「私だけが何も知らない莫迦だった!!」 

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8巻で累の口紅を破壊した野菊、"咲朱"としての生命を終えるためのカーテンコール、その必読の展開から始まる「累」9巻です。これまでの累と野菊のやり取りに一旦終止符が打たれることとなります。

いやあ、この展開はまあ予想出来る範疇ではあるんですが、やはりすごいのはとことんまで貫く累の傲慢さですね。生きる為に、自分の存在意義の為には人の顔を奪い続けるという業を背負う宿命にあり、かつそれを受け入れて他人を貶めることも厭わないその姿勢、主人公ながらにまさしくラスボスの雰囲気をかもし出してますなあ。

その傲慢さをひた隠し、表では大女優として羽ばたこうとしてるのはまた、晴れやかな人の裏側はこんなにもドロドロしているのだというのを的確に表しているというか、この人間臭さが本当にたまらない。こういう強烈な個性を放つキャラがいると漫画というのはグググッっと面白くなりますね。

さてさて、「累」9巻の後半は累の実の親である "いざな" と、野菊の実の親である "淵 透世" の物語となります。いわゆる過去編ですね。 


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異母姉妹である "累" と "野菊"、その母親たちである "いざな" と "淵 透世" 。透世はいざなの顔になるための生涯であったのか、そして野菊もまた累の顔になるための運命となるのか。この因縁がゾクゾクしてたまりません。

とはいえ、まあある程度はわかっていた過去ということなので、盛り上がりはちょっと控えめかな。正直透世がお人好し過ぎて虫酸が走るほどだったのですが、強いてあげるならそれくらいとも。ただ、ラストの2ページは再びゾクゾクw この対比は本当にゾクッとする。


というわけで、8巻の展開が気になるなら必読の「累」9巻でした。
早いところいざな編が終わってまた累の話に戻るのを期待します。


8巻の感想はこちら (累 8巻 - マクベスと己の罪)

眠気覚め度 ☆☆☆☆