け入れて他人を貶めることも厭わないその姿勢、主人公ながらにまさしくラスボスの雰囲気をかもし出してますなあ。

その傲慢さをひた隠し、表では大女優として羽ばたこうとしてるのはまた、晴れやかな人の裏側はこんなにもドロドロしているのだというのを的確に表しているというか、この人間臭さが本当にたまらない。こういう強烈な個性を放つキャラがいると漫画というのはグググッっと面白くなりますね。

さてさて、「累」9巻の後半は累の実の親である "いざな" と、野菊の実の親である "淵 透世" の物語となります。いわゆる過去編ですね。 


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異母姉妹である "累" と "野菊"、その母親たちである "いざな" と "淵 透世" 。透世はいざなの顔になるための生涯であったのか、そして野菊もまた累の顔になるための運命となるのか。この因縁がゾクゾクしてたまりません。

とはいえ、まあある程度はわかっていた過去ということなので、盛り上がりはちょっと控えめかな。正直透世がお人好し過ぎて虫酸が走るほどだったのですが、強いてあげるならそれくらいとも。ただ、ラストの2ページは再びゾクゾクw この対比は本当にゾクッとする。


というわけで、8巻の展開が気になるなら必読の「累」9巻でした。
早いところいざな編が終わってまた累の話に戻るのを期待します。


8巻の感想はこちら (累 8巻 - マクベスと己の罪)

眠気覚め度 ☆☆☆☆

ゴールデンゴールド - 福の神がもたらすのは幸福か破滅か

こいつは果たして本当に福の神か?

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衝撃的な時間静止サスペンス「刻刻」を描きあげた鬼才、堀尾省太の新作はある島にまつわる福の神をテーマにした「ゴールデンゴールド」です。

読み始めたらページをめくる手が止まらない止まらない。続きが気になって気になってしょうがない。次のページをめくるとどんな絵が映し出されるのかが簡単に想像出来るのに、いや、できるからこそめくりたくない気持ちもあるという矛盾。これこそ本当に面白い漫画と言えるでしょう。ページをめくるだけでここまで気持ちが盛り上がる見せ方ってのもなかなかないと思います。

雰囲気も基本は「刻刻」と似たような感じで展開するので、空気感も似たようなものです。落ち着いた雰囲気で、実に現実世界に近い空気感。そこに存在する明らかな異質、その融合の世界観がたまらない。

ストーリーは、島に上記画像のような彫り物が海岸に落ちており、それを何故か拾い洗剤で綺麗にしたのはいいが、気味が悪くなり結局神社の祠に置いてみたところ顔を上げたら目の前にコレがいたという恐ろしい展開。前述しましたがこのページをめくる時が一番躊躇しました。何が出てくるのか想像できたのにそれをあえて見たくないという気持ちが入り混じる感じ。うーん、楽しいねー!!

これだけ気持ち悪い上に現実にありえないことが目の前に起きているのでそりゃ逃げますわな。逃げる道中も色々あり、最終的にはまくことが出来ました。やったぜ!!





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なんで家にいるんだよオオオおおおおおおおおおおおお!!!!!!!

ここも予想は出来るけどめちゃめちゃびびるわ!!加えてばーちゃんが何事もなくもてなしてるのもすごいわ!!!
いやー、ここは笑った。笑うようなシーンじゃないんだろうけど、あまりにもセオリー通り過ぎて、その潔さに感服。

その後はこの福の神(作中でも便宜上こう呼ばれるようになった)が来てからの生活変化について進展していきます。それは福の神がいるところ(店)には客が多く来るようになるということ。この主人公の家は民宿を営んでいますが、客が来たのは10年振りという始末。その宿に次々と来るわ来るわの予約連絡。加えて商店も細々とやっていますが、福の神が来た日は店中の品物が完売。つまり本当の福の神なのではないかという疑念が浮かび上がります。

その調子で商売繁盛しまくるばーちゃんは金に目がくらんだのか経営の拡大化を今更ながら考えるようになっていき実際に行動を開始します。果たしてその思考は真っ当なものなのかどうか。

というのも、この作品の舞台はコンビニすら無い小さな島です。小さな島とはいえコミュニティがあり、商店街があり、お互いの共存によって成り立っています。それがこの福の神がもたらす効果により、島中の貨幣が主人公の家に集まるということに徐々になっていくのでしょう。その果てに考えられるのは主人公のばーちゃんによる独占状態、商店街やコミュニティの崩壊です。お互いが同じような境遇であったからこそ成立していた関係であるのに、そこにひとつもふたつも頭が抜けた人物が君臨することになります。必然的に全ての物事はその頂点に集まることになるでしょう。つまり王の誕生、封建社会の成立です。

まあそれは本当の最後の時点でということになりますが、現実でもしばしば問題視される「大型スーパー設立による商店街の閉鎖」ということは十分に考えられるでしょう。その先にあるのは頂点に対する反発と暴動です。

どうしてそこまで想像出来るのかというと、そもそも第1話の最初のシーンで明らかに過去に何かが原因で争いが起きたことを示唆してるんですよ。



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しかも死体全部の顔が福の神と同じ


気持ち悪いなーと思うことでしょう。実際そういう嫌悪感を沸かせるためにこのような表現となっていると思います。これだけを見ると日本人形に魂が宿ったみたいで怖いです。

さてさて、この顔にどこか違和感を感じなかったですか?実は既にこれまで貼った画像にその違和感の元があるんですよ。



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ばーちゃんと福の神の顔って似てませんか?





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似てませんか?


んんっ?これはまさか、冒頭であったから、いや、うーん、島の子孫だから似てるとか?と色々考えました。ええ、考えましたとも。つまりそういうことなのかなーと。






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うわああああああ!!!!つまりそういうことなんだな!!!!!


これも予想的中でゾクッとしたわー。全部軽く伏線張ってあって、わかりやすくリードして、さりげなく出してくる感じ本当に上手い。ドキドキ感、ワクワク感、そして恐怖感を一斉に味わえるなんてなかなか無いですよ。刻刻ではこういうのはあまり無かったので新しい手法を取り入れたということでしょう。極めて自然に読み手を作品の世界に引き込むその技術、素晴らしい。

というわけで、ゴールデンゴールドはちょっと奇妙で日本人形嫌いな人には読みにくいかもしれませんが、ドキドキありワクワクあり人間臭さありこの先ドロドロの展開ありそうと最高に期待できる作品です。これは次も要チェックです。
ついでに「刻刻」も最高に面白いので是非!「刻刻」は全8巻なので読みやすいぞ!


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

累 8巻 - マクベスと己の罪

「唯一残されるのは罪。マクベス夫人が、そして私が見たくなかったもの」

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 舞台「マクベス」の公演と野菊の復讐が平行で進んでいる「累」8巻は本当に素晴らしかったです。特にマクベス夫人を累の境遇と重ねることによって、その役に没頭すると同時に罪から目をそらせなくなる展開が非常に良く表現できています。

夫であるマクベスと共謀して王を殺害し、マクベスを次の王へ、そして自身を王妃へとするマクベス夫人。共謀時は怖いものなど無く、人を殺すことすらいとわない信念と野心の強さを見せます。しかし、いざ王権を奪取したものの、その後は悪政等々より周囲から追い立てられ、最後にはその信念、野心を失い犯してきた罪に脅え心を壊していくその姿、それを演じる累自身がまるでマクベス夫人そのものになってしまったかのような演技。このマクベス夫人と累のこれまでの罪を重ねることによって、改めて現実を直視させるという見せ方は本当に上手い。ただただ魅入ってしまい、ページをめくる手が止まることはありませんでした。

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それにあわせて、復讐を誓った野菊の動きと心の葛藤も素晴らしいですね。復讐するために、決して許すまいとしていた過去の自分をも利用するその信念。こちらも累同様に、内に秘めた熱い怒りが煮えたぎっています。その駆け引きがたまらなく面白い。

とはいえ、既に体勢は決しているかのようで、全ては野菊の計画通りに進んでいきます。そして終盤のあの展開ですよ。非常に、非常に続きが気になるところで終わってるので早く続きが読みたい!


ところで、その引きの為にあまりページにデビルズラインの1話が載っていたんだけど、これどういう関係なんだろう?


7巻の感想はこちら (累 7巻 - 姉妹の騙し合いが始まる)
9巻の感想はこちら (累 9巻 - 明かされる "いざな" の生い立ち)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

さよならノクターン - 廃墟に集いし子供達が町を騒がせるその先には

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思春期真っ盛りの少年少女のお遊びは、やがて遊びでは無くなっていく。。。

永瀬ようすけの新作「さよならノクターン」はひょんなきっかけで廃墟となったラブホテルに集まることになった中3の少年少女たちの物語です。

それぞれ様々な理由で「ノクターン」という廃墟に集まった子供達が、その中でだけの信頼関係を立て、それぞれの深い事情は追求することなく閉じた世界で活動していきます。その活動というのが「誰にもばれないように町の人たちを驚かせる」というものです。それはUFOを作り出して騒ぎにしたり、壊された公共物をこっそり直したりといったものです。そういった隠れた活動を通して絆を深めていくのがこの「さよならノクターン」となります。


と、思うでしょ?永瀬ようすけの作品がそんな綺麗な話だと思いますか?「生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと」という超絶ゲスマンガを描いてる永瀬ようすけがそんな綺麗な作品を描くわけがないんです!






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ね?


たまらんなあこの展開。ぎりぎりのところで保ってた歯車の歯がひとつ欠けてしまったような瞬間。一生懸命自分達の居場所を守ろうとしていただけなのに、ひとつ歯車が狂っただけでこうなってしまう恐ろしさ。いやあ、狂気って、本当に面白いですね。

という最高の引きで終わった1巻でした。続きが見たいぞー。


ノクターンのメンバも割りとテンプレ通りな感じで、周囲に馴染めない主人公、ヤンキー、家では優等生、ニコ生主JC、隣のクラスのアイドルと個性派揃いです。共通してるのは、みんな最終的には居場所を求めてノクターンに居ついているということと、そこが居心地の良いものであるということ。そういうベースがあるから、多少ノクターン外でおかしなことがあってもぶれない。むしろ安堵を求めてノクターンにやってくる。

そんな彼ら彼女らが拠り所にしてるのがノクターン。誰も知らない廃墟。誰も知らないはずだった廃墟。廃墟への侵入者。軋み出すノクターンの歯車。そして。。。

途中まではインパクトは弱かったですが、後半の展開で惹かれましたね。やっぱり永瀬ようすけはこうでなくっちゃ。


あと一番エロいのは留里さんです。だって
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普通の服装してるのにこの卑猥な線が見えてるんだぜ。



ちなみに、「生まれる価値のなかった自分がアンナのためにできるいくつかのこと」もなかなかゲスで面白いです。苦手な人は嫌悪感しか生まないと思います。


眠気覚め度 ☆☆☆

僕だけがいない街 7巻 - 動き出す最後の戦い

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「僕だけがいない街」の始まりはきっとあの娘がいた時間だ。

15年の眠りから目覚めた悟、アイリとの現時間での再会、そして再び動き出す犯人。
そんな「僕だけがいない街」の7巻は次への、おそらく最後の犯人とのバトルへの動き出しになったある意味第3部の序章のような展開でした。

ちなみに第1部は小学生に戻るまで、第2部は小学生編、第3部が今の15年の眠りから覚めた後と勝手に定義しています。

いやー、7巻もよかったなあ。この作品、言葉ひとつひとつがずっしり来る。
母親の「「もっとやれたハズ」っていう言葉は「もっとやれるハズ」に換えて未来の自分に言いな」とか、
医者の「医者が苦労して分析した予測・計画を台無しにしてくれるやっかいなモノがある、「人の意思」だ」とか、
アイリの「‥「言葉」ってさ、口に出して言ってるうちに本当になる気がする」とか、
いちいちカッコいい言葉、グっと来てしまう言葉が出てくるのが胸打つ。読んでて前向きになろうという気持ちにさせてくれる。

それだけでも素晴らしいのに、加えてサスペンスとしても優秀ってんだからもうね、すごいよね。


それと演出も素晴らしい。母親と犯人、二人の15年間の悟への気持ちをミスリードさせるような感じで読ませていく流れはホントすごい。いつの間にか母親の視点から犯人への視点へシフトしていき、それに気づいた瞬間はたまりませんでした。よく見たら切り替えポイントも明確なのがグッド。漫画的な、自分の好きな表現です。

いやー、よかった。動きがないのにこの面白さだもの。ホント次が楽しみ。
ひとつ気になっているのは、修学旅行でケンヤが頭割られて薬塗るシーンがヒロミだったり悟だったりするところ。

最初はヒロミが殺されてるから悟が塗っている。
悟が殺人を防いだ次はヒロミが生きているからヒロミが塗っている。だけどこの時は悟は植物状態になっている。
ならなんでヒロミが塗っているっていう記憶があるんだろうか。
植物状態の時はその記憶が無いはずだから、記憶にあるのは悟が塗っているところだけで、ヒロミが塗るっていうことが出てくるの事態あり得ないのだけど。
もしかしてなんか見逃してる?もう一回読み直した方がいいかな。
もしもこれがこの記憶通りだとしたら、ヒロミが生きてて悟が植物状態になっていないルートも一度は通ってるということがないと説明つかないと思うんだけども。

そういう観点で考察していくのも楽しいのが「僕だけがいない街」の良さですね。


ところで、アニメ化とか映画化とかなってるけど、いったいどこまでやるんだろうか。
まだ完結してないのに決着つけられるのか?


前巻のレビューはこちら (僕だけがいない町 6巻)

眠気覚め度 ☆☆☆☆☆

モンテ・クリスト伯爵 - 巌窟王モンテ・クリスト伯爵が超美麗な絵で蘇る

世界的に有名な傑作「モンテ・クリスト伯爵」のコミカライズは1巻に集約された珠玉の力作!

モンテ・クリスト伯爵。日本版では巌窟王というタイトルで有名な世界中に知られる名作。
みなさんも一度はその名前を聞いたことがあるでしょうし、原作を読んだことがある方も多いと思います。
そんな有名作を原作にするのですから、面白さはほぼ確約されるというものです。
あとはそれをコミカライズする力量。如何に面白く、如何に漫画的表現でその世界を表すのか。 

実はこの作品、あとがきにも記載されていたのですが、作者の森山絵凪の初単行本となるようです。
そしてその画力、表現力は如何ほどなのか?

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これですよこれ、圧倒的な画力。本当に新人かと疑ってしまうほどの緻密さ。
まずコミックを開いて最初の絵が飛び込んできたので正直度肝を抜かれました。
この緻密さ、表現に圧倒されたのです。この時点で絵の方は文句のつけようがなくなりました。


序盤の復讐を誓うまでの流れも秀逸で、一気に引き込まれることになります。

牢獄での怒りを曝け出すシーンとか、
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脱獄してモンテ・クリストの財宝を手に入れて復讐を誓ったシーンとか、
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というように話の中の絵もイケてるしね。
あれだけ緻密なのに、ホント読みやすい。すごく漫画向けの絵になっています。


特にメルセデスと再開したシーンの見開きとか凄く素敵。

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台詞などいらない、絵だけでそのシーン、そしてそれぞれの感情まで読み取れてしまう。
そういう私の大好きな漫画表現もばっちり描ききれています。
こういう作品に出会えることは本当に嬉しい。



そしてまた、話自体も展開が上手い。
元々全7巻の小説を1冊のコミックにまとめてるわけですから、様々な箇所を端折らなければならないわけです。
それなのに、抑えるところはしっかり抑えています。一部やはり「ん?」となるような展開はありましたが、それほど気にはなりませんでした。
逆に1冊で終わらせるためにポンポン進むので展開の早さ、疾走感は抜群です。

逆に言えば、原作を知っている人に取っては物足りない感じでしょうか。
かくいう私は原作は未読ですが、端折った話があるのであればもっと丁寧にしっかりと、この作者、森山絵凪さんの絵で読みたいところです。
それくらい、この作品は凄かった。だらだら長く描くよりもずっといい。本当に眠気が覚めたこれは。


というわけで、モンテ・クリスト伯爵が未読でも既読でもオススメです。
1冊でまとめられたこの作品、漫画好きには是非とも読んでいただきたい。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


 

累 7巻 - 姉妹の騙し合いが始まる

「さまざまな人の思いが 交差し はじきあい 浸色りあう   しかしそれらも皆  染めあげてみせよう 朱一色に」

醜悪な容姿を持ちながらも天性の演技力を持つかさね、
見目麗しい容姿を持ちながらもその容姿からこれまで苦痛を味わい続けた野菊、
そんな2人の異母姉妹を繋ぐものは「相手との容姿を入れ替えることが出来る口紅」

そんな「累」7巻ですが、遂に正面きってかさねと野菊が接触することになります。

かさねは丹沢ニナとして味わった生活を忘れられず、次なる美しい顔を求めて、
野菊はそんなかさねに復讐をするために。

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この各々の思惑を秘めた騙し合いが非常に面白い。

何よりも、美貌に執念を持ち始めたかさね側の、野菊を騙すためにすらすらと出てくる嘘とその演技、素晴らしすぎて、美しすぎて、思わす怖さを感じてしまいます。

それに対して野菊側の闇の書き方もすごい。
父親に性的虐待を受け続けた過去と、天ヶ崎との関係と、全てを憎んでいた世界と揺れる心と。

どちらかというと、かさねは執念の悪魔を貫き通し、野菊は人間としての心を取り戻していくという流れになるのでしょうか。
どちらも持つのは深い闇、そこから先に見えるものはということで。


ああ、どう考えてもハッピーエンドで終わらないこの物語、ホントたまらない。
どろどろで様々な思惑、悪意が入り乱れるこの「累」は本当に面白い作品です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆


累 6巻の感想はこちらから (累 6巻 - そして醜悪な己に再度遭遇する)
累 8巻の感想はこちらから (累 8巻 - マクベスと己の罪)

 

真実の魔法少女 - 誰が敵で味方か?繰り広げられるスパイ戦

それぞれの思惑が交錯する情報戦。果たして誰が敵で誰が味方なのか!?

発端はWeb漫画発祥の「真実の魔法少女」らしいです。
そもそもあまりWeb漫画自体を読まないので知らなかったのですが、これのリメイクだとかなんとか。
Working! もそうでしたが、スクエニはそっちから引っ張ってくるのが割りとありますね。

どうやら、今ならオンラインで全部読めるようです。まだコミックになってないところまで載ってます。
2巻までは購入して読んだのですが、ううむ、続きを読むべきか否か。。。

真実の魔法少女 オンラインはこちら

おおまかなストーリーは別の世界からやってきた使者によって主人公は魔法少女の補佐役としての役割を与えられ、主人公の周りの女の子が魔法少女として戦闘に巻き込まれるので、あくまでその戦闘のサポートをしろというものになるのですが、、、

正直、それ自体はあまり意味は無く、その関係を巡っての情報戦、おいてはスパイ戦が本筋となります。
というのも、主人公とその魔法少女達はお互い現実世界で多少の交友関係があるにも関わらず、お互いが魔法少女であること、その補佐であることは明かしていません。
※但し主人公は魔法少女のことは一方的に知っている。
それに加えて、敵は魔法少女が誰なのか、その補佐は誰なのかということを知りません。
そこれ、敵は誰が魔法少女なのかを探るために密偵を送り込んで情報戦になるわけです。
更に、敵の情報魔法として反則レベルなのが、相手の世界にいる人物に完全に成りすますことが可能であること。
つまり昨日会った友人が今日は敵のスパイだったということもありえるわけです。スナッチャーかよ。

そういった条件を絡めての情報戦だったり、情報戦にも関わらず対象の好感度を上げて恋愛フラグを立たせたり、有名漫画のパロディを多く出してきたりと割と忙しい作品です。

正直なところ、情報戦のところが結構面白くてきっちり描かれているので、パロディは抑えめでいいんじゃないかなと思うのですが。
あと、今読んだ直後で感想を書いているのですが、ぶっちゃけキャラの相関図とかよくわかってないです。
これ一回読んだだけだと厳しいよ。。。


というわけで、こんな明け方に読んでもそれなりに眠気が覚めたのでなかなか面白い作品と言えるでしょう。
まずはオンラインで読んでみてはいかが?だけど最初の1話2話あたりだと、そんなに面白さは感じないかも。


眠気覚め度 ☆☆☆☆ 


春風のスネグラチカ - 帝政ロシア終焉後の物語

「ツン95%のツンデレッ娘物語を描きましょう!」と始まったところ、描きあがったら「禿げたオッサンのツンデレ話になってしまった」 (作者のあとがきより)

読み終えたらなるほどその通りだと納得の出来栄え。
カッコいいジジイやオッサンが活躍する作品が好きな方にはオススメできます。
「無限の住人」「ハルシオン・ランチ」 「波よ聞いてくれ」 の沙村広明の短編です。1巻完結となります。 

時代は帝政ロシア終焉直後、ツン95%の予定だった車椅子のビエールカとその車椅子を押しつき従うシシェノークの物語です。
沙村広明の作品は人が死にまくりのシリアス展開かボケまくりのものすごいギャグ漫画に大別されますが、この作品は前者となります。 
拷問あり、陵辱あり、スパイあり、女装あり、侵入ありとなります。まさに時代に適したサスペンス。

まあなんにせよ、冒頭に書いた通り禿げたオッサンが活躍します。必見。

そして帝政ロシアといえばやはりこの人、グレゴリーラスプーチン。物語に大いに絡んでいきます。
この時代、名前が有名な人は多いですが、一般的にはあまり有名じゃない時代なのかと思います。
かくいう自分もそうでしたし、作者もこの作品を書くにあたって相当この時代の歴史を調べたとか。
とはいえ、共産主義や帝政ロシア等の背景を知らなくても素直に楽しめますので、万人にオススメできるかと。
こういったのが苦手な方にはあれかもしれませんが。


眠気覚め度 ☆☆☆


累 6巻 - そして醜悪な己に再度遭遇する

「生きる最期のその瞬間まで光の中で美しく在りたい!!!」

 「累」 6巻を寝る前に読んで、素直に、純粋に、この作品は凄いと。そう感じました。眠気も覚めるってもんです。

主人公の淵累(ふち・かさね)は、類まれなる演技、役者という才能と、極めて醜悪な容姿を持ち合わせている。
その容姿のために、周囲から蔑まされるだけでなく、本人もより排他的に、自虐で悲観で卑屈な人生を過ごす。
しかし、とある魔法の様な1本の口紅が彼女を変えた。その口紅を塗って口付けすると、その相手との容姿を完全に入れ変えることが可能となったのだ。

紆余曲折あり、かさねは容姿端麗な丹沢ニナの容姿を手に入れ、丹沢ニナとして役者の道を進んでいく。
丹沢ニナとして成りきり日々の生活を送るかさね。そこにはもう醜悪な頃の排他的で自虐的な思考は無かった。

そして、この「累」6巻では再び自らの容姿の醜悪さに直面することとなる。。。


この巻はその過程自体ももちろん面白いのですが、何よりも次巻へ続くことになる最終ページがゾクりとしました。
もうそれで全て持っていかれた感じ。ああいうシーンは大好き、たまらん。
これ以上はネタバレになるので書けません。必見です。


眠気覚め度 ☆☆☆☆☆


累 7巻の感想はこちらから (累 7巻 - 姉妹の騙し合いが始まる)


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